博多から熊本を通って鹿児島中央まで、九州を縦に貫く九州新幹線。九州新幹線の混雑状況を解説します。この記事では、
- 新幹線が混雑する時間帯がわかる
- 自由席でも座れるか否かがわかる
- 指定席・グリーン席の予約を早めにしておいた方がいい時間がわる
ようになっています。「自由席で行きたい」「指定席を確実に取りたい」など、各々の目的に合わせて利用してください。なお、西九州新幹線(武雄温泉〜長崎)については別の記事で解説しています。
九州新幹線の自由席に座れるか 通勤時間帯は注意
今まで日本全国を回ってきた経験上、九州新幹線は通勤需要がとても多い。そのため、朝夕の時間帯は混雑するので注意が必要です。
日時 | 博多〜熊本 | 熊本〜鹿児島中央 |
---|---|---|
平日朝夕 | 非常に混雑する 自由席は立ち客が出る 直前に指定席は取れない | やや空席がある 自由席の窓側座席は埋まることも |
平日昼間 | 比較的空いている 自由席の窓側が7割ほど埋まる | やや空いている 乗車率30%程度 直前に指定席を確保できる可能性が高い |
休日朝夕 | やや空いている 乗車率30%程度 直前に指定席を確保できる可能性が高い | 比較的空いている 自由席の窓側が7割ほど埋まる |
休日昼間 | 比較的空いている 自由席の窓側が7割ほど埋まる | やや空いている 乗車率30%程度 直前に指定席を確保できる可能性が高い |
通勤需要が大きい九州新幹線 平日の朝夕は注意
九州新幹線の大きな特徴は、通勤・通学需要が大きいことです。JR九州が経営戦略として、特急・新幹線通勤を推進しています。
そのため、特に平日の朝夕の時間帯は混雑します。とりわけ、平日の朝夕における博多〜熊本(特に博多〜新鳥栖・久留米)などは混雑します。博多駅では新幹線が入線する前から行列ができ、立ち客も出ます。平日の朝夕の時間帯は特に注意が必要です。
なお、九州新幹線の自由席を使用する場合、「さくら号」の400号代、または「つばめ」号がオススメです。さくら400号代とつばめ号の全列車は山陽新幹線に直通せず、九州新幹線内で完結する列車です(朝の時間帯に小倉まで直通するつばめ号がありますが、ごく一部)。山陽新幹線に直通する列車は、広島・岡山・大阪などの山陽新幹線各駅への需要が上乗せされるため、特に混雑する傾向にあるためです。
平日の朝夕以外は比較的空席がある
九州新幹線は、平日の朝夕以外は比較的空席があります。とはいえ、午前の列車などでは出張利用も多いため、指定席は直前だと窓側が取れないこともあります。
特に昼間時間帯は空席が目立つ列車が多くあります。みずほ・さくら号でも空席が多くあります。山陽新幹線に直通する列車でも、山陽新幹線内各駅からの需要はあまり大きくなく、九州新幹線内完結の列車と自由席の空席状況は大差ないことがほとんどです。
N700系(8両編成)で運転される「みずほ」「さくら」号では自由席と指定席で座席のグレードが大きく異なります。快適性から指定席をとる価値が十分あります。
しかし、800系新幹線で運転される列車は自由席でも指定席でも空席に差がないため、あえて指定席を取るまでもないでしょう。自由席でも十分座れると言えそうです。
熊本〜鹿児島中央間はやや空席あり
九州新幹線沿線で圧倒的に人口が多いのが博多、次いで熊本、そして鹿児島中央です。そのため九州新幹線で圧倒的に需要が大きいのが、博多〜熊本間。この区間が最も混雑します。
逆に、熊本〜鹿児島中央間は比較的空席も目立ちます。途中の新水俣や川内などでも一定の需要があるのでまったくもって需要がないとはいいませんが、特に熊本〜鹿児島中央間であれば自由席でも問題ないでしょう。
熊本から鹿児島中央までの間は列車の本数もやや減ります。特に、熊本〜鹿児島中央の間の各駅では、1時間〜最大2時間近く停車する列車がない場合があります。時刻表を確認してから駅へ向かうようにしましょう。
西九州新幹線は別と考えたほうが良い
2022年9月23日、西九州新幹線の武雄温泉〜長崎間が開業しました。このブログでも、既に西九州新幹線「かもめ」号N700S系含めて取り上げています。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。西九州新幹線は部分開業となり、博多・新鳥栖方面の九州新幹線、および広島・新大阪方面の山陽新幹線とは直通していません。このため、作ったはいいものの実質的に「特急かもめのスピードアップ」になっています。すなわち、西九州新幹線は在来線特急「かもめ」の置き換え的な役割が強いため、九州新幹線の混雑とはほぼリンクしなくなっています。
