日本各地の空港に就航するシンガポール航空。シンガポール・チャンギ国際空港を拠点とする、世界的にもかなり評価の高い航空会社です。本記事では、実際にシンガポール航空のA350-900のビジネスクラスに搭乗してきた経験から、
- シンガポール航空の日本路線におけるビジネスクラスの座席
- シンガポール航空のビジネスクラスのサービス
- シンガポール航空ビジネスクラスの乗客が空港で利用できるラウンジサービス
などについて詳しく紹介します。シンガポール航空のサービスは評価が高いですが、その中でも特にビジネスクラスはとても良い。そんなシンガポール航空(SQ)のビジネスクラスを徹底的に紹介します。
シンガポール航空のビジネスクラスについては、実際に搭乗した際の様子を動画として撮影し、Vlogを公開しています。あわせてご覧ください。
シンガポール航空[SQ]のビジネスクラスを徹底紹介!
シンガポール航空はスカイトラックスによる最高評価の「The World’s 5 Star Airlines」や「World Airline Awards」1位を何度も獲得している、いわば「世界最高の航空会社」です。特にビジネスクラスの評価は高い。
今回利用したのはA350-900の中距離仕様機材です。A350-900の一部とB787-10のビジネスクラスで、2024年現在以下の日本路線でも使用されています。
- シンガポール〜東京・羽田の1日2便(全3便中)
- シンガポール〜東京・成田の1日1便(全2便中)
- シンガポール〜大阪・関西の全便(1日3往復)
- シンガポール〜名古屋・中部の全便(1日1往復)
- シンガポール〜福岡の全便(1日1往復)
詳細なダイヤについては、この記事の最後「シンガポール航空の日本路線について」において言及しています。シンガポール航空の日本路線については末尾をご覧ください。
ブラウンを基調とした落ち着いたデザインの座席
今回、実際にシンガポール航空のビジネスクラスを利用してきたのでその様子を紹介します。今回の写真はVlogでも紹介しているインド・バンガロール→シンガポール・チャンギ路線で利用した際に撮影したものです。
座席はブラウンを基調としており、高級感があります。「明るいのに、なんだか落ち着きがある」という印象を受けました。
横幅もかなり広く、「リージョナル・ビジネスクラス」でも、欧米人が快適に利用することができるような広さが確保されています。
リージョナル・ビジネスクラスではリクライニングを倒していけばそのまま、フルフラットになるタイプの座席が採用されています。
全席通路アクセスの快適な座席
ビジネスクラスの座席は全席通路アクセスの座席です。隣の人を気にすることなく、通路から入ったり出たりすることができます。また、オットマンにも十分な幅があり、シートを倒していなくても余裕で足を伸ばせます。
左右違い違いに配置されたシートでは、特に中央座席で内側と外側を交互に配置しています。ペアで旅行する場合、隣同士の座席を予約することで比較的近くなります。
座席の枕横の部分にはかなり大きなパーテーションがあります。これがかなり良くて、プライベート感が出ます。座席に座った状態でパーテーションの先を見てもこの写真の通り、横から顔が見えません。
1人で旅行する場合、窓側座席でありかつ、コンソール(サイドテーブル)が通路側に来る座席が最も、個室感があっておすすめです。
- A350-900では、12列目、15列目、17列目、20列目の窓側座席
- B787-10では、12列目、15列目、17列目、19列目の窓側座席
がおすすめです。扉こそないものの、かなり個室に近いビジネスクラスになっており、寝る時も快適です。
フルフラットシートで快適な睡眠を
今回紹介しているA350-900のビジネスクラスは「リージョナル・ビジネスクラス」という位置付けであるもののフルフラットになる座席です。
座席をフルフラットにすると完全にベッド。毛布や枕も柔らかな触り心地で快適で、ぐっすり眠ることができました。
左右にある肘掛けが降ろせるような構造になっています。ベッドにした際、少しでも横幅が確保できるように工夫されています。
窓側の座席を確保することができるとこの通り、プライベート感がとてもあります。ベッドにした時の長さは76インチ(約193cm)あるため、標準的な日本人であれば足を思い切り伸ばして寝ることができます。
ベッドで横になった状態の視線。先ほども紹介した横のパーテーションが降下的で、周りからの視線が気になりません。
サイドテーブルが便利 小物入れも充実
フルフラットベッドにするため、ビジネスクラスの座席は左右互い違いに配置されています。座席がない側にはサイドテーブルとコンソールがあります。
サイドテーブルは飲み物などをおくことができるほか、パソコン等をおいてもまだまだ余裕がある広さです。
ビジネスクラスはさすが、電源もかなり豊富に設置されています。USB-Aポートが2ポートと、ユニバーサルタイプ(日本のコンセントもそのまま使えるタイプ)のコンセントが1ポート、用意されています。
