タイのバンコクを拠点に、東南アジア・南アジアに幅広く路線網を持つタイ国際航空。日本にも東京(羽田・成田)はもちろん、地方空港を含めて幅広く就航しています。
2024年夏のアジア旅において、タイ国際航空のビジネスクラス「ROYAL Silk Class(ロイヤルシルク・クラス)」を利用してきました。本記事では、
- タイ国際航空の日本路線はどこに飛んでいる?
- タイ国際航空の日本路線ビジネスクラスは、どんな機内・座席で運航される?
- タイ国際航空のビジネスクラスで提供されるアメニティは?機内食は?
などといった疑問にお答えします。実際にバンコク・スワンナプーム国際空港から、デリー・インディラガンディー国際空港まで搭乗した際の様子をもとに、座席設備などの快適性やサービスについて、徹底的に解説していきます。
今回のタイ国際航空ビジネスクラス「Royal Silk Class」のバンコク→デリー便については、YouTubeでVlogも公開しています。座席設備についても詳しく紹介していますので、あわせてご覧ください。
日本路線にも幅広く就航するタイ国際航空のビジネスクラス
タイ国際航空はタイ・バンコクを拠点とする航空会社です。日本路線には特に力を入れており、日本国内各地へと就航しています。
日本には、東京・大阪・名古屋・札幌・福岡などに就航するタイ国際航空
タイ国際航空はバンコク・スワンナプーム国際空港から日本各地の空港へ、1日あたり20便以上を運航しています。2024年現在、次のようなダイヤで運航されています。
便名 | 運航日 | 出発地 | 出発時刻 | 到着地 | 到着時刻 |
---|---|---|---|---|---|
TG641 | 毎日 | 東京・成田 | 10:50 | バンコク | 15:20 |
TG643 | 毎日 | 東京・成田 | 12:00 | バンコク | 16:30 |
TG677 | 毎日 | 東京・成田 | 17:25 | バンコク | 21:55 |
TG683 | 毎日 | 東京・羽田 | 10:35 | バンコク | 15:05 |
TG661 | 毎日 | 東京・羽田 | 0:20 | バンコク | 4:50 |
TG623 | 毎日 | 大阪・関西 | 11:45 | バンコク | 15:35 |
TG673 | 毎日 | 大阪・関西 | 17:35 | バンコク | 21:25 |
TG645 | 毎日 | 名古屋・中部 | 11:00 | バンコク | 15:00 |
TG649 | 毎日 | 福岡 | 11:35 | バンコク | 14:55 |
TG671 | 水・金・日 | 札幌・新千歳 | 10:00 | バンコク | 15:00 |
2024年にはコロナ禍からほぼ回復し、コロナ禍以前と同じ便数のフライトが運航されています。これにより、バンコクで乗り継いでアジア各地やオセアニアなどへ渡航することができます。
便名 | 運航日 | 出発地 | 出発時刻 | 到着地 | 到着時刻 |
---|---|---|---|---|---|
TG640 | 毎日 | バンコク | 22:10 | 東京・成田 | 6:20(翌日) |
TG642 | 毎日 | バンコク | 23:50 | 東京・成田 | 8:10(翌日) |
TG676 | 毎日 | バンコク | 7:35 | 東京・成田 | 15:45 |
TG682 | 毎日 | バンコク | 22:45 | 東京・羽田 | 6:55(翌日) |
TG660 | 毎日 | バンコク | 13:00 | 東京・羽田 | 21:10 |
TG622 | 毎日 | バンコク | 23:59 | 大阪・関西 | 7:30(翌日) |
TG672 | 毎日 | バンコク | 8:25 | 大阪・関西 | 15:55 |
TG644 | 毎日 | バンコク | 0:05 | 名古屋・中部 | 8:00 |
TG648 | 毎日 | バンコク | 0:50 | 福岡 | 8:00 |
TG670 | 火・木・土 | バンコク | 23:45 | 札幌・新千歳 | 08:30(翌日) |
バンコクから日本へのフライトは、昼行便のほか深夜便も設定されています。特に成田発着便は、タイから日本で乗り継いで北米へと向かう需要にも対応したダイヤになっています。
タイ国際航空は東京のほか、名古屋や福岡、札幌といった中堅都市にも就航していることが特徴です。バンコクへの渡航はもちろん、乗り継ぎも便利に利用できます。