逆に、博多から武雄温泉を結ぶ「リレーかもめ」と合わせて特急「かもめ」の置き換えとなっているので、リレーかもめの混雑状況と合わせて考える必要があります。
特急「リレーかもめ」に関してもまとめてあるので、ご覧ください。
九州新幹線の指定席混雑状況 実体験から解説
続いては普通車指定席の混雑状況を解説します。九州新幹線には「みずほ」「さくら」号にしかグリーン車がなく、座席数もあまり多くはないため、普通車指定席がメインになるでしょう。
2024年3月1日分からJR九州では、「九州ネット早特7」において価格変動制を適用する実証実験を行うと発表しました。航空会社などでは一般的に導入されている、ダイナミックプライシングがついに始まることになります。
平日の朝夕はやっぱり、指定席も混雑する
朝夕の時間帯は指定席もかなり混雑します。
朝8時ごろ、および夕方6時ごろは、直前には指定席に空席がない状況になることも多々あります。以前、博多から熊本までの指定席を直前に取ろうとしたら空席がありませんでした。この経験をもとに、朝に博多駅を発車する列車の指定席を前日のうちに取ろうとしたら、既に窓側の座席が埋まっていました。
朝7時〜9時ごろ、そして夕方の5時過ぎ〜8時ごろの新幹線はビジネス客で混雑します。特に、九州新幹線が開業したことにより、九州新幹線各駅から博多駅まで日帰りでの出張が可能になりました。このような乗客も多数おられるため、座席はかなり混雑します。
平日の朝夕以外でも空席ばかりではない
土休日や平日の昼間については平日朝夕ほどは混雑しないものの、指定席は一定数埋まります。九州新幹線は6両〜8両と比較的短いため、指定席を中心に混雑することがあります。
休日も、観光需要を中心に一定の需要があります。特に博多発着では、直前には窓側座席が取れないこともあるので注意が必要です。山陽新幹線から直通する「みずほ」号「さくら」号は山陽新幹線内各駅からの需要にも注意する必要があります。
大阪から九州各地へ向かう場合、山陽新幹線に直通する「さくら」「みずほ」号を利用するのが、飛行機を利用するより圧倒的に便利です。新幹線がとても便利だからこそ、出てくる問題です。
グリーン車は少ないので注意
九州新幹線はグリーン車が少ないです。800系新幹線にはグリーン車はなく、N700系新幹線には半室しかグリーン車がありません。
グリーン車は座席数が少ないため、ほぼ空席状態でも△となります。グリーン車は座席数が少ないため、ガラガラの便もあれば、たまたまグリーン車を予約した人が多くいらっしゃればたちまち満席近くなります。座席数が少ないため不定性がとても高い。グリーン車を確実に取りたい場合は早めに予約したほうがいいでしょう。
九州新幹線の普通車指定席はすべて、2+2の配列となっています。そのため、グリーン車でも普通車でもほぼ変わらないシート幅が実現されているので、正直グリーン車にこだわる意味もないと感じます。
九州新幹線はダイナックプライシングへ
2024/01/25、JR九州が「博多〜熊本の「九州ネット早特7」に価格変動制を適用する実証実験を行います」というプレスリリースを公開しました。インターネット限定の割引きっぷにおいて、2024年3月1日乗車分~2024年6月30日乗車分までの期間限定で、空席状況に応じて価格が変動するようになります。
JR各社がやりたくてもなかなかできなかったダイナミックプライシングに、ついに着手することになります。ただ、「いつでも同じ価格で乗ることができる」という新幹線と飛行機を比べた時の最大のメリットを捨てることになりました。今後の状況次第では僕自身も、九州島内での移動において新幹線を敬遠し、名古屋から九州の地方空港へ直接飛ぶことになるかもしれません。いずれにしても、行く末をしっかり見守りたいと思います。
年末年始・ゴールデンウィーク・お盆などの再繁忙期の九州新幹線混雑状況
最後に、帰省ラッシュ時などの再繁忙期の九州新幹線の混雑状況です。九州新幹線は特に、帰省需要での利用が多いため比較的混雑します。
すべての「みずほ」号と、「さくら」号の500番台の列車が山陽新幹線に直通する列車です。「さくら」号の400番台は九州新幹線・博多〜鹿児島中央完結なので比較的空いており狙い目です(ここからのスクショでお分かりいただけるでしょう)。
スクショあり 2022年お盆の様子を徹底紹介!
