北陸圏と中部圏、金沢から名古屋をつなぐ特急しらさぎ。そんな特急しらさぎの乗り方や車内の様子をご紹介します。

2023年現在、首都圏と福井県内を最速で結ぶ移動手段でもありますが、2024年春には北陸新幹線が福井・敦賀まで開業。おそらく、米原始発・終着の便は廃止されることとなります→2023年8月30日、運行計画が発表され、米原始発も残ることになりました。
中部圏と北陸をつなぐ特急しらさぎに格安で乗る方法は?
特急しらさぎは、名古屋・米原から金沢までを結ぶ特急列車です。名古屋から金沢まで直通する場合、米原で進行方向が変わることになります。
鉄道での移動にはやや不便な中部圏と北陸圏
特急しらさぎは、名古屋などの中部圏と金沢などの北陸圏を結ぶ特急です。しかし、中部圏から北陸圏へ行くには鉄道だとちょっと遠回り。

名古屋と金沢を結ぶ公共交通として、高速バスがあります。直線的に結ぶことができる高速バスと比べればコストパフォーマンスは下がります。
そのためJRとしては、途中の尾張一宮駅にも全列車停車させるなど、鉄道ならではの強みを活かす形で運転しています。また、東海道新幹線に乗車して米原へ、そこから特急「しらさぎ」に乗り換えて福井方面へと移動する手段は、福井への最速達の手段となります。
このように、中京圏から北陸圏への移動手段を担っているのが特急「しらさぎ」です。
自由席は空いていることが多い!
大阪から金沢を結ぶ特急サンダーバードはかなり混雑します。そもそもの移動人数が多いことに加え、サンダーバードは北陸圏と関西圏をかなり直線に近い形で結ぶことなどが挙げられます。

しかしこのしらさぎは、高速バスとも競合している関係でややお客さんは少なめ。自由席でも十分座ることができます。
帰省客などがやや増える金曜日の夜や日曜日の夜でも、自由席に座ることができることが多かったですが、コロナ禍が明けて、現在では時期によっては混雑します。ただし、2023年のお盆期間に少し様子を見たところ、自由席には立ち客もいました。東京から福井方面への移動が多い繁忙期には、米原(新幹線乗り換え駅)から福井の間で増結されることもありますが、それでも立ち客が出ます。
追加料金なしで普通車指定席が取れるきっぷもあります。JR西日本が運営するネット予約サイト「e5489」を利用し、特にJR西日本のクレジットカード「J-westカード」を所持していれば、お得な切符が多数あります。
コロナ禍以降は繁忙期を中心に、自由席で座れない可能性が出始めているのでうまく活用したいところです。
特急しらさぎは停車駅が多く設定されている
特急しらさぎは多めの停車駅が設定されています。停車駅は次の通りです。
- 名古屋
- 尾張一宮
- 岐阜
- 大垣
- 米原
- 長浜※
- 敦賀
- 武生
- 鯖江
- 福井
- 芦原温泉
- 大聖寺※
- 加賀温泉
- 小松
- 松任※
- 金沢
※は一部列車が停車
JRでは中部圏から北陸圏へと行く場合、かなり大回りになります。したがって、高速バスと大きな差がつけられていないというのが現状です。
そこで、特に北陸エリアに入ってから停車駅が多いのが特徴です。この区間を走る中でも最速の特急サンダーバードが、「大阪〜新大阪〜京都〜福井〜金沢」とかなりのスピードで突っ走っていくのとは対照的です。

また、JR東海エリア内の尾張一宮にほぼ全列車が停車するのも特徴です。名古屋から急いで行く人は、新幹線と特急しらさぎを乗り継いでください、ということですね。それより、地域密着型で利便性を高めようということです。
2024年3月の敦賀延伸時の運転についても発表
2023/08/30、JR西日本より敦賀延伸時の運転計画が発表されました。北陸新幹線の敦賀延伸開業は2024年3月16日となりました。JR西日本のプレスリリースはこちらをご覧ください。
- 東京から敦賀へ直通する「かがやき」「はくたか」を計14往復運転します。
- かがやき(東京~敦賀間直通列車) 5往復
- はくたか(東京~敦賀間直通列車) 5往復
- 敦賀駅で、特急「サンダーバード」や「しらさぎ」と接続する「つるぎ」を25往復 運転します。
- つるぎ(富山~敦賀間運転列車) 18往復
- つるぎ(金沢~敦賀間運転列車) 7往復
となりました。東京〜福井間が最速2時間51分(36分短縮)、敦賀間が最速3時間 8分(50分短縮)となります。関西方面からは、大阪〜福井間が最速1時間44分(3分短縮)、大阪〜金沢間が最速2時間9分(22分短縮)、大阪〜富山間が最速2時間35分(29分短縮)となります。

