日本で最も利用客数が多い空港である東京・羽田空港。国内線の主要幹線が多数、発着します。また、2010年以降は国際線ターミナルも整備され、世界各地への便が就航するようになっています。
今回はそんな東京の玄関口・羽田空港について詳しく解説。ラウンジ事情やアクセス、空港内の店舗などについて、実体験に基づき詳しく解説します。
日本国内各地へ、世界各地へ飛行機が発着する羽田空港
羽田空港は1日500便もが就航する、国内で最大の空港です。ANAやJALといった航空会社が国内線の拠点として利用しているほか、国際線も多数の航空会社が乗り入れています。
再国際化によって羽田空港は、海外からの玄関口へ
羽田空港は2010年に再国際化が行われました。国際線が原則、成田空港を発着していたものを、羽田空港からも国際線が発着できるようにしたのです。
羽田空港からの国際線発着は、ビジネス客を重視するフラッグシップキャリアが率先して進めました。東京都心から圧倒的に近いため利便性が高いこと、国内線各地からの乗り継ぎにも便利なことなどから、国際線の主要路線を中心に羽田空港発着に移管されました。
もちろん、海外の航空会社も羽田空港に乗り入れています。欧米各地やアジア各地などからの航空会社が羽田空港に乗り入れています。
航空会社によってターミナルが異なる
羽田空港には2024年現在、3つのターミナルがあります。利用する航空会社によってターミナルが異なります。
第1ターミナルは主にJAL、スカイマーク、スターフライヤーが使用しています。第2ターミナルは主にANA、AirDo、ソラシドエアが使用しています。そして第3ターミナルは国際線専用となっています。
ただし、ANAの国際線については一部が第2ターミナルに移管されました。そのため、ANAの国際線を利用する場合は発着ターミナルを必ず確認してから空港に向かってください。
ANAは国内線からの乗り継ぎなどに便利な第2ターミナル国際線エリアを開設。2024年から本格的に運用を始めています。この第2ターミナル、かなり新しくて設備も綺麗です。
今後、JALもANAと同じように自社の国内線ターミナル(第1ターミナル)に国際線エリアを開設することを考えているそう。ANAは国内線・国際線ともに第2ターミナルに、JALも同様に全便が第1ターミナルに集約される日も近いかも。
各ターミナル間ではシャトルバスが運転 「乗車証」の利用で鉄道も利用可能
羽田空港には3つのターミナルがあります。それぞれのターミナル、特に国際線用に後から建設された第3ターミナルはやや離れています。
そのため、羽田空港ではターミナル間の移動のためにシャトルバスが用意されています。無料のシャトルバスが昼間の時間帯には概ね4分間隔で運転されています。飛行機の利用者であるか否かに関わらず無料で利用できます。
また、国際線から国内線への乗り継ぎ利用者限定で、空港内でもモノレールが利用できます。羽田空港の到着ロビーにあるインフォメーションで、国内線・国際線の搭乗券と、本人のパスポートを提示することで利用できます。
この「羽田空港 乗り継ぎ乗車票」では、東京モノレールおよび京急線の羽田空港内が利用できます。ただし、自動改札機が利用できないので駅員さんに提示して乗る必要があります。
ニューヨーク・ジョンFケネディ国際空港やニューアーク・リバティ国際空港などのように、空港内であれば無料で利用できるシステムにしてくれると便利。バスドライバー不足の中でいずれは、鉄道に完全移行するのでしょうか。
第3ターミナルは国際線向け新ターミナル お土産などのショップも充実
羽田空港にはお土産屋さんなどの店舗が充実しています。第1ターミナル・第2ターミナルにも充実していますが、比較的小さい。それに比べて、国際線専用の第3ターミナルはかなり充実しています。第3ターミナルは離れているのでやや不便ですが、時間が余っている場合は第3ターミナルへ行くとおみやげなどを確保しやすいでしょう。
また、第3ターミナルには日本橋を模したモニュメント「はねだ日本橋」などもあります。日本食の店舗も並んでおり、食事なども楽しむことができます。
第1ターミナルおよび第2ターミナルにも店舗はありますが、僕の経験から、第3ターミナルが最も充実しているイメージです。
羽田空港のターミナル内に設置されている店舗・レストラン等の最新情報については、羽田空港の公式サイトもご確認ください。
羽田空港のラウンジ事情
続いては羽田空港のラウンジ事情について解説します。飛行機に乗るための待ち時間等に、空港ラウンジは非常に重要です。そんなラウンジ事情について、詳しく解説します。
