JR特急を使って旅をするとき、乗継割引って使ってますか?
JR在来線特急と新幹線を乗り継ぐと、在来線特急料金が半額になる
という割引です。この乗り継ぎ割引、上手く使うとかなり有利なものになります。今回はこの「乗り継ぎ割引」の使い方を徹底的に解説します。
新幹線と在来線特急の乗り継ぎで、在来線の特急料金が半額に
乗り継ぎ割引を使うと、在来線特急の特急料金が半額になる、ものすごくお得な切符です。
「同時に購入」する必要があるので注意
乗り継ぎ割引を利用する際、まず初めに注意しなくてはならないのが、「在来線の特急券と新幹線の特急券を同時に購入しなくてはならない」ということです。
後ほど解説しますが、JR東海が運営する新幹線ネット予約サービス「エクスプレス予約」や「スマートEX」では、在来線特急の予約が一切できません。新幹線のきっぷしか購入できないため、乗り継ぎ割引は一切適用されないということになります。
また、指定席を後から取りたい、などの理由で別々に購入した場合も同じです。乗り継ぎ割引は適用されなくなります。そのため僕は、よっぽど特殊な列車に乗る場合以外は当日に予約を取る、などということをしています。
東京駅など、乗り継ぎ割引が適用されない駅もある
さらに注意しなくてはならないのが、乗り継ぎ割引が適用されない駅があるということです。JR東日本が運営するネット予約サイト「えきねっと」から引用したものを掲載しておきますので詳細はそちらをご覧ください。
ここで端的にまとめてしまうと、
- 東京駅、仙台駅では乗り継ぎ割引は適用されない
- JR九州の特急列車には一切乗り継ぎ割引が適用されない
- 特急「踊り子」「サフィール踊り子」「湘南」には乗り継ぎ割引は適用されない
ということです。以下、JR公式のアナウンスを引用して掲載しておきます。なお、太字は僕が勝手につけたものです。
【参考】乗り継ぎ割引の適用条件について(「えきねっと」より)
東海道・山陽新幹線の新横浜~新下関→「2023年4月より新横浜〜相生」間の新幹線停車駅、東北新幹線及び北海道新幹線の新青森駅(※筆者注:東北新幹線は新青森駅のみ)、上越新幹線の長岡駅・新潟駅、北陸新幹線の長野駅・金沢駅、北海道新幹線の新函館北斗駅、大阪駅(新大阪駅で新幹線と乗り継ぐ場合に限る)、坂出駅・高松駅(坂出駅及び高松駅は岡山駅で新幹線と乗り継ぐ場合に限る)→2023年3月まで、直江津駅(上越妙高駅に直通して運転する在来線の特急・急行列車に乗車し、上越妙高駅で新幹線と乗り継ぐ場合に限る)、または津幡駅(金沢駅に直通して運転する在来線の特急・急行列車に乗車し、金沢駅で新幹線と乗り継ぐ場合に限る)で新幹線から在来線の特急・急行列車にその日のうちに乗り継ぐ場合、在来線の特急・急行料金、指定席料金が半額になります。在来線から新幹線へ乗り継ぐ場合は在来線の乗車日かその翌日でも割引になります。
*新青森~青森間のみをご乗車になる場合は割引の対象になりませんが、乗車券のみで特急・急行列車の普通車自由席をご利用になれます。
*〔踊り子〕〔サフィール踊り子〕〔湘南〕をご利用になる場合は、乗継割引の対象とはなりません。
新幹線をはさんで、在来線の特急・急行列車を乗り継ぐ場合は、在来線のいずれか高いほうの料金が割引となります。
九州新幹線には乗継割引はありません。
えきねっとより引用
長いので再度まとめておきます。
- 東京駅、仙台駅では乗り継ぎ割引は適用されない
- JR九州の特急列車には一切乗り継ぎ割引が適用されない
- 特急「踊り子」「サフィール踊り子」「湘南」には乗り継ぎ割引は適用されない
ここは注意してくださいね。
九州の特急には乗り継ぎ割引がないので注意!
