日本人にも人気の観光地であるアメリカ・ニューヨーク。ニューヨークには3つの空港があり、それぞれが役割を持っています。
この3つの空港について、それぞれの違いを解説。その上で、それぞれの空港の特徴や利用する場合の注意点・アクセスなどをまとめます。
アメリカの中心・ニューヨークには3つの空港
アメリカで最大の都市であり、世界経済の中心でもあるニューヨークには空港が3つあります。地図で言うと次のような位置関係になります。
JFK:ジョン・F・ケネディ国際空港
日本からの直行便の多くが到着するのがこのジョン・F・ケネディ国際空港、通称JFK空港。50以上の国から100社の航空会社が乗り入れ、1日の国際線の離着陸数は400件以上。旅客数は6000万人を超え(2019年実績)、世界でも屈指の拠点制の高い空港となっています。
日本の主要2社(ANAとJAL)が1日2往復このジョン・F・ケネディ国際空港に乗り入れているほか、アメリカン航空が東京・羽田空港から1日1往復を運航しています。
ターミナルは6つあり、名実ともにニューヨークにおける主要空港です。現在も新しいターミナルが建設中です。
EWR:ニューアーク・リバティー国際空港
ニューアーク・リバティ国際空港は、ユナイテッド航空がハブ空港としている空港です。日本発着便では、ユナイテッド航空の東京成田・羽田便が発着しています。
ジョン・F・ケネディ国際空港と比べるとやや空いていますが、ユナイテッド航空が各方面へと乗り継ぎ便を出す時間帯には混雑します。
飛行機から飛行機への乗り継ぎを考慮してジョン・F・ケネディ国際空港を利用する航空会社が多いですが、こちらのニューアーク・リバティー国際空港の方がニューヨーク都心のマンハッタンへのアクセスが良い。そのため、乗り継ぎをあまり考慮しない便は長距離国際線でもこちらのニューアーク・リバティ国際空港を発着します。
LGA:ラガーディア空港
ラガーディア空港は税関設備(出入国手続きなどの設備)を持たない空港のため、主に国内線を中心に発着しています。アメリカ国内線とカナダの一部都市のみに就航するのがこのラガーディア空港です(一部のカナダの空港ではカナダの空港でアメリカ入国審査および出国審査が可能であるため、そのような空港からの便が発着します)。
このラガーディア空港には入管施設(入国審査や税関設備など)がないため、国内線とカナダの一部国際線しかありません。そのため日本からの直行便はありませんが、
- エアカナダなどを利用し、モントリオール国際空港等で乗り継ぐ
- 米系エアラインを利用して、シカゴやサンフランシスコ、デンバーなどで乗り継ぐ
などの方法で東京へと安く飛ぶことも可能です。場合によっては乗り継ぎ便を利用すれば意外と安いこともあり、意外と日本へのフライトでも利用する場合もある空港です。
ニューヨーク中心部のマンハッタンからは最も距離的には近いため、特に専用車を使う富裕層には人気の空港です。ただし公共交通機関でのアクセスは地下鉄とバスを乗り継ぐことになり、日本人旅行者など、ニューヨークに慣れない人にとっては少し使いにくい感じもします。
ニューヨークにおける空港間移動
ニューヨークには複数の空港があります。ニューヨークで乗り継ぎをする際、場合によっては空港艦移動となる場合があります。
ニューヨークにおける空港間移動は基本的に、シャトルバスまたはタクシー・ライドシェアになると考えてください。比較的距離が近い、ラガーディアからジョン・F・ケネディ国際空港の間でさえ、公共交通機関で移動する場合は3回の乗り換えが必須です。
【JFK】ジョン・F・ケネディ国際空港 | 【EWR】ニューアーク・リバティ国際空港 | 【LGA】ラガーディア空港 | |
【JFK】ジョン・F・ケネディ国際空港 | 自動車:40分 公共交通機関:90分 | 自動車:15分 公共交通機関:60分 | |
【EWR】ニューアーク・リバティ国際空港 | 自動車:40分 公共交通機関:90分 | 自動車:40分 公共交通機関:90分 | |
【LGA】ラガーディア空港 | 自動車:15分 公共交通機関:60分 | 自動車:40分 公共交通機関:90分 |
ジョン・F・ケネディ国際空港⇔ニューアーク・リバティ国際空港の間の移動
ジョン・F・ケネディ国際空港とニューアーク・リバティ国際空港はともに国際線が発着する空港であり、ニューヨークでの乗り継ぎにおいては移動の可能性が高い空港間移動です。
ただし乗り継ぎに便利とは言い難く、手荷物の受け取りや入国審査を含めて乗り継ぎには最低でも5時間以上は見ておくべきです。
ジョン・F・ケネディ国際空港からニューアーク・リバティ国際空港の間は、意外と時間がかかります。タクシーやライドシェアでの移動がオススメだと書きましたが、州をまたぐ移動となるため、あらかじめ行き先を設定してからマッチングするライドシェアはまだしもタクシーでは嫌がられることもあります。
