東京から山陰の都市・出雲市を結ぶサンライズ出雲、そして四国の都市・高松を結ぶサンライズ瀬戸。2022年現在、日本で唯一の定期寝台列車です。
今回はこのサンライズ号に乗車する機会を得ることができました。サンライズの予約方法から車内の様子など乗車記まで、徹底的に解説していきます。
旅行好きとして一度は乗ってみたかった寝台特急。日本で唯一の定期夜行列車「サンライズ瀬戸号」「サンライズ出雲号」に乗ってきたので解説します!
旅行好きとしては最高に面白いテーマであり、ここまで4年間書いてきた記事の中で最長の記事になっているので、必要なところだけでも読んでくださいね!
この記事では、
- まず初めに、サンライズ瀬戸・出雲の料金、時刻表、予約方法がわかる
- 一人旅で便利で現代的なニーズに合った、最もメジャーな「シングル個室」(B寝台)の内部の様子がくまなくわかる
- 同じB寝台でもやや安い「ソロ」との違いがわかる
- サンライズエクスプレスで見逃せない!シャワーの入り方やシャワーカードの買い方のコツがわかる
- サンライズ号に備え付けられている備品や寝具、パジャマなどがわかる
- サンライズ号の車内設備がわかる
ようになっています。サンライズ瀬戸・出雲号に乗るために前もって知っておきたい知識が全て詰まっている永久保存版長大記事です。目次の機能などを使って、必要なところだけでも参考にしてくださいね。
サンライズ出雲・瀬戸の料金や時刻表
まずはサンライズ号の料金や時刻表、そして予約方法などをご紹介します。
サンライズ瀬戸・出雲料金
まず原則の考え方として、サンライズ号に必要な料金は、
①運賃+②特急料金(多くの区間で3,240円)+③寝台料金
となります。3種類が必要であり、寝台特急という性質上、さまざまなタイプの部屋(座席)があるため複雑です。
運賃・特急料金・寝台料金それぞれを見ていきましょう。
①運賃
まずはJRに乗車する場合必ず必要な運賃です。主要区間の運賃を掲載しますが、もちろんこれより長い切符で乗車することもできます(例えば、宇都宮→高松のきっぷで、宇都宮から東京は普通列車利用など)。また、乗車券部分については学割などの割引も併用可能です。新幹線や在来線などと同様、JRの通常の乗車券で利用可能です。
乗車券は念の為、駅窓口で「在来線経由の乗車券」と申し出て購入しました。ただ、東海道・山陽新幹線と東海道本線・山陽本線は「並行在来線」と呼ばれ、新幹線の乗車券で在来線に、在来線の乗車券で新幹線に乗車できるルールが設けられています。ルール上は新幹線経由の乗車券でも乗車できます。
駅名 | 東京 | 横浜 | 熱海 |
---|---|---|---|
岡山 | 10,480円 | 10,150円 | 9,610円 |
児島 | 10,800円 | 10,480円 | 9,830円 |
坂出 | 10,940円 | 10,620円 | 9,970円 |
高松 | 11,310円 | 10,990円 | 10,340円 |
続いては、山陰方面へと向かうサンライズ出雲運賃。
駅名 | 東京 | 横浜 | 熱海 |
---|---|---|---|
岡山 | 10,480円 | 10,150円 | 9,610円 |
倉敷 | 10,480円 | 10,150円 | 9,830円 |
新見 | 10,480円 | 10,800円 | 10,150円 |
米子 | 11,120円 | 11,340円 | 10,800円 |
安来 | 11,660円 | 11,340円 | 10,800円 |
松江 | 11,990円 | 11,660円 | 11,120円 |
宍道 | 11,990円 | 11,660円 | 11,120円 |
出雲市 | 11,990円 | 11,990円 | 11,340円 |
ここでは掲載しませんでしたが、岡山で乗り継いで広島・九州方面などへ行く乗車券でも乗車できます。
②特急料金
サンライズ号の主要区間(上記表の区間)は全て特急料金は3,240円です。特急料金3,240円については新幹線との乗り継ぎ割引も適用されます。ただし、東京駅は乗り継ぎ割引が適用されない駅となっているので注意が必要です。サンライズの停車駅で乗り継ぎ割引が適用される駅は、
熱海・静岡・浜松・姫路・岡山・大阪(新大阪から新幹線へ乗り換え)
のみとなっています。
また、上りのみ利用可能な三宮駅・大阪駅から乗車する場合、特急料金は2,960円です。
③寝台料金
寝台特急サンライズには、さらに寝台料金が必要になってきます。なお、カーペット敷きの「ノビノビ座席」は寝台料金が不要です。
設備 | 寝台料金 |
---|---|
A寝台(シングルデラックス) 1人用 | 13,730円 |
B寝台(ソロ) 1人用 | 6,480円 |
B寝台(シングル) 1人用 | 7,560円 |
B寝台(シングルツイン) 1人用 | 9,430円 |
B寝台(サンライズツイン) 2人用 | 15,120円 |
全区間の料金の合計については、こちらのサイトにまとめられていますのでご覧ください。
Yahoo路線などんアプリでも検索できますが、寝台のグレード(ソロか、シングルか、などなど)によって異なるので、別途調べるのが確実だと思います。
予約は「e5489」がオススメ!