2022年のお盆の混雑状況です。JR西日本のネット予約「e5489」の画面でスクsショしました。当日朝にスクショしたので実際の空席状況に近いですが、駅に行ってから買う人のことを考えるとまだ埋まると考えていいでしょう。
2023年のお盆以降はさらに混雑が進んでいるため、ほぼ全列車が満席に近い状態で走っています。
まずは朝10時ごろです。朝10時ごろに博多駅を出発する鹿児島中央行きの新幹線はほぼ満席に近い状態になっています。△がいくつか見受けられますが、通路側席しか空いていません。複数人で移動する場合、席が離れる可能性が高いです。
ご覧の通り、少し早い時間になると比較的空席があります。7時半〜9時半ごろは特に「早朝」であり、帰省だったらそんなに急がないし寝ていたい、という心理がよく見えます。早起きに自信がある人はこの辺りの時間帯の列車を使うのがオススメです。
先ほども解説した通り、すべての「みずほ」号と、「さくら」号の500番台の列車が山陽新幹線に直通する列車です(「さくら」号の400番台は九州新幹線・博多〜鹿児島中央完結です)。
空席が少し残っている新幹線の座席表です。こんな感じでほぼ埋まっています。これが出発3時間前の様子なので、ここから当日駅できっぷを購入する人を考えればほぼ埋まると言っていいでしょう。
10時ごろに博多を出る下り列車はかなり混雑しています。
一方、上り列車は比較的空席が目立ちます。帰省ラッシュ(お盆の始まり)期間は下り列車を中心に混雑します。
荷物付き座席は最後尾の座席です。これは普段でも空席がなくなることがあります。そう考えると比較的座席には余裕があることがお分かりいただけるでしょう。
下り列車が混雑する10時ごろの様子をみてもやはり、上り列車は座席に余裕があることがお分かりいただけるでしょう。
山陽新幹線の空席とも連動するので注意
九州新幹線は山陽新幹線と直通運転しています。
大阪などの関西圏や、岡山・広島などから九州新幹線内の各駅への需要もそれなりにあります。そのため、山陽新幹線の空席状況にも注意が必要です。
山陽新幹線の混雑状況についてもまとめてありますので、合わせてご覧ください。
繰り返しになりますが、すべての「みずほ」号と、「さくら」号の500番台の列車が山陽新幹線に直通する新幹線です。「さくら」号の400番台は九州新幹線・博多〜鹿児島中央で完結するので比較的空いており狙い目です。
繁忙期は、やっぱり早めにきっぷをとるべし
繁忙期は九州新幹線に限らず、日本全国の新幹線が混雑します。
新幹線は早くて便利な乗り物です。しかし、座席を確保できないと逆に大変です。新幹線で数時間も立ったまま移動するのは大変です。
お盆やゴールデンウィーク、そして年末年始など繁忙期に新幹線での移動を考えている方は、早めに座席を予約するのがオススメです。
九州新幹線はネット予約がとても充実しています。
- エクスプレス予約/スマートEX
- e5489
- JR九州ネット予約
の3種類が利用できます(正確にはJR東日本の「えきねっと」でも予約できるが、きっぷを受け取ることができる直近の駅が熱海や上越妙高など首都圏の駅のため非現実的すぎる)。
スマートEXやエクスプレス予約については、別に記事を作成しましたのでご覧ください。
ネット予約では割引も多数設定されていますので、これらをフル活用するのがおすすめです。JR西日本のネット予約「e5489」では、JR九州・JR西日本・JR四国のエリアで使える割引きっぷ「eきっぷ」があります。
JR西日本のクレジットカード「J-westカード」が必要ですが、メリットは莫大です。ぜひこちらの記事もご覧ください。
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