名古屋から金沢をつなぐ特急「しらさぎ」の車内をご紹介 座席の設備は?コンセントやWi-Fiは?自由席は?

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中部北陸鉄道車内徹底紹介

北陸圏と中部圏、金沢から名古屋をつなぐ特急しらさぎ。そんな特急しらさぎの乗り方や車内の様子をご紹介します。

名古屋から金沢をつなぐ特急「しらさぎ」の車内をご紹介 自由席は混雑する?座席の設備は?コンセントやWi-Fiは?
特急しらさぎ(名古屋駅にて)

2023年現在、首都圏と福井県内を最速で結ぶ移動手段でもありますが、2024年春には北陸新幹線が福井・敦賀まで開業しました。これにより、首都圏と福井の間での最速手段は北陸新幹線へ。中京圏(名古屋など)と北陸を結ぶ特急列車としての性格が強くなりました。

2024年3月より、特急「しらさぎ」「サンダーバード」を含むJR西日本の主要特急列車が、全席指定席として運転されています。現在、特急「しらさぎ」に自由席の設定はなく、全席指定席となっています。乗車前に必ず、指定席特急券を購入してから乗車するようにしましょう。

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中部圏と北陸をつなぐ特急しらさぎに格安で乗る方法は?

特急しらさぎは、名古屋・米原から金沢までを結ぶ特急列車です。名古屋から金沢まで直通する場合、米原で進行方向が変わることになります。

鉄道での移動にはやや不便な中部圏と北陸圏

特急しらさぎは、名古屋などの中部圏と金沢などの北陸圏を結ぶ特急です。しかし、中部圏から北陸圏へ行くには鉄道だとちょっと遠回り。

特急しらさぎ(米原駅にて)

名古屋と金沢を結ぶ公共交通として、高速バスがあります。直線的に結ぶことができる高速バスと比べればコストパフォーマンスは下がります。

そのためJRとしては、途中の尾張一宮駅にも全列車停車させるなど、鉄道ならではの強みを活かす形で運転しています。また、東海道新幹線に乗車して米原へ、そこから特急「しらさぎ」に乗り換えて福井方面へと移動する手段は、福井への最速達の手段となります。

このように、中京圏から北陸圏への移動手段を担っているのが特急「しらさぎ」です。

自由席の設定はなく、全車指定席

2024年3月16日より、特急サンダーバード、特急しらさぎ、特急スーパーはくと、特急やくも、特急スーパーいなば、が全席指定席として運行されるようになりました。自由席が廃止され、全車指定席として運転されているため、乗車する際には指定席特急券が必要です。

大阪から金沢を結ぶ特急サンダーバードはかなり混雑します。そもそもの移動人数が多いことに加え、サンダーバードは北陸圏と関西圏をかなり直線に近い形で結ぶことなどが挙げられます。

しかしこのしらさぎは、高速バスとも競合している関係でややお客さんは少なめ。直前でも指定席を取ることができます。

自由席は空いていることが多い!
特急しらさぎが発着する名古屋駅

かつては首都圏と福井などを結ぶ最速手段であったため、週末の夕方や土日などを中心に混雑しました。現在はその需要の多くが北陸新幹線に移行したため、座席にやや余裕のある特急列車となっています。

JR西日本が運営するネット予約サイト「e5489」を利用し、特にJR西日本のクレジットカード「J-westカード」を所持していれば、お得な切符が多数あります。

特急「しらさぎ」は全席指定席となり、自由席が廃止されました。実質的な値上げに相当するものではありますが、自由席と変わらない値段で利用できる割引特急券が多数設定されているため、是非とも利用したいところです。

特急「しらさぎ」に少しでも安く乗る方法

特急「しらさぎ」には長らく、割引きっぷの設定が少ない状態が続いていました。北陸新幹線の敦賀延伸に伴い、割引きっぷの整理が行われ、以下の割引きっぷが利用できることになりました。

  • WEB早特7(JR西日本ネット予約「e5489」限定)
  • EXサービス限定 乗継きっぷ(EXサービス・「e5489」利用限定)

