バンコク・スワンナプーム国際空港を拠点に、東京(成田・羽田)や大阪(関西)、名古屋(中部)、福岡、札幌(新千歳)に就航するタイ国際航空。今回、タイ国際航空(タイ航空)B787-9のビジネスクラス「ROYAL SILK CLASS」を利用してきました。本記事では、
- タイ国際航空が運航するB787-9のビジネスクラス(ヘリボーン型)の座席の設備は?機内の様子は?
- タイ国際航空が運航するビジネスクラスの機内食は?
- タイ国際航空のビジネスクラスのサービスは?
などといった疑問に細かくお答えします。タイはもちろんのこと、東南アジアや乗り継ぎでヨーロッパへの足ともなるタイ国際航空のサービスを、詳しく紹介します。
以前にB777-300ERやA350-900などのビジネスクラスについても紹介しましたが、それとあわせて日本路線のビジネスクラスはほぼ網羅となります。
日本路線を利用する場合、こちらのビジネスクラスの座席にお世話になることが多いと思いますので、あわせてご覧ください。
タイ国際航空のB787-9ビジネスクラスの座席を徹底的に紹介!
本記事において紹介する機材は中長距離用のB787-9です。フルフラットになる座席で、日本路線においては2024年現在、
バンコク・スワンナプーム〜札幌・新千歳
に就航しています。またバンコクから先、東南アジア各地やオセアニア(オーストラリア・ニュージーランドなど)へ乗り継ぐ際、利用する機会が多くあります。
タイ国際航空のB787はリバース・ヘリボーン型の座席配列
タイ国際航空(タイ航空)においては2024年現在、3機のB787-9が運航されています。2027年以降に50機と、かなりの数を発注する予定になっています。
2024年現在にタイ国際航空が導入しているB787-9では、「リバース・ヘリボーン型」のビジネスクラスが導入されています。機内は1-2-1の配列となっており座席数は30席です。座席の幅は約21インチ(53センチ)がり、かなり広々とした座席です。
ビジネスクラスの座席配列として世界各国で導入されている「リバース・ヘリボーン型」の座席は、斜めの配置になっています。特に窓側の座席は、斜め外向きの座席配置になっているため、座った際に自分以外の人が視界に入ることがありません。
足元は少し狭いですが、こればっかりは仕方ないですね。ちなみに座席はフルフラットに倒れますが、倒れた際に狭くて寝ずらい、などは感じませんでした。
モニターは前の座席に対応して、斜めに配置されています。ボタンを押して出すタイプになっています。離着陸時はモニターは収納する必要があります。
タイ航空ビジネスクラスの座席は紫を基調とした座席
タイ国際航空の機内は、紫色を基調とした座席になっています。タイ国際航空のコーポレートカラーであり、タイを中心とした仏教の世界では高貴な色とされています。
フルフラットになる座席であるため、サイドテーブルがあります。サイドテーブルにはコントローラーの収納スペースあります。コントローラーの収納スペースの横に、機内エンターテインメント用のヘッドホンジャックと、USB電源ポートが1つ設置されています。コンセントは後ほど紹介しますが、テーブル入れの下にあります。
サイドテーブルには座席のリクライニングコントローラーが設置されています。リクライニングは細かく設定できるわけではありませんが、リラックス状態、フルフラット状態、離着陸状態などそれぞれ設定できるようになっています。
ビジネスクラスは完全にフルフラットになる座席
タイ国際航空(タイ航空)が運航するB787-9のビジネスクラスは、完全にフルフラットになる座席です。長距離路線でも快適に休むことができます。
ビジネスクラスの場合、短距離であってブランケット、枕、アメニティグッズが提供されます。搭乗時に座席に置かれています。枕やブランケットをフル装備で使えば、座席はベッドです。
タイ国際航空(タイ航空)のビジネスクラスで提供される枕です。そこまで大きくはありませんがある程度の弾力があり、違和感はなかった。日系航空会社のビジネスクラスと同じ感じです。
