大阪エリアへの通勤路線「琵琶湖線」の通勤特急として、平日の朝夕を中心に運転されている通勤特急「らくラクびわこ」。全席が指定席であるため必ず座ることができ、快適に移動することができます。本記事では通勤特急「らくラクびわこ」について、
- 通勤特急「らくラクびわこ」の運転時刻表を詳細に掲載
- 通勤特急「らくラクびわこ」の車内の様子を、実際に乗ってレビュー
- 通勤特急「らくラクびわこ」の乗り方を解説、またお得に予約する方法も解説
していきます。この記事を読めば、通勤特急「らくラクびわこ」を便利に快適に利用することができるようになります。
特急「らくラクびわこ」は、大阪と琵琶湖線を結ぶ通勤特急
JR西日本が琵琶湖線経由で運転している特急「らくラクびわこ」。2024年3月までは「びわこエクスプレス」として運転されていた特急列車で、通勤時間帯に設定される特急列車です。
通勤特急らくラクびわこの時刻表
通勤特急らくラクびわこは、平日の朝夕に設定されている通勤特急です。平日朝に米原発→大阪行きが1本、夕方に大阪発→米原行きと大阪発→草津行きが1本ずつの計3本が運転されます。
朝に運転される「らくラクびわこ1号」は米原(6:03発)~大阪(7:31着)、夕方に運転される「らくラクびわこ2号」は大阪(19:20発)~米原(20:48着)、「らくラクびわこ4号」は大阪(20:36発)~草津(21:29着)となっています。通勤に便利な時間帯に設定されています。
通勤特急らくラクびわこは、新快速の停車駅のうち高槻駅と能登川駅のみを通過します。停車駅は次の通りです。
米原駅 – 彦根駅 – 近江八幡駅 – 野洲駅 – 守山駅 – 草津駅 – 南草津駅 – 石山駅 – 大津駅 – 山科駅 – 京都駅 – 新大阪駅 – 大阪駅
あくまで新快速を補完し、全席指定席特急として着席保証に応える列車です。新幹線との競合も意識し、極端に停車駅が少なくなっているわけではありません。
停車駅 | 1号 |
---|---|
米原 | 06:03 発 |
彦根 | 06:09 発 |
近江八幡 | 06:23 発 |
野洲 | 06:30 発 |
守山 | 06:34 発 |
草津 | 06:39 発 |
南草津 | 06:42 発 |
石山 | 06:47 発 |
大津 | 06:51 発 |
山科 | 06:56 発 |
京都 | 07:03 発 |
新大阪 | 07:27 発 |
大阪 | 07:31 着 |
停車駅 | 2号 | 4号 |
---|---|---|
大阪 | 19:20 発 | 20:36 発 |
新大阪 | 19:25 発 | 20:41 発 |
京都 | 19:52 発 | 21:06 発 |
山科 | 19:58 発 | 21:12 発 |
大津 | 20:03 発 | 21:17 発 |
石山 | 20:07 発 | 21:21 発 |
南草津 | 20:12 発 | 21:26 発 |
草津 | 20:15 発 | 21:29 着 |
守山 | 20:19 発 | – |
野洲 | 20:22 発 | – |
近江八幡 | 20:29 発 | – |
彦根 | 20:42 発 | – |
米原 | 20:48 着 | – |
通勤特急「らくラクびわこ」の停車駅です。1号・2号・4号の3列車があります。2024年3月のダイヤ改正で、通勤特急びわこエクスプレス2号・4号から一部、列車の時刻が変更されています。
2024年に「びわこエクスプレス」から「らくラクびわこ」へ
通勤特急「らくラクびわこ」は2024年まで、通勤特急「びわこエクスプレス」として運転されていました。
運転時期 | 列車種別 | 名称 |
---|---|---|
1987/10/14〜2003/05/31 | 普通 | びわこライナー |
2003/06/01〜2019/03/15 | 特急 | びわこエクスプレス |
2019/03/16〜2024/03/15 | 通勤特急 | |
2024/03/16〜 | らくラクびわこ |
琵琶湖線系統の通勤特急は20年以上前から運転されています。JR西日本ではコロナ禍を経て、大阪アーバンネットワークの通勤特急・着席保証の充実を図っています。
その過程で誕生した通勤特急「らくラクはりま」および「らくラクやまと」とサービス名を合わせるため、2024年に「らくラクびわこ」へと改称されました。
さらに琵琶湖線(大阪から京都・草津方面)へは、新快速の「Aシート」も設定されています。搭乗当初は自由席だった新快速のAシートも、現在では指定席が設置されています。
新快速のAシートは、新快速に設置された特別座席であるためスピードは変わらないものの、コンセントやWi-Fiが必ず設置されているなど快適性の面ではまさります。
1・2号は6両「しらさぎ」編成で運転、4号は3両「はまかぜ」編成
通勤特急「らくラクびわこ」には、大阪を中心に各方面へと向かう特急列車が使用されています。らくラクびわこ1号・2号には681系・683系電車6両編成が、らくラクびわこ4号にはキハ189系気動車3両編成が使用されています。
通勤特急らくラクびわこ1号・2号は北陸方面の特急列車に使用される681系・683系が使用されています。特急「サンダーバード」の間合運用として使用されています。
通勤特急らくラクびわこ3号では、特急「はまかぜ」(大阪〜姫路〜豊岡〜城崎温泉〜浜坂〜鳥取)の車両が使用されています。山陰方面を結ぶ数少ない特急気動車が、琵琶湖線を走ります。
特急「らくラクびわこ」はチケットレスで割引が多数!