これに伴い、2024年春まで設定されていた「北陸往復割引きっぷ」「名古屋往復割引きっぷ」「東京往復割引きっぷ(北陸発)」は廃止されることになりました。

特急「しらさぎ」の割引きっぷ① 「WEB早特7」

最も手軽に利用できるのが「WEB早特7」です。JR西日本のネット予約サービス「e5489」(会員登録が必要、年会費・入会費無料)限定で乗車日の7日前まで発売されます。

区間着地おねだん利用列車
名古屋〜敦賀名古屋4,030円しらさぎ
名古屋〜福井名古屋5,690円しらさぎ
北陸新幹線
名古屋(名古屋市内)〜金沢名古屋(名古屋市内)8,170円しらさぎ
北陸新幹線
名古屋(名古屋市内)〜富山名古屋(名古屋市内)9,060円しらさぎ
北陸新幹線
WEB早特7の料金表

この「WEB早特7」は、乗車券と特急券が一体になった商品です。敦賀〜福井・金沢・富山では北陸新幹線が利用できます。また、2024年7月には「乗ってみよう北陸☆WEB早特21」が発売され、さらに大幅な割引が受けられるネット割引が設定されました。

特急「しらさぎ」の割引きっぷ① 「WEB早特7」
特急「しらさぎ」-米原駅にて撮影

特急「しらさぎ」の割引きっぷ② EXサービス限定 乗継きっぷ

東海道・山陽新幹線からの乗り継ぎで利用することができる割引きっぷが「EXサービス限定 乗継きっぷ」です。

2024年3月、JR各社は新幹線と在来線特急の間に設定されていた「乗継割引」を廃止しました。各社で廃止されたものの、JR西日本では東海道・山陽新幹線のネット予約サービス「EX予約・スマートEX」と、JR西日本の特急等ネット予約サービス「e5489」を活用して乗継きっぷを販売し始めました。

発地着地おねだん
米原敦賀500
米原越前たけふ1,530
米原福井2,160
米原芦原温泉2,730
米原加賀温泉3,320
米原小松3,620
米原金沢4,640
米原新高岡4,840
米原富山5,530
大人料金一覧(JRおでかけネットより一部を抜粋)

料金はこの通りです。この表の料金は、運賃・特急券の双方を含んだ値段で、特に米原〜敦賀の間では驚くほど安い値段になっています。

特急「しらさぎ」の割引きっぷ② EXサービス限定 乗継きっぷ
EXサービス限定 乗継きっぷ

乗継きっぷを購入する方法はちょっと複雑です。特に北陸線・北陸新幹線ではチケットレスが利用できないため、一部区間では紙のきっぷを発券する必要があります。

  1. EX予約・スマートEXで米原駅発着の新幹線(チケットレス等)を予約する
  2. 「EX旅先予約」で出てくるオプショナルツアーの中の「EXサービス限定 乗継きっぷ」を選択する
  3. e5489の画面に遷移するので、その画面から特急「しらさぎ」および北陸新幹線を予約する

という手順になります。また、この「EXサービス限定 乗継きっぷ」はJR西日本の券売機でしか受け取ることができません。米原駅での受け取りとなるので注意してください。

EX予約・スマートEXなどで新幹線にチケットレス乗車するわけですから、特急「サンダーバード」などで設定されているように、ICカード+チケットレスで乗車できるシステムに変更して欲しいところです。

鉄道のご案内|トクトクきっぷ:JRおでかけネット
トクトクきっぷとは、特別なご利用条件(区間、列車や利用期間など)を定めて発売する普通乗車券、回数乗車券、急行券、特別車両券、寝台券、コンパートメント券および座席指定券のことです。

詳細なルールや最新の情報については、JR西日本の公式サイトに掲載されていますので、こちらをご確認ください。

特急しらさぎは停車駅が多く設定されている

特急しらさぎは多めの停車駅が設定されています。停車駅は次の通りです。なお、2024年3月16日の北陸新幹線敦賀開業以降、敦賀以下の停車駅はなくなり北陸新幹線に置き換えられます。

