日本の空の玄関口・成田空港。羽田空港の国際線が増加した現在でも多数のフライトが発着し、その重要性は高い。
国際線が多数発着する成田空港では、早朝発のフライトや深夜着のフライトも多数あります。そんな成田空港で仮眠するのに最適な施設が「nine hours」というカプセルホテル。仮眠だけではなく、出発前にシャワーを浴びるために利用できます。また、プライオリティ・パスでも利用できます。そんなnine hoursについて、
- 実際に利用してみると、どんな感じ?シャワーやベッドの様子は?
- 値段はどれくらい?お得に利用する方法は?
- ターミナルから直結しているの?アクセスは?
などといった疑問にお答えします。以前に成田空港へのアクセスについての記事を作成しましたが、成田空港での仮眠施設についても解説。また、成田空港のラウンジについても解説する予定ですので、成田空港をより便利に利用していただけるでしょう。
成田空港の仮眠ホテル・シャワーを利用してみた
本記事で紹介するnine hoursは、成田国際空港の敷地内で唯一の宿泊施設です。成田空港からシャトルバスなどの利用なしでアクセスできる唯一のホテルで、ちょっとした仮眠なんかにおすすめです。
チェックインでバッグを受け取り館内へ
本記事でご紹介するnine hoursは、成田空港の第2ターミナルから直結しています(アクセスなどについては後ほど紹介します)。
まず初めに受付でチェックインします。受付ではロッカーキーが渡されます。ロッカーキーの番号は、カプセル番号と連動しており、渡されたロッカーキーのカプセルに入ればOK。
受付ではアメニティバッグが渡されます。受付で渡されるアメニティバッグには、バスタオル・フェイスタオル・バスマット用タオル・館内着(パジャマ)・歯ブラシ・スリッパが入っています。
チェックインを終えると、男女別々の入り口があります。チェックイン後、左右に別れる形になっています。家族で利用する場合などでも、異性同士は別れることになるので注意。
国内線の持ち込み手荷物はロッカーに収納
チェックインを終え入り口を入るとすぐに、ロッカールームへと入ります。機内持ち込みができるサイズのスーツケースなどはここで保管することになります。ロッカーのサイズは、幅36cm・奥行57cm、高さが上段84cm・下段90cmとなっています。公式サイトでは「ロッカーに入りきらない大きなお荷物は空港内の手荷物一時預かり所をご利用ください」となっています。
ロッカールームのロッカーは鍵付きです。スリーピングポッド(ベッドエリア)の各ベッドには鍵つきのロッカーなどがないため、貴重品はこちらのロッカーに保管しておくのが良いでしょう。
スリーピングポッドで仮眠
仮眠スペースとなるスリーピングポッドの様子です。カプセルユニットは男性用71室、女性用58室の合計129室が設置されています。
スリーピングポットは上段と下段の2つ。上段にはハシゴのようなもので登るため、不安なら受付で「下段で」とお願いしてみるのもいいかも。僕は上段でしたが、少し出にくかった。頻繁に出入りするわけではないのでそこまで問題はありませんでしたが。
9hのスタンダードカプセルの様子です。写真で見て想像していたよりかなり広く、閉塞感がありません。内部にはコンセント・ライトの強さのコントローラー・マットレス、枕、羽毛布団などの寝具が備え付けられています。カプセルの内部は、奥行きが215cm、幅105cm、高さ102cmと十分な広さがあります。高さが100cm以上あるため、カプセル内で座るのも余裕です。
ライトのすぐ下にライトのコントローラーやコンセントなど、必要な機器類が一通り設置されています。BGMスイッチをひねると、ヒーリングミュージックが流れますが、僕は使いませんでした。
各入り口にはロールカーテンがあるだけで遮音性は全くない。僕が仮眠した際は隣のカプセルの人がかなりの音量でいびきをかいていました。
また、成田空港という立地上、早朝や深夜にも人の出入りがあります。特に早朝便のチェックイン開始時間帯となる早朝4時や5時には、外がざわざわし始めるので、注意。僕のように音に敏感な人は耳栓が必須です。
シャワールームでさっぱり
僕は今回、ニューヨークへのフライト前にこのnine hoursを利用しました。長距離フライトの直前にとてもありがたいのがシャワー。仮眠・宿泊ともに、シャワーの利用料金が含まれています。
シャワールームはシャワールームは男性用7室、女性用9室の合計16室を備えています。ラウンジのシャワールームのように混雑することもないので、快適に利用することができます。
ここnine hoursのシャワールームでは、シャンプー、コンディショナー、ボディーソープには老舗玉の肌石鹸の「TAMANOHADA」ブランドが採用されています。海外のシャンプーや水で髪の毛が荒れた後にはとてもいい。
また、シャワールームの手前にはお手洗いとパウダールームがあります。もちろん、ドライヤーなどは備え付けられていますし、起きた後の洗顔や身だしなみを整えるのに利用することができます。
宿泊・仮眠やシャワーの利用が便利でおトク
本記事でご紹介しているnine hours以外にも、成田空港の出国審査後のエリアには仮眠室やシャワーなどがあります。しかし、今回紹介しているnine hoursの方が圧倒的に便利でお得です。
カプセルホテルなのでお得な値段で利用可能
本記事で紹介しているnine hoursはカプセルホテルです。通常のホテルより狭いですが、もちろんその分値段もお得です。
- 宿泊利用:約4,000円(1泊1名、素泊まり)
- デイユース: 1,500円/最初の1時間(以降1時間毎500円で延長可能)
- シャワー利用: 1,000円/1時間以内
成田空港周辺のビジネスホテルに宿泊しようとすると、東横インなどでも1泊6,000円ほどします。移動の手間などを考えると、空港内で4,000円程度で宿泊できるのは便利でお得だと言えるでしょう。
2024年現在Priority Passにも対応
