大阪南港から九州・福岡の新門司港を結ぶ新名門大洋フェリー。2021年と2022年には新造船「フェリーきょうと」「フェリーふくおか」が導入され、さらに快適・便利になりました。
今回、実際に「フェリーきょうと」に乗ってきました。名門大洋フェリーの値段などを解説した上で、「フェリーきょうと」「フェリーふくおか」(ほぼ同一の船内設備)の内部を徹底的に紹介していきます。
名門大洋フェリーの料金 予約はネットを利用するのがおすすめ
まずは、名門大洋フェリーの料金について解説します。詳しいルールなどについては公式サイトにも掲載されています。
徒歩乗船の場合 各等級ごとに決まっている
まずは徒歩乗船の場合です。
船室 | フェリーおおさかⅡ フェリーきたきゅうしゅうⅡ | フェリーきょうと フェリーふくおか | エコノミー運賃からの差額 (ドライバー差額) |
---|---|---|---|
スイート | 22,700 | 22,700 | 15,070 |
デラックス | 20,200 | 20,200 | 12,570 |
スーペリア | – | 17,150 | 9,520 |
ファーストA | 14,550 | – | 6,920 |
ファーストJ | 14,550 | 14,550 | 6,920 |
ファーストB | 14,550 | 14,550 | 6,920 |
ファーストS | 12,150 | 12,150 | 4,520 |
プライベートS | 11,150 | 11,150 | 3,520 |
コンフォート | – | 10,350 | 2,720 |
ツーリスト | 9,050 | 9,050 | 1,420 |
エコノミー | 7,630 | – | – |
最も安価なエコノミーやツーリストでは、7,630円/9,050円〜となっています。ほぼ同じ区間を走る山陽新幹線 新大阪〜小倉間の「のぞみ・みずほ」指定席14,720円であることを考えると、かなり安価だと言えそうです。
フェリーの大きな特徴に、車を持ち込めることがあります。車を持ち込む場合、別途料金が必要になってきます。3m未満で16,130円となります。詳しくは、公式サイトの運賃情報をご覧ください。
学生割引やネット予約割引が充実 予約はネットがオススメ
割引も多数あります。最も手軽に割引ができるのはWEB割引でしょう。公式サイトから予約ができます。支払いはクレジットカード決済などが利用できます。
WEB割引は、ネットでの予約・購入で適用できる割引です。ネットでは直前まで購入でき、クレジットカードで決済もできます。乗船手続きも、スマホに表示したQRコードですぐにすみます。
割引名称 | 割引率(単位%) 通常期 | 割引率(単位%) 繁忙期 | 適用条件 |
---|---|---|---|
復路割引 | 20 | 10 | 往路を正規運賃にて乗船の方で、復路を14日以内に利用の場合に適用。 |
早期購入割引 | 20 | 0 | 乗船日の7日前までに当社乗船券販売所にて前売乗船券を購入、または旅行代理店にてクーポン券を購入の場合に適用。 |
WEB割引 | 1便 30 2便 20 | 10 | ホームページにてWEB予約・決済した場合に適用。 |
シルバー割引 | 20 | 0 | 満60才以上の方に適用。 健康保険証、運転免許証など公的書類の提示が必要。 乗用車・バイクの割引には運転免許証の提示が必要。 |
学生割引 | 20 | 20 | 学生割引証の提出、もしくは学生証の提示が必要。 乗用車・バイクの割引には運転免許証の提示が必要。 但し、ファースト以上の等級を利用の場合には適用不可。 |
2021年から新造船が運航中!
名門大洋フェリーでは、2021年から2隻の新造船「フェリーふくおか」「フェリーきょうと」を導入しました。2021年12月16日に「フェリーきょうと」を新造船として、2022年3月28日に「フェリーふくおか」を新造船として導入しました(2隻の新造船の設備はほぼ同じです)。
これらの2隻は、第2便・19:50発/8:30着の便として運航されています。第2便は時間設定も比較的使いやすく、観光にも便利なためとてもありがたいですね。
船内の様子を徹底的に紹介!
