世界遺産、高野山。高野山へは南海の電車が難波から出ており、手軽に行くことができます。そんな観光エリアである高野山への観光列車として南海が運転している「天空」に乗ってきましたので、ご紹介したいと思います。
世界遺産・高野山への観光列車「天空」に乗ってみた
今回、名古屋から近鉄特急に乗って高野山へ向かった都合で、乗り継ぎの時間がよかった特急こうやで極楽橋へ向かいました。極楽橋で止まっていたのがこの「天空」。
この感じ、近鉄の賢島駅に近い感じかなあ。と思いつつも、こうやって高野山にも観光列車があるのなら是非とも乗ってみたいとも思いつつ高野山の観光へ。帰りの電車の時間を調べたところ、ちょうどいい時間に特急こうやと「天空」があったので、天空に乗ることにしました。
この付近で、山へ向かう観光特急として走っている近鉄吉野線の「青の交響曲」と比べて高級感があるとは言えません。「青の交響曲」は大阪阿部野橋=吉野間でも730円です。近鉄は大阪阿部野橋から吉野までダイレクトで行けるうえ、特急であることなども考えると「青の交響曲」に分があるように思えてしまいます。
車内は景色が楽しめるよう、谷側を向いた座席を配置
車内をみていきましょう。まずは一般の座席から。一般の座席は観光列車用という感じはあまりなく、「ロングシートを少し良くした」感じです。乗り心地的には、大手私鉄の普通列車のロングシートと大差ありません。
この高野線は主に谷側にいい景色が広がっています。逆に山側は、ただ単に断崖絶壁が続いているだけで土しか見られません。
ということがあって、橋本から極楽橋へ向かうときは右手、極楽橋から橋本へ向かうときは左手に座席が向くように配置されています。また、座った時に後ろ側となる座席(写真のピンクの座席)は少し高い位置に配置されていて、景色が見やすいように配慮されています。
グループ向け座席も ※ただし指定はできない
それからこちらはグループ向けの座席です。グループでの旅行に最適になるよう、向かい合わせで配置されテーブルも設置されています。
1号車と2号車の車端部それぞれに2グループ分づつ、合計8グループ32席あります。
後から書きますが、この「天空」は予約システムが確立されていません。そのため、このコンパートメント席は予約できず、当日の運次第では乗れない可能性もある、という大きな難点があります。
展望デッキは、冬期はドアは開けられていない
そしてこちらが一応ご自慢の展望デッキ。時期によってはドアの部分が開けられ、半分トロッコのようになるんだとか。そのため、わざわざデッキに相当する扉が取り付けられています。
予約方法と時刻表
天空は予約する場合、電話での予約となります。ネットでの予約は不可能です。ただ、よっぽどの繁忙期でなければその場で指定席券を購入することができてしまうので、無理して予約しなくてもいいように感じてしまいます。
予約のシステムがあまり確立されていない感じがしてしまう…
さて、実際に乗るのですが、予約のシステムが確立されていなくてびっくりです。
南海は特急列車に「チケットレスサービス」を導入しています。今回、行きに使った特急「こうや」は、割引切符を使ったため駅窓口で購入しました。が、割引切符を使わない場合や、難波から和歌山方面・関西空港方面へ向かう場合はチケットレスサービスが使えます。
で、おそらくそんなチケットレスサービスを整備しているにもかかわらず、「天空」の予約は電話か当日駅でのみ。そして、支払いにはクレジットカードどころか交通系ICカードすら使えません。これには驚きました。
発券された指定席券を見てみると…
これです。電話では座席の指定ができず、当日支払いと発券を乗車前に行わなくてはいけないことからも、手動で座席指定をしていることがわかります。特急券のシステムに組み込めばいいのに…
南海高野線は沿線も魅力的だし、駅も魅力的
さて、この「天空」4号に極楽橋から橋本まで乗りました。極楽橋から橋本までは40分ほどです。
こうやって、窓から高野山の山々を見渡せるのはこの「天空」ならではの特権です。この日はちょっと天気が悪かったのですが、天気さえ良ければかなりの絶景でしょう。
ただし、この高野線は山岳路線であり、トンネルが多いため写真を撮ろうとしてもカメラをすぐに用意しなければすぐトンネルに入って視界が遮られてしまいます。それだけは注意しましょう。
紀伊細川駅です。この駅の周辺は、春になると非常に綺麗に桜が咲くそうです。
紀伊細川を過ぎると山岳のパノラマを望むエリアへ。昔は、こんな道を通って高野山へと登っていったのですね。
九度山駅です。数年前に大河ドラマの主人公となっていた真田幸村が左遷された地です。真田の家紋が入ったベンチなど、駅自体も見どころが多い駅でした。何枚か写真も撮ったのですが、どれもブレブレなのでこれで許してください。
さて、かなり山を降りてきました。橋本もだいぶ近くなってきます。
橋本の2駅手前、学文路駅です。学文路とかいて「かむろ」と読みます。ここは、学問の道へ入っていくことに由来し、合格祈願の駅として知られています。
さて、紀の川を渡ったら橋本はすぐです。
終点橋本に到着です。ここからは難波行きの急行に連絡しています。
世界遺産・高野山を観光しよう
難波からは直通の特急「こうや」が出ており、これを使えば乗換なしで高野山まで。
今回ご紹介した「天空」は途中の橋本からしか出ておらず、高野山まで行くには橋本で乗り継ぐ必要があります。しかし、橋本までは難波から直通の急行や快速急行も走っており、比較的手軽に移動することができるので心配はいりません。
高野山は写真だけでは味わえない、雰囲気を楽しむことができる観光地です。実際に自分で行ってみるからこそわかる高野山。観光地としては、見るべき場所・観光スポットが集中的に集まっていて観光しやすい場所だと感じました。
高野山観光の記録も記事にしてあります。合わせてご覧ください。
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