学生なら使いたいANAの学生向け割引「学割」こと、スマートU25。25歳以下が当日予約限定で利用できる航空券で、LCC並みの破格の運賃で飛行機を利用することができます。学生なら是非活用したい運賃ですが、
- スマートU25とは?そもそもどんなもの?
- スマートU25の予約方法がわからないから、踏み出せない!
- スマートU25、当日だけなのに空席ってあるものなの?
といった疑問を持っていませんか?本記事では、過去に30回以上「スマートU25」を使っておトクに旅してきた私が、スマートU25の特徴・お得さを解説。また、予約時のスクリーンショットを用いて予約方法を丁寧に解説、さらに過去の空席などの経験から利用する上での注意点を解説します。
※日本航空JALでもほぼ同一条件の「スカイメイト」という割引運賃を設定しています。JALのスカイメイトについてもまた、記事を作成します。
スマートU25は学生にオススメの格安運賃!
「JRなどの鉄道には『学割』があるけれど、飛行機にはないのだろうか」、そう思ったことはありませんか?少しシステムは異なりますが、飛行機にも『学割』に相当するものがあります。ANAの「スマートU25」という運賃で、25歳以下のマイレージクラブ会員(無料会員)が、当日のみ予約できる運賃です。
まずは「スマートU25とは?」という疑問に対して、特徴や利用できる航空会社(コードシェア便)などを詳しく解説します。
スマートU25とは?運賃の特徴を解説!
ANAの若者向けの割引運賃であるスマートU25とは、
- 12歳以上25歳以下であることが必要
- ANAマイレージクラブ会員であることが必要
- ANAで年齢認証が完了している必要がある
- 当日のみ予約可能
という条件で使える国内線航空券(国際線には設定はありません)です。当日予約のみ可能であるというのが特徴的な運賃です。
ANAマイレージクラブへの入会およびANAでの年齢認証が必要ですが、ともに手数料・年会費等はかかりません。ANAカード(クレジットカード)の発行も必須ではなく、現在ではアプリで完結します。詳しくは各リンクをご確認ください。
これらの条件を満たせば、大幅に安く使えるのが「スマートU25」。例えば、東京・羽田〜沖縄・那覇の場合、ANAの普通運賃は55,710円です。一方、スマートU25では19,350円と3分の1程度です。
「スマートU25」の値段は普通運賃の3分の1以下まで下がることもあるとてもおトクな運賃です。区間にもよりますが、VALUE75(75日前までに予約の運賃)と同程度のことが多いです。飛行機において直前の予約は割高になることがほとんどなのに、当日限定でかなり破格で予約ができてしまう、かなりお得な運賃になっています。
コードシェア便でも使える!ただしANAサイトからの予約が必須
「スマートU25」は、他社が運航するコードシェア便でも使えます。公式サイトでは「ANA便名で予約の場合のみ」と書いてありますが、これは「ANAのサイトから申し込めば使うことができますよ」という意味です。
例えば北海道方面に強いAirDoとのコードシェア便の場合、AirDoのサイトから予約するとこの運賃は利用できませんがANAのサイトから予約すればこの運賃を使うことができます。ANAは、国内線においては、
- AirDo(本州〜北海道各地)
- ソラシドエア(南九州・沖縄各地から広域に)
- スターフライヤー(九州北部・山陽・関西などから広域に)
- IBEX Airlines(小型機を中心に広域に)
- オリエンタルエアブリッジ(小型機を中心に、九州発祥で現在は広域に)
- 天草エアライン(天草地方)
