名古屋から大阪、移動方法は実に多種多様です。最もメジャーな2手段としてあるのが新幹線と近鉄特急。以前にも比較する記事を作りました。
↑この記事でも書きましたが、実は名阪間の移動で、特に1日で往復するのであれば最も安いのが「青春18きっぷを使って、JR在来線だけを乗り継いで名阪間を往復すること。新快速も走っていて意外に便利で快適な名古屋から大阪までのJR在来線の移動、今回はこの移動方法をご紹介します。
また、18きっぷ期間外の場合に使える、新幹線と特急を駆使した快適だけど安い移動方法もご紹介します。区間の8割をリクライニング・テーブル付き座席で移動できるにもかかわらず新幹線より約1500円安くなります。
クロスシート(2人がけ)快速で18きっぷでも快適な名阪移動
名古屋から大阪への移動手段はさまざまなものがあります。快適性で言えば近鉄特急がダントツトップでしょう。また、快適性で言えば、JR在来線より新幹線の方が快適です。
が、意外とJR在来線も頑張っています、青春18きっぷでの旅と言えば、静岡地区のようなロングシートが続く旅を思い起こさせます。しかし、名古屋から大阪はクロスシートのみで移動できてしまいます。
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名古屋周辺では名鉄と競合し、大阪周辺では阪急や京阪などと競合し、という形でこの名古屋から大阪までは競合他社が多くあるのが1つの特徴です。そのため、JRも快適性・速達性に力を入れています。
岐阜から米原までは競合他社が一切ないため各駅停車しかありませんが、それでも駅間距離がそこそこあるため停車してばっかりではない。それ以外の区間は、どんどん駅を通過していきます。関西エリアの新快速はかなりのスピード、特に京都から大阪の間はかなり飛ばすので心地よいです。
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JR東海もJR西日本もそれぞれ、クロスシートのみの編成を中心に快速として運用しています。どちらもそれなりに背もたれに傾斜があり、快適なのが特徴です。朝の時間帯などは混雑しますが、それでもJR東海の名古屋-米原間では8両編成の運用があり、JR西日本の米原-大阪間では最長12両編成、意外と座席を確保できることが多いです。
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特にJR西日本エリアでは、米原側・後方の車両が空く傾向にあります。大阪側の車両が混雑していて座れなかったら米原側の車両に行きましょう。なお、8号車と9号車の間は通り抜けができないので、駅などで移動する必要があります。
途中の米原で乗換、時間帯によっては大垣乗り換えも
名古屋から大阪までJR在来線で移動しようとした場合、必ず乗り換えが必要です。現在、在来線で名古屋から大阪まで直通する列車はありません。
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2021年10月現在のダイヤでは、名古屋から米原まで直通する列車は以下の通りです。
07時 | 7:16普通 |
17時 | 17:30快速 |
18時 | 18:00快速 18:20特別快速 18:50特別快速 |
19時 | 19:20快速 19:50快速 |
20時 | 20:30新快速 |
21時 | 21:00新快速 21:30新快速 |
22時 | 22:00区間快速 22:45新快速 |
なお、大垣での乗換を厭わないのであれば、ここに毎時2本の特別快速が追加されて利便性は圧倒的に高まります。
21:00までのほぼ全ての列車が、米原駅で大阪方面の新快速と接続します。対面乗換が可能でかなり便利です。
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なお、大阪→米原の場合はなぜか、対面乗換ができません。できるようにしてくれればいいのに…
米原から名古屋まで直通する列車は次の通りです。なお、全て豊橋行きの列車になります。
6時 | 6:07新快速 6:27新快速 6:46新快速 |
7時 | 7:07新快速 7:27新快速 |
17時 | 17:00新快速 |
19時 | 19:05新快速 19:35新快速 |
20時 | 20:05新快速 20:35新快速 |
21時 | 21:07快速 |
こちらもまた、大垣での乗換を厭わないのであれば毎時2本の特別快速(米原から大垣が普通列車、大垣から名古屋が特別快速)が追加されます。
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なお、名古屋方面は最遠で豊橋まで、大阪方面は最遠で姫路まで直通しています。そのため、名古屋・大阪自体ではなくそれより先に用事があるという場合も便利です。
18きっぷを使わないなら、ちょっと贅沢がオススメ
青春18きっぷは利用可能期間に制限があります。青春18きっぷ利用可能期間外にJR在来線で名古屋から大阪へ行くなら、ちょっとだけ贅沢をするのがオススメです。
1つポイントとして、「乗車券を分割して購入する」ということ。大阪エリアは「都市圏」が非常に広いこともあり、特定の割引運賃やちょっと特殊な計算方法があります。そのため、名古屋から大阪までの乗車券を購入すると3,410円かかるのに対し、分割して購入すれば名古屋から京都までが2,640円、京都から大阪までが570円の合計3,210円と、200円ほど安くなります。
続いて料金券について。特急しらさぎで名古屋から米原へと向かいます。自由席であれば特急料金は1200円ですが、この後、米原からは新幹線に乗車します。新幹線との乗り継ぎ割引を適用させれば、名古屋から米原までの特急しらさぎの特急料金が半額の600円で済んでしまいます。新幹線と特急の乗継割引は新幹線特急券と在来線特急券を同時に購入した場合に限り有効です。
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たったの600円で、リクライニング付きの座席になり、そしてテーブルもついてきます。JR在来線の新快速でも十分快適ですが、特急を利用するとたった600円で途中、尾張一宮(一部列車のみ)・岐阜・大垣のみに停車して米原まで行くことができます。
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特急しらさぎに乗車して名古屋から米原へとやってきたら、次は新幹線に乗り継ぎます。名古屋から米原ではなく、米原から京都の間で新幹線を使う理由は、
- 特定特急券が利用できる
- 1駅間だが、駅間距離が長い
ことが挙げられます。
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「特定特急券」とは、新幹線が並行している区間に在来線特急がないが、新幹線が走ってしまっているがゆえに「特急」に相当する新幹線を利用すると価格が跳ね上がる、ということを防ぐために設定されている運賃です。新幹線開業当時に隣の駅同士だった駅間に設定されています(そのため、例えば三河安城などは後から設置された駅のため、「名古屋から三河安城」の特定特急券は設定されていません)。自由席のみに設定されており、これを利用すると特急料金が980円で済むのが魅力です。
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米原から京都の間は新幹線でたった1駅ですが、この駅間は東海道新幹線では最長の駅間距離を誇ります。そのため、ここであれば980円を使っても全然損はしないということです。
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京都からは再び新快速に乗り換えます。新幹線で新大阪へと行ってしまうと「特定特急料金」が適用されず、一気に新幹線特急券の料金が2倍以上に跳ね上がります。京都から大阪の間は新快速が数多く走っており、途中の停車駅も高槻・新大阪とかなり少ないのでここは新快速を使いましょう。
また、東海道新幹線から乗り換えるため、ここで一旦改札を通ります。こうすることで、あらかじめ名古屋駅等で「京都から大阪」のきっぷを購入しておく必要がなくなります。
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