名古屋の空の玄関口である中部国際空港・セントレア。このセントレアと名古屋駅を結ぶ唯一の鉄道が「名鉄」であり、名鉄は空港特急「ミュースカイ」を運転しています。
この記事では、名鉄が運転する空港特急「ミュースカイ」の乗り方や料金、予約方法を徹底的に解説します。
なお、名鉄特急・ミュースカイの車内の様子や車窓の様子をまとめたVlogも公開しています。あわせてご覧ください。
空港と名古屋・岐阜を結ぶ名鉄のミュースカイ
名鉄の空港特急・ミュースカイは、中部国際空港「セントレア」と名古屋・岐阜・犬山(新鵜沼)を結ぶ列車です。
中部国際空港セントレアへの、唯一の空港特急
名古屋駅から、名古屋の空の玄関口である中部国際空港(セントレア)への鉄道アクセスは、名鉄のみです。ミュースカイは名鉄の中で唯一、全ての座席で有料の特急料金が必要となる列車です。
名古屋から中部国際空港までは比較的距離があります。名古屋市の中心部から中部国際空港までは50km弱あり、比較的距離があります。名鉄はこの区間を直線的に結び、最速28分で名古屋駅と中部国際空港駅を結びます。
距離があるものの、名鉄特急は最高速度120km/hでほぼ直線的に結びます。そのため、距離の割に時間はかからず、鉄道での安定的なアクセスが確保されているため、朝夕の出発ラッシュ時間帯でも時間が読みやすく、比較的使いやすい空港といえそうです。
通常ダイヤに戻り、原則30分に1本を確保
ミュースカイは原則、昼間は30分に1本の列車が確保されています。コロナ禍でお昼の時間帯の「ミュースカイ」が全面的に運休され、不便が強いられた時期もありましたが、2022年11月には完全に元通りに戻りました。
「ミュースカイ」は4両編成が基本です。朝夕のラッシュ時間帯は4両編成が2本連結されて、8両編成で運転されることもあります。
コロナ禍から回復する中で、最近では8両編成で運転される時間帯であっても窓側が埋まることがあります。朝夕の時間帯などに利用する場合、早めに予約を取っておくのがオススメです。
なお、ミュースカイは中部国際空港空港発着での利用が基本となります(新鵜沼発着ミュースカイが削減後は、名古屋市内のほぼ連続3駅と、中部国際空港のみの停車)。中部国際空港駅では1号車側にしか改札がないため、1号車が最も混雑します。4号車(8両編成時は8号車)に近づけば近づくほど空席が多いです。
中部国際空港(セントレア)から神宮前駅まではノンストップ
ミュースカイは朝の通勤時間帯における例外を除いて、中部国際空港駅から神宮前駅までの間の常滑線内はノンストップで走ります。
常滑線内は特急では複数の停車駅がありますが、ミュースカイはノンストップ、22分で走り抜けます。名鉄では唯一の車体傾斜装置を作動させる区間で、快速で走り抜けるのはとても気持ちいい。
この辺りは最初に紹介したVlogもご覧いただけると様子がよくわかるでしょう。
ミュースカイは全席指定席 「ミューチケット」を購入する必要がある
ここからは名鉄の空港特急「ミュースカイ」の乗り方などを解説します。ミュースカイは名鉄では唯一の有料特急で、座席指定券「ミューチケット」が必要です。
全席指定席で「ミューチケット」が必要
名鉄の空港特急「ミュースカイ」は全席指定席です。乗車には座席指定券「ミューチケット」が必要です。「ミューチケット」は2024年春に値段が改定され、次のようになりました。
料金種別 | 値段 |
---|---|
基本料金 | 450円 |
閑散時間帯割引料金 (平日9時台〜16時台および土休日全時間帯) ただし中部国際空港発着は対象外 | 300円 |
車内精算料金 | 500円 |
ミュースカイに名古屋〜中部国際空港で乗車する場合、座席指定料金は450円となります。現金またはICカードにより、出発前に購入しておく必要があります。加えて中部国際空港〜名古屋間では運賃は980円(ICカード、およびクレジットカードタッチ決済可)です。
