関西エリアから山陰地方を結ぶ特急列車として最速を誇る特急「スーパーはくと」。途中で短絡線である智頭急行線を走行し、鳥取までを結びます。

JR西日本を走る特急列車でありながら、智頭急行が所有する車両を使用するため、ちょっと車内の様子は違う。この記事ではまず、特急スーパーはくとに乗車するための割安な切符などをご紹介します。さらに普通車指定席に加え、たまたま少しだけ乗車した京都〜新大阪の区間で前面展望の自由席にも乗車できましたので、特急スーパーはくとの車内についてご紹介します。
スーパーはくとの予約は「チケットレス」などお得な切符がオススメ
スーパーはくとの通常料金は次のようになっています。
利用区間 | 自由席 | 普通車指定席 | グリーン車 |
---|---|---|---|
京都〜鳥取 | 7,690円 | 8,320円 | 11,120円 |
京都〜倉吉 | 8,680円 | 9,310円 | 13,500円 |
大阪〜鳥取 | 6,590円 | 7,220円 | 10,020円 |
大阪〜倉吉 | 7,360円 | 7,990円 | 10,790円 |
三ノ宮〜鳥取 | 5,920円 | 6,550円 | 9,350円 |
三ノ宮〜倉吉 | 7,030円 | 7,660円 | 10,460円 |
姫路〜鳥取 | 4,120円 | 4,750円 | 6,050円 |
姫路〜倉吉 | 5,590円 | 6,220円 | 9,020円 |
京阪神と鳥取を繋ぐ重要な路線、競合の高速バス路線もあるのに意外と割引きっぷは少ないのがこの特急「スーパーはくと」。実際に乗車しましたが、普通車指定席・自由席ともに混雑していたので無理してお客さんを増やす努力をする必要がないということでしょうか。
e5489限定の割引きっぷをうまく活用しよう
2023年現在、特急「スーパーはくと」には「WEB早特」が設定されています。インターネット予約「e5489」を利用することで、割引を受けることができます。
具体的なきっぷの値段は次のとおりです。「WEB早特7」は7日前までに、「WEB早特14」は14日前までに予約が必要です。
主な設定区間 | ||
---|---|---|
大阪市内 ~ 鳥取 | 6,490円 | 5,770円 |
岡山 ~ 鳥取 | 4,580円 | 4,070円 |
JR各社はネット予約の利用促進を進めており、「スーパーはくと」でもネット予約による割引が受けられるようになっています。
山陰発限定で「はくと 往復WEB早トリきっぷ」
e5489限定の「はくと 往復WEB早トリきっぷ」があります。このきっぷは期間限定で発売されているものであり、そのうち廃止されてしまう可能性があること加え→期間限定で発売は終了したようです、現在このきっぷは発売されていません。
大阪から鳥取までが、普通車指定席で片道7,220円のところを9,500円で乗車できてしまいます。鳥取にお住まいの方が利用するのであればかなりお得なきっぷであることがお分かりいただけるでしょう。ただし、鳥取・倉吉にお住まいの方が京阪神圏へ行くためにしか使えないので使える方はかなり限られてくると思います。→期間限定で発売は終了したようです、現在このきっぷは発売されていません。

「え〜鳥取県民だけずる」と思って調べてみた。
途中で通過する智頭急行線は、地元の出資によって建設された路線。鳥取県 33.9% 兵庫県 13.3% 鳥取市 11.2% 岡山県 8.1% 佐用町 5.1%の出資と、鳥取県の自治体から相当の出資を受けている。逆にいうと鳥取県民の血税が少なからず使われているので(でも、黒字で株主配当まで行われているらしいから…血税を使ったけど戻ってきたともいうべきか)、鳥取県民に少しでも贔屓しようとするのは当たり前のこと。
eチケットレス特急券が最もオススメ!
ということで、先ほどの往復きっぷは京阪神発着の場合はしようできません。
そこで僕がオススメするのが、片道から利用でき変更も可能、そして割引が適用される「eきっぷ」。このきっぷはJR西日本のクレジットカード「J-westカード」会員限定ではありますが、年1回以上の利用があれば年会費は無料で持つことができます。
JR西日本では、ほぼ全ての特急列車に「eきっぷ」を設定しています。さらに、新型コロナウイルスの影響もあって、チケットレス特急券が急速に成長。チケットレス特急券はこのスーパーはくとでも利用できます。
コロナ禍でチケットレス化を頑張りすぎた結果、ちょっと複雑になりすぎた感が否めません。ので、早見表をまとめておきます。
チケットレス特急券の種類 | 予約期限等 | お得度(割引率) | J-westカード会員限定等 |
---|---|---|---|
eチケットレス特急券 | 1ヶ月前から可能 | ★★★ | カード会員限定 |
チケットレス特急券 | 1ヶ月前から可能 | ★ |
チケットレス特急券をうまく活用したいところですが、新幹線と乗り継ぐ場合は新幹線特急券と同時に紙のきっぷで購入した方がお得です。新幹線と在来線特急の特急券を同時に購入することで、在来線特急の特急券部分は半額となります。特急スーパーはくとについても、京都・新大阪・姫路・相生の各駅で乗り継ぎ割引が適用されます。
なお、東京方面から鳥取へ行く場合は、姫路に停車するのぞみ号を利用して、姫路で乗り継ぐのが最も早いです(相生はのぞみ号が停車しないため)。