とコードシェアを行なっており、これらの航空会社もANAサイトからの予約であればスマートU25が利用できます。なお、JAC(日本エアコミューター)はスマートU25に対応していません。
JALの類似運賃である「スカイメイト」は、フジドリームエアラインズなど一部のコードシェア便には対応していないものの、ANAは完全に対応しているのはGOODなポイントです。
スマートU25の運賃一覧
スマートU25の運賃は、ANAの公式WEBサイトに掲載されています。通常期と繁忙期で値段差があります(概ね3,000円程度)。
https://www.ana.co.jp/guide/plan/fare/domestic/pdf/24w_tax10_2408.pdf
お客さんが多くなる時期に「ピーク期」が設定されており、通常期より3,000円程度(路線により異なる)高くなります。例年では、
- 12月始めから年始まで(12月1日~1月5日)
- 3月いっぱい(3月1日~3月31日)
- ゴールデンウィーク(主に5月初め)
- 7月1日~8月31日
2024年〜2025年では12月1日~1月5日、3月1日~3月31日、5月3日~5月6日、7月1日~8月31日がピーク期に設定されています。
加えて主要空港では「空港施設使用料」が設定されています。以下の空港を発着とする場合、空港施設使用料が加算されます。例えば東京・羽田空港から札幌・新千歳空港まで通常期に移動する場合、運賃表の14,520円に加えて、羽田空港の空港施設使用料370円+新千歳空港の空港施設使用料370円の合計740円が加算され、15,260円となります。
発着空港 | 大人 |
---|---|
新千歳空港 | 370円 |
仙台空港 | 290円 |
成田空港 | 450円 |
羽田空港 | 370円 |
静岡空港 | 140円 |
中部空港 | 440円 |
伊丹空港 | 340円 |
関西空港 | 440円 |
北九州空港 | 100円 |
福岡空港 | 110円 |
熊本空港 | 200円 |
那覇空港 | 240円 |
ここに掲載されていない空港、例えば函館空港や石垣空港などを利用する場合は、加算料金(空港施設使用料)はかかりません。
なお、スマートU25ではマイルの積算率は50%(ANA学生カード保有で100%)、プレミアムポイントも同様に50%貯まります。
スマートU25は、当日でも空席はある!空席の予想方法も解説
スマートU25で旅してみようにも、一番大きなハードルが「当日予約限定であること」ではないでしょうか。しかし、当日でも空席はけっこうあるものです。僕は今までに30回以上「スマートU25」を利用してきて、
直前(数日前)に予定が決まった場合、スマートU25の空席を予想するために僕は「株主優待割引」を見ています。スマートU25と株主優待割引の座席数の設定は似たような数になっているようで、ほぼ同じ残席が表示されることが多いです。ただし、実際に調べてみれば「株主優待割引」と「スマートU25」で残席が違うこともあるため、必ずしも株主優待割引に残席があればスマートU25も当日残席があるとは限りません。あくまで参考値ですが、意外と近い残席数が出てきます。
スマートU25でも座席指定が無料で、大抵の場合、窓側座席を取ることができます。ANAでは実際に保安検査場を通過するまで何度でも無料でネットを通して座席を変更することが出来ます。今まで何度もスマートU25を使ってきた経験上、半分くらいは予約時点では窓際が取れませんでした。しかしながら、最終的に窓際を取れなかったことは一度もありません。出発1時間前くらいになると窓際がいくつか空いてきて、窓際を取ることが出来ます。
座席指定も無料だし、予約後搭乗まで粘ってみればかなりの確率で窓際の座席が取れる!
