宇都宮駅から芳賀・高根沢工業団地までを結ぶ宇都宮ライトレール(宇都宮LRT)。2023年8月26日に開業したこのLRTに、開業1ヶ月後に早速乗車してきました。
この記事では、宇都宮ライトレールの乗り方や路線図、そして特徴などを紹介。その上で、実際に乗車した際の様子も紹介します。
宇都宮ライトレールについてはVlogを作成しました。ご好評をいただいているVlogです。あわせてご覧ください。
宇都宮ライトレールに乗ってきた!
今回、開業したばかりの宇都宮ライトレール(宇都宮LRT)に実際に乗車してきました。その様子を紹介します。
宇都宮LRTの車内の座席はやや少なめ
宇都宮LRTの1編成の定員は160人となっています。これは国内の路面電車としては最大の定員となりますが、やはり一般の鉄道と比べるとやや少ない設定となっています。
開業から1ヶ月が経ち、通勤で使用する人も増えてきました。座席は結構埋まっていることが多いので注意。
ライトレールの座席の様子です。座席は基本的にボックスシートとなっており、4人掛けの座席になります。身体にフィットする形状になっており、快適です。
ただし、4人掛けのボックスシートはやや狭い。膝が前の人と当たりそうな距離です。最も、そんなに長時間乗車するわけでもないでしょうから、そこまで不便に感じる点でもないでしょう。
また、出入り口付近にある優先席は、ロングシート型の座席配置になっています。座席の定員が少ないと書きましたが、立ち客にも配慮した構造になっています。広々とした車椅子スペースもあるため、立っていてもあまり不便に感じることはありませんでした。
路面電車でありながら車内にはWi-Fiも設置
実際に宇都宮LRTを利用して驚いたのがこれ。宇都宮ライトレールには全車両の車内にWi-Fiが設置されています。首都圏の通勤列車などにもまだ、設置されていないものが多い中、路面電車にもWi-Fiが設置されているのはかなり良い。
新幹線などとは異なり、パソコン作業など重たい作業をする人が少ないためか、速度は上々。スマートフォンでちょっと動画を観たいとか、そういった使い方に適しているように感じます。
車内の駅表示などは比較的見やすく便利
車内の表示なども見やすくなっています。車内にはフルカラーのディスプレイがあり、停車駅などの案内が行われます。
最近では4:3など、パソコン画面に近い画面比率の車内案内ディスプレイを採用するケースが多くなっています。宇都宮ライトレールでは、ライトレール路線ともあって、横長のディスプレイが採用されています。情報は過不足なく、見やすいディスプレイになっています。
宇都宮ライトレールに乗りに行ってみよう!
2023年8月末に開業した宇都宮ライトレール。まだまだ新車の香りがするライトレールの車両。何より、近未来的なデザインが印象的です。
もちろん、専門的な収支採算の計算に基づき建設された宇都宮ライトレール。しかしながらそれより、廃線の話ばかりが上がる日本の鉄道において、新規で路線を建設。それも、単なる鉄道の繰り返しではなく「地域住民にとってベストな形での鉄道」を目指して建設されました。
今後も宇都宮ライトレールと、宇都宮のまちが発展してほしいところです。
2023年8月26日に開業した宇都宮LRT
宇都宮LRTは2023年8月26日に開業しました。単なる新しい鉄道路線の開業ではなく、日本国内では75年ぶりとなる路面電車の開業で、話題となりました。
今回は早速、この宇都宮ライトレールに乗車してきました。その様子を紹介します。
路線図 宇都宮駅から芳賀工業団地を結ぶライトレール
宇都宮ライトレールは、宇都宮駅から芳賀・高根沢工業団地までを結ぶライトレール路線です。
東北新幹線の停車駅であり、JR宇都宮線の終点としてJR東日本のアーバンネットワークの終着駅となっている宇都宮駅。この宇都宮駅から宇都宮の市街地やその先の工業団地へのアクセス路線として機能しています。
元々、宇都宮駅周辺やその先の工業団地である芳賀工業団地などの周辺は渋滞がとてもひどかった。実際に芳賀工業団地にある大手自動車会社Hの社員さんの話では、朝の時間帯は通常なら30分のところを倍近くの時間がかかるつもりで行かなくてはならない、ということだそう。
これらの渋滞を緩和するために、ライトレール路線が建設されることになりました。
宇都宮LRTのダイヤ まだ遅延などもあるので注意
