東京を発着する航空路線の中でも需要の大きいニューヨーク路線。14時間を超えるこの路線に、エコノミークラスで搭乗。エコノミークラスではあるもののANAが開発した最新のシートを搭載した機内で、かなり快適に過ごすことができました。
今回はその様子を徹底的に紹介します。なお、今回のニューヨーク・JFK→東京・羽田便についてはVlogも作成しておりますので、ご覧ください。
ANAの最新シートで運航されるニューヨーク・JFK-東京・羽田
国際線というものが発達し始めた戦後から、ニューヨーク〜東京の路線はかなりの高需要路線です。優先的に大型・最新鋭の機材が投入されてきました。
2023年4月現在、ニューヨーク・JFK〜東京・羽田路線にはANAとしては最大の機材であるB777-300ER、特に2019年以降に順次最新の内装に更新された新仕様の機材で運航されています。
ANAの最新シートはエコノミークラスでも快適
ANAが高需要国際線で運航する最新のB777-300ER(新仕様機材)は最新鋭の機材でかなり快適です。ビジネスクラス「The Room」は個室となり、その快適性が話題に上がります。さらにファーストクラス「The Suite」はもっとすごい。大型のモニターを備えたシアタールームのような、広々とした空間が提供されます。
ビジネスクラスを使いたいところではありますが、それはまだ夢の世界ですね。いつかマイルを貯めて、ビジネスクラスを利用したいところです。
まずは今回搭乗した、エコノミークラスから紹介していきましょう。エコノミークラスの座席も新しい座席になっており、快適です。
エコノミークラスの座席です。薄型の座席でありながらクッション性に優れており、快適性は抜群です。ANAの場合、国際線の座席間隔は国内線より広く設定されており、エコノミークラスでありながら座席間隔も十分です。
ANAの国際線では最近、多くの機材にフットレストが完備されています。寝る時にはあまり使いませんが、あって困るものではありません。
巨大なシートモニターと電源も完備
最新鋭の機材には、大型のモニターが搭載されていることも特徴です。13.3インチのシートモニターは、2023年現在エコノミークラスのシートモニターとしては世界最大です(ANAの公式サイトによる)。
シートモニターでは日本の会社であるため、日本のエンターテインメントが充実。もちろん、海外映画なども充実しています。
今回搭乗したのはANA109便、ニューヨーク・ジョンFケネディ国際空港→東京・羽田の便(日本から見ると帰国便)です。
現在の飛行状況なども記載されています。飛行機だとやはり、鉄道とは異なり窓の外を見て「今この辺りだ」というのが分かりにくい。だから僕はこういった情報はよく確認します。
B777-300ERでは、機外カメラも見ることができます。ANAではこれ以外にも、エアバス社製の飛行機(A380など)で見ることができます。
エコノミークラスでありながらも、座席にはユニバーサルタイプの電源が完備されています。日本のコンセントはもちろんのこと、それ以外の国のタイプのコンセントでも利用できます。PC電源として利用できる、高出力の電源です。
プレミアムエコノミークラスも快適
ANAの東京・羽田〜ニューヨーク・JFK路線にはプレミアムエコノミークラスも搭載されています。
プレミアムエコノミークラスは座席間隔や座席幅がエコノミークラスより広いのが特徴です。また、窓側座席が横2列の配列、中央に横4列の座席があります。そのため、カップルや夫婦などで窓側座席を利用することができるのも大きな利点です。
今回、僕はニューヨークから東京へと帰国する際にはエコノミークラスを利用しました。以前、ロンドンへ行った際にプレミアムエコノミークラスを利用しました。
エコノミークラスと比べて座席間隔が広く、テーブルも広々としています。また、座席間隔が少し広がるだけでエコノミークラスのような閉塞感が皆無。
もちろん、各座席にはコンセントが設置されています。ユニバーサルタイプの電源とUSB電源が設置されています。USB Type-Aであるのが少し残念。
また、飲み物やデザートなどもエコノミークラスと比べてややアップグレードされます(路線によって異なり、東京・羽田ーロサンゼルス路線ではエコノミークラスと同一でした)。
ビジネスクラスは世界トップクラスの快適性を誇る「The Room」を搭載
ニューヨーク・JFKから東京・羽田の路線で使われるB777-300ERは、世界でもトップクラスの快適性を誇るビジネスクラス「The Room」を搭載しています。あーーTHE Roomも乗ってみたい…
ビジネスクラス・The Roomは完全な個室になるのが特徴です。ファーストクラスでも個室にならない座席がある中で、ビジネスクラスが個室になるとはなかなかです。
中央の2席はパーテーションを下げることでペアシートになります。新婚旅行などで利用する際に便利ですね(ペアシートだと窓側座席にならないのが唯一の難点)。
ビジネスクラスは、アメニティなどもエコノミークラスと比べて充実しています。北米、欧州、オセアニア路線ではアメニティポーチの設定もあります。
大型のシートモニターを完備しているのも特徴です。長距離路線では、ビジネスクラスとエコノミークラスでは疲労が全くもって異なる。