ここからは船内の様子を、たくさんの写真を用いて紹介していきます。
コンフォートを利用
今回は、コンフォートを利用しました。相部屋にはなりますが、カーテンで仕切られており寝ている間はプライベートな空間が確保されます。
ツーリスト(一番安価なクラス)の1つ上、個室ではないという微妙な立ち位置から、利用するお客さんが意外にも少ない。僕が利用した時は、14席ある僕の部屋は僕たった1人でした。つまり、だだっ広い実質的な個室。
コンフォートはベッドになっています。ネットカフェをイメージしてもらうと分かりやすいかも。
一番奥には窓があります。基本的には閉められているようです。僕は、僕以外にお客さんがいなかったので、朝にはカーテンを開けて外の景色を楽しんでいました。
室内の様子はこんな感じ。ベッドがそれぞれ個室で仕切られており、その外にカーテンがある。扉などはないので、声は筒抜けになります。
枕元には電気とコンセント1つ、そして物置と飲み物を置くためのホルダーがあります。これが思いのほか、機能的。コンセントが1つしかないので、複数のデバイスを充電したい場合は分配、または僕が使っているようなUSB2ポート出力の充電器が必要です。
スイートルームからツーリストまで様々な部屋が充実
今回はコンフォートルームを利用しましたが、これ以外にも様々なタイプの部屋が用意されています。こちらはスイートルーム。
スイートルームはまるでホテルのよう。そこらへんのビジネスホテルよりいい、まさに動くホテルです。
これ以外にも様々なタイプの部屋が用意されています。目的に合わせて、思う存分船旅を楽しんでみてはいかがでしょう。
船内は、船ならではの広々とした設備がたくさん
船内には、船旅ならではの充実した設備があります。飛行機とは違って、さまざまな設備を搭載できるのが船の魅力です。
船内にはビュッフェ形式のレストランが
船内にはレストランがあります。ビュッフェ形式で楽しむことができます。夕食が大人1,600円、朝食が大人750円です。夕食と朝食のセットがあり、これがセットで2,150円と、単純に別々での購入より200円ほど安いです。
夕食のレストランは19:00〜21:30まで営業しています。朝食のレストランは、6:40〜8:10まで営業しています。レストランでは、ビュッフェ形式で好きなだけ食べることができます。ソフトドリンクは全て無料で、ドリンクバー形式になっています。ただし、ビールなどのアルコールは別途その場で現金で支払いになります。
船内のレストランは、地上と同じか、それ以上のクオリティです。
本当にレストランのメニューは美味しかった。
朝食は、もちろん少し違うメニューになっています。朝食専用のビュッフェになっています。
レストランはビュッフェでとても美味しく、やや高く感じるかもしれませんがコスパ最強です。ぜひ、船の上での食事を楽しんでみてください。
展望スペースなども充実!
船内には、展望スペースなども充実しています。こちらが展望ラウンジです。
展望ラウンジからは海の景色が眺められます。大きな窓が採用されているため、冬などの寒い時期であっても快適に外の景色を楽しめるのが特徴です。
展望デッキへの入り口です。ここから外に出ることができます。よっぽどの強風時など以外は開放されています。
外のデッキにやってきました。船なので煙突があります。前方は操縦室がある方なので基本的に立ち入ることができません。後方は自由に立ち入ることができ、後方から流れゆく海の景色を堪能することができます。
特に、大阪南港→新門司港の航路では、進行方向後側が東に向くことになります。日の出を観ることができるのでオススメです。
展望浴室を完備
船内には展望浴室が完備されています。名前の通り、海を眺めながら温泉に浸かることができます。展望浴室は朝も6:00から入ることができます。
展望浴室への入り口です。男女が分かれていますが隣同士であり、両方とも右側にあるため神戸の夜景なども楽しむことができます。
展望浴室でゆっくりお湯に浸かりながら流れゆく海の景色を楽しむ。こんなにも幸せなことはありません。
お手洗いなど、水回りの設備も充実
新名門大洋フェリーは夜行フェリーです。そのため、船内には宿泊で使う洗面台など、水回りの設備もしっかりしています。
船内のお手洗いはかなり広々としています。お手洗いの洗面台にはドライヤーなども設けられており、ここで身支度を整えることができます。
先ほど紹介した展望浴場にももちろん、ドライヤーはじめとした設備は整っています。安心して利用できそうですね。
インターネットも比較的安定 テレビや売店などの娯楽も
船内にはインターネットが利用できるようにWi-Fiが整備され、携帯電話も比較的安定してつながります。
船内には無料Wi-Fiも完備
「新名門大洋フェリー」にはWi-Fiが装備されています。Wi-Fiは1日3回まで、1回あたり30分利用できます。ただし、0時で3回はリセットされるため、夜に3回、朝に3回使えると思って差し支えないでしょう。
また、接続時間の制限なく、無料マンガなどをWi-Fi経由で読むことができます。船内の案内も、Wi-Fiに接続することで確認できます。
船内のWi-Fi速度を計測してみました。ダウンロードが7.4Mbps、アップロードが14Mbps出ています。名門大洋フェリーは瀬戸内海を航行するため、地上の携帯電話基地局から電波を受信しています。そのため、航行中の場所によりインターネットの速度は変化するのであくまで参考値と考えてください。
また、新名門大洋フェリーが航行する瀬戸内海は、沿岸に大きな都市などがあったり、あるいは四国・山陽両側の沿岸に道路・鉄道が走っていたりするため携帯電話の電波も比較的安定してつながります。LINE通話も問題なくできる程度で、アンテナは常に2本は立っていたように思います。天候などにも左右されるため必ずと保証はできませんが、携帯電話の電波に関してもほぼ安定してつながると考えて良いでしょう。