サンライズ号は、特に金曜日の夜や日曜日の夜の便で満席に近い乗車率で運転されています。
サンライズ号は特別な列車ではなく、ごくごく普通の列車であるため全国のJRのみどりの窓口などで寝台券を購入できます。
普段からJRの、窓口がある駅を利用する場合は「みどりの窓口」で予約するのもいい。ですが、現在、JR各社は全面的に「みどりの窓口」の廃止を進めています。なかなかみどりの窓口がなくなってきているのが事実。
サンライズ号はJR西日本が運営するネット予約サービス「e5489」で予約することができます。
こちらのサイトから予約することができます。サンライズ号専用のページが用意されているのです。また、通常のe5489の検索画面からも予約することが可能。
サンライズ瀬戸・出雲の停車駅
サンライズ瀬戸号・サンライズ出雲号の停車駅と時刻表です。サンライズ瀬戸・サンライズ出雲は、浜松から姫路まで無停車で走ります。
停車駅 | 発車時刻 | 停車駅 | 発車時刻 |
---|---|---|---|
東京 入線 | 21:25 | 東京 入線 | 21:25 |
東京 出発 | 21:50 | 東京 出発 | 21:50 |
横浜 | 22:15 | 横浜 | 22:15 |
熱海 | 23:23 | 熱海 | 23:23 |
沼津 | 23:39 | 沼津 | 23:39 |
富士 | 23:53 | 富士 | 23:53 |
静岡 | 0:20 | 静岡 | 0:20 |
浜松 | 1:12 | 浜松 | 1:12 |
姫路 | 5:25 | 姫路 | 5:25 |
岡山 着 | 6:27 | 岡山 着 | 6:27 |
岡山 発 | 6:31 | 岡山 発 | 6:34 |
児島 | 6:52 | 倉敷 | 6:46 |
坂出 | 7:09 | 備中高梁 | 7:14 |
高松 | 7:27 | 新見 | 7:44 |
– | – | 米子 | 9:05 |
– | – | 安来 | 9:14 |
– | – | 松江 | 9:31 |
– | – | 宍道 | 9:46 |
– | – | 出雲市 | 9:58 |
サンライズ瀬戸号・サンライズ出雲号は、東京から岡山の間で併結運転を行います。岡山から先、サンライズ出雲号は伯備線を通って出雲市へ向かいます。経路は特急「やくも」とほぼ同じルートですが、特急「やくも」に比べて停車駅は絞られている印象です。
サンライズ瀬戸号は、瀬戸大橋を渡って四国方面へ、高松へと向かいます。高松から先は快速マリンライナーと同様の経路を通りますが、岡山から児島の間(本州島内)の停車駅は全て通過します。
さらに、一部の時期には、「サンライズ瀬戸 琴平延長運転」が行われます(日程についてはJR四国のホームページに掲載されます)。高松まで行った後、折り返して琴平へ向かいます。観光需要を見込んだ延長運転です。なお、琴平延長運転後は高松まで回送されるようなので、上り東京行きのサンライズ瀬戸が琴平に来ることはありません。寝台特急という、少し特殊な車内整備が必要なため、高松まで回送しなくてはならないのだと思います。
ただし、寝台特急はかなりのロングラン特急であるため、多少の遅延が発生することも考えられます。これは念頭に置いておきましょう。
続いて上り列車、東京行きのサンライズ号の時刻表です。サンライズ瀬戸・サンライズ出雲は、大阪から静岡まで無停車です。
停車駅 | 発車時刻 | 停車駅 | 発車時刻 |
---|---|---|---|
出雲市 入線 | 18:46 | – | – |
出雲市 出発 | 18:51 | – | – |
宍道 | 19:06 | – | – |
松江 | 19:24 | – | – |
安来 | 19:46 | – | – |
米子 | 19:56 | – | – |
新見 | 21:20 | 高松 | 21:26 |
備中高梁 | 21:48 | 坂出 | 21:44 |
倉敷 | 22:14 | 児島 | 22:01 |