ビジネスクラスでは搭乗の際に、ビジネスクラス専用のノイズキャンセリング型のヘッドホン・ミネラルウォーター・機内食のメニューが置いてあります。これらを入れておくにもちょうど良いのがこの小物入れ。
ちなみに、クレジットカードのコンタクトレスの読み取り機(少なくともロゴはそのはず?)が設置されていました。何に使うかは正直、不明です。
広々としたテーブルと読書灯などでビジネス環境も完璧
各座席には広々としたテーブルが完備されています。機内食のサーブに使われることはもちろん、ちょっとした作業をする際にも便利です。
折りたたみ式のテーブルになっています。飲み物とおつまみを置くくらいなら、折り畳んだままでも使用できるようになっています。
テーブルを広げた様子です。テーブルを広げるとかなり大きさがあります。A3の紙を2枚くらいなら、余裕で置くことができます。
また、横のパーテーションにあたる部分には読書灯が設置されています。読書灯は3種類あり、テーブルの方を照らすか、常夜灯として使用するかなど、自分の好みによって使い分けることができます。
18インチのシートモニターでは日本映画も楽しめる
各座席にはシートモニターが完備されています。18インチのHD画質のタッチパネルが設置されています。
シンガポール航空は日本発着の路線もかなり多いことから、日本の映画も豊富です。もちろん、フライトマップなども見ることができます。
リモコンはタッチパネル式のものになっているため、リモコンでも操作しやすい。シンガポール航空のマイレージ会員(クリスフライヤー会員)になると、過去の履歴に基づくおすすめも表示されるそうです。
シンガポール航空はサービスも一流
ここまでシンガポール航空のビジネスクラス座席を紹介してきました。シンガポール航空はサービスも一流です。
ビジネスクラスはWi-Fiが無料で利用可能
シンガポール航空のビジネスクラス利用者は、Wi-Fiが無料で利用できます。ビジネスクラス利用者のWi-Fi無料特典はまさかの無制限です。これはありがたい。
なおビジネスクラス利用者は座席番号・氏名でログインできます。バウチャーコードなどが配布される形式ではありません(ANAもこのタイプにして欲しい)。
Wi-Fiの接続方法のリーフレットが、各座席の足元にあるホルダーに入れられています。このマニュアルを見れば接続できます。
ただし、インド上空などでは衛星認可の都合上、利用できません。僕はインド便を利用したので、これはちょっと悲しかった。
休みたい時のためにブランケットや枕も完備
シンガポール航空のビジネスクラスでは、短距離路線であっても休みたい時のためにブランケットなどが用意されています。
枕はかなりフカフカの枕。表面の触り心地もいい。しっかりした枕があるだけで、かなり快適に寝ることができます。
さらに各座席にはブランケットも用意されています。外資系では大体そうですが、機内がやや寒かったり。このブランケットは薄そうに見えてかなり暖かい。
シンガポール航空では長距離路線において、マットレスやシーツもしっかり用意したフルフラットベッドを用意しています。中距離路線で使用されるA350-900やB787-10においては、シーツなどの用意はありません。
お手洗いも清潔に保たれていた
お手洗いもビジネスクラス専用のお手洗いが用意されています。ビジネスクラス専用のお手洗いには、アメニティが豊富に用意されているなど、少し違いがあります。
お手洗いは清潔です。そこまで広いわけではありませんが、おむつ交換台なども用意されており、狭さは感じません。
ビジネスクラスのお手洗いには、オイルなどの簡単なケア用品も用意されています。長距離路線ではこういったアメニティはありがたい。
シャンパンや機内食も充実
ビジネスクラスですから、シャンパンなどの機内食も豊富に用意されています。僕はビジネスクラスを利用した際はシャンパンをいただきます。
足のないタイプのグラスで提供されるのは珍しい。シンガポール航空ビジネスクラスのシャンパン「NV Piper-Heidsieck Essentiel Extra Brut, Champagne, France」は口当たりもよく、おいしかった。
機内食ももちろん美味しい。インド発のフライトであるにも関わらず新鮮なサーモンが提供されました。
シンガポール航空のビジネスクラスを利用するならラウンジも利用可能
最後にシンガポール航空ビジネスクラスにおいて、機内ではなく地上で受けられるサービスについて解説します。
シンガポール・チャンギ国際空港のシルバークリス・ラウンジが最強
シンガポールのチャンギ国際空港では「シルバークリス・ラウンジ」が利用できます。シンガポール・チャンギ国際空港ではビジネスクラス利用者とフリクエントリーフライヤー(航空会社の上級会員)のラウンジが分けられており、ビジネスクラス用のラウンジはかなり豪華です。
チャンギ国際空港において時間に余裕があるのであれば、第3ターミナルのシルバークリスラウンジを利用するのがおすすめです。