ジョン・F・ケネディ国際空港⇔ラガーディア空港の間の移動
ジョン・F・ケネディ国際空港とラガーディア空港の間も、タクシーやライドシェアの利用がオススメです。僕はこの空港間移動をしましたが、Uberを使いました。ジョン・F・ケネディ国際空港とラガーディア空港はどちらもニューヨーク州なので、ニューアークとは異なり州をまたぐ移動とはなりません。
ニューアーク・リバティ国際空港⇔ラガーディア空港の間の移動
最後に、ニューアーク・リバティー国際空港とラガーディア空港の間の移動です。ラガーディア空港がバスでしかアクセスできないため、こちらもやはり、タクシーやライドシェアが便利になります。ただし、ジョン・F・ケネディ国際空港のところでも書いた通り、ニューヨーク・リバティ国際空港はニュージャージー州にあります。この空港間移動も州を跨ぐことになるため、タクシーでは嫌がられる可能性があります。
ニューアーク・リバティ国際空港は鉄道でのアクセスが確立されているものの、ラガーディア空港はバスでのアクセスとなります。そのため、この空港間移動も公共交通機関ではやや不便です。
国際線が多数発着する世界屈指の国際空港-JFK ジョン・F・ケネディ国際空港
日本人が最もよく使うのがこのジョン・F・ケネディ国際空港だと考えられます。
東京からニューヨークまでは約13時間、ニューヨークから東京までは約14時間です。時差が13時間あり、かなり遠いです。
6つのターミナルを有し、日本のANA・JALも就航
ジョン・F・ケネディ国際空港は6つのターミナルを有する巨大な空港です。日本の航空会社は、ANAが第7ターミナルに、JALが第8ターミナルを発着します。
2023年現在、ANAが東京・羽田空港から1日1.5往復、週10便を飛ばしています。JALは東京・羽田空港から1日2便を飛ばしています(2023年5月までは1便が成田、1便が羽田でしたが、成田便も羽田へと移管されました)。
ニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港に就航する航空会社のターミナルについてはJFKの公式サイトをご確認ください。
2023年現在も各種工事が行われており、ターミナルはよく変わります。最新の情報を確認した上で空港に向かってください。
なお、アメリカでは国際線から国際線に乗り継ぐ場合であっても入国が必要になります。また、アメリカに到着する飛行機を利用する際はESTA(ビザ免除の電子申請)が必要ですので注意してください。
AirTrainやライドシェア(Uber/Lyft)でのアクセスが便利
ニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港へはAirTrainまたはライドシェアでのアクセスが便利です。
詳しくはこちらのサイトにまとめてあります。それぞれのアクセス手段について詳細に解説しています。
アクセス手段 | 料金 | 所要時間 | 注意事項 |
---|---|---|---|
ライドシェア | $30〜$150 | 約40分 | 混雑状況により料金が大幅に変動する |
鉄道 | $11 | 約50分 | メトロカード(1枚$1.0)が必要 |
シャトルバス | $40 | 約60分 | |
タクシー | $70 | 約40分 | 客引き、メーターによる不正に注意 |
ニューヨークにおける国際線の拠点的な空港となっていることもあって、ジョン・F・ケネディ国際空港には、鉄道「AirTrain」も走っています。また、ジョン・F・ケネディ国際空港内のターミナル間移動ではこのAirTrainが無料で使用できます。
お土産は多くないので注意しよう
ジョン・F・ケネディ国際空港に限らずアメリカの空港は、正直あまりお土産が充実していません。日本と比べると圧倒的に物足りなさを感じてしまいます。
ジョン・F・ケネディ国際空港はターミナルが多く、ターミナルによるものの特に保安検査前のエリアではお土産が極めて少ないです。空港でのお土産はあまり頼れないので、ニューヨークの街中などでお土産を確保しておくのがオススメです。
ANAが発着する第7ターミナルには、保安検査通過後のエリアにHadosonがあり、多少のお土産を買うことができます。ただ、ここもお土産が充実しているとは言い難く、街中ほどではありません。
ユナイテッド航空を中心に国際線も多数-EWR ニューアーク・リバティー国際空港
続いてはニューアーク・リバティ国際空港です。ジョン・F・ケネディ国際空港と比べてターミナルが少ないこともあり、各々のターミナルの設備がかなり充実しているのがこの、ニューアーク・リバティ国際空港です。
ユナイテッド航空をはじめ各社が乗り入れる
ニューアーク・リバティ国際空港はユナイテッド航空がハブ空港としています。アメリカの大手航空会社で唯一、ジョン・F・ケネディ国際空港に乗り入れていないのがユナイテッド航空です。