2024年現在、nine hoursはPriority Passにも対応しています。成田空港ではPriority Pass対応のラウンジも多数あるため、Priority Passを持っている場合はとてもお得に利用できます。
2024年には第1ターミナルの「すき焼き やんま」が利用できるようになりました。ただし、一部のクレジットカード会社のPriority Passはレストランの利用が対象外となっているので注意が必要です。
シャワーのみのプランも設定 制限エリアのシャワーより安い
nine hours成田空港には「シャワーのみ」のプランも設定されています。飛行機に乗る前にシャワーを浴びることができると本当にさっぱりする。
シャワーの利用は、24時間いつでも可能で、1,000円(1時間まで)となっています。なお、宿泊やデイユースを利用する場合、シャワーも無料で利用可能です。プライオリティ・パスのプランにもシャワーが含まれています。
日本人に人気のホノルル線やアメリカ本土・カナダ方面の北米路線は夜発が多いです。シャワーを浴びてさっぱりしてから機内でアルコールを飲んでそのまま寝る。世界中を旅した経験から、これが最高に気持ちいい飛行機の乗り方です。
一部のアメニティは有料なので注意
nine hours成田空港では、一部のアメニティが有料なので注意が必要です。無料で受け取ることができるアメニティは、
- パジャマ
- バスタオル・フェイスタオル
- スリッパ
- 歯ブラシ
です。カプセルホテルであるためアメニティはやや限られてはいますが、パジャマがしっかり用意されているのはさすが日本のホテル、ありがたいです。
「シェーバー」および「メイク落とし・洗顔・化粧水・乳液」4点セットは有料となり、フロントで購入する必要があります。これらのアメニティは、海外ホテルにはないことが多いので、もし忘れてしまった場合はフロントで購入しておくか、成田空港のショップで購入しておくのがおすすめです。
出国後には成田空港のサービスによるシャワールーム・仮眠室がある
今回、成田空港内にあるnine hoursを紹介していますが、成田空港の出国審査後のエリアにもシャワールームや仮眠室は完備されています。
出国審査後に利用できるため、早めに出国審査や手荷物検査を終えて利用することができます。ただ、シャワールームは本記事で紹介しているnine hoursより時間制限が厳しく、料金も割高になっています(nine hoursは60分1,000円、出国審査後のシャワールームを60分利用すると2,110円)。
利用可能設備 | 料金 |
---|---|
シャワールーム | 最初の30分:1,050円 以降15分毎につき:530円 |
仮眠室(シングル) | 最初の60分:1,560円 以降60分毎につき:780円 |
仮眠室(ツイン) | 最初の60分:2,520円 以降60分毎につき:1,260円 |
ただしこちらは日本に入国せずに乗り継ぎをする人がメインターゲットです。日本から利用する場合、搭乗券の発券が3時間前などからの場合が多いため、特に仮眠室は使いにくいと考えられます。
なお、出国審査後のエリアにある成田空港公式の仮眠室は、成田空港の公式サイトから予約も可能ですが、出国するために必要な搭乗券が発券できるか否かは航空会社で確認してください。
JAL・ワンワールド系列の第2ターミナルから直結
今回紹介しているnine hoursは、成田空港の第2ターミナルから直結しています。日本航空(JAL)やワンワールドの航空会社が利用するターミナルです。
nine hoursは、成田空港の第2ビル地下1階 立体駐車場の地下にある
成田空港のnine hoursは、成田空港の第2駐車場ビルの地下1階にあります。第2ターミナルから直結しており、徒歩5分ほど、動く歩道なども完備されています。
第2ターミナルから第2駐車場ビルに渡ると、エスカレーターが設置されています。nine hoursは「カプセルホテル(Capsule Hotel)と看板に案内があります。nine hoursのロゴなどはないため、ちょっと最初は分かりにくかった。
このnine hoursを利用した後に成田空港発着のフライトを利用する場合、第2ターミナルのゲートまでは徒歩10分ほど、第1ターミナルまでは徒歩5分+シャトルバスで10分ほどで移動できます。第3ターミナルを利用する場合は、シャトルバスで片道15分ほどです。シャトルバスの待ち時間を考慮しなくてはならないこと、シャトルバスの運転ルートによっては第2ターミナル・第3ターミナルともに行くことができるものの遠回りするルートの場合があることなどから、早めに移動したほうが良いでしょう。
休憩スペースや朝食設備はないので注意
本記事で紹介しているnine hoursには、休憩スペースや朝食設備などはありません。館内で食事をとることができないため、成田空港のレストランフロアなどを利用して予め食事をとっておくことをおすすめします。
なお、インターネットからの予約の場合「朝食オプション」を利用することもできます。この場合、近隣カフェで使えるカフェカード(1,000円分)を受け取ることになります。あくまでnine hoursの施設内で朝食が取れるわけではありません。
クレジットカードやQRコード決済にも対応
成田空港のnine hoursはクレジットカードによる決済やQRコード決済にも対応しています。2024年10月現在、以下の決済方法に対応しています。
- クレジットカード:VISA・MasterCard・JCB・AMEX・Diners
- QRコード決済:PayPay、d払い、auPAY、メルペイ、Alipay、WeChat Pay
- 電子マネー:交通系IC・nanaco・楽天Edy・iD・QUICPay
海外の利用者でも使いやすいようにクレジットカードに対応しています(ただし、中国の銀聯カードには対応していません)。また、QRコード決済や電子マネーでの決済にも対応しています。
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