京都〜新大阪までの東海道新幹線区間など、JR東海区間を含む場合、この「eきっぷ」は利用できないので注意が必要です。
土日などは混雑するので早めの予約を!
山陰と山陽を結ぶ特急はいくつかあります。が、そのうちもっとも重要な大動脈が「特急スーパーはくと」と「特急やくも」です。この2つの列車は、普通車指定席も常に混雑している印象です。

2021年12月のとある日、朝に京阪神を出発して鳥取へと向かう特急スーパーはくとに乗車することを考えていたのですが、1週間前の段階で既に満席となっていました(その日は結局、岡山まで新幹線に乗車して岡山から特急「スーパーいなば」に乗車することで事なきを得て、さらに記事を書ける列車も増えました笑)。
平日もビジネス利用などで混雑する傾向にあります。指定席は早めに確保しておくことをオススメします。また、朝の時間帯に京阪神方面から鳥取方面へと向かうと、始発の京都駅の段階で自由席の窓側座席は埋まります。自由席を利用する際は早めに並んでおくことをオススメします。
座席の様子を徹底紹介!展望席も狙える!
続いては恒例となりつつある、特急列車の車内の様子をご紹介します。
特急スーパーはくとの普通車指定席
特急スーパーはくとの普通車指定席はこんな感じ。座席の構造自体はJR四国の特急「しおかぜ」「いしづち」の旧型車両とほぼ同じだと思われます。

コンセントについては後ほど詳しく書きますが、僕が乗った車両にはコンセントがなかったのがとても残念…。これは残念でなりませんでした。

枕カバーも、智頭急行独自のものとなっています。

普通車指定席については、ペットボトルホルダーとフットレストが装備されています。フットレストは、新幹線グリーン車などのフットレストほどではなく、やや軽めのフットレストです。ペットボトルホルダーはペットボトルはじめ、飲み物を入れておくことができます。窓枠の部分にコップの飲み物を置くこともできますが、カーブを高速で通過するためこちらに入れておくのが無難。

テーブルはJR西日本のものとは違い、座席背面のテーブルだけです。インアーム式(肘掛けから出てくるタイプのテーブル)はありません。

テーブルを広げるとこんな感じ。テーブルは木目調で見た目はいいものの、あまり大きくはありません。

僕が普段、旅行中にブログを書く際に仕様しているiPad Air4(10インチ)+Magic Keyboardを広げた様子です。パソコン作業をしようとするとテーブルはほとんど埋まってしまいます。

そしてカーテンはこんな感じ。比較的シンプルですね。JR九州などでよくある、簾になっていたり、などの演出はありませんでした。
自由席も混雑する!自由席はJR西日本スタンダードな座席
続いて自由席。指定席がなかなか取れないこともあり、意外と自由席も混雑します。

普通車自由席の座席はこんな感じ。智頭急行独自のモックアップとなっていますが、座席自体は特急「サンダーバード」や「こうのとり」「きのさき」「くろしお」など、JR西日本の主要な特急列車で使用されているものと同じものでした。
下り列車は自由席が前面展望になるときも
特急スーパーはくとには、展望タイプの先頭車があります。流線型の先頭車両は、先頭の座席から前面展望を楽しむことができます。