第3ターミナルはほとんどシンガポール航空しか使用していないターミナルです。また、シンガポール航空では長距離路線を優先的に第3ターミナルから発着させているため、ビジネスクラスラウンジが特段、豪華です。
チャンギ国際空港のシルバークリスラウンジについては、別途記事を作成しようと考えています。しばらくお待ちください。
日本の空港ではANAラウンジが利用可能
日本の空港からシンガポール航空のビジネスクラスを利用する場合、主にANAラウンジが利用できます。関西国際空港では例外的にJALのサクララウンジが利用できるようです。
シンガポール航空はスターアライアンス(航空連合)加盟航空会社です。日本ではANAが同じスターアライアンスに加盟しており、現在、ジョイントベンチャーも行っています。ラウンジの共通利用なども進んでいます。
また、海外発の場合はユナイテッド航空のラウンジなど、他のスターアライアンス加盟航空会社のラウンジが利用できます。ただ僕の経験から、シンガポール航空のラウンジが最も豪華です。
優先ゲートも活用しよう
ビジネスクラスを利用する場合、出国審査や手荷物検査でも優先ゲートを利用することができます。ビジネスクラス専用の優先レーンがある場合、積極的に活用すると良いでしょう。
僕の経験では、インドがとても強い。インドはそもそも「人間が多い」ので、手荷物検査がありえないほど混雑します。その上、インドという国柄、手荷物検査はかなり厳しくやっています(僕の経験では、DJI Pocket2のカメラを、カバンから出して単独トレーに直接載せたにも関わらず要検査レーンに回されました)。これらの国で優先レーンを使うことができるのはかなりでかい。
シンガポール航空の日本路線について
シンガポール航空は日本路線をかなり多く運航しています。2024年8月現在、以下のダイヤでシンガポールから日本各地へ就航しています。
便名 | 機材 | 出発 | 到着 |
---|---|---|---|
SQ631 | B777-300ER | 東京・羽田9:15 | シンガポール15:15 |
SQ632 | A350-900 | シンガポール8:00 | 東京・羽田15:55 |
SQ633 | A350-900 | 東京・羽田17:05 | シンガポール23:05 |
SQ634 | A350-900 | シンガポール13:55 | 東京・羽田21:50 |
SQ635 | A350-900 | 東京・羽田22:55 | シンガポール4:55 |
SQ636 | B777-300ER | シンガポール22:50 | 東京・羽田6:45 |
SQ11 | B777-300ER | 東京・成田19:00 経由:ロサンゼルスから | シンガポール1:15 |
SQ12 | B777-300ER | シンガポール9:25 | 東京・成田17:30 経由:ロサンゼルスへ |
SQ637 | B787-10 | 東京・成田11:10 | シンガポール17:20 |
SQ638 | B787-10 | シンガポール23:55 | 東京・成田8:00 |
SQ618 | B787-10 | シンガポール1:25 | 大阪・関西8:50 |
SQ619 | B787-10 | 大阪・関西10:55 | シンガポール16:40 |
SQ620 | B787-10 | シンガポール8:30 | 大阪・関西16:10 |
SQ621 | B787-10 | 大阪・関西17:25 | シンガポール23:05 |
SQ622 | B787-10 | シンガポール13:55 | 大阪・関西21:35 |
SQ623 | B787-10 | 大阪・関西23:25 | シンガポール04:40 |
SQ671 | B787-10 | 名古屋・中部10:25 | シンガポール16:00 |
SQ672 | B787-10 | シンガポール1:20 | 名古屋・中部9:00 |
SQ655 | B787-10 | 福岡9:55 | シンガポール15:00 |
SQ656 | B787-10 | シンガポール1:20 | 福岡8:20 |
このうち、赤太字で示した機材(B787-10とA350-900の一部)が今回紹介している「中距離向け」機材で運航されるフライトです。本記事で紹介したビジネスクラスが使用されています。
東京・羽田空港とシンガポール・チャンギ国際空港を結ぶ路線の1往復と、シンガポール・チャンギ国際空港から東京・成田空港を経由してロサンゼルスへ向かう路線がB777-300ERで運航されています。また、東京・成田〜シンガポール・チャンギ路線は、一部のフライトがA380-800へと機材変更される時期もあります。
これらの場合以外、つまり、東京発着の一部のフライト以外は、今回紹介したタイプのビジネスクラスで運航されます。
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