上にも書いたように九州の特急列車には一切乗り継ぎ割引がありません。したがって、JR九州の特急については、在来線特急の特急券と新幹線特急券を別々に購入しても値段は変わりません。
JR九州としては、公式に「乗り継ぎ割引」を廃止した理由を発表はしていません。博多発着をはじめとした九州内完結の需要が多いこと、小倉-博多間の新幹線をJR西日本が運営しており、この区間との乗り継ぎ割引を適用されると自社にとっては大幅な収入減になることなどが理由と考えられているようです。
「特定特急料金」と合わせて利用して、「新幹線特急券の捨て得」も
実は、この仕組みを利用すると通常の特急券よりさらに安く特急券を購入できる可能性があるのです。
新幹線の自由席を放棄すれば安くなることも
具体例を挙げて見ましょう。例えば、特急「スーパーおき」で新山口から出雲市まで移動する場合。特急「スーパーおき」の自由席特急券を通常金額で購入すると、
新山口-出雲市:2,420円
厚狭から新山口の自由席特急券を買うと、
厚狭-新山口:870円
新山口-出雲市:1,210円
合計2,080円
となります。新幹線の特急券を購入した方が安いのです。同様の現象が起こる例を挙げましょう。
- 名古屋発着で特急「しなの」「ひだ」「南紀」などを使う場合
- 米原発着で特急「しらさぎ」を使う場合
- 京都発着で特急「サンダーバード」「スーパーはくと」「きのさき」などを使う場合
- 新大阪発着で特急「くろしお」「サンダーバード」「スーパーはくと」「こうのとり」などを使う場合
- 姫路発着で特急「はまかぜ」を使う場合
- (2023年3月まで)岡山発着で四国方面の特急「しおかぜ」「南風」「うずしお」を使う場合
- (2023年3月まで)岡山発着で特急「やくも」を使う場合
- (2023年3月まで)新山口発着で特急「スーパーおき」を使う場合
- 新青森発着で特急「つがる」を使う場合
- 新函館北斗発着で特急「北斗」を使う場合
- 金沢発着で特急「しらさぎ」「サンダーバード」を使う場合
- 富山発着で特急「ひだ」を使う場合
- 上越妙高発着で特急「しらゆき」を使う場合
- 長野発着で特急「しなの」を使う場合
- 新潟発着で特急「いなほ」を使う場合
などです。思いついたのはこのくらい。もし、これ以外にも何かあればコメントで教えてください。
新幹線自由席「特定特急料金」がある区間を選ぼう
上記の駅発着の特急を使う際に活用したいのが「特定特急料金」。
特定特急料金は、主に新幹線開業時に1駅区間だった区間に設定されています。おおむね、1,000円以下に設定されているので、特急料金が2,000円以上かかる場合はお得ということになります。
特定特急料金が設定されている区間は調べれば出ますし、Yahoo乗換案内などで「自由席」を指定して検索すれば出てきます。これで1,000円を下回るなど、明らかに安い区間が「特定特急料金」が設定されている区間になります。
ネット予約等もうまく使おう!e5489が便利!
JR各社のネット予約も今では進化しており、原則として「乗り継ぎ割引」が適用されます。
ネット予約でも乗り継ぎ割引は適用される
ネット予約でも乗り継ぎ割引が適用されます。
僕の把握している範囲内では、JR東日本の「えきねっと」とJR西日本の「e5489」ではネット予約に対応しています。JR九州の「JR九州ネット予約」は、JR九州が乗り継ぎ割引を適用しない(前述)ため、おそらく対応していないし対応させるつもりもないと思います。
ただし、一部のお得な切符では乗り継ぎ割引が適用されないので注意しましょう。
「エクスプレス予約」「スマートEX」では適用されないので注意しよう
ネット予約の中でもJR東海の運営するネット予約は例外です。JR東海の運営する東海道新幹線・山陽新幹線・九州新幹線のネット予約サービス「エクスプレス予約」(年会費有料)および「スマートEX」(年会費無料)は乗り継ぎ割引に一切対応していません。
JR東海が運営する「エクスプレス予約」および「スマートEX」は、JR東海にとってのドル箱路線である東海道新幹線の予約に特化したサイトです。東海道新幹線・山陽新幹線・九州新幹線(2022年春から対応)以外は一切予約ができません。
乗り継ぎ割引は原則、新幹線の特急券と在来線の特急券を同時に購入する場合にのみ有効な割引でした。そのため、新幹線の特急券しか購入できない「エクスプレス予約」および「スマートEX」では、乗り継ぎ割引には対応していないのです。
関西圏・中部圏ならe5489がとっても便利!
ネット予約「e5489」もうまく活用したいところです。e5489が、JRのネット予約サイトの中では最も機能が充実しているからです。
ネット予約「e5489」はJR西日本が運営するネット予約サイトです。このサイトは、検索の際に区間ごとに利用列車を指定できます。例えば「新大阪→金沢」を検索することを考えましょう。
普通に検索すると、おそらくは新大阪から金沢まで直通する特急サンダーバードを検索結果として表示するはずです。しかし、乗り継ぎ割引を考えると、新大阪から京都までは新幹線を使った方がいい。そして、サンダーバードはそれなりの長距離特急なので指定席を取りたいが、新幹線は特定特急券を適用したいので自由席がいい。
e5489では、こういった予約もしっかりできます。詳細検索で
- 新大阪-京都:「新幹線を利用」
- 京都-金沢:「在来線特急を利用」
とすればOK。そして、検索結果に出てきた列車について、それぞれを別々に、自由席・指定席を選択できます。
スマホでちょっと移動時間に予約を完了させてしまえば、あとは新大阪駅の自動券売機でこれを受け取ればいいだけ。かなり便利です。
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