近鉄特急の看板観光特急たる存在である「しまかぜ」。伊勢方面へのアクセスに特化して作られた観光列車で、デビューから8年経った現在でも満席が続く人気列車です。
贅を尽くした車内は快適そのものであり、「伊勢へ行くために、しまかぜに乗る」ではなく、「しまかぜに乗るために、伊勢へ行く」人も多い。
近鉄の豪華観光特急「しまかぜ」に乗ってきたのでその様子を徹底的にレビューします。近鉄の豪華観光列車で、快適な伊勢の旅に行ってみてはいかがでしょうか。
近鉄「しまかぜ」の座席を徹底的に紹介!
まずは近鉄特急「しまかぜ」の車内の様子を徹底的に紹介していきます。
最も多い「プレミアムシート」の座席を徹底解説!
最も多いのが「プレミアムシート」です。6両編成の「しまかぜ」のうち、4両がこの「プレミアムシート」となっています。
プレミアムシートはリクライニング式の座席です。2+1の横3列の配列です。近鉄は標準軌(=新幹線と同じ幅の線路)を採用しており、比較的列車の幅が広い。にもかかわらず、「しまかぜ」や名阪特急「ひのとり」のプレミアムシートは2+1の座席配列です。
座席は白の革張りでかなり豪華。横幅はかなり広く、快適です。
1人掛けの座席です。賢島行き(午前)の列車では進行方向右側が、賢島発の便(午後)の列車では進行方向左側が1人掛けの座席になっています。
僕は始発の賢島から乗車したので後ろに人がいないうちにリクライニングを最大限まで倒してみました。
座席内側には操作パネルがあります。このパネルで座席周りの設備の操作が可能です。
全席にコンセントが設置されています。座席を回転しても利用しやすいよう、肘掛けの下にコンセントがあります。
続いてはテーブルです。特急「しまかぜ」は観光列車であり、走行時間も2時間程度〜と長いため、食事をとることも想定したテーブルが設置されています。
座席背面のテーブルを広げた様子です。木目調で美しいテーブルです。
肘掛けから出てくるタイプのテーブルもあります。飲み物を置くくらいなら折りたたんだまま使うことができます。
広げるとさらに大きなテーブルになります。普通の特急列車だったらこのテーブル1つだけで事足りそう。
テーブルを完全に広げた様子です。座席背面のテーブルと座席の肘掛けから出てくるテーブルで、かなりのスペースが確保できます。
読書灯も完備されています。読書灯のオン・オフはリクライニングを操作するパネルで操作できます。
また、カーテンも電動で動きます。電動で操作すると、手動で操作するときより安全性の都合から遅くなる。この観光特急「しまかぜ」は、そんな実用性より豪華さを求めているのでいいのでしょう。
車内の案内です。車内の案内には、座席の使い方などが丁寧に書かれています。
個室は超絶人気・1室しかない「和風個室」
観光特急「しまかぜ」には個室の設定があります。「和風個室」と「洋風個室」の2種類があります。ともに1室づつしかなく、きっぷはかなりの争奪戦になります。特に、靴を脱いで上がるタイプの和風個室は人気です。
特急「しまかぜ」の和風個室は4人定員です。靴を脱いで上がるようになっていて、ここに椅子が設置されています。
リクライニングのボタンが設置されています。簡単ではありますが、リクライニングもします。
個室にはタブレットが設置されています。このタブレットによって、レストランの品を注文することができます(これは個室だけのサービスです)。
電源コンセントももちろん、装備されています。この電源コンセントは人数分はなく、2口しかないので注意が必要です。
また、大型のモニターが設置されています。モニターはカフェ車両に設置されているものとほぼ同様の中身で、前面展望や走行位置などを表示することができます。
靴を脱いで上がることになりますが、おそらく耐火性など鉄道特有の法律の問題で、畳ではなくカーペットです。
こちらも超絶人気「洋風個室」は巨大なソファ