ニューアーク・リバティ国際空港はニューヨーク州ではなくニュージャージー州にあります。しかし、ニューヨーク市の中心部であるマンハッタン島からは、ニューヨーク州内にある他の2空港より近い。また、ニューヨーク中心地からの鉄道アクセスがしっかりしています。そのため、利便性は高いです。東京における羽田空港と成田空港ほどの違いはないものの、羽田空港に近いような印象です。
欠点としては、ジョン・F・ケネディ国際空港と比べてターミナルが少なく、国際線乗り継ぎにおける利便性に欠けるのが難点です。特に南米方面への乗り継ぎはユナイテッド航空がメインとなります。そのため、南米などへの乗り継ぎを考慮して日本の航空会社はジョン・F・ケネディ国際空港に就航しています。
ユナイテッド航空の国際線・国内線ともに充実
ユナイテッド航空はニューヨークにおけるハブ空港をニューアーク・リバティー国際空港に設定しています。ユナイテッド航空は東京・成田国際空港からも直行便を飛ばしています。
ユナイテッド航空はジョン・F・ケネディ国際空港での発着枠が希望通り通らず、現在割り当てられている発着枠ではほとんど飛ばせないことを理由に、ジョン・F・ケネディ国際空港発着の全ての路線を運休した状態にあります。ANAやJALとは異なり、ジョン・F・ケネディ国際空港での世界各社の乗り継ぎに頼らずとも、自社便で乗り継ぎ網が構成できることが最大の理由でしょう。
ユナイテッド航空を利用して南米方面などへ乗り継ぐ場合、このニューアーク・リバティ国際空港で乗り継ぐことになります。
ニューアーク・リバティー国際空港へのアクセス
ニューアーク・リバティー国際空港は、マンハッタンからのアクセスが比較的便利なことも特徴です。Amtrakの高速鉄道であるアセラ・エクスプレスが停車するニューアーク駅からはAirTrainで行くことができます。
ニューアーク空港駅からペンステーションまでは、NJ TransitとAmtrakの2つの鉄道が走っていますが、Amtrakは長距離移動をメインとした列車で割高になるため、NJ Transitがおすすめです。
ジョン・F・ケネディ国際空港とは異なり、用意されている手段が地下鉄ではありません。ニューアーク・リバティ国際空港だけはニュージャージー州にあるため、州をまたぐ関係でニューヨーク市営の地下鉄が乗り入れられないのでしょう。
ニューアーク・リバティ国際空港周辺は比較的お手頃なホテルが多く、乗り継ぎで宿泊が必要な際にもおすすめです。
国内線が中心-LGA ラガーディア空港
最後にラガーディア空港です。僕は知人の見送りのため、ここラガーディア空港近くのマリオットホテルで1泊しました。
国内線とカナダ路線のみで小型機が就航
ラガーディア空港は国内線がメインの空港で、税関設備(入国審査や出国審査)はありません。ただ、国内線専用ではないのが少し面倒なところ。一部のカナダ主要国路線(後に解説する、事前入国審査対応空港)も設定されています。
このラガーディア空港から発着する便は小型機がメインです。ジョン・F・ケネディ国際空港のような大型機はほとんど発着しません。
ただし僕の知人は、成田国際空港〜モントリオール〜ラガーディアの乗り継ぎでニューヨーク入りしました。このようなルートもあるので、意外と日本人の利用機会もあったりします。
アメリカ国内各地へのアクセスに便利 実は都心からも近い
ラガーディア空港は国内線がメインの空港であり、アメリカの各地への便が飛んでいます。また、交通アクセスは微妙ではあるものの、自動車を利用すれば都心からのアクセスも便利です。
ジョン・F・ケネディ国際空港やニューアーク・リバティー国際空港とは明らかに異なる、「国内線メイン」を打ち出している空港で、ターミナルもそれを踏まえてわかりやすくなっています。国内線同士の乗り継ぎも考慮されています。
ニューヨークから米国各地への移動に使うことが多い空港です。
ラガーディア空港へのアクセス
最後にラガーディア空港へのアクセスを解説します。ラガーディア空港は自動車でのアクセスが想定されています。そのため、アクセスはライドシェアが圧倒的にオススメです。
タクシーとは異なり、乗車してからの英語でのやりとりも必要なく、チップもアプリ経由で支払うことが可能です。1人でも安心して利用することができるのがライドシェアの強みです。
公共交通機関を使用する場合、マンハッタンまでの空港シャトルバスを利用するか、バスと地下鉄を乗り継ぐことになります。
バスと地下鉄を乗り継ぐ必要があるため、お世辞にもアクセスがいいとは言い難い。ニューヨークのマンハッタン各地への直行バスもあるので、利用すると良いでしょう。
今回はニューヨークの3つの空港について、その違いを明確にして解説してきました。ニューヨークへ行かれる方のために、主要観光地も解説しています。併せてご覧ください。
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