岡山 着 | 22:30 | 岡山 着 | 22:23 |
岡山 発 | 22:34 | 岡山 発 | 22:34 |
姫路 | 23:33 | 姫路 | 23:33 |
三ノ宮 | 0:11 | 三ノ宮 | 0:11 |
大阪 | 0:33 | 大阪 | 0:33 |
静岡 | 4:40 | 静岡 | 4:40 |
富士 | 5:10 | 富士 | 5:10 |
沼津 | 5:27 | 沼津 | 5:27 |
熱海 | 5:45 | 熱海 | 5:45 |
横浜 | 6:45 | 横浜 | 6:45 |
東京 | 7:08 | 東京 | 7:08 |
経路は下り列車と変わりません。サンライズ出雲号は、出雲市駅を18:46に発車します。伯備線にカーブが多く、時間がかかるため出雲市の発車時刻は結構早いです。高松は21:26と、夜行列車らしい時間に出発します。
今後のダイヤ改正で時刻が変更される可能性もありますが、車両の変更がない限りは大幅に所要時間が変わることはないかと思います。
こんなに写真満載の詳説記事があるか?!というくらい、シングル・個室の設備を徹底紹介
2022年冬の旅行で、実際にシングル(B寝台個室)に乗車する機会がありました。その様子を紹介します。
2022年現在、サンライズ瀬戸・サンライズ出雲には車内のWi-Fi設備の設置がありません。現代のニーズに合わせて装備してほしいところですが、通信費の負担などの問題があるのだと思われます。なお、コンセントはノビノビ座席を除いた全個室についています。
シングルの個室は1階でも2階でもほぼ同じ “秘密基地感”のあるプライベートな空間
寝台列車は狭そう、というイメージがありましたが意外とそんなこともありませんでした。シングルであれば客室内で立てるくらいのスペースはあります。
荷物を置くスペースが意外と狭かったりする。国内線で機内に持ち込むことができるサイズのキャリーバックなら入り口のところに置けますが、飛行機で預け入れのサイズになるとちょっと場所がないかも。僕はリュック1つで旅行しているので、写真の通り余裕で入りました。
シングルにはテーブルもあります。ただ、めちゃくちゃ広いわけでもなく、ここでがっつりお弁当を広げるだとか、あるいはがっつりパソコン作業をする、というのには向いていません。
テーブルの一番右端の部分には鏡もついています。
また、最初の段階ではコップも設置されています。このコップは当然っちゃあ当然ですが使っていいものです。プラスチック製なので、めちゃくちゃいいもの、というわけではありません。
また、ノビノビ座席以外の個室にはコンセントが備え付けられています。ただ、列車内ということもあってか出力はあまり高くないようです。
iPad Air4とiPhone11 Proの両方を1つのコンセントで充電していたら、iPhoneの方が充電されていませんでした。ただ、夜行列車なので寝ている間ずっと差しっぱなしにしておくことになるでしょう。ゆっくりではありますが充電されるはずなので、寝ている間コンセントに差しておくなら問題ないでしょう。
個室内には椅子などはないことから、このテーブルはどちらかというと「物置き」的な役割を想定して設置されているものと考えられます。
iPad Air4(10インチ)を置いただけでこれです。テーブルがほぼ占拠されてしまう感じ。なのでお世辞にも広いとはいえませんね。寝台特急という性質上、室内で作業をすることは想定されていないと思われます。
枕元にパネルがあり、ここで室内灯などのオン・オフを操作できます。また、ヒーターの強さを設定することもできます。ベッド自体が暖められるのではなく、ベッドの下から出てくる温風の強さが変えられるようです。
シングルは完全な2階建車両になっています。車端部で1階席と2階席に分かれます。
車内の個室の配置が入り口部分に書かれています。また、JR西日本の公式サイトなどにも掲載されています。
シングルに備え付けられている毛布や枕、パジャマなどの備品 持って行ったほうがいいものは?