もう一つの個室が「洋風個室」です。洋風個室は巨大なソファが設置されています。
窓側を向く形で、4人定員のソファが設置されています。なんか、頑張れば6人くらい入れそう笑
和風個室と同様、モニターが設置されています。このモニターで前面展望などを見ることもできます。
ほぼ個室で楽しむことができるサロン席は6人定員
さらに、個室とは別でサロン席が3室、用意されています。
サロン席のメリットは、なんといっても大人数のグループで楽しめること。2人であればプレミアムシートを利用すれば良い、という前提で、6人定員の大人数グループ向けの座席として用意されています。
かなり背丈のあるソファになっています。横に3人、座ることができます。
中央には大型のテーブルが用意されています。食事などを広げてみんなでいただくことができます。個室とは違い、タブレット端末などはありません。カウンターへ行って注文することになります。
近鉄特急「しまかぜ」の予約方法 人気なので早めに予約を!料金も解説
次に、近鉄特急「しまかぜ」の予約方法などを解説していきます。
詳しい料金などは公式サイトに書かれています。また、特急しまかぜの時刻表についても書かれているので、併せてご覧ください。
また、同区間を走る特急「伊勢志摩ライナー」との徹底的な比較もしています。合わせてご覧ください。
特急しまかぜの料金表 長距離の観光特急としてかなり破格
特急しまかぜには、
乗車券+特急券+しまかぜ特別車両券
が必要です。乗車券部分は、後ほど解説する通りICカードや株主優待、週末フリーパスなどを利用することができます。
主要区間のプレミアム席の総額は、以下の通りです。
主要区間 | 合計料金 | 運賃 | 特急券・しまかぜ特別車両券 |
---|---|---|---|
大阪難波・大阪上本町・鶴橋〜賢島 | 5,040円 | 2,350円 | 2,690円 |
大阪難波・大阪上本町・鶴橋〜鳥羽 | 4,770円 | 2,080円 | 2,690円 |
大阪難波・大阪上本町・鶴橋〜伊勢市・宇治山田 | 4,010円 | 1,830円 | 2,180円 |
京都〜賢島 | 5,680円 | 2,590円 | 3,090円 |
京都〜鳥羽 | 5,010円 | 2,320円 | 2,690円 |
京都〜伊勢市・宇治山田 | 4,740円 | 2,050円 | 2,690円 |
名古屋〜賢島 | 4,700円 | 2,010円 | 2,690円 |
名古屋〜鳥羽 | 3,930円 | 1,750円 | 2,180円 |
名古屋〜伊勢市・宇治山田 | 3,650円 | 1,470円 | 2,180円 |
個室料金(1室あたり) (乗車区間の距離によらない) | – | – | 1,050円 |
観光列車としてはかなり破格の設定です。私鉄特急で最長距離となる京都〜賢島間を乗り通しても、合計無割引で5,680円です。
背景には、伊勢志摩エリアには近鉄関連の施設が数多くあるため、それらからの副収入を含めた収支で考えて設計されたんだとか。また、近鉄の看板特急として、これ以外の特急にも乗ってもらう(例えば、往路だけは「伊勢志摩ライナー」で復路で「しまかぜ」など)ことを踏まえて企画・製造されたため、この「しまかぜ」単体では赤字であることは最初からわかって作られたらしいのです。
なお、特急「伊勢志摩ライナー」との比較は別の記事で書いていますので、気になる方はご覧ください。
特急「しまかぜ」の時刻表と停車駅
特急しまかぜは観光特急であることもあり、通常の近鉄特急とは停車駅が異なります。
大阪難波発着列車
大阪難波発着の列車は、朝10時40分に大阪難波駅を出発し、13:03に賢島に着く便が下り便、上り便は16:00に賢島を出発して、大阪難波には18:23に到着します。日帰りで往復「しまかぜ」を利用するとしても、伊勢市・宇治山田の滞在時間は5時間半を超えるダイヤです。
停車駅 | 平日 | 土・休日 |
