世界第7位の広大な面積を誇るインド国内を移動するのに便利な飛行機。しかしながらカオスな国・インドとあって、国内線の乗り方に不安を持っていませんか。本記事では、
- インドの国内線に乗る際には何時間前に行けばいいのか
- インドの国内線に乗る際に注意すべきことは何か
を、実際にインドに旅行し、インドの国内線に搭乗した経験から詳しく解説します。さらに乗り方に加えて、
- インド国内線を運航する航空会社
- 最近台頭してきたLCC
についても詳しく解説します。この記事を読むことで、インドで国内線に乗る際に注意すべきことが全てわかるような記事になっています。
インド国内線に乗るなら何時間前に行けばいい?
インドの国内線に乗る場合、遅くとも出発時刻の2時間半前を目処に空港に到着するようにしましょう。インドでは日本の国内線とはチェックイン締切や、空港でかかる時間も異なります。
インド国内線でのチェックイン締め切りは60分前
インドの国内線は、日本の国内線とは締切時刻が異なります。航空会社によって異なりますが、概ね60分前にチェックインを締め切る航空会社が多いです。つまり、それ以上前には空港に到着していなければなりません。
インド最大手の航空会社・エアインディアでは、国内線のチェックイン締切時刻は出発の60分前となっています。LCC・IndiGoの国内線の場合も同様に、チェックインの締切は60分前までとなっています。ゲートの締切時刻は、エアインディアが20分前、インディゴなどのLCCは20分前です。
なお、最新の締切時刻は変更となっている場合もあるため、公式サイト(エアインディア、IndiGoなどのホームページ)をご確認ください。両社とも公式サイトでは出発の2時間前までにチェックインすることが推奨されています。
日本の国内線の場合、チェックインの締切が20分前までですが、インドの国内線ではその頃にはゲートが締め切られています。日本の国内線と同じ感覚で行くと痛い目に遭います。
インドの空港の保安検査場は混雑するので注意
日本では保安検査の締切直前の時刻になると、航空会社のスタッフさんが便名で呼んでくださいます。場合によっては優先して保安検査を通してくださいます。しかしインドにはそんなサービスはありません。それどころか、インド人には「並ぶ」という文化がないため、油断しているとすぐに抜かされます。
インドは世界最大の人口を誇る国です。デリーのインディラ・ガンディー国際空港は特に混雑が酷く、保安検査を受けるために30分以上並ぶなんてことも普通にあります。
飛行機の遅延は当たり前、順番という概念がない、などズボラな印象があるインドですが、保安検査自体はかなり厳しいです。日本と比べて保安検査に使うX線の機器等がまだ古いこともあって、かなり時間を要します。僕はデジカメ1台だけを別のトレーに入れたにも関わらず、要検査レーンに回されました。
このように時間通りにはいかないのがインドという国です。時間には余裕を持って空港へ、そして保安検査へと行きましょう。
インド国内線の搭乗開始は1時間前、ゲート締切は30分前
インドでは国内線でも、出発の1時間前に搭乗が始まります。ボーディングゲートは、飛行機の出発時刻の25分前です。
日本発のフライトでは、国際線でも出発の30分前にボーディングが始まります。それと比べるとインドでは、国内線でも出発の1時間前にボーディング開始、25分前にはボーディング締め切りとなっています。時間の感覚が全く違うので、特に日本で国内線に乗り慣れている人は注意してください。
飛行機は当たり前に遅れるし、サービスも当たり前に待たせる。その割に乗客の遅刻には厳しく、その時刻ちょうどで完全にシャットアウトされることがほとんどです。自分たちは当たり前に遅れるのに乗客の遅れは認めない、それがインド流の接客です。
ハングリー精神全開でいけ
インド人は日本人とはハングリー精神が違います。保安検査場にいるときも、少しでも遠慮するとすぐに抜かされるのがインドという世界です。
大きな空港にはビジネスクラス専用のセキュリティレーンが設置されていますが、地方空港にはなかなかそれがない。通常のレーンでは、ぐいぐいと身体を押し込んで、散乱しているカゴを拾い、無茶してでも自分の荷物をレーンに流し込まないと進めません。
