大阪阿部野橋から橿原神宮前を経由して吉野までを結ぶ、近鉄南大阪線と吉野線。この区間を走る特急列車として「さくらライナー」があります。「伊勢志摩ライナー」の「吉野版」というべきもので、車内は観光利用を想定した様々な設備が。
今回の記事では、座席の様子や車内設備に加えて、さくらライナーのおトクな予約方法なども解説していきます。
近鉄特急「さくらライナー」については、Vlogも公開しています。併せてご覧ください。
座席の様子 近鉄特急としては標準的な座席
座席は、近鉄特急としては標準的な座席です。
南大阪線・吉野線の特急座席は2系統
近鉄の南大阪線・吉野線の座席は2系統あります。南大阪線および吉野線は狭軌であり、他の近鉄路線(標準軌)とは異なっています。近鉄は現在、フリーゲージトレインの開発をしていると公表しており、近い将来にはこの軌間を超えて直通運転をするかもしれません。
とりあえず今のところは系統は完全に分離されています。南大阪線・吉野線には「レギュラー料金」と「デラックス料金」の2種類があります。
南大阪線および吉野線内で完結する特急料金は全て、520円となっています。ただし、後ほど紹介する通り吉野線内完結の場合は「吉野チケレス割」を利用すると320円となります。デラックス料金は210円となっており、デラックス車両を利用する場合の特急料金は合計840円となります。
ただし、近鉄特急は乗り継ぎの特急券を利用することができます。奈良・京都方面などから乗り継いで利用する場合、特急料金は通しの距離によって計算され、発売されます。
デラックスシート
まずはデラックスシートの様子です。
デラックスシートは1+2の座席配列になっています。横に1列少ない分、座席の幅や間隔に余裕があります。
2人がけの座席は独立しており、1人で利用する場合でも気兼ねなく、1つづつ利用できます。
1人がけの座席です。背もたれがかなり大きいのがお分かりいただけるでしょうか。
デラックス車両には全席にコンセントが設置されています。コンセントが、座席の内側の部分にあります。座席の形状から、肘掛けの前の部分に設置するのが困難だったのでしょう。
さくらライナーには、レギュラーシートを含めてフットレストが設置されています。フットレストの布地面は靴を脱いで利用することになります。
座席の背面には大きなテーブルがついています。パソコン作業をする人は多くないかもしれませんが、食事をとったりするのにも便利です。
近鉄らしい快適な座席!レギュラーシート
続いてレギュラーシートです。4両編成のうち、3両がこのレギュラーシートで構成されています。
赤を基調としたモケットで、やや明るい印象を受けました。伊勢志摩ライナーが青を基調としているので、なんだか対照的です。ふっく
荷物などをひっかけておくことができるフックです。お土産などを持っているとこれは便利です。
2席に1つ、コンセントが設置されています。座席の真ん中に1つだけなので、2人がけを2人で利用する場合は譲り合って利用しましょう。
スマートフォンなどを充電しながら利用する場合、ケーブルの長さには注意が必要です。この面では、デラックスシートに軍配が上がります。
フットレストも利用できます。この面は靴のまま利用することができます。
裏返すと、布地の麺になっています。布地の面は、靴を脱いで利用するようになっています。フットレストとしては、東海道・山陽新幹線のN700系グリーン車と似たようなイメージを持ちました。
肘掛けにあるテーブルです。飲み物を置くくらいだったらとても便利です。
座席背面のテーブルです。客室の案内が書かれています。
パソコン作業などでも難がないレベルの広々としたテーブルになっています。
近鉄特急らしく、車内の設備も充実!
