京都駅から、京都府北部の街である舞鶴を結ぶ特急「まいづる」。特急まいづるの時刻表は?料金は?お得なきっぷは?車内の様子は?などといった疑問にお答えします。
京都府内を結ぶにもかかわらず絶景区間が数多くある特急「まいづる」「はしだて」。Vlogを作成中ですので、公開までしばらくお待ちください。
京都と北近畿の東舞鶴・西舞鶴を結ぶ特急列車
特急「まいづる」は、京都駅から綾部駅を経て、西舞鶴駅・東舞鶴駅までを結ぶ特急列車です。まず初めに、運転区間・停車駅や運転時刻表などについて解説します。
特急「まいづる」の運転区間と停車駅
特急「まいづる」は、京都駅から東舞鶴駅を結ぶ特急列車です。特急「はしだて」「きのさき」と併結して運転されています。舞鶴号の停車駅は、
京都駅-二条駅-亀岡駅-園部駅-綾部駅-西舞鶴-東舞鶴
です。加えて1日1往復だけが、日吉駅に停車します。
京都駅から日本海側の街・東舞鶴駅までを結んでおり、JRの特急としては珍しく都道府県を跨ぎません(北海道は例外で、道を跨がない特急しかありませんし、他にも特急「しらゆき」「能登かがり火」「きらめき」「あしずり」など県境を跨がない特急は存在しますが、特急が長距離輸送という目的からして少数派です)。
特急「まいづる」の時刻表
続いては特急「まいづる」の時刻表です。特急「はしだて」「きのさき」が、福知山駅での特急同士の乗り換えによって本数を維持しているのに対し、特急「まいづる」は福知山駅を通過しないため、接続ができません。そのため、他の北近畿方面の特急と比べて本数が維持されています。
列車名 | 京都 | 二条 | 亀岡 | 園部 | 綾部 | 西舞鶴 | 東舞鶴 | 併結 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1号 | 8:38 | 8:43 | 8:55 | 9:06 | 9:47 | 10:04 | 10:11 | はしだて1号 | |
3号 | 10:25 | 10:30 | 10:43 | 10:55 | 11:37 | 11:55 | 12:01 | はしだて3号 | |
5号 | 12:25 | 12:30 | 12:43 | 12:55 | 13:39 | 13:55 | 14:02 | はしだて5号 | 「丹後の海」車両で運転 |
7号 | 14:25 | 14:30 | 14:43 | 14:55 | 15:37 | 15:54 | 16:01 | はしだて7号 | |
9号 | 16:25 | 16:30 | 16:43 | 16:55 | 17:37 | 17:55 | 18:01 | きのさき11号 | |
11号 | 18:28 | 18:34 | 18:49 | 19:04 | 19:52 | 20:12 | 20:18 | きのさき15号 | 日吉停車(19:15) |
13号 | 19:28 | 19:33 | 19:46 | 20:01 | 20:49 | 21:07 | 21:14 | きのさき17号 | |
15号 | 20:37 | 20:43 | 20:56 | 21:08 | 21:52 | 22:12 | 22:21 | はしだて9号 | 「丹後の海」車両で運転 |
下りは始発が京都駅8:38発で、新幹線の東京始発便からでも乗り換えができるように配慮されていると思われます。
列車名 | 東舞鶴 | 西舞鶴 | 綾部 | 園部 | 亀岡 | 二条 | 京都 | 併結 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2号 | 6:39 | 6:47 | 7:12 | 7:51 | 8:03 | 8:16 | 8:21 | きのさき4号 | 日吉停車(7:41) |
4号 | 8:25 | 8:32 | 8:56 | 9:37 | 9:49 | 10:01 | 10:06 | きのさき8号 | |
