北陸と関西エリアを結ぶ特急サンダーバード。特急サンダーバードはコロナ禍以前はかなり混雑し、30分に1本のペースで運転されていました。
コロナ禍の現在でも特に自由席などは混雑し、1時間あたり1本の本数は確保されているほど。この記事では、特急サンダーバードの車内設備や座席の様子、自由席混雑状況に加えておトクな割引きっぷも多数ご紹介していきます。
普通車は8両と充実するも自由席は混雑することもある!
特急サンダーバードは9両編成で運転されています。そのうち1号車がグリーン車で残りの9両が普通車となっています。また、さらに増結されて12両編成で運転する日もあります。

普通車の座席はJR西日本としてはスタンダードな座席
特急サンダーバードに搭載されている座席は、JR西日本の特急列車としてはスタンダードな座席。2015年以降に「リフレッシュ工事」が行われて、座席が一気に新しくなりました。

2021年現在、特急サンダーバードに使用される車両は全てリフレッシュ工事が完了しており、落ち着きのあるブルーを基調とした座席になっています。

北陸と関西圏をつなぐ特急サンダーバードはビジネス需要も大きい。それもあり、座席の背面にはかなり大きなテーブルが備え付けられています。

お弁当を広げるのも、パソコン作業をするのも快適です。ドリンクホルダーに相当するものが2つあります。手前の深い方は缶などを置いておく場所だと思われます。

さらに、JR西日本の特急列車の多くには小さなテーブルも備え付けられています。座席を回転させても利用できるようにとの配慮でしょうが、2021年12月現在、座席を向かい合わせにすることは遠慮するよう放送されます。

普通車にも読書灯があります。夜遅い時間帯の列車に乗る場合はありがいた設備ですが、昼間の時間帯であれば窓から入ってくる光で十分。読書灯をオンにしていたのを忘れたほどでした。
普通車も車両の両端部にはコンセントがある!Wi-Fiの整備が2022年10月から開始
特急サンダーバードにはコンセントがあります。このコンセントの設備も、リフレッシュ工事によって取り付けられたものです。
グリーン車には全席にコンセントが、普通車には最後尾の列と最前列(車両の両端部分)にコンセントがあります。車両の両端部分のコンセントは、通路側座席でも利用できます。

スマホやパソコン電源として取るには最適。特急サンダーバードは始発の大阪から終点の金沢までを最速でも2時間半かけて結びます。2時間半は…やはりできれば全席にコンセントを装備してほしいところです。
また、車内にWi-Fiの設備はありません→2022年10月から一部列車で順次、Wi-Fiサービスが開始されました。

北陸新幹線の敦賀開業で余剰車両が出るまではこのまま行くと思っていただけに少し驚きです。ただし、Wi-Fi回線用の機器の納入が遅れており、2022年10月のサービス開始時点ではまだ一部の列車に限られるようです。
2021年末に乗った時、Wi-Fiの機器らしきものが装備されていたのですがWi-Fiの電波は飛んでいませんでした。その時は業務用のものと思ったのですが実際にWi-Fi設備だったみたいですね。JR西日本としてはサンダーバード全列車で同時にサービスを開始したかったのでしょう。

列車内のWi-Fiは、列車がどこを走行しているかによって大きく変わるのであくまで参考値と考えてください。速度はダウンロードが15Mbps程度、アップロードが6.9Mbps程度と、列車内に整備されるWi-Fiとしてはかなり速かったです。

また、途中の「北陸トンネル」をはじめとして携帯電話の電波すら繋がらないところもあります。敦賀駅を金沢方面に出てすぐに、7分程度かけて北陸トンネルを通過します。車掌さんからも「ただいまから北陸トンネルを通過します。通過時間はおおよそ7分間であり、この間、一部の携帯電話が利用できなくなります」との案内がありました。2021年12月現在、auのみが北陸トンネル内で利用できるようになりました(下記引用参照)。他社の回線は利用できません。
延長13・87キロの北陸トンネル内はこれまで、電波が届かないため携帯電話が使えませんでした。JR西日本金沢支社によると、鉄道の保守作業などに使用する通信回線としてauの中継基地局を整備し、2020年3月27日からで使用できるようになったということです。このため通じる携帯電話はauのみとなっています。
福井新聞-2020年6月10日 午前11時20分 より
時間帯によっては自由席は混雑するので注意
サンダーバード号には自由席が設定されています。5〜7号車が自由席となっています。列車によって自由席の両数が変わることは原則ありません。

平日夕方の列車や朝の時間帯の列車はかなり混雑します。特に、新快速での通勤圏でもある敦賀までなどで乗車するお客さんも多い。さらに、敦賀から先の北陸トンネルを越えた先では、福井周辺で通勤のために特急を利用するお客さんが多い。
この時間帯に普通車自由席に乗ると、半数近いお客さんが特急通勤定期券を利用していたのが印象的です(あくまで僕の周りが、なので統計をとったわけではありません)。

関西圏でも、そして北陸圏でも通勤のために使われることがあるので自由席は混雑します。夜の遅い時間帯、19:30以降になればかなり落ち着く印象です。
車内はお手洗い等含めて設備が充実
長編成の特急列車らしく、車内設備はかなり充実しています。

お手洗いは普通の特急列車のお手洗い
まずはお手洗いです。お手洗いは普通のお手洗い。なんていったらアレですが、特急列車としてはよくあるタイプのお手洗いです。

蛇口をひねるタイプではなくて、自動で水が流れるタイプになっています。新型コロナウイルスの影響もあって、この方がかなりありがたいですね。

便器もリフレッシュ工事で更新されたと思われます。結構綺麗です。なんと写真を撮り忘れたのですが、ウォシュレットも装備されています。これはかなりの加点ポイント。
車内販売はないが自動販売機は設置されている
特急サンダーバード号には2021年12月現在、車内販売の営業はありません。僕の勝手な予想ですが、今後も車内販売の営業が行われることはないと思います。

