土讃線の新型・2700系 特急南風・しまんと・うずしお・あしずり座席・車内を徹底紹介

四国
四国鉄道鉄道車内徹底紹介

岡山から高知へ、高松から高知へ、土讃線を経由して都市間をつなぐ特急南風としまんと。特急「南風」が岡山から高知を、特急「しまんと」が高松から高知を結んでいます。

また、都市間を結ぶ高徳線・高松〜徳島の特急うずしお、および高知から先、宿毛までを結ぶ特急あしずりにもこの2700系特急が使用されています。この2700系の車内を徹底紹介します。

土讃線2700系 特急南風・しまんと・うずしお・あしずり座席・車内を徹底紹介

JR四国もこの新型特急車両はかなり頑張って宣伝しています。こちらに、公式の宣伝サイトがあります。こちらもご覧ください。

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新型車両2700系で運転され設備は充実した車内

新型の2700系は、旧型の2000系を置き換えることを目的として製造されています。今では、JR四国の主要幹線を次第に置き換えています。

新型車両2700系で運転され設備は充実した車内
特急南風は2021年3月に全てが2700系となった

土讃線の特急「南風」「しまんと」は2700系でほぼ統一

現在では、土讃線の岡山・高松から高知までの区間、特急「南風」と特急「しまんと」は既に全てが2700系に置き換えられています。これにより、どの列車に乗っても同等の設備、このあとご紹介するコンセントやWi-Fiなどの設備が備わることになります。

土讃線の特急「南風」「しまんと」で利用
高松から高知を結ぶ、特急しまんと

また、高知から先の一部の特急「あしづり」にも充当されています。特急「南風」にはグリーン車の設定があるため、この2700系にもグリーン車が設定されています。グリーン車については乗車する機会を見つけて、また紹介したいと考えています。

高徳線の特急は大半を置き換え

土讃線に加えて、比較的短距離のため置き換えが進めやすい高徳線・特急うずしお(徳島〜高松・一部列車は岡山へ直通)は既に大部分が置き換えられています。

ただ、一部の列車ではまだ、旧型の185系が使用されています。この辺りは、サービスレベルの差が見られるので、なんとか統一に持っていって欲しいところではあります。

高徳線の特急「うずしお」でも使用
特急うずしお

なお、残る特急「宇和海」は、僕が調べた限りですが当面は置き換えの話はないそうです。特急「剣山」と特急「むろと」についても、現時点で置き換えの話はありません。(これについては長くなるので、一番最後に書きました。)

土佐くろしお鉄道も2730系を保有

高知から西へは特急「あしづり」が走っています。この特急「あしづり」が走る中村・宿毛方面へは、途中の窪川駅からJR線ではなく「土佐くろしお鉄道線」に入ります。

土佐くろしお鉄道へと直通する特急列車もあるため、土佐くろしお鉄道はJR四国と同形式の特急列車を1編成、保有しています。2000系が廃車されたのち、2700系も同様に保有しています。土佐くろしお鉄道が保有する編成は2730系となり、2000系の時と同様に30番代が割り当てられています。

車内や外装はJR四国保有の2700系とほぼ同様。唯一の違いは、側面・扉のすぐ横の「JR」マークがないことです。

繁忙期には高徳線の特急で運用されるなど、JR線内完結の特急列車として運転されることもあります。岡山までも乗り入れることがあるため、土佐くろしお鉄道線での運用を優先しているものの、繁忙期を中心に他の2700系と共通運用が行われています。

土佐くろしお鉄道も2730系を保有
土佐くろしお鉄道所属の2700系には「JR」マークがない MaedaAkihiko – 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=113726333による

アンパンマン列車として運転されている2700系も

2700系は一部車両が、アンパンマン列車として運転されています。日本国民なら誰もが知るアニメ・アンパンマンの作者である、やなせたかしさんが四国・高知県出身としているので、四国では各地でアンパンマン列車が走っています。

岡山⇔高知間の「南風」や高松⇔徳島間の「うずしお」で活躍する。特急形気動車2700系
岡山⇔高知間の「南風」や高松⇔徳島間の「うずしお」で活躍する。特急形気動車2700系

こちらの、JR四国の公式サイトを見ると2700系のアンパンマン列車がわかります。アンパンマンマークが付いているのがアンパンマン列車で運転されるところです。

アンパンマン列車として運転されている2700系も
アンパンマン列車(高知駅にて)