スマートU25の予約方法を、スクショ付きで詳しく解説
スマートU25を利用する場合、予約・支払いが「当日」となるため、不安に感じますよね。ここからは、スマートU25を利用する際に安心して利用できるよう、予約画面をスクリーンショットを用いて紹介します。なお、以下のスクリーンショットは2024年9月現在のもので、今後多少変化する場合もあります。
ANA国内線では「予約」と「決済」が別扱い
ANA国内線では「予約」と「決済(支払い)」が別の扱いになります。「予約」では座席を確保することができ、この時点で搭乗することができます。「支払い」をすることでお金を払うことになり、実際のチケット(保安検査場・ゲートを通過できるチケット)を受け取ることができます。
「予約」の段階ではまだ支払いを行なっていないため、期日(スマートU25の場合は、出発20分前まで)に支払いを行わないと自動で解約されます(支払い情報の登録がないため、手数料などもなし)。「予約」だけの状態では乗ることができないので注意してください。
ここからは「スマートU25の予約」と「スマートU25の支払い」、そして最後に「オンラインチェックイン」の3ステップで解説します。
現地で遊びまわって、帰りのフライト出発時刻のギリギリまで遊びたい場合「予約」だけしておくという手もあります(間に合わなかったら自動で解約されます)。
スマートU25の予約方法 当日ネットから予約が可能
まず初めに「予約」段階です。この「予約」段階から、当日の0時以降でなければ進むことができません。ここではスマートフォンを使う場面の方が多いという想定のもと、ANA公式アプリおよびANA公式サイトのスマートフォンサイトからの予約方法を解説します。
予約方法は極めてシンプル。「スマートU25」以外で購入する際と同様の手順で、便の検索・選択をします。運賃一覧の最下部に「スマートU25」が表示されます。
お客様情報を確認して、次へ進みます。手荷物や搭乗者氏名の注意情報に関する注意事項を読んで「予約する」をタップすれば予約は完了です。
この時点で座席が既に確保されます。ANAでは3日前以降の購入では、支払いを行うまで座席指定はできないため次の節で解説する「決済」を行うまでは座席の指定はできません。ただしこの段階で、座席表を見て空席状況を確認することができます。
スマートU25の決済方法 決済後はキャンセル料がかかるので注意
予約が完了して既に座席が押さえられている状況で、乗ることが確定したら支払いを行います。クレジットカードやコンビニでの決済も可能です。
ANA公式アプリのトップページに、最新の搭乗予定の予約が出てきます。スマートU25で予約した予約をタップすると、「未購入」の画面が表示されるので「購入手続きへ」をタップし、画面に従って支払いを進めます。このステップでクレジットカードなどを使って支払いをすることになります。
クレジットカードのワンタイムパスワードなどでの認証が必要なこともあります。支払いを行なって以降にキャンセルする場合、キャンセル料(スマートU25では5%+払い戻し手数料)も必要なので注意してください。
オンラインチェックインをしたらそのままゲートへ
最後にオンラインチェックインを行い、搭乗券を発行します。搭乗券とはいわゆる「チケット」で、このQRコードがあればゲートを通り飛行機に乗ることができる、というものです。
画面に従ってチェックインを行います。iPhoneであればAppleウォレットに、AndroidであればANAアプリに保存することで、QRコードを表示したチケットを表示することができます。
過去にANAは、ANAカードのタッチで搭乗できる「Skipサービス」を提供していましたが、2024年4月をもってSkipサービスは終了しました。現在はオンラインチェックインが必須です。
予約できない時の解決方法-スマートU25をフル活用するために
スマートU25は年齢などに制限のある航空券です。そのため、システム上で年齢認証などができていないと予約することすらできません。「スマートU25が予約できない」という場合の対処法などを解説します。
「スマートU25の予約ができない」、そんなときは年齢認証を確認
スマートU25は25歳以下限定の運賃です。そのため、公的証明書などを用いた年齢認証が必要です(自己申告では利用できません)。年齢認証に関しては、方法は主に3つあります。
- 空港窓口で年齢認証をしてもらう(別の予定で空港に足を運んだ際でもOK)。
- ANAマイレージクラブの担当にパスポートや保険証のコピーを送り、年齢認証をする(手数料等はなし。ただし、封筒や切手代は自己負担)。
- クレジットカード付きANAマイレージクラブカード(ANAカード)を発行する。
学生なら「ANA学生カード」を発行すれば、入会費も年会費も完全無料で発行できるのでおすすめです。また、ANA学生カードを持っているとスマートU25のマイル積算率は100%になる(3倍近い額の普通運賃で乗っている人と同じになる)うえ、さらにANAカード所持(学生カードに限らず何かしらのANAカード所持)で10%増しになるため、スマートU25を使いたいなら「ANA学生カード」持っていて損はありません。
さらに毎年、継続ボーナスマイルももらえます。ANA学生カードについては他の記事で紹介していますので、こちらの記事をご覧ください。
年齢認証がないとネットからの予約が出来ないってのだけは注意!ANA学生カードを持っているとスマートU25のマイル積算率が100%になる(3倍近い額の普通運賃で乗っている人と同じになる)うえ、さらにANAカード所持で10%増しになるから、スマートU25を使いたいなら持っていて損はない!