6号 | 10:27 | 10:35 | 11:00 | 11:38 | 11:50 | 12:02 | 12:07 | はしだて2号 | 「丹後の海」車両で運転 |
8号 | 12:29 | 12:36 | 13:00 | 13:37 | 13:49 | 14:02 | 14:06 | きのさき14号 | |
10号 | 14:28 | 14:36 | 15:00 | 15:37 | 15:49 | 16:01 | 16:06 | はしだて4号 | |
12号 | 16:26 | 16:36 | 17:00 | 17:38 | 17:50 | 18:02 | 18:07 | はしだて6号 | |
14号 | 18:36 | 18:43 | 19:10 | 19:52 | 20:04 | 20:17 | 20:21 | はしだて8号 | 「丹後の海」車両で運転 |
上りの特急「まいづる」の時刻表です。こちらも、最終列車は東京方面の最終新幹線に余裕で間に合う時間帯に設定されていると考えられます。
特急「まいづる」は全車指定席(普通車)でグリーン車・自由席車はない
特急まいづる号は、2023年3月に全車指定席化されました。なお、この2023年3月のダイヤ改正のタイミングで、特急まいづる号以外にも、特急「きのさき」「はしだて」「こうのとり」という北近畿方面の特急は全て全車指定席化されています。
また、特急「まいづる」号には原則、グリーン車が連結されていません。全列車が全車普通車指定席と、非常にシンプルな列車構成になっています(併結する特急「きのさき」「はしだて」にはグリーン車が設定されていますが、利用率はあまり高いように見えないので今後どうなるかは不明です)。
JR西日本の全車指定席の特急には「座席未指定券」という方法が現在なく、特急券を購入する場合は列車を指定して購入する必要があります。
特急まいづるの予約方法や料金
続いて特急「まいづる」の予約方法や料金について解説します。
特急まいづる号は全国の窓口で予約可能 だがネット予約がオススメ
特急「まいづる」はJRの特急列車であるため、全国のJR窓口などで予約が可能です。また、2023年3月までは「乗継割引」が適用されるため、新幹線のきっぷと同時に購入すると割引が受けられます。
例えば東京方面から利用する場合など、乗車券は東京都区内から東舞鶴まで通しで購入、などが可能です。
なお、特急「まいづる」はJR西日本区間で完結する特急列車です。そのため、JR西日本のネット予約「e5489」を使って予約することが可能です。e5489には「チケットレス特急券」などの設定もあり、きっぷを受け取ることなくチケットレスで乗車することも可能です。
特急「まいづる」の指定席料金
特急「まいづる」の料金について解説します。特急「まいづる」は普通車指定席のみで、自由席やグリーン車がありません。完全にモノクラスの特急列車です。
区間 | 普通車指定席 |
---|---|
京都~綾部 | 3,070円 |
京都〜西舞鶴 | 3,420円 |
京都〜東舞鶴 | 4,370円 |
特急「まいづる」の通常料金はこちらの通りです。ただし、東海道新幹線から乗り換えて利用する場合などは、JRの乗車券を通しで購入することができるので、窓口や券売機で目的地までのきっぷを一気に購入するのがオススメです。
チケットレス限定の割引がオススメ
さらに、特急「まいづる」はJR西日本エリア内で完結する特急列車のため、e5489のチケットレス特急券の利用が便利です。JR西日本のネット予約サービス「e5489」から予約が可能で、特急券を受け取ることなく乗車することができます。
チケットレス特急券の種類 | 予約期限等 | お得度 | 備考 |
---|---|---|---|
J-WESTチケットレス特急券 | 前日・当日のみ | ★★★★★ | |
eチケットレス特急券 | 1ヶ月前から可能 | ★★★ | J-WESTカード会員限定 |