飛行機に限った話ではありませんが、インドではハングリー精神全開で行かないと、どんどんおいて行かれてしまいます。
乗り継ぎ時間を適切に設定しよう
ここまでは主に、飛行機に乗り込む際の注意事項について説明してきました。広いインド国内を移動する場合、国内線同士の乗り継ぎも当たり前のように発生します。
インドの国内線同士を乗り継ぐ場合は、乗り継ぎ時間を適切に設定しておくことが重要です。特に主要空港を発着するフライトは、ほぼ24時間に渡って運航されている路線もあります。
乗り継ぎのフライトを予約する必要がある場合、次の点に注意して予約するようにしましょう。
- 乗り継ぎの時間は十分か(3時間程度は欲しい)
- スルーバゲージの対象であるか
以上の2点が重要です。同じ航空会社同士の乗り継ぎをする場合、検索結果に出てきたフライトであれば特に問題はありません。しかしながら、航空会社が異なる場合(特に別々に予約する場合)、「スルーバゲージ対象か」を確認のうえ予約することが重要です。
インド国内線からは話がずれますが、僕はドイツ・ルフトハンザを使った際、スルーバゲージ対象・同冊航空券であったにも関わらず、ゲートでの出迎えなどもなく普通に置いて行かれた経験があります。エアインディアなどであればルフトハンザほどサービスが酷くはありませんが、遅れるのも普通だと考えて乗り継ぎ便を予約するようにしましょう。
ニューデリー/インディラ・ガンディー国際空港はターミナルが別れているので注意
インドへいく場合、多くの日本人が到着するのがニューデリーのインディラ・ガンディー国際空港です。日本からは2024年現在、3社が就航している空港です。
ニューデリーのインディラ・ガンディー国際空港については、過去に記事にもまとめました。ターミナルが分かれており、主にLCCが発着するターミナルは滑走路を挟んで反対側にあります。しっかり調べずに空港へ向かってしまうと痛い目に遭います。
また、正しいターミナルへ向かっても空港内での移動距離が長いのがインド。特にニューデリーの空港では「搭乗口まで1km」なんて表示もザラにあります。早めに保安検査を通過し、ラウンジなどにいく前にあらかじめ搭乗ゲートを確認しておくのがおすすめです。
インド国内線に乗る際の注意点
前章では「インド国内線に乗る場合、何時間前までに空港に行くべきか」に焦点を当てて解説してきました。ここからはインド国内線に乗る場合の注意点について解説します。
インドの空港に入るには搭乗券が必要、手荷物検査もあり
インドの空港では、空港に入るためには搭乗券が必要です。空港の外にある自動チェックイン機でパスポートなどを読み込ませて搭乗券を発券する必要があるとのこと。「とのこと」というのは、僕自身が搭乗券が発券できず、スタッフに申し出たらパスポートの確認とiPhoneのWalletに保存した搭乗券でOKだったのです。
また、インド国民ではない場合、身分証明書としてパスポートの提示が求められます。アメリカでも保安検査のゲートでパスポートの提示が求められますが、インドでは空港に入るために航空券とパスポートが必要です。
このようにインドでは、見送りの場合に空港内に入ることができません。また、ベンガルールの空港でアプリの予約画面を提示して空港に入ろうとした際「日本語は読めないから英語に変えてくれ」とも言われました。英語表記のeチケットを用意しておくなど、提示できるように準備しておく必要があります。
インドの保安検査はかなり厳しいので注意
インドでは保安検査がかなり厳しいです。手荷物検査で想定以上に時間がかかることがあります。時間管理などがズボラなインドですが、手荷物検査はしっかりしています。
また、ボディチェックは男女別になっています。そのため、男女別々のレーンに並ぶ必要があることも。途中で男女が別れることを認識し、正しい方へ進む必要があります。
なお、インドでは、電子たばこ・加熱式たばこの持ち込みが法律で禁止されています。手荷物検査で見つかり、没収された事例もあるようです。加熱式タバコの持ち込みには十分注意してください。
時間通り動けないのがインド
最近はかなり状況が改善しているようですが、時間通りに動くことができないのがインドという国です。飛行機が遅延するのも日常茶飯事です。インドでは、時間通り動くことができないのが当たり前だと考えるべきです。