---|---|---|
大阪難波発 | 10:40 | 10:40 |
大阪上本町発 | 10:43 | 10:43 |
鶴橋発 | 10:46 | 10:46 |
大和八木発 | 11:11 | 11:11 |
伊勢市着 | 12:16 | 12:16 |
宇治山田着 | 12:19 | 12:19 |
鳥羽着 | 12:31 | 12:31 |
鵜方 着 | 12:57 | 12:57 |
賢島着 | 13:03 | 13:03 |
停車駅 | 平日 | 土・休日 |
---|---|---|
賢島発 | 16:00 | 16:00 |
鵜方発 | 16:05 | 16:05 |
鳥羽発 | 16:30 | 16:30 |
宇治山田発 | 16:41 | 16:41 |
伊勢市発 | 16:43 | 16:43 |
大和八木着 | 17:49 | 17:50 |
鶴橋着 | 18:16 | 18:15 |
大阪上本町着 | 18:19 | 18:18 |
大阪難波着 | 18:23 | 18:21 |
京都発着列車
京都発着列車です。京都駅では、西日本方面の新幹線から連絡する役割を踏まえたダイヤ設定です。定期列車であれば、のぞみ98号(広島7:57/岡山8:36→京都9:38)などから乗り継ぎが可能です。なお、近鉄の改札口は新幹線の改札口の目の前です。
停車駅 | 平日 | 土・休日 |
---|---|---|
京都発 | 10:00 | 10:00 |
近鉄丹波橋発 | 10:07 | 10:07 |
大和西大寺発 | 10:32 | 10:32 |
大和八木発 | 10:54 | 10:55 |
伊勢市着 | 12:01 | 12:01 |
宇治山田着 | 12:03 | 12:03 |
鳥羽着 | 12:14 | 12:14 |
鵜方着 | 12:41 | 12:41 |
賢島着 | 12:47 | 12:47 |
停車駅 | 平日 | 土・休日 |
---|---|---|
賢島発 | 14:50 | 14:50 |
鵜方発 | 14:55 | 14:55 |
鳥羽発 | 15:20 | 15:20 |
宇治山田発 | 15:32 | 15:32 |
伊勢市発 | 15:34 | 15:34 |
大和八木着 | 16:39 | 16:39 |
大和西大寺着 | 16:59 | 16:59 |
近鉄丹波橋着 | 17:28 | 17:22 |
京都着 | 17:35 | 17:32 |
名古屋発着列車
名古屋発着列車は名古屋圏からのお客さんに加え、新幹線で来た首都圏からのお客さんをも考慮したダイヤになっています。
定期のぞみ号であれば、のぞみ15号(東京8:09/品川8:16/新横浜8:29→名古屋9:45)などから、定期ひかり号であれば、ひかり503号(東京9:03/静岡9:02/浜松9:31→名古屋10:01)などから乗り継ぐことができます。
停車駅 | 平日 | 土・休日 |
---|---|---|
近鉄名古屋発 | 10:25 | 10:25 |
近鉄四日市発 | 10:53 | 10:54 |
伊勢市着 | 11:40 | 11:40 |
宇治山田着 | 11:42 | 11:42 |
鳥羽着 | 11:55 | 11:54 |
鵜方着 | 12:21 | 12:21 |
賢島着 | 12:27 | 12:27 |
停車駅 | 平日 | 土・休日 |
---|---|---|
賢島発 | 15:40 | 15:40 |
鵜方発 | 15:45 | 15:45 |
鳥羽発 | 16:10 | 16:11 |
宇治山田発 | 16:22 | 16:23 |
伊勢市発 | 16:24 | 16:25 |
近鉄四日市着 | 17:12 | 17:14 |
近鉄名古屋着 | 17:44 | 17:44 |
特急「しまかぜ」の予約方法 コツは「ネット予約を利用」!