先に、サンライズ号に乗る際に持って行ったほうがいいものをまとめておきましょう。
では、実際に寝台個室に備え付けられている備品等についてのご紹介。当たり前といえば当たり前ですが、毛布などは持ち帰っちゃいけないと思います(よくよく考えたら、ホテルと違ってJRのきっぷは購入者の氏名住所等が追えないし、持ち帰った強者鉄ヲタも存在しそうな感じがするけど…)。
B寝台(ソロ)以上の個室であれば寝巻きも完備されています。寝巻きは、普通のビジネスホテルなどにあるようなタイプの寝巻きでした。
個室には枕と毛布が用意されています。枕は意外と小さい。小さいとはいえ、使いにくいというほどでもないので問題はないでしょう。
毛布は広げてみると薄い。夏も冬も同じ毛布を使っているためだと思われます。ただし、先ほど紹介したように枕元のパネルでヒーターの強さを変更できます。寒いかなあと思ったので僕は、少し強めて寝たところ寒さは全く感じませんでした。
個室にはスリッパも備え付けられています。ちょっとトイレに行く時など、スリッパがあるのは便利です。
というわけで、車内の備品・アメニティ等として置かれてはいないけど持って行ったほうがいいものを再度掲載しておきます。
続いて、サンライズ瀬戸・サンライズ出雲のシングルの設備のご紹介。
最初の段階では、全ての部屋の扉が開けられています。自分のきっぷの番号の部屋に入り、内側から鍵を閉めることになります、ルームキーはありません。
鍵の部品自体は、JRの列車のトイレなどでよく使われているものです。つまみを回すことで鍵を閉めたり開けたりすることができます。
鍵は暗証番号式になっています。出る時は暗証番号を設定して出ることができます。個室で鍵がかかるのは正直かなりありがたい。
ハンガーが1つ、備え付けられています。ただ、物干し的なものが一切なかったので、シャワーで濡れたタオルの処理には少し困りました。結局、入口の取手のところにうまくかけて寝ました。
ゴミ袋も各個室に設置されています。ビニール袋を引っ掛けただけですが。埋め込み式にしてスペースが小さくなるくらいなら、ちょっと見た目は不恰好だけどこれで十分。
ライトは常夜灯と室内灯 枕元のパネルでつけたり消したりできる
最後に室内の照明やカーテンなど。寝台列車はあくまで「寝台」、寝ることが想定されていますから、電気を消して寝ることができるようになっています。
こちらが室内灯らしいです。常夜灯と室内灯は何が違うのかはよくわかりません。明るさなどを含めてほぼ同じに感じました。
個室1つあたり、ライトは2つあります。窓枠の上の部分に柱みたいな感じであるのですが、この出っ張りの部分の右端と左端についています。上の写真に写っている、入り口に近い側のライト(パネルの方を頭にして寝たときに、足になる方)が、枕元パネルのスイッチでは「常夜灯」のスイッチに対応しています。
「常夜灯」をつけていても結構明るい。僕は普段から、家では真っ暗にして寝る方なので、常夜灯含めて全て電気を消して寝ました。
カーテンを閉めるとこんな感じです。カーテンは閉めて寝た方がいいでしょう。途中で踏切を通過して車内が赤くなったり、街灯が多い地域に行くと明るくなったり、あるいは一部の大きな駅は、サンライズ号が通過する時間帯でも電気が明るく灯っていることもあります。
なお、1階の個室も構造は同じです。1階席と2階席、どちらがあたりでどちらが外れ、ということはないでしょうが、景色がいいのは2階席でしょう。
車端部の個室はこんな感じ。車端部は台車などの都合で2階建個室にすることができないので、平家構造になっています。2階建部分とは違い、天井が高くなっています。ただし、それ以外の部分、例えば床面積などについては基本的には同じようです。
サンライズの「ソロ」と「シングル」の違いは?