通勤特急「らくラクびわこ」は特急列車であるため、乗車券や定期券のほかに特急券が必要です。通常のJR特急の普通車指定席特急券はやや高いですが、通勤特急では通勤で気軽に利用できるように安価な割引商品が多数設定されています。通勤特急「らくラクびわこ」に設定されているのは主に、
- J-WESTチケットレス
- eチケットレス特急券
- チケットレス特急券
- eきっぷ
です。これらの割引きっぷの名前ではわかりにくいと思うので、特急らくラクびわこ米原駅〜大阪駅での特急料金を比較します。
きっぷの種類 | 発売日 | 普通車指定席の値段 | 変更 |
---|---|---|---|
通常のきっぷ | 1ヶ月前〜当日 | 2,190円 | 1回まで |
eチケットレス特急券 | 1ヶ月前〜当日 | 1,750円 | 無制限 |
eきっぷ | 1ヶ月前〜当日 | 1,860円 | 紙のきっぷ受取前は無制限 |
J-WESTチケットレス | 前日・当日 | 1,450円 | 変更不可 |
この表から分かるようにダントツ安いのが「J-WESTチケットレス」です。チケットレスで乗車することができるきっぷで、予約は前日または当日のみとなります。
なお、「J-WESTチケットレス」では前日および当日のみしか予約ができませんが、通勤特急という性質上直前に予約するお客さんがほとんどであるため心配はいりません。
これらの特急列車にはチケットレスで乗車することができます。JR西日本のネット予約サービス「e5489」で予約しチケットを受け取ることなく乗車できます。
特急らくラクびわこ1号・2号 681系・683系の車内
通勤特急「らくラクびわこ」の車内や座席の様子を詳しく紹介していきます。通勤特急「らくラクびわこ」は在来線特急列車の間合運用として運転されるため、変更となる場合もあります。
681系通勤特急「らくラクびわこ」は「しらさぎ」の車両
通勤特急「らくラクびわこ」1号・2号として使用されるのは主に、特急「しらさぎ」や「サンダーバード」として使用されている681系です。北陸新幹線開業以前はあくまで「しらさぎ」専属のような車両でしたが、余剰となりサンダーバードでもよく使われています。
681系の車内については、過去に特急「しらさぎ」の紹介記事でも詳細を書いています。ここでは通勤特急「らくラクびわこ」に乗車した際の写真で紹介します。
普通車の車内の様子です。特急サンダーバードと比べると座席はやや古い。しかしリクライニングも機能し、快適な車内です。
普通車指定席は2+2の座席配列になっていますが、通勤特急「らくラクびわこ」ではまず、隣に人が来ることはありません。かなり座席数には余裕があります。
オレンジ色を基調とした座席に加えて、灰色を基調とした座席もあります。1両おきにオレンジ色と灰色が配置されているようです。
特急「サンダーバード」など特べるとやや古い座席ではあるものの、座席の設備はかなりしっかりしています。
座席にはかなり広々としたテーブルがあります。特急はくたかなどとしてデビューした当時のことを考えると、かなり広くて快適なテーブルです。
さらに肘掛けから出てくるタイプの小さなテーブルも完備されています。飲み物などを置くのにちょうどいいサイズです。
683系通勤特急「らくラクびわこ」は「サンダーバード」の車両
683系「サンダーバード」車両で運転される場合の車内の様子です。683系で運転される場合も6両編成で運転されます。
特急「しらさぎ」の683系から座席はリニューアルされています。座席が分厚くなり座り心地が向上したほか、各車両の端にはコンセントがついた座席があります。
座席は青を基調としています。特急「しらさぎ」の681系と比べると、かなり座席の厚みがあるのがお分かりいただけるでしょう。
座席の背面には、座席幅いっぱいのテーブルも完備されています。特急「サンダーバード」として金沢まで走っていた頃と比べて使う機会も減りましたが。
テーブルを広げた際の様子です。テーブルはかなり広いため、パソコン作業などもできます。通勤特急という性質上、パソコンを開いている人は少ないですが。
肘掛けから出てくるタイプの小さなテーブルもあります。ちょっとお酒を買っておいておく、なんて使い方にもおすすめです。
また、普通席でも全席に読書灯が完備されています。荷物棚の下部に設置されており、横の黒いボタンを押すことで読書灯がつきます。
「サンダーバード」車両の683系ならコンセント&Wi-Fiも完備