インターネット限定の「閑散時間帯割引料金」は、中部国際空港発着のきっぷは対象外となっています。そのため、土休日および平日の極めて限られた数便の名古屋・神宮前〜新鵜沼・岐阜間のみで利用可能となり、実質的に「ミュースカイ」には使えないものと考えた方が良いでしょう。
なお、事前に指定席を購入せずに乗車すると、車内精算料金として500円になります。あらかじめ予約してから乗車するようにしましょう。
なお、名鉄では指定席車両の通路・デッキに立つ場合でも指定席券が必要となります。車内精算の場合、値上がりしますが車掌さんが座席の指定をしてくれます。
名鉄の「特急」は一般車があり座席指定料金が不要
名鉄の空港線には主に、
- ミュースカイ(全車特別車)
- 特急(一部特別車)
- 準急・急行・快速急行(全車一般車)
が走っています。今回紹介しているのは「ミュースカイ」ですが、一部の時間帯では「特急」もあります。
名鉄の「特急」「快速特急」は1号車と2号車が「特別車」で、指定席となっています。逆に、3号車〜6号車(名古屋本線などでは8号車まである場合も)は一般車で、乗車券のみで座席指定なしで乗ることができます。
名鉄の「一部特別車」というシステムについては、こちらの記事でも解説していますので、ご覧ください。
名鉄の「ミュースカイ」は、ネット予約も可能
名鉄は現在、特別車(指定席)のネット予約システムを導入しています。クレジットカードなどでの支払いに対応しており、スマートフォン上で座席表を見ながら座席を指定することができます。
名鉄のネット予約サービスでは、空港特急を使うようなライトな層(日常的に使う、地元の住民ではない人たち)を意識してか、会員登録なしでネット予約ができるシステムもあります。
なお、ネット予約会員になた場合「ミューズカード」のポイントが貯まりますが、あまり使い道はない。ただし、クレジットカード情報やよく使う区間の情報などを保存できるなどメリットも少しはあります。
ミュースカイの車内の様子を徹底的に紹介!
最後にミュースカイの車内の様子を紹介します。
座席は指定席で、リクライニング式の座席
座席はリクライニングシートが並んでいます。名鉄の一般車は、いわゆる通勤型であるのに対し、特別車はリクライニングシート。ここは徹底しています。
座席は2+2の配列となっています。東海道・山陽新幹線のN700系列の車両よりはふかふかな座席。でも、新幹線と比べるとリクライニングはあまり倒れません。もっぱら、1時間以内の利用、最長でも2時間程度の利用しかないためでしょう。
車内は新幹線などと同様、落ち着いた空間になっています。車内の広告などもないので、一般車と比べるとかなり落ち着きがあります。
また、ミュースカイだけは車体傾斜装置を導入しているため、カーブでも揺れの感覚はほとんどなく、快適です。
テーブル・Wi-Fiが備え付けられているが、コンセントの設置はない
ミュースカイには各座席にテーブルが備え付けられています。また、特別車には全車両にWi-Fiが設置されています。
テーブルは各座席の背面に設置されています。肘掛けから出るタイプのテーブルは設置されていません。
座席の背面テーブルはパソコン1台がやっと置ける程度のサイズ。新幹線などと比べるとちょっと小さい感じがしてしまいます。パソコン作業やちょっとした食事には困らないので、まあ良いでしょう。
お手洗いの設置はある
ミュースカイの車内にはお手洗いも設置されています。4両編成の場合2号車と3号車のデッキの間に、8編成の場合は2号車と3号車のデッキの間に加えて6号車と7号車のデッキの間にあります。各編成の中央部にあるため、どの車両からでも最大2両歩けば辿り着けます。
ミュースカイは名古屋駅から中部国際空港駅まで30分かからず到達するため、お手洗いを使うことはあまり多くないかもしれませんが、どうしてものときにあるととても便利です。なお、名鉄の一般車(急行以下など)では、お手洗いのついた車両は原則ありません。
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