西日本エリア、北陸方面から関西圏を経て山口までの長大な路線網を持つJR西日本。
JR西日本は新幹線を持つ会社でありながらも、山陰方面や北陸方面等、新幹線が通っていない地方も数多く持つため、さまざまな特急列車を走らせています。今回はJR西日本の特急列車総集編。JR西日本の特急列車をまとめてご紹介します。
JR西日本の特急列車に乗る際におトクなきっぷも多数ご紹介しますので、是非ともご覧ください。
JR西日本もお得なきっぷを多数発売!
JR西日本は広大な路線網を持ちます。その広大な路線網はさまざまな特性を持っており、それぞれに地域にお得な切符を発売しています。
最新のお得な切符は、こちらのサイトをご覧ください。JR西日本は、2020年の「どこでもドアきっぷ」、2021年の「どこでもきっぷ」などをはじめとした期間限定のお得なきっぷにも積極的です。ここでは期間限定の超破格きっぷは抜きにして、JR西日本が長期間に渡り発売しており、今後も発売し続けると思われるきっぷをご紹介します。
スーパー早特きっぷ
「スーパー早特きっぷ」は、14日前までの予約で、関西圏や岡山・広島からやや長距離の新幹線が割引になるきっぷです。
関西エリア・岡山・広島などから九州方面へは、新幹線と航空機が対抗しています。航空機にお客さんを奪われないようにと設定されているきっぷです。例えば、新大阪〜博多が片道10,480円と、かなりお得です。
ただし、この「スーパー早特きっぷ」は14日前までの予約が必要でありながら予約変更が一切できません。J-Westカード限定のきっぷとなりますが、変更の可能性がある方は後にご紹介する「eきっぷ」がオススメです。
eきっぷ(J-Westカード会員限定)
続いてご紹介するのは「eきっぷ」。新幹線・在来線の双方で利用できるきっぷです。
J-westカード会員限定ですが、JR西日本エリアに加えてJR九州エリアでも割引きっぷが利用できます。具体的には、新大阪=博多間などを初めとした、他社(航空機含む)との競合区間では大幅な割引が、それ以外の区間でも原則、自由席特急券と同額で指定席特急券が利用できます。僕は日本一周旅行の際に大いにお世話になりました。新幹線との乗り継ぎ割引を適用することで金沢〜大阪の特急サンダーバード普通車指定席の特急料金が1,200円なんてことも実現できました。
さらに新型コロナウイルスの影響もあってか、JR西日本はチケットレス特急券を積極的に推進しています。同じ関西圏を走る大手私鉄・近鉄の特急や京阪プレミアムカーがチケットレスに全区間で対応していることも影響しているのでしょう。
2021年11月より、JR西日本の在来線のほぼ全線においてチケットレスサービスが始まりました。これにより利便性は増したものの何が何だか分かりにくくなったのも事実です。近いうちに統合されて分かりやすい体系になることを期待します。
予約期限等 | お得度 | J-westカード会員限定等 | |
J-westチケットレス特急券 | 前日・当日のみ | ★★★★★ | カード会員なら変更が何度でも可能 (カード会員でない場合変更不可) |
eチケットレス特急券 | 1ヶ月前から可能 | ★★★ | カード会員限定 |
チケットレス特急券 | 1ヶ月前から可能 | ★ |
このeきっぷは、e5489で予約する場合は「J-westカード」が、JR九州のネット予約で予約する場合は「JQカード」が必須です。クレジットカード会員になる必要があるのです。
ただしJ-westカードはベーシックであれば年1回以上の利用があれば年会費無料となります。年1回の利用さえ忘れなければ実質無料で持つことができます。年がら年中旅行をし続ける僕にとっては使わないはずがないので、僕はこのカードを持っています。
