ANA(全日空)のビジネスクラスはサービスはもちろん、座席も快適。ANAが主力機材と位置付け、50機近く保有するB787-9のビジネスクラスではスタッガードシートが採用されており、日本から世界中へ飛んでいます。
「ビジネスクラスの座席ってどんなものなの?」といった疑問から「フルフラットになるらしいけど、快適に寝られるの?」といった疑問、「機内で仕事をしたい、ビジネス環境はどうなの?」といった疑問まで、年間40回、飛行機に乗る僕が詳しく解説します。
ビジネスクラス搭乗Vlogも公開しました。本記事ではANA BUSINESS STAGGEREDの座席を文章ベースで、写真を用いて詳しく紹介します
ANAのスタッガードシートはフルフラットの快適な座席
ANAがB787などを中心に搭載している「ANA BUSINESS STAGGERED」では、フルフラットシートが互いに配置されています。座席配列は1-2-1となっており、全席から直接通路にアクセスできる座席になっています。
なお、実際にANAのビジネスクラスで東京・羽田空港からインドネシア・ジャカルタへ向かった際の様子は[こちら]の記事で紹介しています。
ANAのビジネスクラスは快適そのもの
ANAのビジネスクラスは快適そのものです。座席の幅は、特に日本人であれば十分なほどあります。前後間隔ももちろんかなりゆとりがあります。
B787-8、B787-9、B777-300ER(THE Room非搭載機)では青色を基調とした座席になっています。ANAが2009年に設定したプロダクト・サービスブランドとなっている“Inspiration of JAPAN”、それとほぼ同じく発表されたシートは基本、青色が基調となっています。
ビジネスクラスでは概ね、窓2つ〜3つ分程度の座席間隔があり、座席の前後間隔がかなり広々していることがわかります。
どの席からでも、通路に直接出られる全席通路側スタイルを採用しています。そのため、隣の人に起こされることもないし、起こすことなくお手洗いに行くこともできます。エコノミークラスに乗る時の大きな問題が解消されます。
さらに各座席には大型のモニターを完備しています。約18インチのタッチパネル式のモニターが設置されています。
モニターのサイズは異なりますが、中身のエンタメについてはエコノミークラスなどと同じになっています。
フルフラットになる座席で快適な睡眠を
ビジネスクラスの座席の最大の特徴はフルフラットになる座席です。長距離路線でも横になって寝ることができます。
座席をフルフラットにするとこの通り。まさに「ベッド」です。B777-300ERの一部機材に導入されたTHE Roomと比べて、肩周りの横幅はやや狭め。ですが、気になることはありません。
リクライニングは電動になっています。スイッチ1つでリクライニングを倒してベッドにしたり、座席に戻したりすることができます。プレミアムエコノミークラスなどとは異なりレッグレストはないため、背もたれの操作のみになります。
座席のリクライニングボタンに設置されている「Do Not Disturb」を押すと、座席上部の「Do Not Disturbライト」がオンになります。ゆっくり睡眠を取りたい場合は、Do Not Disturbをオンにしておくと声を掛けられなくなります。
ビジネスクラスには搭乗時から掛け布団(ブランケット)が座席に置かれています。中に詰め物が入っていて(中身は不明)、かなり軽いもののしっかり暖かくなります。表面の触り心地もよく、快適に使うことができました。
モニターの下部にはオットマンがあります。座席をリクライニングして完全に倒すと座面がこのオットマンとつながり、完全にベッドになります。千鳥状の配置をしたことによってベッドの長さは190cmほどあり、日本人の平均的な身長であれば足を伸ばして寝ることができます。
サイドテーブルが意外と使い勝手が良い
機内食のサービスなどで使用されるテーブルも完備されています。折りたたみ式のテーブルではなく、木目調の広々したテーブルが、サイドテーブルの下部から出てきます。
B777-300ERのTHE Room非搭載機、およびB787-8のスタッガードシートでは折りたたみ式のテーブルが採用されていましたが、こちらの方が使いやすいように感じます。
座席の横の部分(後ろの人の足が入る部分)には、大型サイドテーブルが設置されています。千鳥配置にするための妥協的な部分だと思っていたのですが、実際に使うとこれが便利。寝るためにテーブルをしまった時でも、ちょっとした小物を置いたりできるので重宝します。13インチのノートパソコンなどをおいてもまだ、飲み物などを余裕で置けるスペースがあります(写真の搭乗証明背後には10インチiPad Air+Magic Keyboardのセットがおいてある)。
サイドテーブルの後ろの方(座席背もたれのすぐ横になるところ)には、充電用のUSB-Aポート、ヘッドホン端子、各国のコンセントに対応したユニバーサルの電源、座席モニターを操作することができるリモコンが設置されています。
さらにその上部にはLEDパーソナルライトが設置されています。寝ているお客さんもいるため、昼の便であっても時間があるときは機内が暗くなります。そういうときに重宝するのが、このパーソナルライトです。
やっぱり、エコノミークラスとは違う!