テレビなどを観ることができるスペースも
船内にはテレビなどを観ることができるスペースも用意されています。テレビは2つか3つあり、しっかり別番組が放映されています。
ここでテレビを見ながらビールを飲んでいるお客さんもいる。なかなかいい、時間の過ごし方ですね。地上にいて仕事をしている時とは流れている時間が全く違います。
船内には売店も完備
船内には売店なども完備されており、船旅をさらに楽しむことができます。
船内の売店には、大阪発の便では大阪や京都のお土産が、新門司港発の便では九州のお土産が用意されています。
もちろん、アルコールの販売もあります。品揃えは、コンビニとほぼ同じ感じのイメージです。アイスクリームなどもあり、船内にしてはとても充実しているイメージです。
この売店以外に、24時間営業している自動販売機コーナーもあります。自動販売機なので24時間営業しています。
電子レンジが装備されているので、お弁当などを持ち込んでここで食べることもできます。
製氷機やお湯もあります。カップ焼きそばを持ち込んで、ここでお湯を入れて食べているお客さんもいらっしゃいました。
カップヌードルの自動販売機です。この自動販売機で購入したカップヌードルは、すぐ横でお湯を入れて食べることができます。
アイスクリームの自動販売機もあります。僕が乗った時は秋、比較的寒くなりつつある時期だったので食べませんでしたが、夏に利用する場合は有難いですね。
そしてこちらがアサヒビールの自動販売機です。アルコール類の販売もあります。
ソフトドリンクの自動販売機は4台ほどあるため、かなり充実しています。コカコーラの自動販売機はCoke Onも使えるようですが、携帯電話の電波の安定性には注意が必要です(念のため、現金も使えるようにしておくのがベストです)。
それ以外にも充実したパブリックスペース
自動販売機や売店以外にも、充実の設備があります。
ゴミ箱。綺麗。
エレベーター。エントランスが6階なので、それ以外のフロアを使う場合には便利です。
記念撮影スポットまであります。観光客が比較的多いことがお分かりいただけると思います。
共用スペースのカウンターです。僕はここで、ブログ記事の執筆作業を行なっていました。
フェリー「きょうと」 大阪南港→新門司港 乗船記
最後に乗船記です。時系列でご紹介します。
搭乗開始は出港1時間前
搭乗開始は出港1時間前です。30分前までに手続きをするように、と公式サイトに書かれているので、1時間前を目安に港に着くようにいくのがオススメです(新門司港から乗船する場合、接続するシャトルバスでいくのがベストです)。
隣には四国方面・東予行きの船が泊まっています。四国オレンジフェリーです。ここ大阪南港からは、新門司港・東予・志布志・別府の4カ所に船が出ています。
時間通り出港です。横へ流れていく水が、なんだか桜島へ行った時のことを思い出します。
出港すると隣に泊まっていた四国おれんじフェリーのライトが美しい。そして、大阪の街を海から眺めることができます。
外に出て景色を楽しんでいる人も多くいらっしゃいます。
船旅はのんびりできるけど意外とあっという間
出港してしばらく経ったので、レストランに行き晩御飯。レストランの風景は先ほど紹介したので、ここでは割愛。
レストランでご飯を食べてお腹が膨れました。ちょっと自分の部屋でのんびり。そして、共用スペースに出てきてブログ執筆の作業をします。ここは電話をしている人なんかもいるので、多少のキーボードなどの操作音は問題なし。
進行方向右側に神戸が見えてきました。神戸が見えてきた頃、前方を見ると明石海峡大橋があります。
明石海峡大橋の下をくぐります。明石海峡大橋はライトアップされているのでとても美しい。
それぞれの橋の通過時刻も書かれています。あくまで標準的な通過時刻なので、この時刻で確定ではありませんが。
前方は操舵室があるため基本的に立ち入ることができません。通過後、後方の甲板から見ていると綺麗に明石海峡大橋を一望することができます。
朝は日の出が美しい
さて、翌朝になりました。大阪→門司の便では、西へと進むため、後方の甲板に出れば日の出を綺麗に見ることができます。
大阪南港→新門司港の便では、日の出の時間帯にはほぼ九州にいます。時期によって時間は異なりますが、10月半ばではおおよそ大分県の日の出時刻と同じでした。
だんだんと陽が出てきました。
太陽がほぼ出てきました。YouTubeにアップロードした動画では、この日の出の様子をノーカットでお届けしていますのでご覧ください。
完全に太陽が昇りました。海は風が強く、10月半ばでも外にいるのは寒い。ので、ぼくはここで引き上げることに。展望浴室に入ってから、朝食を食べに行きます。
到着30分前の様子です。もう、本当にすぐ目の前です。船はそのままのスピードで進んでいくとえらいことになります。そのため、最後は本当にゆっくりになる。到着30分前には、既に新門司港に入港、後数十メートルというところに達していました。
船はまもなく、新門司港に到着です。
甲板では、着岸のための作業が進んでいます。
一晩寝ていたらなんだかここまできてしまっていた。という感じで、正直、九州へやってきたぞ!っていう感じがありません。
にしても今回の航海は天気が良くてよかったよかった。
船の煙突と、その先にある太陽がとても美しいです。
到着しました。ここからは無料シャトルバスで小倉駅へと向かいます。
小倉駅に到着しました。小倉駅はモノレールが駅の中へ入っていくためなかなか不思議な光景です。
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