かわりに自動販売機が設置されています。水とお茶と、ブラックコーヒーと微糖のコーヒーくらいなもんですが、それでもあるかないかは気持ち的に全然違います。
線形がよく、乗り心地は良い
特急サンダーバードは湖西線・北陸本線を高速で通過します。特に京都を出てしばらくしてから通過する山科から近江塩津までの湖西線は、いわゆる「スーパー特急」と呼ばれる、新幹線規格で超高速走行をすることを視野に建設された路線なのでかなり高速で通過します。

特に湖西線を高速で通過する様子は見ものです。新幹線では味わえない、在来線が爆走している感が出ます。

湖西線は琵琶湖を眺めながら走ります。高架となっていることもあり、琵琶湖を眺めることができます。

この高速走行と9両編成にいっぱいのお客さんを見ていると、北陸新幹線の大阪延伸が望まれるのは理解できます。ただ、北陸本線が在来線としてやっていけているのは、大量の特急利用客の恩恵でしょう。並行在来線の問題など、解決せねばならない問題があることも確かです。
予約はe5489を活用しよう チケットレス特急券も対象に!
特急サンダーバードを運転するJR西日本は多くの割引きっぷを発売しています。しかし、残念ながらあまり割引切符が多くはないのがこの特急サンダーバード。
特急「サンダーバード」では、交通系ICカードを乗車券として利用できる
JR西日本は、ICカードICOCAの対応エリアをかなり拡大しています。特急サンダーバードでは200kmを超える区間であっても、大阪近郊エリア〜金沢までの停車駅にかぎり、ICカードを乗車券として利用できます。

北陸線は大阪近郊エリアから金沢・和倉温泉まで、全線がICカード対応エリアとなっています。ICOCAは200kmまでとなっていますが、大阪近郊区間内の駅と次の在来線特急列車停車駅相互間をご利用の場合、200kmを超えていても利用可能です。
- サンダーバード(大阪~金沢間)
- しらさぎ
- くろしお
- こうのとり/きのさき/はしだて/まいづる/はまかぜ
すなわち、関西エリアから福井・金沢までのサンダーバード停車駅間ではICOCAを利用して列車に乗ることができます。次に紹介する「eチケットレス特急券」と組み合わせることで、完全にチケットレスで乗車することができます。
オススメは「eチケットレス特急券」
チケットレスサービスを利用することでかなり便利に利用できます。eきっぷと同様に、J-westカード会員限定の「eチケットレス特急券」はかなり便利でおトクです。
予約期限等 | お得度 | J-westカード会員限定等 | |
J-westチケットレス特急券 ※関西圏のみ(大阪-近江今津) | 前日・当日のみ | ★★★★★ | カード会員なら変更が何度でも可能 (カード会員でない場合変更不可) |
eチケットレス特急券 | 1ヶ月前から可能 | ★★★ | カード会員限定 |
チケットレス特急券 | 1ヶ月前から可能 | ★ |
ただし、表で最もお得な欄に書かれている「J-westチケットレス特急券」は注意が必要です。利用できるのは関西エリア完結の場合のみとなっており、北陸方面の特急列車は近江今津までとなっています。なお、「eチケットレス特急券」はJR西日本のほぼ全線で利用可能です。サンダーバードで大阪から金沢まで行こう、の場合は使えないので注意が必要です。
頻繁に使う北陸圏のユーザーならJ-westカードがオススメ
頻繁に新幹線を使い、そして北陸圏などのJR西日本エリアに住む人ならJ-westカードを発行して「eきっぷ」を利用するのがオススメ。
eきっぷはさまざまなところでご紹介しています。ベーシックカードであれば、1年1回以上の利用で年会費無料で持つことができて「eきっぷ」が利用できます。
区間 | 普通車指定席 | グリーン車 |
---|---|---|
大阪~福井 | 5,610円 | 7,570円 |
大阪~金沢 | 7,180円 | 10,450円 |
京都~福井 | 4,500円 | 6,760円 |
京都~金沢 | 6,410円 | 9,680円 |
福井~金沢 | 2,540円 | 3,300円 |
eきっぷは、自由席と同額、もしくはそれより安い価格で普通車指定席に乗車することができるサービスです。
北陸線の特急には「e早得」が設定されていますが、これはグリーン車のみの設定となっています。
普通車指定席には設定がないので注意が必要です。
区間 | グリーン車 |
---|---|
大阪~福井 | 6,660円 |
大阪~金沢 | 8,230円 |
京都~福井 | 5,710円 |
京都~金沢 | 7,460円 |
特急サンダーバードは対抗する交通機関が高速バスくらいしかありません。湖西線での高速走行や、線形の良さを武器とした圧倒的なスピードで、北陸圏と関西圏の圧倒的なシェアを握っています。それもあって、競合がある他の線区と比べて割引切符があまり充実していないのが残念。

敦賀での乗り換えが必須となったら、「乗り換え不要」を謳う高速バスに対抗して割引切符が出ることを願います。
金沢駅で北陸新幹線と接続する
北陸新幹線が金沢まで開業したことに伴い、富山から金沢までの特急列車は全て廃止されてしまいました。そのため、富山から関西圏へ行くためには乗り換えが必須となってしまいました。

富山と金沢の間は、シャトル便として結ぶ「つるぎ」号が走っています。サンダーバードはつるぎ号と乗り継げるようになっており、乗り継ぎの利便性が図られています。
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