JR四国のローカル線の1駅でありながら、最近ではテレビなどで報道されることが多くなったため観光客を集めているJR下灘駅。海に近い駅として、インスタ映えスポットとして人気を集めています。
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今回はその下灘駅へのアクセス、時間潰しの仕方などをご紹介します。
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下灘駅はローカル線の駅、青春18きっぷのポスターに採用されて一挙有名に
下灘駅を含む区間は、高松から続く予讃線の一部です。しかし、高松から松山の間と違って電化はされておらず、ディーゼル列車が走ります。元々は松山から宇和島を結ぶために建設された路線ですが、短絡線である内子線が開業してからは特急列車の走らないローカル線となってしまっています。地方でよく見られる、幹線として建設されたものの、後から短絡線が建設されたことで幹線としての役割を失ってしまった路線です。
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1日に9往復の普通列車のみが走る路線でしたが、観光列車「伊予灘ものがたり」のデビューによって、1日2往復、走る列車が増えました。だとしても「伊予灘ものがたり」は全席グリーン車であり、もはや移動のための手段ではないためローカル線であることに変わりはありません。
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今では、予讃線伊予市 – 伊予長浜 – 伊予大洲間の愛称は「愛ある伊予灘線」となっており、観光需要を掘り起こすべく努力が続けられています。「伊予灘ものがたり」の運転もその一環です。この「伊予灘ものがたり」も好評で、今まで2両編成で運転されていましたが「四国デスティネーションキャンペーン」の閉幕に合わせて一旦引退し、3両編成の新たな「伊予灘ものがたり」となって再び来年の春から運転される予定です。
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「伊予灘ものがたり」は夕方の、夕日が綺麗な時間帯に下灘駅にやってくるように配慮されています。伊予灘ものがたりの向こうに沈む夕日も綺麗です。
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下灘駅は海のすぐそばにあります。そして、微妙に古くて簡素なホームの屋根やその先に見える絶景、これがなかなかいい雰囲気を醸し出しているので、一躍有名となりました。
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晴れていれば瀬戸内海の島が向こう側に見られます。写真の右端の方に見える2つの島が、鉄腕DASHで開拓する「DASH島」こと由利島です。
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駅舎の向こう側に夕陽が沈んでいくこともまた、この下灘駅の魅力の1つ。日が沈む時間帯には写真撮影を目的に訪れる人が多くなります。日が沈む1時間〜45分前くらいならまだ、青い海も見ることができます。
以上のことから、日が沈む1時間前くらいから、日が沈む時間まで下灘駅にいることができるようにスケジュールを組むといいでしょう。下灘駅の日の入り時間は松山の日の入り時間とほぼ同じなので、松山の日の入り時間を調べればほぼ正しく調べられるでしょう。
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写真撮影ができるようにスタッフさんが配置されている、時間潰しには「下灘駅カフェ」も
下灘駅は今では愛媛の1つの観光地となっています。写真撮影をするお客さんが大量にやってきていて、元々は無人駅だったものの列車の運転に影響を与えかねない状態です。
というわけで、今ではJR四国のスタッフさんがおられます。ずっといるわけではないでしょうが、特に夕陽が綺麗になる時間帯などにはホームにいます。なお、スタッフさんと言ってもJR四国の社員さんではなく地元の方で、きっぷなどの販売はしていません。
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今では写真を撮影するためにやってくるお客さんが非常に多いため、ホームに人がごった返すということになりかねない状況です。そのため、「今から3分ほどはホームには立ち入らないでください」とか、「今からあは順番に撮影をさせていただきます」といった具合に撮影のための時間を設けてくれます。これは写真撮影のためにくるお客さんが多い下灘駅ならではです。
下灘駅にはもともと、線路が2本ありました。予讃線をどんどん延伸していく際に、下灘駅は設置された最初の数ヶ月は終着駅でした。
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しかし内子線という、近道でショートカットできるルートが完成してからは、海沿いを走るローカル線となってしまったこの区間。ということで、通過線など配慮する必要もなくなったため、現在では1本だけの線路とたった1つのホームになっています。
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現在では手前、駅舎に近い側のホームは埋められてしまっています。それでも、JRの配慮で、駅名標は現在のホームに移設されて写真撮影ができるようになっています。
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また、列車の時間の都合で、下灘駅に1時間程度いることになる場合もあります。下灘駅の前には「下灘駅カフェ」というカフェがあります。値段はちょっと、観光地価格ですが夏でも冷たい飲み物を、冬でも温かい飲み物をいただくことができるのでオススメです。
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メニューはドリンクのみで、ランチしたりとか、そういう形で時間を潰すのは少し難しいかもしれません。
下灘駅へのアクセスはJRで!
下灘駅へのアクセスには、JRを利用するのがオススメです。何より、下灘駅は「駅」ですから。
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下灘駅へのJRローカル線は1日9本しかありません。そのため、時刻表を必ず確認してから行くのがよいでしょう。松山駅からは普通列車で約50分〜1時間程度です。
https://www.jr-shikoku.co.jp/01_trainbus/jikoku/pdf/shimonada.pdf
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普通列車は1両編成で、お客さんは少ないです。下灘駅に到着するときには、1両編成の列車に10人ほどしか乗っていませんでしたが、下灘駅から一気にお客さんが5倍近くに増えます。
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僕は日曜日の夕方、つまり結構混雑するタイミングで行ってしまいました。それでも、普通列車で座れないということもありませんでした。
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列車は伊予市駅の次の駅、向井原駅を過ぎると、通称「愛ある伊予灘線」と呼ばれる区間に入ります。この区間は予讃線であり、実は高松から松山を経由して宇和島へと至る幹線の一部です。しかし、内子線と呼ばれる、高速走行に適するように直線的なトンネルなどを整備した新線がのちに開通したため、現在は完全なるローカル線となっています。
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この区間は現在では、1日10本以下の普通列車に加えて観光特急「伊予灘ものがたり」が行き来するだけですが、景色は素晴らしい。特急が行き交う、高松〜松山間よりもいい景色です。
時間帯によっては途中の伊予市駅で特急宇和海と乗り継げます。特急宇和海は松山から伊予市までをノンストップで10分ほどで結ぶため、うまく乗り継ぎができれば特急宇和海を利用して30分ほどで松山から下灘駅まで行くことができます。
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四国の中でも松山は高松などからはやや遠く、列車を使うのが便利です。また、「愛ある伊予灘線」を経由して宇和島方面へと向かう場合は、伊予大洲駅で特急宇和海に乗り換えることができます。
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伊予大洲駅は特急を含む全列車が停車する主要駅です。実際、駅の周りには人家がそれなりにあり、一つの街となっていることがわかります。しかし、駅前がなかなか…お土産などは一切なく、最寄りのコンビニまで片道15分。30分の乗り継ぎ時間にもかかわらず時間がギリギリとなり、大変な思いをしました。注意してくださいね。
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JR四国ではさまざまなフリーきっぷを発売しています。特に、特急列車普通車自由席が連続3日間乗り降り自由となる「四国フリーきっぷ」などの類はかなり便利です。
臨時の駐車場もあり、車で行くこともできますが僕が行った日は駐車場は満車でした。個人の駐車場の前に車を停めて怒られている人もいました。近隣の住民の迷惑ともなるので、車で行くことは原則控えましょう。
さらに、2021年12月までであれば「四国デスティネーションキャンペーン」が開催されています。これに伴い、かなりお得なきっぷが大量に発売されており、これらを使うのも便利です。
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