いつかビジネスクラスThe Roomにも搭乗し、レビューしたいと考えています。
機内の設備も最新で快適
エコノミークラスでも最新の機内設備で、快適に過ごすことができます。
機内食提供時間帯以外でも、ギャレーにはスナック類が置かれています。ご自由にお取りください、とのことなので、自由にいただくことができます。
お手洗いも、流石に重量が重要な飛行機で陶器製にはなりません。でも、最新鋭の機材らしく清潔感があります。B787では搭載されたウォシュレットは、B777-300ERには残念ながら搭載されていません(配管などの問題で、更新時にも搭載できなかったものと考えられます)。
洗面台も暖かいお湯が出る、そして自動で水が出るタイプになっています。快適に使用することができます。
ANAのニューヨーク→東京路線ではWi-Fiサービスも完備
機内にはWi-Fiサービスも完備されています。ANAの国際線ではファーストクラス利用者以外、機内でのWi-Fiは有料となります。
ANA国際線の場合、2種類のWi-Fiがあります。新仕様のB777-300ERでは新しくて使いやすいタイプの「ANA Wi-Fi Service2」が搭載されています。ファーストクラスの利用者以外は有料での利用となりますが、西回りの場合は時差ボケ解消の意味も込めて使うのもありかも。
ANAのWi-Fiサービスに関しては別の記事で徹底的に紹介しています。ビジネスクラスの利用者にはWi-Fiが無料化されたほか、今後はエコノミークラスの利用者に対してメッセージングを無料化するとのこと。
ANA・ニューヨーク発 NH109便での機内食
続いては帰国便にて利用したNH109便の機内食を紹介します。ニューヨークで積み込んだ機内食ながら、日本の航空会社らしいメニューが取り揃えられています。
出発後の機内食
NH109便、ニューヨーク・JFK→東京・羽田路線でのエコノミークラスの機内食の様子を紹介します。
ANAの国際線では大抵、まず初めにスナックから始まります。この際、ドリンクも一緒にいただきます。
その後、機内食の提供があります。おつまみが配られてから30分ほど経った後で、この際にもう一度、飲み物が提供されます。僕はこのタイミングでは、白ワインをいただきました。
そして機内食が終わってしばらく経った後に、食後のアイス。アイスは出発空港によって異なりますが、日本発の便であればハーゲンダッツであることがほとんどです。ニューヨーク発の便でもハーゲンダッツでした。
途中で軽食のサンドイッチが
その後、機内は暗くなります。出発後の機内食の提供があってから5時間ほど経った後、サンドイッチの提供がありました。
この際に提供されたのはサンドイッチと飲み物のみ。軽食という感じです。照明も完全に明るくされたわけではなく、まだ寝ていらっしゃる方もお見えでした。
なお、軽食の時間が終わってからでもこのサンドイッチはギャレーに置かれているので、ちょっとお腹が空いたら自由に食べることができます。
到着前の機内食
到着前に再度、食事が提供されます。ニューヨーク時間では深夜、日本時間では昼過ぎです。朝食のような設定の機内食が提供されます。
チキンとポテト。これはアメリカらしい機内食です。この機内食をいただくとまもなく、飛行機は日本の領空に入り、東京・羽田空港へと降下を開始します。
ニューヨーク・JFK→東京・羽田便搭乗記
ここまでで機内食などを紹介してきました。最後に、実際に搭乗した様子を時系列で紹介します。
ANA便はニューヨークJFKの第7ターミナルから出発
ANA便はニューヨーク/ジョン・F・ケネディ国際空港の第7ターミナルから出発します。なお、2024年11月には「新設されるターミナル6に移転する予定」であることが明らかになりました。今後、ターミナルが変更されると考えられます。
ちなみに同じ日系の航空会社では、JALが第1ターミナルから出発します。なお、ニューヨーク/ジョン・F・ケネディ国際空港の第7ターミナルは、出発保安検査終了後のエリアに少しお土産があるだけ。保安検査前のエリアにはお土産がほぼありません。時間が少ない場合はニューヨークの市街地で購入しておく、または空港で時間がある場合は第1ターミナル(→JALは2023年5月より第8ターミナルへ移転)へ行くのがオススメです(ターミナル間は鉄道を無料で利用することができます)。
僕が搭乗した日はゲート5からの出発でした。太平洋を超える長距離路線、それも国際線としては比較的幹線であるにもかかわらず出発は端から。ジョン・F・ケネディ国際空港は東京以外にも重要路線を多く抱えているからこそこうなるのですね。
日本でも見る、例のANAのグループ看板が設置されています。日本人のスタッフと現地のスタッフが半々くらいのイメージです。現地のスタッフはANAが業務委託している空港スタッフのようで、日本語は通じません。
搭乗しました。エコノミークラスは100席ちょっとしかないため、機体のかなり後ろの方に行くことになります。
この日は30分ほど遅れての出発でした。世界各地の航空会社の大型機で混雑するJFK空港を地上走行し、滑走路へと向かいます。
ニューヨーク・JFK空港を離陸し、アメリカに別れを告げる