ANA「スマートU25」とJALの「スカイメイト」の比較
国内線の路線で巨大なネットワークを持つのが、今回紹介しているANAともう1社、日本航空「JAL」。JALもANAのスマートU25と同じような運賃を「スカイメイト」という名前で用意しています。
JALの25歳以下限定の当日運賃「スカイメイト」は、2024年4月までオンライン予約ができませんでした。そのためANAのスマートU25を強くオススメしていたのですが、システム改修によって現在は当日0時からインターネットで予約が可能となりました。
これにより、「スマートU25の最大の利点」がなくなりました。両者とも大きく変わらない運賃となったため、あとは路線や出発・到着時刻などの事情だけで選べば良いでしょう。
日本の2大航空会社とだけあって、若者向けの割引運賃でもお互いを意識したような料金設定・システムになっています。
スマートU25は、プレミアムクラスへの変更も可能
ANAのスマートU25では、追加料金を支払うことでプレミアムクラスの利用も可能です。当日アップグレードのみが対象で、インターネットでの手続きも可能です。
アップグレード料金は最低4,000円〜です。スマートU25という安い運賃を使うにも関わらず、人気のプレミアムクラスにアップグレードが可能。プレミアムクラスでは食事が提供されるほか、ラウンジなども利用できます。少し贅沢したいときは、使ってみるのも良いのではないでしょうか。
スマートU25を使ってお得に快適に旅をしよう
スマートU25は、ANAにおいて数少ない「若者の特権」であり、当日思い立ってお得に旅ができるシステムです。格安航空でないにも関わらず破格で飛行機を利用できます。最後に、本記事で詳しく解説していない注意事項として次のような注意事項があります。
- 国際線の予約は、不可。
- 名義や予約変更は、不可。
当日の予約しか出来ないため、稀に予約が取れないことがあります。行きのフライトならまだしも、帰りのフライトで予約が取れなかった、となるとやや面倒です。そんな場合の対処法は、主に2通り。
- JALを使うという方法
- 地上交通を使う(地上交通と組み合わせる)という方法
1つ目に、JALを使うという方法。ANAのスマートU25が、全ての空席のうち2~3席程度は解放せずFULL FLEXなどの便変更が可能な運賃の利用者のために残しているのに対し、JALのスカイメイトは空席があれば販売してくれます。JAL公式サイトに「最終的に空席が見込まれた場合にご案内します」と書いているように、空席待ち扱いをしてくれるためです。
2つ目に、地上交通と組み合わせること。僕は名古屋という、比較的便利なところに住んでいます。ので、もし帰りの飛行機が取れなかったら大阪・伊丹か関空、もしくは東京・羽田か成田の4つの空港に降りる便を取り、そこから新幹線もしくは近鉄特急などを使って名古屋に戻ると決めています。那覇などの離島以外であれば大抵、地上交通と組み合わせることで意外となんとかなります。
特に宿泊の場合、帰りにもし満席になっていたらどうしようか、も考えておくべき!大抵なんとかなるもの!
ここまで、「スマートU25とは?」という問いからはじめ、運賃や予約方法などを詳細に解説してきました。次のページには、初めて「スマートU25」を使ったときに機内で執筆した文章をそのまま掲載しておきます。「その時の感情」をそのまま反映している記事なので、もし気になる方はちょっとだけ覗いてみてください。
コメント
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