詳細については、こちらのサイトもご覧ください。
新幹線直前割きっぷ
最後に、こちらもまた最初と同様、新幹線限定のきっぷとなってしまいますが直前割のきっぷのご紹介です。
3日前から予約することができる、直前限定のきっぷです。
3日前から前日まで、山陽新幹線の「ひかり」号と「こだま」号がお得に利用できます。2022年2月までとなっていますが、僕は延長される可能性も高いと考えています(延長される保証はありません)。そして、「みずほ」「さくら」などの速達・九州新幹線直通タイプと、「こだま」「ひかり」などの山陽新幹線内・停車タイプの空席の差を見る限り、今後、恒久的に発売する可能性もあるんじゃないかなと思っています。「どこでもきっぷ」を使い破格で新幹線に乗り降り自由になる期間ですら、九州新幹線直通タイプと混雑具合が全くもって違います。
広大な路線網に数多くの特急列車
JR西日本は、広大な路線網を持ちます。そして、その各方面に特急列車を走らせています。まずは、各方面の概要を書いていきます。
北陸方面・北近畿方面
北陸方面へは、JR西日本の中でダントツの本数を誇る特急「サンダーバード」、そして東海道新幹線と接続し、一部列車は名古屋まで直通する特急「しらさぎ」が走ります。
特急サンダーバードが走る大阪=福井・金沢間はかなり需要があります。特急サンダーバードは9両編成。9両編成で毎時2本から、ラッシュ時は3本などかなりの本数が走っています。
新幹線と特急「しらさぎ」を米原で乗り継ぐパターンを含めれば、毎時3本から、ラッシュ時は5本近い列車が走ります。北陸新幹線大阪延伸が望まれるのも納得です。
大阪・京都などの関西圏から福知山・豊岡・城崎温泉などの北近畿方面へは特急こうのとり、きのさき、まいづる、はしだてなどが走っています。
簡単にまとめておくと、
- 特急「こうのとり」:新大阪・大阪ー福知山ー城崎温泉
- 特急「きのさき」:京都ー福知山ー城崎温泉
- 特急「まいづる」:京都ー綾部ー東舞鶴
- 特急「はしだて」:京都ー福知山ー天橋立(京都丹後鉄道線)
という感じ。多種多様な特急列車が、各方面へと走っています。各特急は一部列車が福知山駅止まりとなります。福知山は4方面から路線が伸びてくるジャンクションで、この福知山で乗り継ぎができるように配慮されています(特急料金も通算で計算されます)。
山陰方面
山陰方面は新幹線がないこともあり、かなり多くの種類の特急が走ります。北陸方面の特急と比べると本数や両数こそ少ないものの、さまざまな需要に合わせて多くの種類の特急列車が走ります。
山陰方面は、島根県や鳥取県が積極的に出資し、高速化事業もおこなっています。そのため、2両編成という見た目こそ頼りない特急ながら、かなりのスピードで飛ばします。そして、山陰本線の日本海が見られる区間や宍道湖沿いを走る区間など、見どころもかなり多い。
また、岡山から出雲市までを結ぶ特急やくもは、国鉄時代の車両を使った特急でかなり雰囲気がある。近いうちの引退も発表されていますので、今のうちに乗っておきたいところです。
紀伊半島方面・関西エリア
最後に紀伊半島方面と関西方面。
関西エリア内では関空への特急「はるか」が、そして紀伊半島方面へは特急「くろしお」が走っています。関空特急「はるか」は京都や一部列車が草津などから新大阪・天王寺を経由して関西空港へと走ります。また、特急「くろしお」は、新大阪から天王寺・和歌山を経由して新宮方面へと走ります。両方ともに大阪駅は通らないことに注意が必要です。
特に朝夕の時間帯は意図的に増発されています。関西エリア内での通勤ライナー的な役割も持っているためです。
座席周りの設備は統一されつつある!