ビジネスクラスで提供されるブランケットです。エコノミークラスと比べると分厚いブランケットであるものの、そこまでふかふかな感じではありません。ただ、実際に被るとかなり暖かく、快適に利用できました。
座席には電源コンセントや読書灯も
各座席には100Vの電源はもちろん、読書灯などの設備もあります。AC電源はテーブル入れの下にあり、日本のコンセントにも対応しているユニバーサルタイプの電源です。110V・60Hzとなっており、日本の電源機器、特にPC電源やスマートフォンの電源などはほとんどが、そのまま使用できます。
世界中の航空会社のビジネスクラスに乗っているとたまに気になるのが「電源の周りに何もないこと」。パソコン電源などを使おうとした際に、電源のすぐ近くに壁があったりすると使えないのです。
各座席に設置された読書灯です。サイドテーブルの上の部分、モニターのリモコンやリクライニングのリモコンの横に設置されています。夜行便の場合、照明が落とされるためあるととても便利です。
広々としたテーブルや、リモコン付きのモニターも完備
ビジネスクラスらしく、広々としたテーブルやリモコン付きのモニターなども、各座席に完備されています。
機内食で使用するテーブルは、サイドテーブルの下部から出てくる構造になっています。折りたたみ式のテーブルですが、横に折りたたみ式になっています。
テーブルを広げた様子です。機内食がサーブされる際はもちろん、パソコン作業をしたり、ちょっと書類を広げたり。何かと便利に利用できるテーブルです。
座席に設置されているエンターテインメントのモニターです。リバース・ヘリボーン型の座席配置の場合、モニターは斜めに設置することができないためボタンを押して手前に出す必要があります。離着陸時はモニターが使用できません。
各座席にはリモコンが設置されています。タッチパネル式のリモコンで、基本的にはこのリモコンで、モニターのコンテンツを操作することができます。
ビジネスクラス専用のお手洗い
ビジネスクラスには専用のお手洗いがあります。特にビジネスクラスの前方にあるお手洗いはビジネスクラスの乗客しか利用しないため、待ち時間ほぼゼロで利用できます。
お手洗い自体は、ボーイング社がB787以降に設置しているお手洗いです。B747-8など、B787開発以降のお手洗いはこのタイプになっていますね。
ビジネスクラスのお手洗いには、エコノミークラスとは異なりオーキッドが飾られています。また、歯ブラシなども常備されています。もちろん、CAさんに申し出れば歯ブラシなどはいただけますが、常に置いてあるのはかなりありがたい。
タイ航空ビジネスクラスは、機内食も一流のメニュー
ビジネスクラスでの楽しみの1つが、フルコースの機内食。タイ航空のビジネスクラスでは、一流のフルコース機内食が提供されます。
機内に入ったらまずはウェルカムドリンクとおしぼり
機内に入ると最初に提供されるのが、ウェルカムドリンクとおしぼり。僕はこの日、朝かなり早く起きたためアルコールはやめておきましたが、オレンジジュースの他にシャンパンなども提供されます。
ウェルカムドリンクはしっかり、グラスのコップに入って提供される。そしておしぼりも、温かいおしぼりがちゃんとお皿に載せられて提供されるのはかなり高評価ですね。
ビジネスクラスだともちろん、CAさんも乗客の名前を把握しています。ウェルカムドリンクの提供とともにCAさんからご挨拶を受けることもあります。僕が利用したジャカルタ〜バンコク線はビジネスクラスもほぼ満席、僕はご挨拶を受けましたが果たしてどこまでできているのやら…
タイ航空ビジネスクラスの機内食 日本路線では和食の提供も
僕は今回、日本路線ではない路線でタイ航空(タイ国際航空)を利用しました。日本路線では本格的なタイ料理のセットメニューが提供されます。日本路線の場合、
- タイ料理セットメニュー
- 洋食コース
- 和食(和食は松花堂弁当スタイルで提供)
の3種類の中から選ぶことができるそう。フルサービスキャリアのビジネスクラスでも多くが2種類のメニュー提供の中で和食を提供するのは、日本路線に力を入れているタイ国際航空ならではのサービスです。