飛行機が遅延するのはもちろんのこと、空港までのアクセスも時間通り動けないことがほとんどです。人口が世界一のインドでは、渋滞は日常茶飯事です。バンガロールでUberを使いホテル(市街地)から空港へ移動しようとした際、Uberが捕まるまでにかなり時間がかかったうえ、Uberがホテルまで入って来ずに時間がかかった経験があります。飛行機に乗る前も乗るあとも、時間に余裕をもって動く必要があります。
出発ゲートは常にチェックしよう
インドの空港では、ゲートが変更されることも多々あります。直前でゲート変更に気づいて、慌てて新しいゲートに行ったけど間に合わなかった…、なんてのが認められないのがインドです。日本の空港のように、乗客を放送で呼び出すなんてこともしてくれません。
出発の3時間前を目処に空港に行くのが理想的ですが、3時間前に到着した際のゲートから変更されるなんて当たり前にあります。会社都合でゲートを変更しておきながら、変更に気づかなかったから乗り遅れたなんて知ったこっちゃない、それがインドの航空会社です。
場合によっては、ゲートが変更となっておりそのゲートが遠いなんてことも。インドの空港では早めに動き、搭乗時刻に余裕を持って電光掲示板でゲートを再確認することが重要です。
LCCも充実したインド国内線
インドの国内線ではLCCも充実しています。インドでは長らく、航空会社の設立が制限されてきましたが、航空自由化によってLCCが台頭、現在ではかなりの選択肢があります。
最後にインドの国内線を運航するキャリア(航空会社)について詳しく解説します。
フルサービスキャリアはAir India(エアインディア)に統合へ
インドで最大の航空会社が「エアインディア」です。長い歴史をもち、日本にも就航しています。2022年に国営企業が民営化され、インド最大の財閥・タタグループ傘下へ、大幅に財力を強化してネットワークの拡充に着手しました。
現在インドのフルサービスキャリアとして第2位のビスタラが、2024年10月にはエアインディアを吸収合併します。ビスタラの保有機材とネットワークをエアインディアに移管されます。これによりさらにネットワークが拡充されます。
タタグループ傘下となった後の2023年には、エアバスA350やボーイングB777などを大量に発注。長い歴史を持ちながらも、会社の歴史に残る大変革を遂げようとしています。
エアインディアの最新機種であるA350のビジネスクラスについて、実際に搭乗した際の様子を写真を用いて紹介しています。
インド最大のLCCはIndiGo
インドで最大のLCCがIndiGo。インドの国内線を中心に最大の規模を持つ航空会社です。2006年に運航を開始、一気に規模を拡大しています。
LCCとして小型機を中心に多くの機材を持ち、主要都市はもちろん地方都市から地方都市への路線も多く持ちます。エアインディアより本数が多い、エアインディアが就航しない路線にも就航しているなんてことも当たり前にあります。
現在では近距離を中心に国際線にも就航しています。LCCであるため長距離国際線は多くありませんが、列車や長距離バスに代わる移動手段としてインド国民にも定着しつつあります。
スパイスジェット
スパイスジェットはIndiGoより先んじて2005年に運航を開始。国内線・国際線ともに就航するLCCです。日本のLCCを含めエアバスA320シリーズが優位な中、ボーイング737をメインの機材として採用しています。
現在ではIndiGoの方が規模が大きくなっていますが、今でもIndiGoが持たない路線を運航しています。行き先によってはスパイスジェットが最も便利な場合もあり
2005年運用を開始したインドLCCエアーラインです。国内線56・国際線9都市に就航しています(2020年2月現在)。使用機材はインド国内線ではエアバス320シリーズが圧倒的に優位な中、ボーイング737を採用しています。小型機も他社ではATRが主流なのに対しボンバルティア機を採用しています。
スパイスジェットの特徴として、ジャイサルメール、アジメール、グワリオール、ポンディチェリ等、他社があまり路線をもたない魅力的な都市へのローカル線を運航しています。
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