ニューヨーク/ジョン・F・ケネディ国際空港は4本の滑走路があり、比較的待ち時間も少なく離陸しました。
ニューヨークの街を左下に見ながら、飛行機は離陸していきます。世界トップレベルの都市・ニューヨークのすぐ近くとは思えない景色です。
ニューヨーク/ジョン・F・ケネディ国際空港は北大西洋に面しています。風向きにもよりますが、一旦、大西洋上へと抜ける場合がほとんどです。
日本へ向かう便の場合、ここからさらに左へ旋回し、アラスカ方面へと向かいます。
旋回を終え、ニューヨーク/ジョン・F・ケネディ国際空港の全景が見られる位置にきました。ジョン・F・ケネディ国際空港の先にニューヨークの市街地が見えます。
飛行機はニューヨークの街の上を通り、五大湖(シカゴなど)の方面へと向かいます。
この頃には飛行機は水平飛行に入ります。機内ではシートベルト着用サインが消え、テーブルなどを使うことができるようになります。
1回目の機内食が2時間程度で終わり、機内は暗くなる
離陸するとすぐに、1回目の機内食の準備が始まります。長距離路線であるため離陸前に機内食を準備し、慌ただしく提供するといった光景はありません。CAの方たちがしっかりと準備してくださるので、ゆっくりと座席で待ちます。
機内食はのんびりで、離陸から3時間ほどで機内食の提供が一通り終わります。するとCAさんから窓のシェードを閉めるようにお願いされ、機内も暗くなります。
アラスカ上空を飛行し、北海道上空から日本へ
僕は西回りの機内では基本的に、寝ないようにしています。時差ボケを防ぐためです。
飛行機はアメリカ大陸を横断し、アンカレッジ上空をかすめて東京へと向かいます。西海岸路線とは異なり、ひたすら陸上を飛行します。僕はアメリカ大陸横断旅からの帰国だったため、感無量の思いで4時間ほど、アメリカ大陸横断を過ごしました。
飛行機は太平洋上を飛行しています。最も太平洋といってもアラスカの辺りから洋上へ出るため、そこまで長くはありません。
ニューヨーク/ジョン・F・ケネディ国際空港→東京/羽田空港の路線は比較的長く、機内食があったものの僕はお腹がすきました。ギャレーにはスナックが置いてあるので、スナックをいただきました。
途中、お客さんが寝ている時間帯でもCAさんがお水を持って回ってきてくださいます。これ以外の飲み物が欲しい場合は、お願いすればいただけると思います。
太平洋側の海岸線をなぞるように、東京・羽田へ
飛行機は太平洋を飛んで根室の沖合から日本の領空へ。仙台沖合などを通り、太平洋の海岸線をなぞるようにして千葉県上空から羽田空港へとアプローチしていきます。
機外カメラで日本が見えてきました。ついに帰ってきた。
千葉県・房総半島が見えてきました。長い旅だった。僕は大陸横断の旅をしてきましたが、治安の問題などで辛い思いもした。ついに日本が見えてきた、これで安心して寝ることができる。涙が出てきます。
時期や時間帯にもよりますが、美しい夕日が見えてきました。夕方の羽田空港は到着機で混雑するため、千葉県沖で1周旋回しました。
千葉県上空で旋回したあと、ついに都心へ向けて降下を始めます。おそらく、埼玉県上空(大宮など)だと思われます(間違っていたらコメントください)。
新宿駅周辺の街並みが見えてきました。新宿御苑や2020東京五輪のメイン会場となった国立競技場が見えます。
東京タワーなど、見慣れた東京の街並みが見えてきました。僕が搭乗しているニューヨーク便はA滑走路に着陸しますが、左側にはC滑走路に着陸するスカイマークの機材が見えています。
東京・羽田空港に到着
だんだんと降下を続け、羽田空港が見えてきました。駐機場にはANAのB787やJALのB787も見えています。
飛行機は少しづつ高度を下げ、A滑走路へと着陸します。
無事、着陸しました。ソフトランディング。ANAの国際線には何度か乗っていますが、いつ乗っても着陸がうまいなぁと感じます。以前、中国の某航空会社に乗った時にバウンドしたのとは話が違う。
飛行機は地上走行をし、第3ターミナルへと向かいます。第3ターミナルはA滑走路からすぐ近くです。2023年現在、第2ターミナルの国際線はまだ再開されていません。2020年にオープンした第2ターミナルの国際線エリアは開業後2週間でクローズとなりましたが、2023年夏すぎを目処に再開を目指すとのこと(ソース:産経新聞の記事・まだ確定ではありません)。
スポットに到着しました。隣にはJALのB777-300がとまっています。JALのB777-300ERは現状、退役の話はないものの、後継機材として国際線向けのA350-1000(国内線のフラッグシップとして導入を進めるA350-900の長胴型)の導入が数年以内に始まります。10年もすれば退役の話が出てくるでしょう。
ANAではB777-300ERの後継機材であるB777X(B777-9)の導入が決まっています。B777Xの納入開始が遅れているためしばらく先になりそうです。
当面は超高需要路線をこのB777-300ERで、それ以外の路線をB787-9などでカバーすることになりそうなため、羽田発のニューヨーク路線やロンドン路線、サンフランシスコ路線などで見ることができそうです。
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