メニューは月毎に変更されています。そのため、そのフライトにおける機内食メニューは機内で提供されたメニュー表をご覧ください。
また、タイ航空では「All Day Dine」というコンセプトで、サイドメニューを導入しています。通常の機内食とは別で、自分の好きなタイミングで麺料理や丼など、しっかりした料理をいただくことができます。
こちらもフライトによってメニューが異なります。また、日本〜タイ・バンコクなどの路線では、メインの機内食さえ食べればお腹がいっぱいになります。僕はジャカルタ〜バンコク、およびバンコク〜デリーでタイ航空のビジネスクラスを利用しましたが、どちらのフライトでも機内食1回でお腹がいっぱい、All Day Dineは利用しませんでした。
他の方のブログを見ていると日本路線の場合、メニューとしては「冷たいきつねそば、トムヤムヌードル、大福餅」などがあるようです。
タイ国際航空のビジネスクラスは、ドリンクも充実している
タイ国際航空のビジネスクラスでは、ドリンクもかなり充実しています。シャンパン、ワインなどのアルコール類も当然、無料でいただけます。ソフトドリンクが一通り揃っていることはもちろん、タイのお茶なども充実。「4種のお茶を選べるティーセレクションは全てタイ北部の都市、チェンライの豊かな自然の中で栽培された良質の茶葉」(名鉄観光タイ航空ビジネスクラス紹介ページ)とのこと。
また、日本路線以外でも日本茶が提供されます。僕はタイ・バンコクからインド・ニューデリーへと向かう際に、CAさんが気を利かせてくれて日本茶(Green Tea)を提供してくれました。
ビジネスクラスはラウンジなどのサービスも
ビジネスクラスは座席や機内食などのサービスはもちろんのこと、チェックインからラウンジまで、全ての行程でシームレスなサービスを受けることができます。
空港でのチェックインもストレスフリー
ビジネスクラスを利用する場合、空港でのチェックインもストレスフリーで受けることができます。タイ国際航空(タイ航空)がハブ空港として拠点とする、バンコク・スワンナプーム空港では「ロイヤルチェックインサービス」が利用できます。ビジネスクラス専用のチェックイン・エリアで高級ホテルでのチェックインのようです。
また、ビジネスクラスを利用する場合、手荷物の容量もエコノミークラスより優遇されます。2024年現在、ビジネスクラスでは預け入れ手荷物は40kgまで可能です。
タイ航空ビジネスクラスでは、グループ1で優先搭乗も利用可能
タイ航空(タイ国際航空)のビジネスクラスを利用する場合、優先搭乗の利用が可能です。ビジネスクラスを利用する場合、「グループ1」として最初に搭乗することができます。
また、ビジネスクラスは飛行機の前方にあるため、最初に飛行機から降りることができます。特に乗り継ぎがある際などには、最初に降りることができると安心です。
また、ビジネスクラスは座席の数が少ないため、客室の荷物棚が取り合いになることがありません。僕はツースケースを持ち込みましたが、自分の座席のすぐ上に入れることができました。
ビジネスクラス専用のラウンジも完備
ビジネスクラスを利用する場合、専用のラウンジが利用できます。タイ国際航空(タイ航空)では、「ロイヤルシルクラウンジ」が利用できます。また、日本発着のフライトではANAラウンジも利用できます。
特にタイ国際航空(タイ航空)が拠点とするバンコク・スワンナプーム国際空港では、セミプライベートルームやダイニングエリア、シャワールームまで完備。また、バンコク・スワンナプーム国際空港には「ロイヤルオーキッドスパ・ラウンジ」があり首肩マッサージおよびフットマッサージを30分、無料で受けることができます(ロイヤルオーキッドスパに関しては、ANAやシンガポール航空といったタイ航空以外のスターアライアンス加盟会社のビジネスクラスを利用の場合、入室できません)。