最後に、サンライズ瀬戸・サンライズ出雲「ソロ」と「シングル」の違いです。個室のグレードとしては
「ソロ」<「シングル」
です。シングルよりソロの方が1,100円高く設定されています。
サンライズのメインはシングル個室です。ソロ個室はそもそも数が少ない。サンライズエクスプレスは「現代のニーズに合ったサービスを提供することで、ビジネス客も含めた需要の取り込みが可能と考えられる列車については、個室寝台主体の新型車両を投入し、強化していく方向性が見いだされた。」(wikipediaより)という方針で作られているように、個室がメイン。現代のニーズを意識した、シングルをメインに据えています。
2階はこんな感じ。シングルと比べるとやはり狭く、テーブルなどがないのがわかります。また、荷物が多いと少し困るかもしれない。
廊下が平家になっていることがソロの特徴の1つです。ただし、外から見ると2階建構造になっているはず。ということで、どこが2階建構造になっているのかというと…
入り口の部分が階段になっています。こうすることで、スペースをあまり取らないで2階建構造にすることができるのです。入り口のこの階段の様子からも、シングルと比べてやや無理くり詰め込んだ感じがあるのがお分かりいただけると思います。
シャワーや自動販売機など、ビジネスホテルほどではないが設備は充実!
続いてはサンライズ号の車内の設備などのご紹介です。
具体的に写真をたくさん撮影してきたので、これを含めて紹介していきます。
サンライズ定番・シャワー
サンライズ号の見どころの1つであり、代名詞ともなっているシャワーについても解説します。まず前提として、シャワーに入るためにはシャワーカードを買う必要があります。なお、シングルデラックス(A寝台)については全員にシャワーカードが配布されます。
シャワーは人気で、ほぼ毎日全便で売り切れるそうです。東京から乗車した際、シャワーカードが購入できる4号車の乗車口には出発30分前には列ができていました。また、横浜発車時点では既にシャワーカードは売り切れとなっていました。公式には発表されていませんが、ネットではサンライズ瀬戸・出雲それぞれで20枚づつという噂がありました。
さらに、サンライズ号のシャワーはB寝台・ノビノビ座席のお客さん用のシャワーがサンライズ瀬戸・サンライズ出雲それぞれの編成に1つづつ、そしてA寝台のお客さん専用のシャワーがサンライズ瀬戸・出雲それぞれの編成に1つづつあります。逆にいうと、B寝台・ノビノビ座席のお客さんは1つを共用する形になるので混雑します。
シャワーカードは1枚330円。シャワーカードには限りがあります。毎回売り切れるようなので増やせば増収になるしいいじゃないか、と思うかもしれませんが、シャワーカードは車体についているタンクの量に対応しているため簡単に増やせないんだと思います。1人あたり1枚までにしてくださいと掲示がされていました。
シャワー室内のカード入れにシャワーカードを挿入します。
周りがぶれているのはすみません。揺れる列車の中なので仕方ないと思ってください(実際、シャワーを浴びるのに支障があるほど列車が揺れることはありません)。シャワーカードを入れると、シャワー室内のタイマーが6分00秒に変わります。すぐに出始めるわけではなく、緑のボタンを押すとシャワーがでます。ある程度準備できたらカードは入れてしまってOK。
シャワー室はこんな感じです。僕は一番乗りで、横浜に着く前に入りました。品川を通過した頃にはシャワーへ入る準備を始めました。当然、一番乗りだったのでこれだけ綺麗なシャワールームを使うことができました。
ビジネスホテルなどでよく見る、普通のリンスインシャンプーとボディーソープのみはシャワー室内に設置されています。化粧水などの類は一切ないので、必要な場合は持参しましょう。
更衣室にはこんなボタンが。「シャワールーム洗浄ボタン」なるものがあります。これは、シャワールームを使った後に押すボタンで、シャワールームが洗浄されます。ちなみにシャワー本体から水が出るわけではなく、上の部分にスプリンクラーの小さい版みたいなのが取り付けられていて、そこから出るようでした。
ドライヤーもしっかり備え付けられています。動く列車にとって、水は限りがありますが、「電車」であるサンライズ号には電気の制限はほとんどありません。ドライヤーの使用時間には特段制限は設けられていませんが、シャワー室は更衣室の入り口で鍵がかかる仕組み。すなわち、ドライヤーに時間をかけていると次の人はシャワーすら使えません。あまり占領しすぎない方がいいでしょう。
飲み物の自販機以外の車内販売はない!アメニティなどは用意しよう!