チケットレス特急券 | 1ヶ月前から可能 | ★ | |
WEB早特7チケットレス特急券 | 7日前まで可能 | ★★★★ |
JR西日本のチケットレス特急券にはさまざまな種類があります。JR東日本より圧倒的に充実しているイメージです。
特急「まいづる」の車内サービス Wi-Fiの設置はなし、コンセントはごく一部
最後に、特急「まいづる」の車内サービスについてです。車内の座席などについて、詳しくは次の章で解説します。
特急「まいづる」の車内には、Wi-Fiによるインターネットなどの設置はありません。現在、北陸方面の特急「サンダーバード」などへの整備が進んでいます。北陸新幹線の敦賀延伸で車両に余裕ができた際、特急「まいづる」「はしだて」「きのさき」「こうのとり」などの北近畿特急にもWi-Fiを整備してほしいところです。
また、コンセントが使える座席もかなり限られています。JR西日本・287系には、グリーン車の全席と普通車の車端部の座席にのみコンセントが設置されています。普通車指定席でコンセントを使用したい場合は、車端部の席(最前列か最後列)の2往復で使用される京都丹後鉄道KTR8000系「丹後の海」にはコンセントの設置はありません。
特急「まいづる」の287系はJR西日本としてはスタンダードな特急車両
続いてはJR西日本の車両「287系」で運転される場合の特急「まいづる」の車内です。北近畿方面の特急列車のために導入された車両で、「はしだて」「きのさき」「こうのとり」などで使用されています。
特急「まいづる」287系の普通車指定席の車内・座席の様子
特急「まいづる」の座席の様子です。特急「まいづる」(普通車指定席のみのモノクラス)の座席は、JR西日本の特急列車としてはスタンダードな作りになっています。
座席が厚みを持っているため、座り心地もいい感じ。京都府内で完結する特急ながら、片道2時間程度かかったりするので、座席の座り心地は結構大事です。
座席には広々としたテーブルがあります。飲み物のホルダーは2つあり、ペットボトルなどを置ける場所と、缶や瓶などが置ける場所があります。この、飲み物ホルダーが2つあるタイプは、JR西日本で見ることができる特徴的なタイプのテーブルです。
インアーム式(座席の肘掛けから出てくるタイプ)のテーブルもあります。コロナ禍がある程度収束し、座席を向かい合わせにして使用できることができるようになりました。
普通車は最前部と最後尾の座席だけはコンセントが!車内のWi-Fiは残念ながらない
特急「まいづる」には、一部の座席にコンセントが設置されています。コンセントは、各車両の最前列と最後列にのみ設置されています。グリーン車がないので、普通車指定席の最前列・最後列が空いてないないと電源が確保できないという、これが大きな弱点です。
写真の通り、車端部には各座席ごとにコンセントが設置されています。各車端部に4つづつ、1両に合計8つのコンセントが設置されています。
また、2023年現在、特急「まいづる」には車内Wi-Fiによるインターネットの設備はありません。北陸(金沢・福井)方面の特急「サンダーバード」には車内Wi-Fiの整備が進んでいるため、北陸新幹線の敦賀延伸における余剰車両と合わせて対応してほしいところですね。
車内のお手洗いも綺麗
最後に、車内に設置されているお手洗いの様子です。お手洗いはウォシュレットなど最新の機能こそついていないものの、清潔で使いやすいお手洗いです。
ウォシュレットの整備がないのがやっぱり残念です。洋式便所で使いやすいものの、床面などはやや古さを感じさせます。
お手洗いには子供用のベビーチェアも整備されています。家族で利用する際などには便利に利用できるでしょう。
洗面台は広々としています。JR西日本の特急車両でよくある、鏡に電灯が埋め込まれているパターンですね。
特急「まいづる」に使われる「丹後の海」の車内を紹介!