サンダーバード向けの「683系」が、通勤特急「らくラクびわこ」に使用される際の最大のメリットが、「コンセントがあること」です。
683系が仕様される通勤特急「らくラクびわこ」の普通車では、各車両の最前列と最後列のみにコンセントが設置されています。681系が使用された場合、コンセントの設置はないので注意してください。
683系は金沢行きの特急「サンダーバード」として使用されていた最後の時期に、無料Wi-Fiの設置が行われました。通勤特急「らくラクびわこ」として使用される場合も使用できます。
Wi-Fiを使っているお客さんの人数にもよりますが、速度はまずまず。特に通勤特急「らくラクびわこ」が走る京都線・琵琶湖線では通信状況が悪くなるエリアもありませんので、快適に利用できます。
特急らくラクびわこ3号 キハ189系の車内
続いては通勤特急「らくラクびわこ3号」に使用されるキハ189系、特急「はまかぜ」の車両の車内を紹介します。
兵庫県の南北を結ぶ播但線経由の特急「はまかぜ」の間合運用として使用される車両で、外装こそ違うものの座席などの設備は特急「サンダーバード」683系の色違いといった感じです。
座席は赤が基調ならがらもサンダーバード683系と同じ
特急「はまかぜ」に使用されるキハ189系の車内です。気動車(ディーゼルカー)ながらも車内は特急「サンダーバード」などと同じような雰囲気。
車内の様子です。車両自体の横幅は他の列車と大きく変わることはなく、座席も2+2の座席配列で同じ配列です。
キハ189系が使用される場合、座席は普通席のみのモノクラスになります。3両編成全てが普通席の列車です。
681系や683系と同様に、テーブルは肘掛けから出てくるタイプのテーブルと、前の座席の背面に設置されたテーブルの2種類があります。
座席の背面に設置されたテーブルは、座席の横幅いっぱいにあります。テーブル自体は683系(特急「サンダーバード」車両)と同じです。
テーブルにはドリンクホルダーが2つあります。ペットボトルなどをおくことができるドリンクホルダーと、瓶などをおくことができるドリンクホルダーの2つ。
窓枠が広くなっているため、飲み物などをおくことができます。通勤特急ではあまり使い道はありませんが、長距離特急だとこれが意外と便利です。
車端部にはコンセントも設置 車内にはディスプレイ
キハ189系の場合でも、各車両の車端部にコンセントが設置されています。パソコン用の100V・AC電源が完備されているため、携帯電話などの充電をすることができます。
コンセントはテーブルの横に設置されています。緑色のランプが点灯している際はコンセントを使用することができます。
また、車内にはカラーのディスプレイが設置されています。新幹線などでもよく設置されているタイプのディスプレイです。
洗面台・お手洗いなども充実
普段は比較的、長距離を走る車両であるため、洗面台やお手洗いなども充実しています。バリアフリー対応のお手洗いが設置されています。
お手洗いはかなり広々としています。通勤特急であるためそこまで使う人も多くはなく、快適に利用できます。
お手洗いの横には洗面台が設置されています。朝の時間帯は使うことが多いでしょう(が、朝の大阪方面の通勤特急「らくラクびわこ」にはキハ189系は充当されていません)。
追伸:まさかのJR名阪特急が復活
今回の記事では2024年3月のダイヤ改正で設定された特急「らくラクびわこ」をご紹介しました。以前から通勤特急「びわこエクスプレス」として運転されてきた列車ですが、大阪アーバンネットワークの他の通勤特急と名称を統一した上で時刻などが変更されました。
以前は深夜に米原駅に到着していた、米原行きの通勤特急「びわこエクスプレス」は時間が変更され増田。そのため、名古屋行きの特急「しらさぎ」がある時間帯に米原駅に到着します。近鉄の伊勢中川駅における名阪乗り継ぎと同様の「対面乗継」が実現しました。
もっとも、大阪〜名古屋の区間では、東海道新幹線を利用した方が安価です。ただ、大阪駅から岐阜県内各駅へと向かう場合、新大阪〜米原の区間で新幹線を使うより乗り換え回数が少なくなるため、便利に利用できるでしょう。
追伸
今回の記事が想定以上に好評だったため、他の通勤特急「らくラクやまと」や「らくラクはりま」などの記事も書こうと考えています。
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