サンライズ号は夜行列車ということもあり、自動販売機が設置されています。ただし、現金のみで、交通系ICカード等含めてキャッシュレス決済は使用できません。
自動販売機ではアルコールの販売は行われていません。寝台列車だからアルコールも売ってくれれば…と思わなくもないですが、時代の流れとして仕方ないのでしょう。山陽新幹線が自動販売機の設置を全面的に廃止することで、その波がサンライズにまで来ないことを祈ります。
また、乗務員室は5号車と12号車にあります。車掌さんに用がある場合はここに赴けば良いのですが、寝台列車はどうしても検札に時間がかかります。そのため、車掌さんがいない場合もあります。また、途中のJR東海区間やJR東日本区間の上りなど、検札業務が原則ない時間は1名での乗務となっており、車掌さんがどちらかの編成にしかいない状況も十分あり得ます。
寝台特急らしく、多数の洗面台と充実したお手洗い
サンライズ号は夜行列車です。特に朝の時間帯で、お手洗いや洗面台が混雑することが予想されるため、お手洗いや洗面台はかなりの数が用意されています。1号車と2号車の間の部分には、1号車側にお手洗い・洗面台が2つ、2号車側にも同様に2つづつ、つまり号車を跨いだ至近距離に合計4つのお手洗いと4つの洗面台がありました。
お手洗い自体は通常の特急列車と同様のお手洗いですが、床面がタイルになっていたりするのはちょっとした特徴かもしれない。
ミニラウンジが3号車および10号車にあります。このラウンジは、特に夜、出発した直後は全ての座席が埋まっていたように思います。お酒を飲んで、おつまみを広げている人が多くいました。写真は朝、岡山に到着する直前の様子ですが、それでもお客さんがお見えになるのがわかると思います。
車内の電光掲示板は、廊下の端にあります。個室内などにはありません。個室に電光掲示板をつけても、明るくて眠れないだけですからね。ちなみに23:00前、小田原通過前に車掌から案内がありました。「お休みの妨げとなるので、深夜帯の放送は控えさせていただきます。」と。次の放送は6:27の岡山到着前からです。
また、この時間帯については、ノビノビ座席の廊下の照明も暗くされます。
ノビノビ座席は廊下との間にはカーテンがありますが、逆にいうとカーテンしかありません。
サンライズツインとノビノビ座席については通路が窓側にあります。サンライズツインはツインルームのため、個室が少し広くなるんですね。
乗車記 初めての夜行列車の旅、やや寝不足はあるものの…
最後にサンライズ号の乗車記です。ここは参考までに、ふ〜んって感じで読んでもらおうという心意気です。ゆる〜く書いていきます。
今回の行き先は四国・高松です。四国の観光スポットについて解説した記事も作成したので、ご覧ください。
サンライズ瀬戸・サンライズ出雲は東京駅の9番乗り場から発車します。サンライズの入線は東京駅発車時刻の25分前、21:25となっています。
列車は時刻通りに入線してきました。ただ、発車準備のため、入線後数分待ちました。ちなみに、入線時刻10分前(21:15ごろ)に、早いかなあと思ってホームへ上がったのですが、その時点でシャワーカードの自販機が近い4号車の乗車口はこんな有様。
今回はサンライズ瀬戸号に乗ります。この先の予定からして、サンライズ瀬戸がちょうどよかったからです。
なお、サンライズ瀬戸よりサンライズ出雲方が長距離を走るため、鉄道ファンの多くは「サンライズ出雲」を好むようです。