また想定外に、特急「しらさぎ」は米原〜敦賀間の列車を含めて維持されます(ただし、北陸新幹線と接続が取れない早朝・深夜の1往復のみ運転終了)。特急「サンダーバード」と特急「しらさぎ」の全列車が北陸新幹線「つるぎ」と接続することになりました。
JR西日本としてはスタンダートな座席設備!
続いては座席のご紹介。座席はJR西日本の特急としてはスタンダードな座席です。敦賀から先で同一区間を走る特急「サンダーバード」については、別の記事で紹介しています。
座席周りのご紹介 テーブルも2つあって便利!
座席周りのご紹介です。

座席はこんな感じ。特段いいって感じではありませんが悪くもありません。2人がけの間の部分の肘掛けが意外と細い。

東海道・山陽新幹線のN700系と比べて最初から座席自体に角度がついています。リクライニングを倒さなくてもそれなりに快適なのはありがたい。

座席の幅いっぱいまで、大きなテーブルがあります。

前の座席背面からは、パソコン作業にも困らない大きなテーブルを出すことができます。

写真はiPad Air4を置いた様子。ノートパソコンであれば十分な作業スペースです。

JR西日本の特急列車によくある設備として、小さなテーブルがあります。飲み物などを簡単に置くことができます。座席を向かい合わせにしても使えるように、という配慮かと思われますが現在の状況下で、原則、座席を向かい合わせにして使うことはできなくなっています。
座席のモックアップには2通り!
座席のモックアップは2通りあります。赤を基調としたものと灰色を基調としたものです。

座席のモックアップには2種類あります。こちらが赤の座席。赤の座席と灰色の座席は車両ごとに交互に配置されていて、自由席/指定席での区分けなどはしていない模様です。

赤色の座席の方がやや明るさはあります。が、いづれにせよ、JR西日本の特急らしく落ち着きがある感じで僕は両方とも好きです。
コンセントや車内Wi-Fiはない!
特急しらさぎの車内にはコンセントはありません。また、車内のWi-Fiの設備もありません。
JR西日本は、先に関西圏の普通列車にWi-Fiを設置し始めました。特急列車にも設置してほしいですよね。

そして今後、北陸新幹線が開業することを考えれば、敦賀での乗り換えが必須となる模様です。関西圏や中部圏から乗り換えなしで、それなりに快適な座席で移動できるのがこの特急しらさぎと、関西圏から同じく北陸圏を結ぶ特急サンダーバードの特徴です。快適性なくしては、高速バスにシェアを奪われる一方なのでコンセントやWi-Fiは是非とも実現してほしいところです。
トイレなどの設備もしっかりしている!
車内設備もしっかりしています。この特急681系電車は元々、首都圏から北陸圏を結ぶ大動脈であった特急はくたかで使われていた車両です。そんなこともあり、車内の設備は最新ではないものの、それなりに必要な設備が整っています。
特急「しらさぎ」のお手洗い
お手洗いは、特急列車としてはスタンダードなお手洗いです。ウォシュレットなどの機能はついていません。

お手洗いは2両に1つづつ程度はついているため、そこまで混雑はしません。また、男性専用のお手洗いもあるため男性は特に安心です。

最近の特急列車ではスタンダードですが、洗面台もトイレ内にあります。ただ、この特急しらさぎは蛇口をひねるタイプで、自動で水が流れるわけではありません。

洗面台はしっかりしています。特急しらさぎは、洗面台が進行方向横向きではなく、進行方向前向きもしくは後ろ向きになっています。さらにカーテンなどもありますので、女性の方でも安心して利用できますね。
特急「しらさぎ」に車内販売等はないので注意
特急しらさぎをはじめとしたJR西日本の特急列車には車内販売はありません。

自動販売機の設置もありません。特に始発の名古屋から終点の金沢まで乗り通すと所要時間は3時間を超えます。乗車駅で予め購入しておきましょう。
途中の米原駅で進行方向が変わる関係上、5分ほどの停車時間が設けられています。特急しらさぎが停車するホームだけではなく米原駅の在来線ホームにはほとんどの場合、自動販売機が設置されています。米原駅で購入できなくはありません。ただし、ホームにコンビニはなく、改札の外のコンビニまで行くには時間がギリギリです。お弁当などは途中で調達できないと考えた方がいいでしょう。

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