宇都宮ライトレールは2023年8月26日に開業しました。最近としては珍しい、完全な新規路線です。また、75年ぶりの路面電車ともあって、開業直後はかなり混乱が続いています。
これはもっぱら、会社側の都合もあるでしょうが利用者側の原因でもある。比較的時間通りに走りはするものの、ICカードの扱いに高齢者や地元中学生が慣れていなくて運転手さんが対応する。そんなことの繰り返しで、少しづつ遅延していく印象でした。
こればっかりは仕方ない。会社側も、利用者側ももう少し経てば慣れるでしょうから、そのうち状況は好転すると考えられます。
また、開業以来3回ほど、事故が発生しています。もっぱらLRT側に起因する事故というよりは、ドライバー側の責任が大きい事故。地元の方々もまだ、LRTがある街に慣れていないため、致し方ない部分があります。
開業から数ヶ月間は、実際の時刻表より時間がかかると考えて利用した方が良さそうです。
路面電車と鉄道のいいところをとったLRT
宇都宮駅の前や一部の区間では利便性を重視し、路面電車として道路を走行。一方、住宅が比較的少ない場所ではショートカットするために専用路線を走行します。
宇都宮が単純な鉄道ではなくライトレールを選んだのはまさにここ。宇都宮駅周辺の市街地では街の中心部の幹線を走り抜け、電停も多い。
市街地から抜けて民家が減れば、電停もやや少なく高速で走る。そして工業団地に近づくと、また道路を走るようになり、電停も増える。利便性と速達性を両立できるのがこのライトレールという手段なのです。
宇都宮ライトレールの乗り方解説
ここからは宇都宮ライトレールの乗り方を解説します。
詳しい乗り方は、宇都宮LRTの公式サイトにも掲載されています。
Suicaなどの交通系ICカードでの乗車が基本
宇都宮ライトレールに乗車するためには基本的に、Suicaなどの交通系ICカードを利用すると考えてください。現金で乗車することも可能ですが、降車は運転手後ろの出入り口からとなり、やや不便です。
全ての扉に、交通系ICカードのリーダーがあります。「乗るときタッチ」と書かれた緑色のIC読み取り機にタッチして乗車します。降車する時は、黄色の「降りるときタッチ」と書かれたIC読み取り機にタッチしで下車します。
バスなどと違い、交通系ICカードの利用であれば全ての扉から乗降することができます。
現金の場合、各電停に整理券の発行機があります。この発行機で整理券を受け取った上で乗車し、降りる時は運転士後ろの現金精算機で精算して下車します。
交通系ICカードを利用することを前提とした設計となっています。多くの方が交通系ICカードを所持しているでしょうから、交通系ICカードで乗るのがオススメです。
宇都宮ライトレールの運賃は距離に応じて異なる
運賃や時刻表などについても公式サイトに掲載されています。また、Yahoo!路線などにも表示されるため、交通系アプリを確認するのが早くて便利です。
また、運賃は距離に応じて計算されます。運賃は、
- 乗車から3kmまで 150円均一
- 3km〜7kmまで 2kmごとに50円加算
- 7kmから 3kmごとに50円加算
となっています。宇都宮駅を起点とすると、「宇都宮大学陽東キャンパス」電停までが150円の均一区間となっています。宇都宮駅周辺の市街地を利用する場合、150円で利用できることになります。
各駅からの運賃表は電停のほか、車内のモニターにも掲示されることになるので、そちらでも確認することが可能です。
今後は快速列車の設定も計画
宇都宮LRTには建設当時から、快速運転を行う構想があります。宇都宮周辺の渋滞を増長させている原因が、宇都宮周辺にある工業エリアへの通勤者です。特に終点の芳賀団地にある本田技研工業(車を作る“ホンダ”)は、自動車メーカーともあって自動車通勤がほとんどです。
そのため、工業地域への通勤者をターゲットとして快速運転を行う構想があります。日本国内の路面電車では初となる、待避可能な電停も設置されています。
宇都宮LRTは、路上区間では最高時速が40km/h、専用区間では最高速度が70km/hとなるため、快速が設定されれば宇都宮駅からやや遠い工業地帯への通勤も便利になりそうです。
宇都宮ライトレールについては実際に乗車した際に撮影したVlogも作成しています。あわせてご覧ください。
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