近鉄はチケットレスサービスを推進しています。特急列車に、スマートフォンによる決済ですぐに乗車することができます。特急「しまかぜ」も同様に、チケットレスサービスが利用できます。
近鉄の特急は個室も含めて全ての列車が、インターネット予約発券サービスで予約することができます。チケットレスサービスでは、クレジットカード決済によりきっぷの受け取りなしで乗車することができます。ただし、チケットレスサービスで予約できるのは特急券だけであり、乗車券等が別途必要です(近鉄では全線で全国共通交通系ICカードが利用できます)。
また、普段から近鉄特急を使う人は、あらかじめ会員登録してから購入するのがオススメです。購入金額の10%がポイントとして還元され、貯めたポイントは特急券に交換できます。
なお、チケットレスサービスでは、10時30分になる前から乗車駅・降車駅、利用人数、設備などの入力が可能です。「発売前です」とエラーが出るところまで予め操作を進めておき、10時30分になった瞬間に決済だけ済ませるのが確実です(特に休日はすぐに売り切れるのでこの技を使うのが賢明だと思います)。
個室は特に人気ですぐに売り切れる
個室は特に人気で、すぐに売り切れるので注意が必要です。
個室は1室づつしかないため、1グループでも予約を取ればそれで終わりです。近鉄特急の予約は、当該特急列車の乗車日1ヶ月前(前月の同日)の午前10時30分から購入できます。1ヶ月前の10時30分ちょうどに特急券売り場に行って購入する、あるいは前述のチケットレスサービスで購入するのがオススメです。
先ほども解説した通り、特に土日などの繁忙期は発売時間前に人数などを入力して、発売時間と同時に決済するのがオススメです。
おすすめの座席は「プレミアムシート」の1号車・6号車
グループ(4人)で利用する場合は、前述の「和風個室」「洋風個室」がオススメです。1人または2人、あるいは5人以上で利用する場合は、1号車・6号車がオススメです。
1号車と6号車は前面展望が楽しめるだけではなく、車両全体がハイデッカーになっています。車両全体が高床式となっているため、観光列車ならではの眺めが楽しめます。近鉄では、戦後早い時期から観光需要を取り込むことを目的として「ビスタカー」を開発してきました。2階建ての列車です。
特急「しまかぜ」では、1号車と6号車、そしてカフェ車両となる4号車または3号車も「ビスタカー」の扱いになっています。名前こそ「しまかぜ」ですが、近鉄では高床式の列車を、車両の扱いの上では全て「ビスタカー」という扱いにしているそうです。
特急「しまかぜ」に安く乗る方法も解説!
特急「しまかぜ」は人気の観光列車のため、割引のきっぷなどはほとんど販売されていません。割引きっぷなしでも売れるからです。
そんな特急「しまかぜ」に安く乗車する方法としては主に次の4つが挙げられます。
- 伊勢志摩方面のお得なきっぷ「まわりゃんせ」を利用する
- 近鉄の株主優待券を金券ショップで購入し、特急券はチケットレスサービスを利用する
- 「近鉄週末フリーパス」を利用する
- 近畿日本ツーリストのツアーを利用する
簡単に解説します。
伊勢志摩方面のお得なきっぷ「まわりゃんせ」は3日間有効のおトクなきっぷです。往復の乗車券と特急券(特急券なしの安いバージョンもある)、伊勢エリアの乗り放題、現地での船やバスの乗り放題や観光地の優待がついたお得なきっぷです。まさに、宿泊を除いて「全て」がついたきっぷです。この「まわりゃんせ」でも、「しまかぜ車両券」を購入することで(すなわち、通常の特急との差額を支払うことで)特急「しまかぜ」に乗車できます。
近鉄の株主優待を使う方法が2つ目に挙げられます。僕は実際に近鉄グループホールディングスの株式を所有していますが、1年間で2回、片道であればどこまででも有効な乗車券が送付されてきます。これを使わない投資家が金券ショップに売るため、これを購入すれば安く利用できます。1,500円〜1,900円程度で販売されていることが多いです。ただし乗車券部分のみのため、別途特急券を購入する必要があります。
近鉄週末パスは、土日を含む3日間有効のフリーきっぷです。4,200円で発売されており、近鉄全線が乗り降り自由です。別途特急券を購入すれば特急を利用できます。今回、僕はこの切符で取材旅行をしていました。
最後に近畿日本ツーリストのツアーの利用です。近鉄系列の旅行会社で、往路または復路「しまかぜ」と宿泊のセットを販売しています。
ただし、2022年11月現在、近畿日本ツーリストのツアーは、名古屋発着・首都圏発着の発売が停止されています。近鉄(鉄道会社本体)から、特急「しまかぜ」を利用したツアーの企画が発表されたため、こちらがメインになっていく可能性があります。
これらの方法を利用することで、少しは安くなることがあります。ぜひ、活用したいところです。
車内にはカフェ車両も 車内設備を徹底的に紹介!
特急「しまかぜ」には、観光列車らしい車内設備も充実しています。最後に、この観光列車ならではの車内設備を紹介します。
「しまかぜ」のカフェ車両で伊勢志摩名物を楽しもう!
