ANAでは多くの機材でWiFiサービスが提供さています。
しかし、国内線は無料で国際線は有料。どちらもちょっと違ったシステムになっています。国内線・国際線の両方を利用し、実際に国際線では有料プランにも課金してみました。この記事では、
- ANA国内線/国際線の無料Wi-Fiサービスについて解説
- ANA国内線Wi-Fiサービスの接続方法をスクショ付きで丁寧に解説
- ANA国際線Wi-Fiサービスの接続方法をスクショ付きで丁寧に解説
していきますので、リーディングリストに保管しておくなどして活用してください。
ANAの機材では、国際線と国内線でWi-Fiサービスが違う
ANAの機材は原則、国際線と国内線で別の機材で運航されています。
国内線は無料、国際線は有料
ANAでは機内のWi-Fiサービスは、国内線と国際線で異なります。2024年夏現在、有料または無料が異なっていて、
- 国内線→無料で利用できる
- 国際線→有料(ファーストクラス・ビジネスクラス利用者除く)
となります。国内線と国際線で異なるのは、上空通過国の認可などの手間によるものだと考えられます。
2024年8月20日より、ビジネスクラスではWi-Fiバウチャーが配布されるようになり、無料で利用できるようになりました。2025年春を目処に、エコノミークラス・プレミアムエコノミークラスにおいても、チャットなどのテキスト通信が無料となります。
2020年に就航したJAL系列の国際線を運航する格安航空「Zip Air」は無料でWi-Fiを提供しています。また、シンガポール航空(シンガポールは空港が1つしかないので、必然的にシンガポール航空は国際線しか運航しない)も無料でWi-Fiを提供しています。ANAもこれに倣ったようですね。
国内線での利用の可否は、予約画面で/アプリの予約情報で確認できる
自分が利用する便で、機内Wi-Fiサービスが利用できるか否かは予約情報から確認することができます。現在、国内線ではボンバルディアDHC8-Q400を除いてほぼ全ての機材で機内Wi-Fiサービスが利用できるようになっています。
そのため、名古屋-長崎みたいなマイナーな路線を見ないとわからないのですが、Wi-Fiサービスが使える便と使える便では、「Wi-Fi」マークがあるかないかが変わってきます。以前は、「一部機材で利用可能」の場合は白く「Wi-Fi」と書かれていたのですが、現在ではWi-Fiサービス対象機材にはほぼ全て設置が完了したようで「Wi-Fiが使えるか否かは当日まで分からない」という状況はほとんどなくなりました。
国際線は多くの機材で使えるものの、機材変更等には注意
2024年現在、ANAの公式サイトでは、以下の機材で機内Wi-Fiサービスが使えるとされています。B767、A321を除くほぼ全ての国際線で利用できます。
- ANA Wi-Fi Service 2:B787-10、B787-9、B787-8(240席仕様で運航する一部の便・184席仕様)、B777-300ERで運航する一部の便、A380
- ANA Wi-Fi Service:B777-300ERで運航する一部の便
なお、B767-300ERの機内Wi-Fiは、Wi-Fi提供会社(機内での衛星通信を提供する会社)のサービス終了に伴い、利用が停止されています。
国内線は無料でWi-Fiに接続できるんですが、残念ながら国際線は有料です。2024年夏を目処に国際線のビジネスクラスでWi-Fiが無料化、2025年春を目処にエコノミークラス・プレミアムエコノミークラスでもテキスト通信の無料化が行われる見込みとのことです。
Wi-Fiサービスが利用できる機材には、機体のドア横に「ANA Wi-Fi Service」のロゴが掲載されています。
2021年12月現在、一部例外があるので確認が必要
2021年現在、新型コロナウイルス感染拡大の影響で国際線が大打撃を受け、一部の国際線機材が国内線で運用されるケースもあります。そのため、多少の例外はありますが原則、国内線と国際線では機材が分けられています。
そして、国内線と国際線では機内Wi-Fiサービスのシステムも全くもって異なります。これは、国際線の場合と国内線の場合では、法律の関係等で衛星通信の利用が全く異なることが原因だと思われます。国内線の場合、日本の総務省に手続きをすればOKなのですが国際線の場合、そうはいきません。
しかし、新型コロナウイルスの影響で国際線が大打撃を受けて以降、ANAは国際線機材を国内線路線に投入してビジネスクラスを国内線プレミアムクラスとして販売することを始めました。このように、国際線機材での国内線運航の際は原則、機内Wi-Fiサービスは使用不可となります。
2019年に名古屋(中部)-東京(成田)線に搭乗した際も、機内でWi-Fiサービスは利用できませんでした。
国内線ではほぼ全機材で機内Wi-Fiサービスが利用可能に!