東京駅の9番乗り場は主に特急列車などが発着する駅となっています。ホームにはコンビニなどもあるので、列車が来てから買い物をしたりすることもできます。発車まで20分近くありますから。
東京駅停車中は、ホームのお客さんと目があったりすると少し気まずい。
サンライズ号の中の自販機でコーラを購入しました。これを飲みながらのんびりします。ちなみにiPadを開いてブログ執筆の仕事をしている風を出していますが、全くしていません笑。
首都圏の通勤電車を横に見ながら列車は進みます。個室から通勤電車を見る、この優越感がたまらない。
列車は熱海に到着です。東京駅から乗り遅れたら、熱海まで新幹線で追いかけるってこともできるらしいですね(僕はやっていない)。
次の停車駅、富士駅です。2号車に乗っていたのでホームで待っているお客さんの前を通って停車位置まで行くのですが、見る限りではお客さんの乗降はほぼないようでした。
富士を過ぎた後、寝ました。寝れないかなあ、とか思っていたのですが、意外にも爆睡していたようで、次に起きたのは豊橋駅。
豊橋で目覚めて、寝ようかな、ねみいなあ、とうとうと。そして、あ〜サンライズに乗ってたんだ写真だけ撮っておこう、と思って撮った写真がこれ。幸田付近を走行中。当たり前だが何も見えない。
ちなみにこの辺りで目覚めた時は、結構ガッツリ特急らしい走りをしていてびっくりした記憶があります。かなりの速度を出していました。速度メーターを見たところ、125キロほど出ていました。
次に目が覚めたのは大阪駅。大阪駅を通過中に目が覚めました。
ここからは結構ちょこちょこ目が覚めて、次に目が覚めたのは三宮駅。
目覚めました。でも外はまだ暗い。
そして岡山に到着する前、6時過ぎに目が覚めました。6時過ぎなら、普段の旅行では普通の起床時間だしいっか、と思って起きました。
トイレへ行き、朝の洗顔を洗面台で済ませてから、朝のコーヒーを飲みます。単なる缶コーヒーですが、サンライズで飲むコーヒーは全然違います。気分の問題だね。
列車は山陽新幹線の下をくぐります。山陽新幹線って、岡山は乗り換え列車が多いためかかなり早いタイミングで岡山到着の放送が流れますよね。いつもこの辺りでは、岡山到着の自動放送が終わり車掌さんによる乗り換え案内が行われている頃です。
列車は岡山駅に到着です。
岡山駅でサンライズ瀬戸とサンライズ出雲が切り離され、サンライズ瀬戸は本四備讃線へと向かいます。
サンライズ号から見るサンライズ(日の出)、なかなか美しい。というか、朝日を列車から眺めたいというのはあるのですが、そんな早起きしてまで列車に乗りたくない、がいつも勝ってしまう。夜行列車は、夜からもう乗っているから朝日も見られる、ってのがなかなかいい。
児島に到着。ここから列車はJR四国に入ります。
瀬戸大橋からの朝日を見ながら列車は四国へと渡ります。瀬戸大橋も騒音問題の影響で、最高速度は出すことができません。
高松駅に到着です。大きさが、おそらく在来線で通れる限界ギリギリで作っているサンライズとマリンライナー。この並びはなかなか迫力があります。
なかなか楽しい旅でした。旅行好きとして一度は乗ってみたかった寝台特急に乗ることができました。
ここから特急いしづち号・しおかぜ号を乗り継いで松山へ。そして松山で道後温泉に入った後、豪華客船で本州へと戻り九州へと至る旅です。さらに、西日本を周遊。日本を0.8周くらいする旅を続けました。
これらの記事も公開しています。また、これ以外の列車の車内紹介記事もご好評をいただいています。是非ともご覧ください。
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