  • 名古屋
  • 尾張一宮
  • 岐阜
  • 大垣
  • 米原
  • 長浜※
  • 敦賀

※は一部列車が停車

JRでは中部圏から北陸圏へと行く場合、かなり大回りになります。したがって、高速バスと大きな差がつけられていないというのが現状です。

2024年3月の敦賀延伸時の運転についても発表
特急「しらさぎ」はJR西日本の車両で運転

また、JR東海エリア内の尾張一宮にほぼ全列車が停車するのも特徴です。名古屋から急いで行く人は、新幹線と特急しらさぎを乗り継いでください、ということですね。それより、地域密着型で利便性を高めようということです。

北陸新幹線の敦賀延伸開業の際、想定外にも特急「しらさぎ」は米原〜敦賀間の列車を含めて維持されます(ただし、北陸新幹線と接続が取れない早朝・深夜の1往復のみ運転終了)。特急「サンダーバード」と特急「しらさぎ」の全列車が北陸新幹線「つるぎ」と接続することになりました。

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特急「しらさぎ」の車内・座席 やや古さを感じさせる座席

続いては座席のご紹介。座席はJR西日本の特急としてはスタンダードな座席ですが、特急「サンダーバード」などと比べるとやや見劣りするのも事実です。

北陸新幹線の敦賀延伸により、車両数に余裕ができたと考えられます。その余裕を使って改修してほしいところですが、JR西日本区間が相当短くなった特急、JR西日本にとってはそこまでお金をかけるモチベーションもないと思われます。

特急「しらさぎ」普通車の座席 テーブルも2つあって便利!

普通車の座席周りのご紹介です。特急「しらさぎ」の普通車には2通りのデザインがありますが、座席の機能自体は同じです。

特急「しらさぎ」普通車の座席 テーブルも2つあって便利!
特急「しらさぎ」の車内の様子

座席はこんな感じ。座り心地自体は悪くはないですが、最近の特急「サンダーバード」などと比べるとやや、見劣りするのも事実です。

特急「しらさぎ」普通車の座席 テーブルも2つあって便利!
特急「しらさぎ」の座席

JR西日本の特急列車では、少し古い車両を中心にこの座席が採用されています。2人がけの間の部分の肘掛けが意外と細いため、満席に近い日で隣にお客さんがいると、ちょっと不便かも。

特急「しらさぎ」普通車の座席 テーブルも2つあって便利!
最初からそれなりに角度がある

東海道・山陽新幹線のN700系と比べて最初から座席自体に角度がついています。リクライニングを倒さなくてもそれなりに快適なのはありがたい。

特急「しらさぎ」普通車の座席 テーブルも2つあって便利!
大きなテーブルがあることがわかる

座席の幅いっぱいまで、大きなテーブルがあります。

特急「しらさぎ」普通車の座席 テーブルも2つあって便利!
大きなテーブルがある

前の座席背面からは、パソコン作業にも困らない大きなテーブルを出すことができます。お弁当などをを食べるにも便利です。

特急「しらさぎ」普通車の座席 テーブルも2つあって便利!
iPad Air4を置いた様子

写真はiPad Air4を置いた様子です。ノートパソコンであれば十分な作業スペースが確保できるサイズです。

特急「しらさぎ」普通車の座席 テーブルも2つあって便利!
小さなテーブルも

JR西日本の特急列車によくある設備として、小さなテーブルがあります。飲み物などを簡単に置くことができます。座席を向かい合わせにしても使えるように、という配慮かと思われますが現在の状況下で、原則、座席を向かい合わせにして使うことはできなくなっています。

座席のモックアップには2通り!

座席のモックアップは2通りあります。赤を基調としたものと灰色を基調としたものです。

座席のモックアップには2通り!
赤色の座席も

座席のモックアップには2種類あります。こちらが赤の座席。赤の座席と灰色の座席は車両ごとに交互に配置されていて、自由席/指定席での区分けなどはしていない模様です。

座席のモックアップには2通り!
灰色の座席

赤色の座席の方がやや明るさはあります。が、いづれにせよ、JR西日本の特急らしく落ち着きがある感じで僕は両方とも好きです。

コンセントや車内Wi-Fiはない!

