2011年3月11日、東日本大震災によって甚大な被害を受けた東北地方。そして特に、三陸沖のエリアの被害は甚大でした。
「陸前高田の松原」は当時、防風林として美しく、絶景として人気を集めていました。しかし、東日本大震災の津波でその大半が失われます。
その中で唯一残ったのが「奇跡の一本松」と呼ばれる松で、今では東日本大震災からの復興の象徴ともいうべきものになっています。この記事では、奇跡の一本松を実際に見てきたので、その様子をご紹介します。
奇跡の一本松
奇跡の一本松は、東日本大震災の津波から唯一生き残った松です。
背後に「陸前高田ユースホテル」があり、このホテルが津波から松の木を守ったと言われています。
「奇跡の一本松」を津波から守った高田ユースホテルも、震災遺跡の1つとして当時のまま保存されています。
鉄筋コンクリート造のホテルがこの有様です。津波の被害の大きさを改めて感じさせます。
あの「アンパンマン」で有名な、やなせたかしさんが描いた「ヒョロ松君」。
このモザイクタイルは、漫画家でアンパンマンの生みの親である、故やなせたかし氏が「奇跡の一本松」をモデルに描いたイラストを基に制作しました。
東日本大震災の大津波に唯一耐えた松の木に深く感銘したやなせ氏から、塩害により枯死した一本松の保存整備のための「奇跡の一本松保存基金」に多大なご支援をいただきました。
また、一本松から接ぎ木をして生まれた4本の苗木は、やなせ氏に命名していただき、現在も大切に育てられています。
なお、このモザイクタイルの制作にあたり、社会福祉法人燦々会あすなろホームの皆さんが携わりました。
「ヒョロ松君」前看板より
元気を与えるようなこの絵が、やなせたかしさんらしくてなかなかいいと思います。
「奇跡の一本松」は既に枯死状態となっています。津波の被害を免れたものの、塩水による被害は大きく、枯れてしまいました。
しかし、震災直後には三陸沖の人々の心の拠り所となったことから、保存されています。一旦倒されたのち、内部にセメントを詰めて立つようにしたそう。
復興目指して植樹された「陸前高田の松原」
震災の津波で流されてしまった「陸前高田の松原」は現在、復興に向けて植樹が行われたところです。
海岸に松の木が植えられています。今後、大きくなるのが待ち遠しいものですね。
震災の教訓から作られた高い防波堤の上には、震災の犠牲者に手向ける花が。そしてその奥には松原にすべく植えられた松。今後大きくなっていけば「奥に海」は見られない光景ですね。
復興の象徴として、いつかはまた、この陸前高田の海岸を賑わせてくれることでしょう。震災の記憶を残しながらも、古き良き陸前高田の風景をとり戻りてほしいものです。
いわてTSUNAMIメモリアル
「奇跡の一本松」のエリアは陸前高田の復興の象徴として、メモリアルなどの施設が整備されています。2011年の震災後に計画され、2019年9月22日に開館しました。
「奇跡の一本松」を中心に震災復興の記念館などが整備されています。「いわてTSUNAMIメモリアル」には、津波での被害の状況や、復興の様子などが展示されています。
いわてTSUNAMIメモリアルは入館料無料。東日本大震災における痛々しい被害の様子が展示されています。
痛々しい展示と同時に、復興への様子の展示もあるのが印象的。復興への様子は、写真などのパネル展示が中心となるため撮影していません。しかし、復興対策の本部が再現され、復興への様子が映像で流されているのが印象的でした。
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