アメリカにおける移動手段-アメリカの鉄道・バスなど

アメリカ
アメリカ鉄道飛行機

アメリカ旅行をする際に考えなくてはならないのがアメリカにおける移動手段。車社会のアメリカでは特に、日本人観光客にとっては悩みどころです。

実際にアメリカ大陸横断の旅をしてきた僕が、アメリカでの移動手段を徹底的に解説します。

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アメリカの鉄道・バスは場所によっては注意が必要

まずは日本国内を旅するとすれば最もメインの移動手段となる鉄道です。日本の鉄道と比べて、近い部分もあれば異なる部分もある。日本の鉄道とも比較しながら解説します。

鉄道内の治安に注意

アメリカの鉄道に乗るときは、鉄道車内の治安に注意が必要です。

アメリカは都市ごとの独立性が強いです。後ほど解説しますが、アメリカは都市と都市の間になにもない。そのため、都市によっては鉄道の乗り方や車内の治安情勢などは異なります。自分が訪問する予定の都市で、地下鉄の治安がどうなっているかを確認しておきましょう。

ロサンゼルスの鉄道・バス

ロサンゼルスではTapカードと呼ばれるICカードが発行されています。ロサンゼルスのバス・鉄道で使用することができるカードで、日本でいうSuicaやPASMOと同様、チャージして使うことができるプリペイドICカードです。Apple PayやGoogle Payでも発行することができ、クレジットカードでチャージすることができます。

ロサンゼルスの地下鉄は以前にも記事を作成した通り、とても治安が悪い。日本人観光客にも人気のハリウッドを通る、Metro Redlineあたりが特に治安が酷い。

日本人の感覚では「地下鉄を使わない意味がない」という感じ。しかしロサンゼルスの地下鉄は「地下鉄を使う意味がない」となる。安心して地下鉄に乗ることができる日本に慣れていると、うっかり治安の悪い地下鉄に乗ってしまいそうです。

ロサンゼルスの地下鉄の車内には薬物中毒者や路上生活者が溢れており、とにかく匂いがすごい。吐き気がするような匂いが充満しています。また、乗り換えの際に駅で迷うと、乗り換えをしたいにも関わらず路上生活者が「こっちだよ」と声をかけてきて、そのまま改札から出そうとします。僕たちは引っ掛からなかったのでよかったですが、これで言われるがままに出てしまった暁には…と考えると怖いです。

ロサンゼルスの鉄道・バス
ロサンゼルスの鉄道

ロサンゼルスに限らずアメリカの大都市ではバスが走っていることがほとんどです。地下鉄では各車両にスタッフがいるわけではないので、路上生活者の寝床になってしまっているのですが、バスであればそうはなりません。同じ空間内に運転手さんがいるので、安心して利用することができます。

ロサンゼルスではほぼ全ての地下鉄に並行してバス路線が設定されています。バスの本数はかなり多く、10分に1本程度は確保されているバス路線がほとんどです。また、2時間以内の乗り継ぎであれば追加の料金が不要であるため、乗り換えも手軽にできます。

ロサンゼルスの鉄道・バス
ロサンゼルスのバス

ロサンゼルスの地下鉄は、よっぽど慣れた人でなければ安心して利用することができないのが2023年3月現在の現状です。ロサンゼルスを訪れる際は車を借りるか、ロサンゼルスの都市内の移動ではバスを中心に据えるのが良いでしょう。

サンフランシスコの鉄道

続いてはサンフランシスコの鉄道事情です。サンフランシスコはロサンゼルスと比べると圧倒的に鉄道車内の治安が良い。

サンフランシスコのベイエリアや市内を通る地下鉄「BART」はロサンゼルスの地下鉄とは全くもって事情が異なります。サンフランシスコ国際空港へと乗り入れていることもあってか、サンフランシスコの地下鉄BARTの治安はよく、日本人でも安心して乗車することができます。

サンフランシスコの鉄道
サンフランシスコの地下鉄・BART

サンフランシスコでは、CLIPPERカードという交通系ICカードが用意されています。Apple PayやGoogle Payなどを使い、スマートフォンで発行することができます。

サンフランシスコの地下鉄BARTは通勤で利用しているお客さんも多数います。サンフランシスコの地下鉄は日本の地下鉄とほぼ同じ感覚で使えます。サンフランシスコの地下鉄は定額ではなく、距離制の料金を採用していることも大きな要因でしょう。

サンフランシスコの鉄道
サンフランシスコの路面電車

また、サンフランシスコにはバスや路面電車も走っています。日本と同じで、地下鉄を補完する役割としてバスがある、というイメージです。サンフランシスコのバスでも乗り継ぎ制度があり、2時間以内の乗車であれば追加料金が不要です。

サンフランシスコの鉄道
ケーブルカー

さらにサンフランシスコといえば伝統のケーブルカーも走っています。ケーブルカーは移動手段というより一種のアトラクションです。移動手段としてもちろん使えますが、加えてアトラクションとしての機能があり、治安面では安心して利用することができます。