特急「しまかぜ」のカフェ車両では、伊勢志摩でとれる魚介類などをはじめとした伊勢志摩の名物が楽しめます。
最新の車内メニューは上記の近鉄公式サイトをご覧ください。
今回は「はまぐりのシーフードピラフ」をいただきました。車内での食事なのにパラパラで美味しい。
また、既に食事をした人向けにスイーツのセットもあります。「スイーツセット」(1,300円)は、スイーツとドリンクがセットになっています。列車によって販売商品が異なり、季節によってメニューは変わります。
僕はブルーベリーのチーズケーキを注文。そして、ドリンクは大好物のコーヒーを注文しました。流れゆく景色を眺めながら食べるスイーツは絶品です。
別の機会に乗車した時に撮影したものです。
シェラトン系列など、有名ホテルの監修によるスイーツを楽しむことができます。
2階の様子です。鳥羽・宇治山田などから乗車するお客さんが多いため、賢島〜鳥羽・宇治山田の間では比較的空いています。
トンネル内に入るとこの雰囲気です。ライトの色がなかなかいい感じです。
1階席はこんな感じ。2階席よりやや豪華な座席が並んでいます。赤を基調としたソファのような座席です。
暗くなってくると少し雰囲気が出てきます。1階席は秘密基地のような雰囲気がなんともいえないいい感じです。
カフェ車両にはモニターがあります。このモニターでは、現在「しまかぜ」が走行している位置や現在のスピード、そして前面展望のカメラを楽しむことができます。
1階席については、モニターに最も近い座席のお客さんが自分で操作することができます。
賢島発便では進行方向左側が、通路になっています。バリアフリーの観点からか、通路は1階建の構造になっており、階段などなしで隣の車両にアクセスすることができます。
カフェ車両は伊勢市〜大和八木・四日市間で混雑するので注意!
カフェ車両は特に、伊勢市から〜大和八木・四日市の最長ノンストップの間で混雑します。この区間では特に、発車して早い時間が混雑するようです。
伊勢市〜大和八木・四日市間は特急「しまかぜ」が走る最長のノンストップ駅間です。この区間を乗り通すことが前提の停車駅になっています。この区間でのお客さんが最も多く、特に乗車して早い時間にカフェ車両に行こうと考えるお客さんが多くいらっしゃいます。この区間では混雑するので注意が必要です。
特急「しまかぜ」では、カフェ車両とは別でワゴンでの車内販売も
特急「しまかぜ」ではカフェ車両に加えて、車内でのワゴン販売もあります。各座席にカートで持ってきてくれます。ただし、お料理などはカフェ車両のカウンターでのみ販売されます(一部商品は、座席に持ち帰り不可)。
ワゴン販売でも、支払いには交通系ICカードが利用できます。ワゴン販売での取扱商品は、主に飲み物とスナック類、そして「しまかぜ」オリジナル商品です。
車内のWi-Fiを使えば全面展望も楽しめる!
特急「しまかぜ」の車内にはWi-Fiが整備されています。車内のWi-Fiを利用することで、前面展望なども楽しめます。
「Shimakaze Wi-Fi」に接続すると、前面展望を楽しむことができます(ただし、この場合インターネット接続はありません)。また、走行速度や走行位置、そして後面展望なども見られます。
Kitetsu Railways Wi-Fiに接続すると、インターネットが利用できます。システムの都合か、インターネット接続用のWi-Fiと、前面カメラ用のWi-Fiは別になっているので、一旦接続を解除する必要があります。
インターネット接続利用時の速度です。列車のWi-Fiは走行位置によって大きく左右されるため、あくまで参考値です。ただ、規格としてはそれなりの速度が出るようです(ネット動画などを見る分には苦労しない程度です)。
それ以外にも観光列車らしい設備が充実
これ以外にも、観光列車らしい設備が充実しています。
1号車と6号車にはロッカーが備え付けられています。伊勢志摩、特に賢島はリゾート地であり、大きな荷物を持って宿泊旅行をするお客さんが多いとの想定からです。もちろん、無料でロッカーを利用することができます。
車内には喫煙ルームが設置されています。近鉄では一部の特急列車を除いて、喫煙ルームが設置されています。
お手洗いも綺麗です。かなり清潔に保たれています。
ウォシュレットも完備されています。近鉄の特急列車には、ウォシュレットが完備されている車両も多くあります。
女性の声を拾って設置されたというパウダールームです。明るくて周りに配慮せず利用することができます。席で鏡を出して…は気が引けますからね。
私鉄最長路線である特急「しまかぜ」賢島〜京都を乗り通してきた!