特急まいづる5号・9号(京都→東舞鶴)と特急まいづる2号・8号(東舞鶴→京都)は、京都丹後鉄道所有の「丹後の海」車両KTR8000形で運転されます(2023年現在)。この「丹後の海」車両の様子を紹介します。
京都丹後鉄道「丹後の海」がJR西日本の管内完結で運転される
京都丹後鉄道の「丹後の海」は、JR九州のD&S列車のデザイナーとしても知られる水戸岡鋭治氏がデザインした車両です。京都丹後鉄道の車両がJR西日本管内完結で運転される、珍しい例です。
藍色のメタリックをまとった車体が特徴的で、京都駅に停まっていても一際目を引く存在です。京丹後の美しい海を連想させる車体で、京都丹後鉄道所有の車両ではありながら特急「まいづる」が向かう日本海側の海も連想させます。
時刻表のところでも紹介した通り、「丹後の海」車両で運転される特急まいづる号は、特急まいづる5号・9号(京都→東舞鶴)と特急まいづる2号・8号(東舞鶴→京都)と決まっています(ダイヤ乱れ時はこの限りではない)。
車内には「丹後の海」をイメージした絵画などもあります。車内にe5489の広告があるJR西日本の車両とは違いますね(JR西日本の車両が悪いと言っているわけではない)。
車内は、木がふんだんに使用されているなど、水戸岡鋭治氏ならではの独特なデザインがあります。JR九州の観光列車を彷彿させますね。
座席は快適だが、テーブルのサイズが…
特急まいづる号に使用される「丹後の海」車両の車内の様子です。座席はふかふかで快適です。座席のモックアップ(デザイン模様)が2列ごとに異なるのが特徴。
木の温もりを前面に押し出したデザインになっているため、車内には温かみがあり落ち着いた雰囲気になっているのが特徴です。
座席の設備などを詳しく見ていきましょう。座席は一見、JR西日本の車両より豪華そうな作りをしています。
座席の内側にリクライニングのボタンが装備されています。リクライニングはしっかり倒すことができ、快適です。
JR西日本所有の287系と同様、座席の肘掛けから出てくるタイプのテーブルも装備されています。この辺りは287系とほぼ同じタイプのように思います。
肘掛けもあります。普通車としては珍しく、中央の肘掛けは上げることができない固定タイプで、ここにも木の素材が使われています。
さらに座席背面のテーブルも、各座席に用意されています。座席背面のテーブルも檜で作られているのが特徴的です。
さらに、JR西日本の特急列車などでよくあるドリンクホルダーも各座席に設置されています。コーヒーなどを購入しても安心して利用できるのが大きな強み。
普通車だけだが座席のデザインがまちまち
水戸岡鋭治氏がデザインする列車は、座席のモックアップも座席によって様々に変えるのが特色の1つです。普通車指定席のみのモノクラスの列車でありながら、様々なデザインの座席を楽しむことができます。
座席の種類をいくつかピックアップしましたが、これ以外にもあるはず。水戸岡鋭治氏がデザインしたJR九州の800系新幹線の車内も、座席のデザインが様々あります(800系では、1車両内のデザインは統一されており、6両の各車両ごとにデザインが違う)。
「丹後の海」車両には、フリースペースなど独特の車内設備も
「丹後の海」車両は最短2両で運転されます。狭いスペースながらも充実した車内設備があります。個人的には、車内設備は文句ないほど充実しているものの、コンセントやWi-Fiの設置がされていないのが残念。
JR九州の九州新幹線や西九州新幹線をイメージさせる黒を基調としたデッキです。それでも床は木。これが思いの外、マッチしています。
お手洗いの内部の様子です。お手洗いも木を使った床になっています。便座がやや古めなのが、少し残念なポイントですが。
洗面台も黒を基調としたデザインになっています。黒を基調にすると落ち着きがあり、かつ以外にも清潔感があっていい感じ。
客室の端には、フリースペースがあります。JR九州で観光列車をデザインしている水戸岡鋭治氏らしい発想です。「豊かなコミュニケーションを生む場所」と位置付け、ソファが設置されています。指定席として販売されることはありません。
背もたれが分割された、5人がけのソファも設置されています。テーブルがありますが、予約なしで乗ってきた乗客の作業スペースと化していたのがちょっと残念。
フリースペースにもテーブルが設置されているのは特徴的です。ちょっとした飲み物を持ちながら、利用することができます。
「丹後の海」車両は、需要の増減が大きい京都丹後鉄道で運転されるため、2両編成で固定となっています。特急まいづる号2両+特急はしだて号4両の、合計3編成6両が併結されることもあり、長編成となることもあります。
特急「まいづる」と併結運転される特急「はしだて」についても別の記事で紹介しています。合わせてご覧ください。
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