アンパンマン列車は、1号車の普通車指定席がアンパンマンシートとなっています。僕が乗った際は、お客さんがお見えになったので車内の写真は撮影していません。代わりにデッキだけ。

アンパンマン列車として運転されている2700系も
デッキもアンパンマンのキャラクター

う〜ん、なんだかすごいですね。特急列車に乗っている、という感じは一切ありません。何処かのテーマパークに紛れ込んだみたいな。

アンパンマン列車として運転されている2700系も
アンパンマンシート以外は天井にアンパンマンが

アンパンマンシート以外の車両でも、天井の部分にはアンパンマンがいます。また、車内の自動放送は、アンパンマンが最初に挨拶をします(停車駅などの案内は普通のJR四国の自動放送です)。最初の挨拶だけなので「え、アンパンマンもう終わりかい」ってなります。自動放送を改修するときに、中身をアンパンマンにしてしまうと手間が2倍になってしまうということでしょう。

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リクライニングが快適な普通車の座席

座席のご紹介をしていきましょう。

全席にコンセントが装備

2700系は、普通車指定席と普通車自由席で座席設備は変わりません。

全席にコンセントが装備
2700系の普通車の座席

2700系の普通車の座席がこちらです。見た目は至って普通の見た目をしています。どの座席にも外側の肘掛け、つまり窓側座席であれば窓側、通路側であれば通路側の肘掛けにコンセントがあります。コンセントがここに配置されていることにより、スマートフォンをつかながら充電したり、パソコンを充電しながら作業したり、ということがかなり便利になりました。

Wi-Fiサービスも使える

JR四国では現在、特急列車に順次Wi-Fiサービスの設置を行なっています。今では、JR四国の主要幹線の特急列車は車内のWi-Fiサービスが利用できます。

Wi-Fiサービスも使える
JR四国Wi-Fiサービスが利用できる

実際に、お客さんが少ないタイミングを見て速度を測ってみました。お客さんが少ないタイミングを見計らったのは、速度が出やすいからというよりは、速度測定は結構なデータをやり取りしたりするため、一時的にそれなりの通信量を使い、最悪の場合他の人の利用に迷惑をかけることになるからです。

Wi-Fiサービスも使える
速度はまずまずだが…

この測定値は、高知駅に到着する前に測定しました。実際問題、列車なので途中で圏外になったり、山間では速度が圧倒的に落ちたりします。逆に高松周辺や岡山周辺などの都会や、瀬戸大橋区間など近いところに携帯電話の基地局が整備されている場所ではかなり速度が出ます。

座席は快適 自由席が多く、自由席でも座れる!

座席の背もたれは最初から、ある程度倒れています。東海道新幹線なんかは、最初の状態では全然倒れておらず、ややリクライニングをしないと使いにくいですが、この2700系は最初の位置でも全然OK。

座席は快適 自由席が多く、自由席でも座れる!
ある程度倒れている

ただ、予讃線特急の8600系とは違い枕はありません。

座席は快適 自由席が多く、自由席でも座れる!
フットレストはない

ほぼ同時期に登場した予讃線特急の8600系とは違い、フットレストはありません。コンセント等の設備はかなり似通っているのに…なぜでしょう?JR四国としては、内装の座席は同じものにした方が効率が良いのではないでしょうか。

座席は快適 自由席が多く、自由席でも座れる!
半分が指定席となる車両

特急南風は2号車の半室が、特急しまんとでは1号車の半室が指定席となっています。指定席にはわかりやすいように枕カバーに「指定席」と書かれています。また、天井に「1番〜7番 指定席」と書かれています。予讃線特急の8600系とは違い、この天井の案内は電光掲示板ではなくシールのようでした。

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荷物置き場に温水洗浄のトイレまで

2700系には、座席周り以外にもさまざまな配慮がされています。

荷物置き場など、デッキのちょっとした設備が充実

デッキには荷物置き場などがあります。この荷物置き場は、インバウンドのお客さんの需要も見込んで装備したものだと思われます。

荷物置き場など、デッキのちょっとした設備が充実
デッキにある荷物置き場

もちろん、ある程度の大きさのスーツケースであればちゃんと座席上の荷物棚に入ります。現在は新型コロナウイルスの影響でインバウンドのお客さんも少ないため、荷物置き場に荷物を置いている人はほとんどいないのが現状です。