ANAでは2021年12月現在、プロペラ機であるボンバルディアDHC8-Q400を除いてほぼ全ての機材で機内Wi-Fiサービスが利用できるようになっています。細かな利用規約などは、ANAの公式サイトをご覧ください。
国内線の機材では、アプリが必要
国内線の機材ではアプリが必要になってきます。ここでは、その利用方法を説明していきます。
まずは「ANA Wi-Fiサービス」に接続します。ここはiPhoneやらAndroidやらの設定画面からやってもらえばOKです。
ANAのアプリでは、一番下の部分で「もっと見る」を選択します。
「もっと見る」の中に、「国内線 機内Wi-Fi」があります。ここをタップすると次のような画面が出てきます。
インターネットを使う場合は「インターネット」をタップします。エンターテインメントなどを楽しみたい場合はそちらをタップすればOKです。ほとんどの方はインターネットへ接続すると思いますので、まずはインターネットへの接続方法をご紹介します。
画面の中央下に出てくる「インターネット無料接続 こちらから」をタップします。ここからインターネット接続の認証へと進みます。
Eメールアドレスを入力して利用規約に同意します。フリーWi-Fiでは、災害時などを除いて利用者の連絡先等を確保しておくことが求められています。2021年12月現在、無料Wi-Fi接続アプリなどによる自動接続には対応していないと思われます。
メールアドレスを入力すると認証が行われます。地上のフリーWi-Fiと違って、なんだか物々しい感じの画面が出てきます。なお、メールに領収証的なものが届きますが、0円と書いてあるだけです。最初見た時は「課金したんか?」ってビビります。
どうしても、宇宙にある衛星を通して地上との通信を行うため、接続に時間がかかると表示されます。ただ、僕の経験上、そんなに時間はかかりません。少なくとも数十秒と言っていながら、乗客の少ないB737などでは10秒もかかった試しがありません。
インターネットへの接続が完了しました。「新しいブラウザ画面を開く」をタップすると、ブラウザが開いてインターネットを楽しめます。なお、ここまでくるとSNSなどの別のアプリもオンラインに復帰し、通常通りネットが使えます。
機内Wi-Fiを使って機内ショッピングをすることができます。新型コロナウイルスの影響もあってか、オンライン化がどんどん進んでいます。なお、機内Wi-Fiで登録だけ済ませれば到着後2日間、地上からでも機内ショッピングを楽しめます。もはや”機内ショッピング”とは何ぞや。
また、スマートフォンやタブレット端末を用いてフライトマップを楽しむこともできます。
ANAでは一部の国内線機材に対してもシートモニターの導入が進んでいますが、今でもシートモニターのない機材が大半です。そのため、機内Wi-Fiに接続するとエンターテインメントを楽しめるようになっています。また、フライトマップもここから確認できるようになっていますが、国内線はなんせ長くないのであまり見る機会は多くありません。
速度は速くないが、メールなどを済ませるくらいならできる!
正直、速度はそんなに速くありません。こればかりは、衛星を経由するから仕方ない。
また、機材によっては絶望的な速度だったこともあります。沖縄・那覇空港から大阪・伊丹空港までの便に乗った時、実質ほぼ使い物にならなかった覚えがあります。B777での運航でほぼ満席、皆が一気にWi-Fiに接続すると正直全然つながりません。
逆に、B737などの地方路線では、お客さんが少ないためか繋がりやすくなります。
僕の経験上、メールやSNSでのメッセージくらいなら十分可能。さらに、インターネットを使った調べ物も全然可能です。ただし、連続的に大量のデータをやり取りしなくてはならない動画などは向いていない様子です。
仕事の予定がありちょっとしたメールのやり取りを機内でしたいだとか、観光で利用しているため観光地の情報をあらかじめキャッチしておきたいだとか、そういったちょっとしたことができるのはかなりありがたい。
ANAのWi-Fiが繋がらないという噂は?
ANAの機内Wi-Fiについて調べると「繋がらない」という検索結果をよく目にします。特に主要路線、羽田を発着する便ではお客さんが多いため繋がらないこともあります。対するJALが「機内Wi-Fiサービスでの動画ストリーミングサービス」まで対応していることを考えると、少し差が出ているのは事実です。
一方で地方路線、例えば僕の本拠地である名古屋を発着する各地への路線はお客さんが少ないため、繋がりやすいことが多いです。
ANAに次ぐ規模を持つJALでは、2024年10月より、正式に「国内線機内Wi-Fiサービスでの動画ストリーミングサービスをサポート」しました。ANAもWi-Fi機器の強化をしてほしいところです。
ANAでは国際線もWi-Fi無料化
ANAでは2024年より、国際線でもWi-Fiを無料化しました。ファーストクラス・ビジネスクラスでは無料化、プレミアムエコノミークラス・エコノミークラスではテキストメッセージが無料化されました。
2024年夏より、機内Wi-Fiサービスは無料化!