ちなみにタイ国際航空の拠点となるバンコク・スワンナプーム国際空港のラウンジ、しっかり記事にしようと思っていたのですが乗り継ぎですぐにサテライトに移動させられてしまったので利用できませんでした。ラウンジを利用したい場合、本館を利用しなくてはならないので注意が必要です。
もちろん、バンコク以外でもラウンジが利用できます。日本発のフライトでは、同じスターアライアンスのANAラウンジが利用できます。
羽田空港の第3ターミナル(国際線のターミナル)のANAラウンジについては、別の記事にまとめてありますので、ご覧ください。
タイ国際航空は日本路線にも就航
タイ国際航空は日本路線にも多く就航しています。日本路線には東京・大阪・名古屋・福岡・札幌に就航しており、日本各地からタイへはもちろんのこと、タイのバンコクで乗り継いでヨーロッパ方面や東南アジア方面へのフライトにも接続しています。
便名 | 運航日 | 出発地 | 出発時刻 | 到着地 | 到着時刻 |
---|---|---|---|---|---|
TG641 | 毎日 | 東京・成田 | 10:50 | バンコク | 15:20 |
TG643 | 毎日 | 東京・成田 | 12:00 | バンコク | 16:30 |
TG677 | 毎日 | 東京・成田 | 17:25 | バンコク | 21:55 |
TG683 | 毎日 | 東京・羽田 | 10:35 | バンコク | 15:05 |
TG661 | 毎日 | 東京・羽田 | 0:20 | バンコク | 4:50 |
TG623 | 毎日 | 大阪・関西 | 11:45 | バンコク | 15:35 |
TG673 | 毎日 | 大阪・関西 | 17:35 | バンコク | 21:25 |
TG647 | 火木金日 | 名古屋・中部 | 0:30 | バンコク | 5:10 |
TG645 | 毎日 | 名古屋・中部 | 11:00 | バンコク | 15:00 |
TG649 | 毎日 | 福岡 | 11:35 | バンコク | 14:55 |
TG671 | 水・金・日 | 札幌・新千歳 | 10:00 | バンコク | 15:00 |
バンコクから先、インドネシアの各都市への乗り継ぎ需要はかなり大きい。インドネシア・ジャカルタからタイ・バンコクまでのビジネスクラスを利用した際、ビジネスクラスの半分近くが日本人だったのは印象的でした。
便名 | 運航日 | 出発地 | 出発時刻 | 到着地 | 到着時刻 |
---|---|---|---|---|---|
TG640 | 毎日 | バンコク | 22:10 | 東京・成田 | 6:20(翌日) |
TG642 | 毎日 | バンコク | 23:50 | 東京・成田 | 8:10(翌日) |
TG676 | 毎日 | バンコク | 7:35 | 東京・成田 | 15:45 |
TG682 | 毎日 | バンコク | 22:45 | 東京・羽田 | 6:55(翌日) |
TG660 | 毎日 | バンコク | 13:00 | 東京・羽田 | 21:10 |
TG622 | 毎日 | バンコク | 23:59 | 大阪・関西 | 7:30(翌日) |
TG672 | 毎日 | バンコク | 8:25 | 大阪・関西 | 15:55 |
TG646 | 月水木土 | バンコク | 11:30 | 名古屋・中部 | 18:55 |
TG644 | 毎日 | バンコク | 0:05 | 名古屋・中部 | 8:00 |
TG648 | 毎日 | バンコク | 0:50 | 福岡 | 8:00 |
TG670 | 火・木・土 | バンコク | 23:45 | 札幌・新千歳 | 08:30(翌日) |
バンコク・スワンナプーム国際空港から日本へのフライトです。こちらも朝、バンコクを出発するフライトから深夜便まで、数多くあります。
また、同じスターアライアンスのANAともコードシェアしているため、合わせて多くの選択肢の中からフライトを選ぶことができます。
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