荷物置き場など、デッキのちょっとした設備が充実
車両と車両の間には段差が

車両と車両の間には段差があります。黄色のゴムをつけてわかりやすいようにしていますが…それでも、この段差、なんとかできなかったんでしょうかね。

お手洗いも充実

新型車両となり、お手洗いもかなり綺麗なものになりました。以前の特急南風やしまんとに付いているものは、古くからの特急列車にありがちな和式便所で、足を載せるところに段差があるタイプのものでした。しかし、今回の新型車両では洋式で、そしてウォシュレットまで装備されています。

お手洗いも充実
広々とした多目的トイレ

広々としたトイレのスペースで、真横に洗面台も完備されています。ドアが、写真で見る以上に大きくて、開くとめっちゃパーパーって感じ。今までの、列車内でのトイレは狭苦しい場所に入らなくてはいけない、という雰囲気とは全くもって違うものとなりました。

お手洗いも充実
広々とした車内

トイレ内部と外部には、「あける」と「しめる」のボタンがあります。このボタンを操作することで、トイレのドアを開け閉めすることができます。ちなみにこれって、車両のドア開閉ボタンと同じですよね。

お手洗いも充実
開閉ボタン

今回の新型車両では、ウォシュレットも装備されたため、ボタンがあります。見ての通り、簡単な操作ボタンだけではなく、多機能のウォシュレットとなっています。また、流すときは原則、青色のボタンを押すことになります。

お手洗いも充実
洗面台周り

トイレ内部には、全身を映すことができる大きな鏡も装備されています。

お手洗いも充実
洗面台後方

おむつ替え用の台はそこまで大きくはありませんが、でも列車内で使えるだけで安心感があります。ただ、土讃線なんかはカーブの多い区間を走行するので、揺れる車内でおむつ替えは結構しんどいかな、ってのも実際問題あります。

お手洗いも充実
おむつ台

便器の逆側には、子供用の椅子があります。これは子連れにとってはありがたいものでしょう。ベビーチェアに、おむつ替え用の台まであります。

お手洗いも充実
ベビーチェアに加え、子供用の便器も

さらに、ベビーチェアはもちろんのこと、子供が使えるように子供用便器まで備え付けられています。かなりの配慮ですね。相当、お子さんがいらっしゃる社員さんなどの意見を取り入れたりと工夫されたことが伺えます。

お手洗いも充実
もちろん、通常のトイレもある

もちろん通常のトイレもあります。2両編成(主に特急うずしお、特急しまんと)の場合は車間部に多目的トイレと通常のトイレが、3両編成(主に特急南風)の場合は2つの車間部のうち高知寄りに多目的トイレと通常のトイレが、岡山寄りに通常のトイレがあります。

絶景区間を走り抜ける土讃線特急、都市間を高速で結ぶ高徳線特急

今回ご紹介した2700系は土讃線(厳密にはその先、岡山までの予讃線・本四備讃線・宇野線)と高徳線(こちらも一部の列車は岡山まで)で使われています。JR四国が新たに開発した、ディーゼル特急の最新型車両です。

絶景区間を走り抜ける土讃線特急、都市間を高速で結ぶ高徳線特急
車体を傾けてカーブを高速走行する特急南風

現時点では、特急南風としまんと、うずしおの全列車とあしずりを次第に置き換えている2700系。この先、メスが入るとしたら特急宇和海だと思います。特急剣山と特急むろとは、しばらくは今の列車のまま、もしくは置き換えで余った車両を一旦代走させて、車内のリニューアル程度にとどまると思われます。

ここからは個人的な考えです。観光列車四国御三家(「四国まんなか千年ものがたり」「志国土佐時代の夜明けものがたり」「伊予灘ものがたり」)が、もともとは特急剣山や特急むろとの車両である185系を改造して作られています。そのためJR四国としては観光列車を捨てない限り、特急剣山や特急むろとなどを置き換えても、整備の統一による経費削減にはつながらないものと思われます。

これらの四国御三家の観光列車は、コロナ禍でもそれなりに満席に近い状態で運転しているのが現状です。まして緊急事態宣言が解除された後は、なかなか予約が取れないという状況が続くものと思われます。コロナ禍で全線赤字で苦しむJR四国が、黒字事業と思われる観光列車を捨てることは到底考えられません。というわけで、徳島県内の特急には、しばらくはメスが入らないと思われます。

最後は勝手な感想を書かせていただきました。新型車両2700系に乗って四国の快適な旅をお楽しみくださいね。

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