2024年夏以降、ANAでは機内Wi-Fiサービスを拡充しました。ビジネスクラスにおいてWi-Fiを無料化、エコノミークラスにおいてもメールやSNSなどの利用を無料にしました。
2024年8月20日より、ビジネスクラスでも無料Wi-Fiクーポンが配布されるようになりました。また、10月8日にはエコノミークラス・プレミアムエコノミークラスにおいてメッセージングが無料で利用できるようになりました。
- 2024年夏より、ANA国際線のビジネスクラスにおいて、機内インターネットを無料で提供開始(ファーストクラスでは既に実施中)→2024年8月20日より実施
2024年度中にANA国際線のプレミアムエコノミーおよびエコノミークラスにおいて、機内インターネットを通じたテキスト通信を無料化→2024年10月09日より実施
となっています。ビジネスクラスにおけるWi-Fiの無料化は、過去のファーストクラスと同様にクーポン配布の形で行われています。
エコノミークラス・プレミアムエコノミークラスにおける機内インターネットでのテキスト通信無料化は、2024年度中となっていましたが、想定より素早く2024年10月9日にはサービスが開始されました。
ANAの国際線Wi-Fiサービスには2種類ある 新しい「ANA WiFi Service 2」は快適
ANA WiFiサービスには2種類あります。公式サイトに説明がありますが、「使いやすさが全然違います」なんてことは当然ながら書いていません笑
ロゴがほとんど同じなので分かりにくいのですが、一つ目がANA WiFi Service、もう一つがANA WiFi Service 2です。下のロゴを見比べればわかると思います。
1と2でははっきり言って利便性が全然違います。実際に使う側として大きく違うところを挙げてみます。
- 常に使えるか、衛星使用認可国上空のみで使えるか
- 容量が無制限か、制限があるか
- 値段の違い
利便性が全然違うと既に書いてあることからわかると思いますが、ANA WiFi Service2ならお金を払う価値は十分あると思います。ただ、ANA WiFi Serviceならちょっと微妙。
比較内容 | ANA WiFi Service | ANA WiFi Service2 |
---|---|---|
使える空域 | 衛星使用認可国と公海上空 | 離発着を除くすべての空域 |
容量 | 制限あり | 無制限 |
値段(フルフライトプラン) | $19.95 | $18.80 |
上の表を見てもらえればわかると思いますが、ANA WiFi Service2のほうが圧倒的に便利です。
まず、容量制限。せっかくなら日本の友人に写真を送りたい。と思って送りまくっていると容量制限にすぐ達してしまいます。ANA Wi-Fi Service2ならこの心配はありません。
それから空域。場所によっては使えません。せっかくなら常に使えた方がいいですよね。ANA Wi-Fi Service2のほうがANA Wi-Fi Serviceに比べて少し高くなりますが、圧倒的に便利です。
ANA WiFi Service と ANA WiFi Service 2で利便性が全然違う。から、ANAとしても ANA WiFi Service 2への置き換えを進めている。
利用料金はドルで請求されます。支払いはクレジットカードまたはApple Payのみです。以下、ANAの公式サイトからの引用です。
ANA Wi-Fi Service(初代)の利用料金
フルフライトプランでも100MBが上限です。結構厳しい。
プラン名 | 料金(USドル) | 制限データ容量 |
---|---|---|
30分プラン | $4.95 | 15MB上限 |
1時間プラン | $8.95 | 30MB上限 |
フルフライトプラン | $19.95 | 100MB上限 |
ANA Wi-Fi Service2の利用料金
こちらは無制限です。
プラン名 | 料金(USドル) | 制限データ容量 |
---|---|---|
30分プラン | $6.95 | 上限なし |
3時間プラン | $14.40 | 上限なし |
フルフライトプラン | $18.80 | 上限なし |
僕は実際にフルフライトプランを使用しました。請求額を確認したところ、2468円となっていました。以前に紹介したセゾンブルー・アメリカンエキスプレスカードを使っていて、外貨決済でポイント還元率が劇的に上がるので、ドル決済であることは個人的にはとてもありがたかったです。
支払いはクレジットカードまたはApple Payのみ、ドルで請求されるよ。
実際に ANA Wi-Fi Service2を装備した便で羽田空港からロンドン・ヒースロー空港へ行きました。実際に使ってみます。
実際に国際線機内Wi-Fiを利用してみた
まず、離陸後すぐに接続を試みましたが、なかなかうまくいきません。ANAアプリから接続をしていました。うまくいかないので少したってからブラウザからもやってみましたが、うまくいかない。
ということで、もう一度ANAアプリに戻ってやってみます。うまくいかないけどどうしてもつなぎたかったので、辛抱強く待っていたら30秒くらいしてやっと進みました。
実際に接続画面を撮影するのを忘れたので、帰りの ANA Wi-Fi Serviceでの画面ですが、参考までに。
接続に手間取ったので少し不安がありました。
でも、一度接続できてしまうとかなり安定していました。日本の友達とLINEでメッセージや写真のやり取りをしていたのですが、LINE程度であればやり取りできなくなるということはありませんでした。
実際に速度を測ってみると、ダウンロードが9.72Mbps、アップロードが2.66Mbpsでした。遅いですが、ネットサーフィンやSNSでのやり取りくらいなら全然困りません。
速度は地上程ではないけど、メッセージのやり取り程度なら問題なし!
接続に手間取って心配だったけど、接続してしまえば安定している!
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