ここまでで、特急列車の概要をご紹介してきました。最後に、各特急列車の車内を徹底紹介します。
徹底紹介を全てここに掲載すると、このページはえらいこっちゃになってしまうので、各列車ごとに分けて記事でご紹介しています。
新幹線
まずはJR西日本の稼ぎ頭・新幹線から。
山陽新幹線は、両端で別会社と繋がっているのが特徴です。両端で別会社に直通している唯一の新幹線です。
そのうち、九州新幹線に直通する「みずほ」「さくら」号は普通車指定席がかなり快適な作り。山陽新幹線・九州新幹線に乗るならば、指定席料金を払う価値が大いにあると言えます。
東海道新幹線直通の列車は、朝夕の時間帯を除いて全ての列車が東京駅まで直通します。博多から東京まで、5時間走り続ける新幹線も多数設定されています。
東海道新幹線に直通する列車は全て、16両編成のN700系新幹線、またはN700S系新幹線で運転されます。
さらに、JR東海が開発した13年ぶりの新型車両「N700S」も走っています。2021年現在はJR西日本所有の車両も16両編成のみですが、近いうちに8両編成なども登場すると期待したいところ。
2022年に開業予定の九州新幹線西ルート、通称「長崎新幹線」はN700S新幹線が導入されることが決まっています。
また、山陽新幹線内では今でも700系「レールスター」が走っています。
JR西日本の在来線特急でスタンダードな座席
JR西日本の特急列車は、かなり座席周りの設備を統一しつつあります。
座席は薄いものの、リクライニングも効き座席も快適。2021年現在、一部列車を除いてほとんどの車両でコンセントや車内Wi-Fiの設備はありません。
ちょうど今、名鉄の特急列車の中でこの記事を書いているのですが、名鉄と違ってテーブルは十分な広さがあります。パソコン等をおいて十分に作業できるのがありがたい。
肘掛けから出すタイプの小さなテーブルもあります。このテーブルは座席を回転させても使用できるため、4人での旅行などでも使えます。ただし、2021年11月現在、新型コロナウイルス感染拡大防止のために、座席を向かい合わせにして使用することは原則遠慮するように要請されています。
関西エリアと各地を結ぶ特急
続いては関西エリアと各地を結ぶ特急列車をご紹介します。
特急こうのとり・きのさきは関西エリアと北近畿を結びます。
車内の設備は至って普通の特急です。テーブルが2つあるのがJR西日本の特急列車の特徴です。この列車にも2つあります。
特に大阪から福知山方面へは、ビジネス・観光双方での需要があります。福知山線や山陰本線は線形が悪く、あまり速達性を発揮できていません。そのため車内Wi-Fiなどをはじめとしたサービス充実を図ってくれるといいのになぁ、と思うのですが皆さんはどう思われますか?
また、関西空港から関西各地を結ぶ特急「はるか」はそれなりに古さを感じさせる車内。
新型コロナウイルス感染拡大の直前に、増結用の車両を増備、運転開始から2週間で増結用車両は使わなくなってしまった。これを機に「災転じて福となす」で、以前から使っている車両のリニューアルをして欲しかったところ。増結用車両3両で十分な時期もありましたからね。
2021年11月現在、リニューアルする予定はないようです。なお、増備された増結用車両には全席にコンセントが配備され、車内ではWi-Fiも利用できます。
最後に、新大阪から和歌山・白浜・新宮方面へと走るのが特急「くろしお」です。
くろしおも本数がそれなりに確保されており、まあまあ混雑しています。
北陸方面の特急
最後に北陸方面の特急列車です。2023年に北陸新幹線が敦賀まで延伸することが決まっており、それまで耐えている感が否めません。
というのも、2021年現在、新型コロナウイルスに伴う緊急事態宣言が解除された半月後には9両編成で指定席・自由席ともに満席でデッキに立つ人が現れるほどの需要。リニューアルしているほどの車両の余裕はありません。
それに比べて、特急しらさぎはある一定の需要はあるものの極端に混雑している印象はありません。ただし、北陸方面の福井・敦賀などから東京へ行くためには最速の手段となります。そのため、福井などの途中駅から、米原までは混雑する傾向にあります。
座席周りは至って普通です。普通車自由席と普通車指定席での差もありません。
なお、半数程度の列車がそのまま直通して名古屋まで乗り入れていますが、名古屋まで乗り入れる列車の名古屋〜米原間はそこまで混雑する傾向にありません。
山陰方面の特急
最後に山陰方面の特急列車です。
山陰方面には特急「やくも」や特急「スーパーいなば」などが走っています。特急やくもは、まもなく新型車両が投入されるようです。
国鉄時代の特急に乗れるのは、この「特急やくも」が最後です。乗るなら今のうち。
カーブの多い伯備線を走行するためにエチケット袋が装備されているなど、独特の設備があるのも特徴です。
特急「スーパーおき」(新山口〜松江・鳥取)や特急「スーパーまつかぜ」(新山口〜松江・鳥取)が山陰本線を走り、山陰都市間を結びます。また、特急「スーパーいなば」が岡山〜鳥取(智頭急行線経由)を結んでいます。
これら3つの「スーパー特急」は、2両編成ながらスピードをかなり出す特急列車です。同様の車両で、鳥取から岡山を結ぶ「スーパーいなば」も運転されています。
一方、京都・大阪から鳥取を結ぶのが特急「スーパーはくと」。智頭急行が所有する特急列車が使用されています。大阪から山陰の大都市・鳥取までを結びます。この「スーパーはくと」は、5両編成の列車が使用され、グリーン車も付いています。
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