特急しらさぎの車内にはコンセントはありません。また、車内のWi-Fiの設備もありません。北陸新幹線の延伸開業により、新幹線にはコンセントとWi-Fiが設置されるようになりました。

JR西日本としては、北陸新幹線区間で電源・インターネットを使用できるのでそれで我慢を、という考え方なのかもしれませんが、名古屋などから比較的長距離を利用する人もいます。ここは改善して欲しいところです。

コンセントや車内Wi-Fiはない!
福井駅にて

北陸新幹線が開業して、特急「しらさぎ」「サンダーバード」の車両に余剰ができました。これらの余剰を利用して先に、特急「しらさぎ」車両のリニューアルを行うのかなど情報が出てきたら更新したいと思います。

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特急「しらさぎ」の車内設備 お手洗いは?車内販売は?

車内設備もしっかりしています。この特急681系電車は元々、首都圏から北陸圏を結ぶ大動脈であった特急はくたかで使われていた車両です。そんなこともあり、車内の設備は最新ではないものの、それなりに必要な設備が整っています。

特急「しらさぎ」のお手洗い

お手洗いは、特急列車としてはスタンダードなお手洗いです。ウォシュレットなどの機能はついていません。

お手洗い
お手洗い

お手洗いは2両に1つづつ程度はついているため、そこまで混雑はしません。また、男性専用のお手洗いもあるため男性は特に安心です。

お手洗い
洗面台

最近の特急列車ではスタンダードですが、洗面台もトイレ内にあります。ただ、この特急しらさぎは蛇口をひねるタイプで、自動で水が流れるわけではありません。

お手洗い
洗面台

洗面台はしっかりしています。特急しらさぎは、洗面台が進行方向横向きではなく、進行方向前向きもしくは後ろ向きになっています。さらにカーテンなどもありますので、女性の方でも安心して利用できますね。

特急「しらさぎ」に車内販売等はないので注意

特急しらさぎをはじめとしたJR西日本の特急列車には車内販売はありません。現在、JR東海・JR西日本の特急列車で車内販売が行われている列車はないため、飲み物やお弁当などは乗車駅であらかじめ購入しておく必要があります。

車内販売等はない!
電話スペースがあったか?

途中の米原駅で進行方向が変わる関係上、5分ほどの停車時間が設けられています。米原駅の在来線ホームにはほぼ全てのホームに自動販売機が設置されているので、米原駅で飲み物の購入は可能であることが多いでしょう。ただし、ホームにコンビニはなく、改札の外のコンビニまで行くには時間がギリギリです。お弁当などは途中で調達できないと考えた方がいいでしょう。

また、敦賀駅での乗り換えもややギリギリに設定されているため、敦賀駅で在来線特急から新幹線へ乗り継ぐ際のお弁当等の購入も難しいと考えた方が良さそうです。

北陸新幹線が開業 敦賀〜福井・金沢・富山は新幹線W7系・E7系へ

2024年3月、北陸新幹線が敦賀まで延伸開業。従来、金沢駅、その前は富山駅まで乗り入れていた特急「しらさぎ」は全て、敦賀止まりとなりました。敦賀で北陸新幹線に乗り換えて金沢まで向かうことになります。

こちらの記事では北陸新幹線で使用されるE7系・W7系について、普通車・グリーン車・グランクラス全クラスに乗車し、その様子を解説しています。

北陸新幹線が開業 敦賀〜福井・金沢・富山は新幹線W7系・E7系へ
W7系・E7系の車内

北陸新幹線に使用されるE7系・W7系は特急「しらさぎ」の車両と比べてかなり新しい車両です。普通車でも全席にコンセントが設置されており、車内でWi-Fiも利用可能です。

北陸新幹線が開業 敦賀〜福井・金沢・富山は新幹線W7系・E7系へ
グリーン車の車内

グリーン車の車内も、特急「しらさぎ」のグリーン車とは見違えるほど綺麗で豪華な座席です。リクライニングも電動です。

北陸新幹線が開業 敦賀〜福井・金沢・富山は新幹線W7系・E7系へ
グランクラス

さらにグリーン車より上位のクラスである、グランクラスも設定されています。「新幹線版ファーストクラス」と言われるグランクラスで快適な旅を楽しむことができます。

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