今回、実際に私鉄最長路線である賢島〜京都の間を乗り通してきました。出発は賢島、午後の便です。
賢島駅から出発
賢島駅です。
京都いきの特急「しまかぜ」が発車する前には、賢島駅には観光特急ばかりです。伊勢志摩ライナーが2編成、それも色が違う伊勢志摩ライナーがいると、賢島駅はカラフルでなかなかいい感じです。
空席状況です。土曜日ともあって、大阪難波行き・名古屋行きの特急「しまかぜ」は満席です。本当にデビューから8年が経っても人気の列車です。
しばらくは撮影タイム。この辺りはサムネイルに使えるかなぁ。
乗車開始は発車の15分前ほどでした。一番に乗り込んで、車内の様子を撮影します。この映像と写真はかなり重要です。
賢島駅を出発
お客さんが少ないうちに車内の様子を一通り撮影。今回の近鉄特急の旅は「取材旅行」としての側面が強いので、肝心の映像などを忘れてはいけません。
発車してしばらくすると、アテンダントさんがおしぼりと記念乗車証を持ってきてくださいます。
鵜方です。志摩スペイン村の最寄駅です。
特急「しまかぜ」は、特に賢島〜鳥羽の間の景色が美しい。この区間はお客さんが少ないので、「しまかぜ」のプレミアムシート越しに写真撮影ができます。
空いているうちにカフェ車両でランチ
お昼ご飯は伊勢うどん1杯と抑えめにしてあったので、特急「しまかぜ」の中でランチをいただきます。
鳥羽・伊勢市を過ぎるとカフェ車両は混雑すると予想できました。そのため早めにカフェ車両へ行くことに。
先ほど、カフェ車両の解説のところでも紹介した「はまぐり 海の幸ピラフ」をいただきます。
ピラフを美味しく食べていると、列車は鳥羽に到着です。鳥羽駅からはかなりお客さんが増えます。
鳥羽を出ると伊勢湾が少しだけ見えます。これがなかなか美しい。近鉄鳥羽線・志摩線はあまり海の景色は見られないのが残念です。
列車は伊勢市から大和八木までノンストップ
列車は伊勢市から大和八木までノンストップで走ります。
伊勢市を出ると次の大和八木までは1時間以上走ります。途中の伊勢中川駅では、進行方向の右側に、中川短絡線を通過していく特急「ひのとり」が見られます。順光でとても美しい。僕は左側の席に座っていたので撮れなかった(泣)
伊勢中川系を超えて大阪線に入ると、長大トンネルも数多くあります。この区間ではのんびりした時間が流れています。
名張駅付近です。この辺りは、秋になると稲穂が美しい。
2回目のカフェ車両 列車は八木短絡線を通り橿原線・京都線へ
大和八木駅に到着する15分前くらいに、カフェ車両へと行くことにしました。
先ほど、2階席を楽しみました。2階席へ行きたい気分も山々でしたが、ここは取材のために1階席をチョイス。1階席の映像や写真も欲しい。
今回はスイーツセットを注文します。
ブルーベリーのチーズケーキです。チーズの甘さとブルーベリーの甘酸っぱさが、なかなかマッチしていてよかった。
だんだんと車窓は暗くなってきました。秋なので、日の入りの時刻がだいぶ早くなっています。
保線用の車両が止まっています。今までに1回だけ、ここの短絡線を通過したことがあります。京都から名古屋に帰る時、乗った列車が賢島行きの特急でした。
列車は短絡線を通って橿原線へ合流します。ここからはまた、速度を出して特急列車らしい走りを見せてくれます。
橿原線・京都線を通り京都へ
橿原線に入ると、あとは一直線に京都を目指します。
車内は一気に静かになりました。大和八木でお客さんが大勢下車されたようでした。
特急しまかぜから見られる夕焼けです。美しい。でも、旅が終わってしまう感がとても儚い。
辺りはすっかり暗くなり、列車はまもなく終点の京都駅に到着します。
京都駅までの私鉄際超特急の旅、なかなか楽しむことができました。皆さんもぜひ一度、観光特急「しまかぜ」で伊勢志摩へと足を運んでみてはいかがでしょうか。
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