車内の設備も近鉄特急らしく、充実しています。
特急さくらライナーからは前面展望も
近鉄特急では、観光利用を重要視しているため、前面展望を楽しむことができる車両が多くあります。さくらライナーでも前面展望が楽しめます。
さくらライナー以外にも、アーバンライナーや伊勢志摩ライナー、では前面展望がデッキで楽しめます。特急「ひのとり」「しまかぜ」は、最前列の座席で前面展望が楽しめます。
今まで様々な近鉄特急に乗ってきた中で最大の特徴と思えるのが「ベンチスペースがある」ということ。伊勢志摩ライナーやアーバンライナーでは、簡易的な腰掛けはあったりするものの、ここまでガッツリベンチがあることは少なかった。
さくらライナーから見る大阪南線と吉野線、特に吉野線の六田駅から吉野神宮の間の区間なんかは美しい絶景が楽しめそうです。
特急さくらライナーの車内設備
続いては車内設備です。4両編成の特急であり、大阪難波発着の特急列車などと比べると走行距離が短いこともあり、最低限の車内設備が備えられています。
3号車の前より、つまり編成全体のほぼ真ん中には自動販売機があります。500mlのペットボトルの水が110円と、車内に設置された自動販売機としてはとても良心的な値段だと感じます。
お手洗いはウォシュレットを装備
続いてはお手洗いの様子です。鉄道の車内のお手洗いは、どうしても簡易的でかつ、少し古い雰囲気があるものになってしまします。
しかし、近鉄特急はお手洗いの整備にもかなり力を注いでいるのがよくわかる。お手洗いはかなり新しい便器です。
吸い込み方こそ通常の列車と同じではありますが(ここは、列車内という水の使用量に制限がある環境下では仕方ない)、便器自体は駅のトイレなど、列車内ではないトイレと同じです。
近鉄特急では、ウォシュレットが全面的に装備されています。今まで全国を旅行してきた感想から、ウォシュレットが装備されている列車のトイレはかなり新しい。ここは評価が高いです。
特急さくらライナーの予約方法
最後に特急さくらライナーの予約方法などについて解説します。
近鉄特急さくらライナーの時刻表
近鉄特急「さくらライナー」はデラックス車両が連結されるなど、別の特急とは異なる設備になります。そのため、「さくらライナー」で運転される列車についてはあらかじめ、決まっています。
大阪阿部野橋駅の時刻表(近鉄公式サイト):
吉野駅の時刻表(近鉄公式サイト):
最新情報は近鉄の公式サイトの時刻表をご覧ください。「SL」と書かれた特急が「さくらライナー」です。
予約はチケットレスサービスがオススメ
近鉄特急ではインターネットを利用したチケットレスサービスを推進しています。大阪南線・吉野線を含めた全線で交通系ICカードが利用できるため、インターネット予約サービスと併用することで完全チケットレス乗車が可能です。
さらに、会員登録をした上で利用すれば、利用金額の10%がポイントとして還元されるというお得なサービスです。
名古屋・京都方面から利用する場合、乗り継ぎが利用できます。近鉄特急は乗り換え3回までであれば、乗り継ぎをしても通しの距離で特急料金を計算してくれます。
また、予定によっては橿原神宮前から予約するのも良いでしょう。橿原神宮前〜吉野間での予約は、チケットレスサービス利用の場合に限り「吉野チケレス割」という割引が利用でき、特急料金が大幅に割引(200円引きで320円になる)されます。ちなみに大和八木方面からの乗り継ぎで予約した場合、割引は適用されません。
同区間には特急「青の交響曲シンフォニー」も
この区間には、観光特急「青の交響曲」が走っています。
観光特急「青の交響曲」は全席がデラックスシートで、サロン席やツイン席などのグループ利用を意識した座席も多くあります。
座席は豪華なソファのような作りで、さくらライナーと比べて「上質な大人の旅」を楽しむことができます。
外観は落ち着いた青色を貴重しているます。大阪阿部野橋から吉野の間で、1日2往復が運転されているので、是非とも片道は利用してみたい特急列車です。
風光明媚な吉野線の風景を楽しもう
特急「さくらライナー」が走る大阪南線と吉野線。大阪南線は通勤・通学路線という色が濃く出ますが、吉野線は一気に景色が変わり観光路線です。吉野駅に向けてだんだんと山を登り、風光明媚な景色を楽しむことができます。
特に、六田駅を過ぎたあたりから進行方向右手に吉野川が美しく見られます。これは吉野線ならではの風景です。
大和上市駅を過ぎ、次の吉野神宮までの間で列車は、吉野川を渡ります。この吉野川がいつ見ても、美しい。
また、吉野でも美しい景色を数多く楽しむことができます。いつきても、この新鮮な緑色は美しい。
やっぱり、吉野といえば桜です。桜の景色もとても美しく、見応えがあります。美しい大自然を満喫できる吉野という地を訪れてみませんか?
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