カードラウンジは「POWER LOUNGE」
羽田空港において、ゴールドカードで利用できるラウンジがPOWER LOUNGEです。羽田空港は利用者数が多い空港であるという背景もあって、いわゆるカードラウンジはそこまで充実していません。
羽田空港で使えるカードラウンジは2024年現在、「Power Lounge」があります。カードラウンジであるため食べ物などはないものの、ソフトドリンクは無料です。
また、PowerLoungeは保安検査場外にもあります。保安検査場を通る前にあるので、到着後も利用できます。ただし保安検査場通過前のラウンジはやや狭いため座席数も少なく、外が見られないのが難点です。
プライオリティ・パスのラウンジ:POWER LOUNGE、エアポートラウンジと国際線ラウンジ
ここまでクレジットカードでの利用に対応したラウンジ「POWER LOUNGE」を紹介してきました。POWER LOUNGEは、世界各地でラウンジが利用できる「プライオリティ・パス」に対応したラウンジでもあります。
2024年10月現在、羽田空港発着の国内線を利用する際にPriority Passで利用できるラウンジは、「POWER LOUNGE」と第2ターミナルの「Airport Lounge South」です。
Power Loungeは飲み物のサービスがありますが、フードのサービスは基本的にありません。それなりに混雑していますが座席数も多く、普通に座ることができます。
第2ターミナル(ANAなどが発着するターミナル)の「エアポートラウンジ」も同様に、飲み物などのサービスがあります。第1ターミナルのパワーラウンジと比べるとやや座席数は少なく、時間帯によっては満席近くになることもあります。
国際線を利用する場合、第3ターミナルにはTIATラウンジがあります。第2ターミナル発着のANA国際線を利用する場合、Priority Passで使えるラウンジがないので注意が必要です。
ANAやJALなど航空会社ラウンジが充実
ここまで、クレジットカードで利用できるラウンジやプライオリティパスで利用できるラウンジを紹介してきました。もちろん、ANAラウンジやJALのラウンジなどといった航空会社のラウンジも設置されています。
国際線が発着する第3ターミナルのANAラウンジについては、既に記事を執筆しており多数のアクセスをいただいています。
また、ANA国際線専用のターミナルである第2ターミナル国際線エリアのANAラウンジについても記事を書きました。
航空会社のラウンジはビジネスクラス利用など利用のハードルはやや高いです。ただ、食事も無料でいただくことができて、シャワーなども無料で利用できるので利用価値はあります。
羽田空港は都心から近くて便利な空港
ここまで羽田空港について詳しく紹介してきました。羽田空港は成田空港と比べて都心から近く、アクセスがとても良い空港です。
羽田空港へのアクセスについては、こちらの記事で詳しく解説しています。複数のアクセス手段を客観的に比較した記事は少なく、こちらの記事も多数のアクセスをいただいています。
アクセスは京急かモノレール バスでのアクセスも
羽田空港へのアクセスは鉄道が最も便利です。羽田空港へのアクセスを担う鉄道は現在、京急と東京モノレールの2つがあります。
個人的には品川駅に直結しており、地下鉄線などとも直通運転を行なっている京急線が便利でオススメです。
ただ、東京モノレールはJR線との乗継割引が設定されているなど利便性もあります。現在、JR東日本が羽田空港アクセス線の建設を進めているため、今後どうなるか注目です。
バスでのアクセスも可能 京急蒲田駅からは水素バスも
羽田空港には首都圏を中心に各地からの直行バスも運転されています。渋谷などから直行バスが運転されいるため便利ではあるものの、一部のバス路線はバスドライバー不足により減便されているので注意が必要です。
羽田空港のリムジンバスの最新情報については、羽田空港の公式ページに詳細が書かれています。最新の情報を確認してから利用するようにしましょう。
また、京急バスは京急蒲田駅と羽田空港を結ぶバス路線などで水素燃料電池バスを運転しています。羽田空港周辺のエリアからのアクセスも確立されています。
空港内には「FIRST CABIN」、羽田空港周辺にはホテルも充実
空港を利用する場合、早朝や深夜便を利用することになると自宅から空港へ行ったり、空港から自宅へ帰ることができない場合もあります。特に最近では羽田空港は国際線も増やしているため、空港や空港の近くに宿泊することも多くなっています。