今回はANAが運航しているB787-9のビジネスクラスを紹介しています。ちょっと蛇足になりますが、B787-9についてはエコノミークラス、プレミアムエコノミークラスについても記事を公開しています。要するに全クラスのレビューをしています。
プレミアムエコノミークラスは、東京・羽田→ロサンゼルス路線に乗った際に利用しました。座席タイプではあるものの、かなり広々しています。
また、エコノミークラスはフランクフルト→東京・羽田路線で利用しました。さすがにエコノミークラスで14時間はしんどかった。が、頑張ってレビューしています。
ANAビジネスクラスのおすすめ座席と機内設備
続いては、ANAのビジネスクラスでおすすめの座席、そしてビジネスクラス専用お手洗いなど機内の設備をを紹介します。
ANAビジネスクラス・スタッガードシートのシートマップ
ANAでは各機材のシートマップをANAの公式サイトに掲載しています。また、予約画面からも空席状況を確認することができます。
ビジネスクラスは横4列の配置になっています。ANAの公式サイトのシートマップで、白色になっている部分が座席、紫色になっている部分がサイドテーブルです。
B787-9では、ビジネスクラスが40席設置されています。エコノミークラスを含めて246席ある機材の中の46席で、客室の面積は半分弱使っています。どれだけスペースを優雅に使っているかがわかるでしょう。
おすすめは「完全な窓側座席」
おすすめは窓側に座席、通路側にサイドテーブルがくる「完全な窓側座席」です。A席またはK席が圧倒的におすすめです。
- 左側座席(A席)であれば奇数番目の座席
- 右側座席(K席)であれば偶数番目の座席
が「完全な窓側席」になっています。窓側に座席、通路側にサイドテーブルが設置されているのでおすすめです。
サイドテーブルがある部分が比較的狭くなっています。特に背もたれのすぐ横には壁があるため、座っているとかなりプライベート感があります。
座席をフルフラットベッドの状態にして横になると特に、サイドテーブルで顔が隠れるので個室で寝ているような感じになります。
お手洗いもエコノミークラスとは別
ANAでは離陸してシートベルト着用サインが消えたのち、ビジネスクラスとプレミアムエコノミークラスの間のカーテンが閉められます。つまりエコノミークラスやプレミアムエコノミークラスの乗客は、お手洗いを含めてビジネスクラスのエリアは原則使用不可となります。
ビジネスクラスのお手洗いには、エコノミークラスのお手洗いには設置されていないハブラシ・マウスウォシュ・フェイスシートが設置されています。エコノミークラスでも客室乗務員さんにお願いすればもらえますが、ビジネスクラスでは気軽に利用できます。
お手洗い自体はエコノミークラスと同じです。最近のボーイングの機材ではほぼ、この取手付きのお手洗いになっています。
さらにB787では、お手洗いにウォシュレットが搭載可能となっています。噂で聞くところによるとJALの要望でウォシュレット搭載が実現したらしいですが、ANAもウォシュレットを装備してB787を導入しています。
搭乗まではANAラウンジが利用可能 優先チェックインレーンも
ビジネスクラスを利用する場合、機内でのサービスだけではなくチェックイン手続き時や搭乗前のラウンジサービスなども受けることができます。ANAのビジネスクラスで日本から出発する場合、ANAラウンジが利用できます。
羽田空港 第『2』ターミナルのANAラウンジ
羽田空港では2024年より、国際線の半分以上が第2ターミナルへと移管されました。羽田空港の第2ターミナル国際線エリアはANA国際線専用であるため、ANAラウンジはかなり広いです。
第2ターミナルの国際線ANAラウンジについては、こちらの記事で詳しく解説しています。ご好評いただいている記事ですので、ご覧ください。
ラウンジ内には900席が用意されています。満席になることはほぼありません。ソファ席を中心に、プライベートな座席も用意されています。
ホットミールはもちろんのこと、シャンパンやワイン、日本酒、そしてビールやレモンサワーなども飲み放題です。ビジネスクラス利用者であれば出発前にお酒もいただくことができます。
羽田空港 第『3』ターミナルのANAラウンジ
羽田空港を出発する国際線の一部は、国際線専用の第3ターミナルから出発します。110番ゲート付近にあるANAラウンジが最も広くてオススメです。
羽田空港の第3ターミナルに設置されているANAラウンジについても過去に4回ほど利用し、記事を作成しました。
第3ターミナルのANAラウンジは第2ターミナルほど広くはないものの、飛行機が見えるような開放的な空間が特徴です。
1つ難点は、第3ターミナルはANA専用ではないため、スターアライアンス便の利用者が多いこと。中には日本人からするとちょっとうるさいかな、という人もいます。
優先チェックイン・手荷物検査、そして優先搭乗も
ビジネスクラスを利用する場合、優先チェックインや優先手荷物検査、優先搭乗などのサービスが受けられます。
ANAの場合、ビジネスクラス利用者はグループ2となります。ダイヤモンドサービスメンバーの次に搭乗できます。
また、ビジネスクラスの優先チェックインレーンがあり、空港によっては手荷物検査の優先レーンもあります。チェックインや手荷物検査でも優遇される、とてもありがたい。
ANAが運航するB787-9のビジネスクラスについては、Vlogも作成しました。Vlogでは機内食などサービスも含めて紹介しています。合わせてご覧ください。
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