シカゴの鉄道・バス

シカゴの鉄道は都心部をループする鉄道と、その周りに放射状に伸びていく鉄道で構成されています。シカゴの街中ではループ状に走っており、それ以外のルートを通る場合はバスを利用することになります。

シカゴの鉄道では交通系ICカードとしてVentraカードが使用されています。駅の券売機ではプラスチック製および使い捨ての紙製のカードを購入する事ができます。また、スマートフォンを使って購入する場合、Apple PayやGoogle Payのアプリからではなく公式アプリからの購入となります。

1日フリー切符などもアプリ内で購入可能であり、アプリだからこそ利便性が高いです。

シカゴの鉄道・バス
シカゴ

ニューヨークの地下鉄・バス

ニューヨークは世界の中でもトップクラスの大都市であり、鉄道網もかなり発達しています。ニューヨークの地下鉄は複々線(線路が4本敷かれている)となっており、本数もかなり確保されています。

ニューヨークの地下鉄には日本では滅多にない、急行列車も設定されています。主要駅のみに停車します。ニューヨークの地下鉄に乗る際は、方面だけを確認してホームへ向かうのではなく、急行(Express)または普通(Local)の区別も確認した上でホームに向かう必要があります。

ニューヨークの地下鉄・バス
ニューヨークの地下鉄の車内

また、ニューヨークには交通系カードとしてMetro Cardがあります。ただしこのMetro Cardは磁気を使ったスワイプ式のカード(仕組みがテレホンカードのような仕組み)であり、スマートフォンを利用して列車に乗る事ができません。そのため現在では、このMetroカードに加えてクレジットカードのコンタクトレスの機能(タッチ決済)も利用できるようになっています。クレジットカードのコンタクトレスと同等であるApple PayやGoogle Payも利用可能です。

ニューヨークの地下鉄は一律$2.75ですが、使い捨てのきっぷを使用した場合は$3.00となります。また、乗り放題のきっぷも用意されていますが、数日間以上〜30日など長めの期間設定となっています。ご自身の滞在の予定に合わせて選ぶと良いでしょう。

ニューヨークにはそれ以外にも、Long Island Railwayなどの私鉄もあります。さらに、アムトラックが乗り入れており、東海岸に沿って配置する大都市(ボストン〜ニューヨーク〜フィラデルフィア〜ワシントンD.C.)間には高速鉄道であるAcelaエクスプレスが走っています。

長距離移動は「乗ることが目的」の旅

長距離列車は乗る事が目的の旅になります。僕たちは実際に、アムトラックの大陸横断鉄道を利用して大陸横断の旅をしました。

長距離移動は「乗ることが目的」の旅
アムトラックの長距離列車には展望車両もある

アメリカはとても広いです。都市と都市の間は、鉄道で数時間、長い時には半日近くかかることも当たり前です。長距離を移動する鉄道はあくまで「乗る事が目的」の旅となります。

また、アメリカの長距離列車は遅れます。大幅な遅延は日常茶飯事です。僕たちが乗車した大陸横断鉄道のうち、西海岸・サンフランシスコ郊外のエメリービル駅からアメリカ北部の大都市・シカゴのシカゴユニオンステーションまでの列車(California zephyr号)は20時間の遅延が起こり、強制的に1泊延泊となりました。遅延を覚悟の上で、スケジュールを立てておかないと大変なことになります(例えば、列車を下車したあとすぐに飛行機で帰国するスケジュールなど)。

しかし、時間をかけてゆっくり移動するに足るだけの素晴らしい景色を楽しむ事ができるのは間違いありません。

長距離移動は「乗ることが目的」の旅
フルコースの食事がついてくる

また、個室の寝台車を利用すると完全な個室で移動する事ができ、さらに、ダイニングカーでの食事もついてきます。

具体的なアムトラックの利用方法については、別の記事で紹介していますのでご覧ください。

長距離列車を利用する場合、あらかじめ予定を立ててから乗る必要があります。大陸横断ともなると「大陸横断の旅」が目的の旅になります。

交通系ICカードはスマートフォンで使うのがオススメ

ここまでで紹介したように、アメリカは都市ごとに交通網が独立しています。日本では、Suicaなどの交通系ICカード1枚があれば、全国各地の都市でICカードが利用できます。しかしアメリカには2023年現在、そのような交通系ICカードの相互利用サービスはありません。

交通系ICカードはスマートフォンで使うのがオススメ
iPhoneのWalletに登録したCLIPPERカード(サンフランシスコ)とtapカード(ロサンゼルス)

ロサンゼルスにおける鉄道事情の個所でも書きましたが、実際の物理カードはチャージなどで不便に感じる事が多いです。駅の券売機や窓口で物理カードを発行し、チャージする際も駅の券売機へ行くよりは、スマートフォン1台で完結するモバイルデバイスでのカード発行がオススメです。

最後に、アメリカの主要なICカードをまとめておきます。

  • ロサンゼルス Tapカード
  • サンフランシスコ Clipperカード
  • シカゴ Ventraカード
  • ニューヨーク Metroカード
  • ワシントンD.C. SmarTripカード
  • シアトル ORCAカード