タイ国際航空の中長距離路線はB777、A350またはB787が中心
タイ国際航空の中距離路線・長距離路線で現在活躍しているのがB777やA350。かつてはB747も保有しており東京・羽田空港にも乗り入れ、またA380も保有し繁忙期などに日本に乗り入れていましたがコロナ禍で退役しました。
現在では比較的高需要な日本路線はB777-300ERやA350-900などが使用されています。東京・羽田/成田路線にはB777-300ERが多く投入されており、他の路線はA350-900が中心です。
これらの長距離・中距離路線に使用されるB777-300ERとA350-900は、機内の座席設備は(特にビジネスクラスにおいては)ほぼ同じものになっています。日本路線のビジネスクラスは、本記事で紹介する座席とほぼ同じです。
タイ・バンコクを経由して世界各地へ行けるタイ国際航空
タイ国際航空はタイ・バンコクを拠点とする航空会社です。タイへと向かう際はもちろんのこと、バンコクから日本各地へと就航しているという特徴から、バンコクで乗り継いで各地へと向かうことができます。
過去に僕自身も、インドネシア・ジャカルタからタイ・バンコクへタイ国際航空のビジネスクラスで移動しました。このとき、ビジネスクラスのお客さんの3割程度が日本人だったことがとても印象的だった。インドネシア・ジャカルタへは東京・大阪などからしか直行便がないこともあって、東京で乗り継ぐよりは入国不要のバンコクで乗り継ぐ方が便利なのでしょう。
このほか、東南アジアの中堅都市(日本から直行便がない都市)やオセアニア方面などへの乗り継ぎも便利です。
タイ国際航空B777-300ER/A350-900のビジネスクラスを徹底紹介!
ここからはタイ国際航空のB777-300ER、およびA350-900のビジネスクラスの機内の様子を詳しく紹介していきます。
座り心地はANAのフルフラットシートに近いビジネスクラス
タイ国際航空のB777-300ERおよびA350-900のビジネスクラスは、座席が左右交互に設置されたいわゆる「スタッガードシート」タイプの座席になっています。ビジネスクラスの座り心地はANAに近い感じです。
タイ国際航空のビジネスクラスの機内の様子です。1-2-1の座席配列になっており、左右交互の座席配列になっています。ANAのビジネスクラスとは異なり、中央座席にはペアが隣同士になるような「ペアシート」も用意されています(ANAでもA380などではペアシートが採用されています)。
ビジネスクラスの座席です。左右互い違いの座席配列になっており、休む際はフルフラットにして横になることができる座席です。
そのため、偶数列目と奇数列目交互に「通路側に座席がある窓側座席」と「窓側に座席がある窓側座席」があります。タイ国際航空の公式サイトにあるシートマップを確認すると、これらの座席配列も確認できます。
中央の座席はペアシートと、通路側座席のシートが交互に配置されています。夫婦で利用する際など、このペアシートがおすすめです。
フルフラットになる座席で快適な睡眠を
ビジネスクラスの最大のメリットが「フルフラットになる座席」であることです。タイ国際航空でも、一部の小型機を除いて(少なくとも日本路線に就航する機材は全て)フルフラットになるビジネスクラスを搭載しています。
ある程度の距離のある路線では、ビジネスクラスの場合には寝具およびブランケットを提供してくれます。空の上で完全に足を伸ばして、横になって眠ることができる。もう、これ以上ない贅沢です。
機内の照明が落とされるとこの通り。最近流行りの個室型ビジネスクラスほどではないものの、証明さえ落とされればゆっくりと休むことができます。
何かと便利なサイドテーブルに加えて広いテーブルも完備
ANAのビジネスクラス「スタッガード・シート」と同様、ビジネスクラスの座席にはサイドテーブルが設置されています。足を伸ばした際に入れることができる「オットマン」の上の部分にサイドテーブルがあります。
タイ国際航空のビジネスクラス(ロイヤルシルククラス)では、サイドテーブルは木目調になっています。サイドテーブルは何かと便利で、例えばウェルカムドリンクを置いてもらったりだとか、横になって休む時にメガネを置いておいたりだとか、いろいろと使うことができます。
各座席には大きな座席モニター コンセントやUSB電源も完備