前面展望ができるか否かは列車によって決まります。これは当日までわからないようなので、あまり期待せずに乗りに行くといいでしょう。
車内は智頭急行の独自色が!
車内には至る所に智頭急行の独自色があります。
車内にはコンセントやWi-Fiがあるが、ない座席も
JR西日本はなぜか、特急列車へのWi-Fiの導入に消極的です。しかし、特急スーパーはくとは智頭急行所有の車両であり、智頭急行が自らWi-Fi設備を搭載しています。
なお、智頭急行線以外の線区でもWi-Fiは利用できます。というより、智頭急行線内は携帯電話の電波さえまともに繋がらないため、逆に智頭急行の線内ではWi-Fiも利用できなくなりがちです。

特急スーパーはくとのWi-FiはフリーWi-Fiのタイプではなく、パスワードを入力するタイプです。このパスワード、客室に書かれているのですが目が悪いとちょい見えないだろ?って感じがとてもしました。
特急スーパーはくとのWi-Fiのパスワードは「SUPERHAKUTO」。全て大文字で入力する必要があります。なお、地域がらしかたないことではありますが智頭急行線内ではまともに使い物になりません。トンネルに入っては読み込みがされなくなり、トンネルを出て普通に使えるようになったと思ったらまたトンネルで読み込みができなくなる…これの繰り返し。
なお、姫路駅周辺など、都会の区間では普通にネットサーフィンやYouTube動画くらいなら楽しむことができました。

また、自由席を含むほぼ全ての座席にコンセントが設置されています。しかし僕が鳥取から姫路まで乗った時にはなかった。後から知ったことなのですが、配線の都合でどうしても設置できない座席があるそう。僕はかなりの確率でそこに当たってしまっていたのでした。
智頭急行の公式サイトに座席表が掲載されています。

こちらの座席表(PDFファイル)に書かれています。座席表部分だけ抜粋して掲載しておきます。赤の丸が付いている箇所にはコンセントがありません。コンセントを利用したい場合は、ここの座席は避けるようにしましょう。



僕はモバイルバッテリーを仕様しており、この後、新幹線に乗り換えたのでそこでコンセントを利用することができました。そのため、難なきを得ましたが、コンセントが欲しくてたまらないという人、ここは要チェックです。
通路には智頭急行ならではの装飾 自動販売機も
通路などにも、智頭急行ならではの設備があります。

車内にはモニターがあります(先頭車の運転台方向を除く)。このモニターで前面展望が映し出されていました。必ず全面展望が映し出されるわけではないようですが、これは良いサービスですね。

自動販売機も設置されています。冬になると暖かい飲み物も販売されているのはありがたい。安いとまでは言えないものの、関西圏の駅の自動販売機で買えそうな値段で、比較的良心的だと思います。

洗面台もこんな感じ。おしゃれになっています。カメラのノイズからも分かると思いますが、特に夜走行する場合は、ややこの辺りは暗いです。

広告の枠がありますが、ここはガッツリ広告といった感じではなく地元の観光地を紹介しているといった感じ。
お手洗いも綺麗で使いやすい
続いてお手洗いの紹介です。このブログでは必ずお手洗いも紹介する流れになっています笑

僕が「最新のトイレか、それとも古くないけど最新ではないお手洗いか」を判断する基準、「ウォシュレットが装備されているか」。この特急スーパーはくとのお手洗いはウォシュレットが装備されています。
特急スーパーはくとに使用されている車両はだんだん老朽化が進んでおり、車両の更新も取り沙汰されていますが、トイレや座席はリニューアルして使われています。トイレもリニューアルされており、ウォシュレットが装備されています。

カーテンは倉吉絣(くらよしかすり)の暖簾で、全て手作りなんだそう。倉吉で江戸時代から継承査定る伝統工芸で、民話のモチーフになったりと美術的で精巧な作りが特徴です。

洗面台の陶器もまた、伝統工芸品が使われています。「因州中井窯」は鳥取県の民芸陶器であり、工業デザイナーの指導も受けて成長しているんだそう。シンプルなデザインがいいですよね。

洗面台のランプカバーには因州和紙が使われています。因州和紙は1000年の伝統をもつ和紙で、この特急スーパーはくとのランプカバーに採用されている和紙は、智頭杉の皮を入れて温かみのある光となっています。
これ以外にも、JR西日本のさまざまな特急列車をご紹介しています。こちらの記事も併せてご覧くだささい。
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