他にも存在があればコメント欄等で教えてください。

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タクシーやライドシェアを使おう

ここまで、アメリカにおける鉄道事情について解説してきましたがアメリカは車社会。車を使わないとどうしても不便なところもあります。

日本人がアメリカで車を使う手段について解説します。

日本人がタクシーを使う場合、注意が必要

現地で自動車を使わなくてはならない場合、まず最初に思いつくのがタクシーです。ただし、注意点がいくつかあります。

アメリカには違法なタクシーも多くあります。必ず、州などによる認可を受けたタクシーを利用しましょう。それを知らずに違法なタクシーを利用すると、過大な請求をされたりと犯罪に巻き込まれることになります。

また、認可の受けたタクシーであってもメーターの場合は注意が必要です。必要以上にメーターを回すために遠回りをするドライバーがいたり、あるいはタクシーに備え付けではないカード決済端末を使用し、過大な請求をされることもあります。特に、空港からホテルに向かうタクシーなどでは、長旅と時差ボケで疲れた日本人を狙ってそのようなことをしてくるタクシードライバーが一定数います。また、空港では違法なタクシー業者が何も知らない観光客を狙って客引きを行ってくることもあります。タクシーの客引きは法律で禁じられている違法行為なので、勧誘を受けても無視してタクシー乗り場へと向かいましょう。

注意点についていくつか述べてきましたが、正当に送り届けてくれるタクシードライバーさんもいます。注意しながら利用すれば、目的地まで直行でき便利な移動手段です。

ライドシェアが発達しているアメリカ

アメリカにおいてはライドシェアも発達しています。UberやLyftなどのライドシェアが有名で、全米各都市にネットワークを持っているので便利です。

ライドシェアの使い方やメリットを解説すると同時に、アメリカでシェアを持つUberとLyftのどちらがよいかを比較した記事を作成しました。合わせてご覧ください。

上記の記事でも挙げているように、ライドシェアを使うメリットは、

  • 安全性の面でタクシーより優れる
  • 英語でのやりとりがなく、確実である
  • 支払いの手間がない
  • 現在地がアプリで確認できる
  • チップを考えなくて良い
  • タクシーに比べてそもそも安い

などです。先ほど説明したようなタクシーの欠点をアプリで完全にカバーしているのがライドシェアサービスです。車社会のアメリカで、車を持たない人にとってはメジャーな移動手段となりつつあるため、ぜひ活用すると良いでしょう。

ライドシェアが発達しているアメリカ
ライドシェアがとても便利でオススメ

車社会のアメリカではレンタカーも

アメリカは車社会です。長期間滞在するのであればやはり、レンタカーがオススメです。

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アメリカでの運転は右側通行であったりと日本と少しルールが違います。ただ、慣れてしまえばそんなに苦ではなかった、という話もよく聞きます。あらかじめ交通ルールも確認してから出発し、レンタカーなども活用したいところです。

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アメリカでの都市間移動は飛行機を活用しよう

アメリカは非常に広大です。都市間の移動のメインは飛行機になります。

都市と都市の間は何もないアメリカ

アメリカは広大です。そして、都市と都市の間には何もありません。

アメリカ人が日本にやってきて、特に東海道新幹線などに乗った場合「どこからどこまでが都市なのかわからないじゃないか」と言うことがあるそうです。アメリカでは、都市と都市の間には何もない場所が必ずあるくらい広く、そしてそのような背景から州による独立性が高く、州により法律が異なるのです。

全米に高速道路網が張り巡らされているので車での移動も不可能ではないですが、日本と同じ感覚で、隣の県まで運転してみようという感覚で出発すると大変なことになるので注意が必要です。

都市と都市の間は何もないアメリカ

飛行機はセキュリティ検査が厳しいので注意

アメリカでは2003年の同時多発テロ以降、セキュリティがかなり厳しくなっています。

アメリカにおける国内線の乗り方について解説した記事を現在執筆中です。アメリカにおいては手荷物検査はかなり厳しい。特に靴を脱がされてX線検査を行うし、少しでも分厚い服は必ず脱がされます。

また、飛行機に乗るためには国内線でも身分証明書が必要になります。日本人観光客のほとんどはパスポートを身分証明証として提出することになります。

アメリカにおいて飛行機(国内線)はとても便利な手段であるものの、セキュリティなどの強化の面から時間に余裕を持って空港に行く必要があります。

飛行機はセキュリティ検査が厳しいので注意
アメリカの国内線-ロサンゼルス国際空港にて

空港までのアクセスにはライドシェアがオススメ

空港までのアクセスはライドシェアが圧倒的にオススメです。

アメリカの空港は、日本の空港と比べてアクセスが悪い。アメリカの各地を回ってきて感じたことです。

アメリカは車中心の社会であるため、空港内または付近に巨大なパーキングがある。そしてそのパーキングから空港へは無料のバスや鉄道が出ている。

しかし公共交通機関を使う人に対しては優しくないことが多い。ニューヨーク(ラガーディア以外)のように鉄道でのアクセスが用意されている空港もありますが、都心部から直結出ない場合も多く、利便性の面で劣ることもあります。

大きな荷物を持っていることも考えると、ライドシェアでホテルまで直接送り届けてもらうのが安心で便利です。

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