各座席には大きな座席モニターが完備されています。タッチパネル式のモニターで、映画やフライトマップを楽しむことができます。
日本の航空会社などでも採用されているフライトマップで、ちょっと古いデザインです。タイ国際航空は日本路線にも幅広く就航しているため、当然、日本語で使用することができます。
ビジネスクラスの場合、座席からシートモニターまでがやや遠いため、リモコンが設置されています。基本的にはこのリモコンで、シートモニターを操作することになります。
機内のお手洗いもビジネスクラス専用のお手洗い
ビジネスクラスは機体の前方にあり、前方のお手洗いは原則「ビジネスクラス専用のお手洗い」になっています。
ビジネスクラスのお手洗いは、なんといってもお客さんが少ないため「空いている」。基本的に待つことはありません。また、CAさんが定期的に清掃してくれるため、インド路線でも常に綺麗に保たれていました。
タイ国際航空のB777-300ERでは、洗面台も自動で水が出てくるタイプの洗面台になっています。温度も調整可能です。ビジネスクラスのお手洗いにはアメニティ類も充実しており、快適に利用することができます。
タイ国際航空ビジネスクラスのサービス 機内食やアメニティも
ここまで、タイ国際航空が運航するB777-300ERやA350-900などのビジネスクラスの座席を紹介してきました。最後にタイ国際航空のサービスや機内食、そしてアメニティなどについて詳しく紹介します。
タイ国際航空の機内食は、美味しいタイ料理で一級品
ビジネスクラスを利用する際の大きな楽しみの一つが食事。エコノミークラスがトレーで提供されるのとは異なり、しっかりしたお皿で1人づつ、提供されます。
離陸後の機内食はまず、ナッツから始まります。僕は今回、インド・デリーへ向かうフライト。新しい国、特にインドのようなパワーの必要な国に行くためアルコールは避けましたが、もちろんビジネスクラスでは美味しいシャンパンなどもあります。
今回、タイ・バンコク出発のフライトではメインコースにエビのパスタを注文。エビはもちろんのこと、野菜がしっかり入っており美味しい。
さらに機内では、日本茶も提供されます。今回利用したフライトが、タイ・バンコクからインド・デリーのフライトだったため日本茶が提供されるとは思ってもおらず。日本人だと気づいたCAさんが「グリーンティーあるけど、いる?」と声をかけてくれたのです。とても優しい。
ビジネスクラスは座席はもちろんのこと、1人の乗客につくCAさんの人数も多いです。丁寧なサービスを受けることができるのも、ビジネスクラスの大きなメリットの1つです。
座席にはブランケットや枕なども完備
ビジネスクラスでは、各座席にブランケットや枕なども完備されています。先ほど紹介した通り、ビジネスクラスの座席はフルフラットになる座席です。座席を倒して快適に睡眠をとることができます。
また、ビジネスクラスではエンターテインメント用にAKGのヘッドホンが提供されます。持ち帰ることはできません。また、ヘッドホン自体はノイズキャンセリングの機能がついたものではありませんでした。
座席に置かれたアメニティポーチは「JIM THOMPSON」のポーチ
タイ国際航空のビジネスクラスでは、手織りの上質なタイシルクを使ったタイのブランド「JIM THOMPSON」のポーチが提供されます。このポーチ、プラスチック繊維のようですがかなり触り心地が良く、使いやすい。ちなみにこの後の南米渡航でも、このポーチは持ち歩いていました。
JIM THOMPSONのポーチのデザイン、水玉のように見えますが、よく見ると違います。デザインされているのは…
タイらしく、JIM THOMPSONのポーチには小ささなゾウがデザインされています。ゾウを全面に押し出しすぎず、でもおしゃれな感じで描かれている。このポーチはいい。
ポーチ内にはアイマスク、靴べら、耳栓、歯ブラシ、クリーム類、靴下などが入っています。これだけアメニティがあれば基本的に、機内で困ることはないでしょう。
本記事ではタイ国際航空のビジネスクラスについて詳しく紹介してきました。タイ国際航空のB787ビジネスクラスについても現在、記事を執筆中です。しばらくお待ちください。
また、今回の南アジア・東南アジア渡航ではANAのビジネスクラスやシンガポール航空のビジネスクラス、エアインディアのビジネスクラスなど、幅広くビジネスクラスを利用しました。その様子も記事にまとめていますので、あわせてご覧ください。
コメント