羽田空港の空港内には「ファーストキャビン」のようなカプセルホテルタイプの低価格なホテルから、ビジネスホテルまで幅広く用意されています。
また、空港から無料のシャトルバスで行くことができるホテルも多数、用意されています。以前に「東横イン羽田空港」についても詳しく紹介していますので、こちらの記事もあわせてご覧ください。
駐車場もあるが利便性は高くない
羽田空港には駐車場も用意されています。第1ターミナルと第2ターミナルの間に第1駐車場から第4駐車場まで、そして国際線専用の第3ターミナルの近くに第5駐車場があります。以下のサイトに羽田空港内の駐車場一覧と、各駐車場の混雑状況が公開されています。
羽田空港は日本で最も利用者数の多い空港です。駐車場自体は多く用意されているものの、場合によっては満車になることもあります。大きな荷物があって大変な場合もありますが、できれば公共交通機関を利用するようにしましょう。
時間 | 料金 |
---|---|
入場後30分まで | 無料 *1 |
入場から60分まで入場時からの料金が発生します | 300円 |
それ以降30分毎 | 150円 |
入場から24時間(最大/日) | 1,530円~2,140円 |
羽田空港の駐車場の料金です。この情報は2024年現在の情報となるので、最新の情報については羽田空港の公式サイトをご確認ください。
荷物がある、または、家族で行くため人数が多いなどの事情があってやむを得ず自家用車を利用する場合は、全て満車だった際にどうするか考えておきましょう。駐車場は5つあるものの、第3ターミナルの駐車場はかなり遠い位置にあります。
なお、ANAやJALなどのフルサービスキャリアは、公共交通機関の遅れによって飛行機に乗り遅れた場合、振替などの対応をしてくれます。一方、自家用車を利用して乗り遅れた場合は変更などの対応ができません。そのため、自家用車を利用する場合はかなり早く空港へ到着している必要があります。
羽田空港のターミナルごとの施設などを徹底紹介!
最後に各ターミナルの施設などを詳しく紹介します。各ターミナルの紹介については、また利用するごとに更新しようと考えています。「これはぜひ紹介してほしい」という施設があればぜひ、コメントで教えてください。
JALなどが発着する第1ターミナル
まず初めに第1ターミナル。第1ターミナルはその番号の通り、羽田空港で最も長く使われているターミナルです。かつてはANAもこの第1ターミナルを利用していましたが、国内線の需要が増えていく中でANAが第2ターミナルに移転した経緯があります。
第1ターミナルを発着する飛行機の半数以上がJAL便となっています。JAL便に加えて、スカイマークとスターフライヤーの便も発着しています。第1ターミナルは中央に半円形の部分があり、主に千歳・伊丹・福岡・那覇などの幹線が中央部から発着することが多いようです。
2024年現在、第1ターミナルを発着する国際線はありません(出入国管理施設がないため)。今後、第1ターミナルを第2ターミナル方向へ拡張して接続、そのエリアに国際線の施設を建設する計画が持ち上がっています。まだ確定ではありませんが、国内線との乗り継ぎを考えたときこの方が便利でしょう。
第2ターミナルはANA国際線も発着
続いて第2ターミナルです。第2ターミナルは主にANAが使用するターミナルです。加えてANAとコードシェアしているAirDo、ソラシドエアも発着しています。
ANAの便が圧倒的に多く、ANAがローンチカスタマーとなっているB787をたくさんみられるのが第2ターミナルです。
第2ターミナルからはANAの国際線も発着しています。2024年春(夏ダイヤ開始)からは国際線も半数以上が第2ターミナルに移転しました。
国際線専用の第3ターミナルには飲食店等も充実
最後に第3ターミナルです。第3ターミナルは国際線の専用ターミナルであること、また羽田空港の再国際化に伴い整備された比較的新しいターミナルであることから、海外客を意識したターミナルになっていることが特徴です。
現在はANAとJALの飛行機が並ぶ様子が見られます。将来的にANAは全便を第2ターミナルに移転する方針を固めています。また、JALも第1ターミナル拡張・国際線エリアのオープンが見通せられれば同様の方向に舵を切るでしょう。ANAとJALの国際線フラッグシップが並ぶ様子が見られるのも今だけです。
ターミナル施設内の様子を紹介します。第3ターミナルは3階が出発ロービになっています。そして4階には飲食店街などがあり、その端には「羽田日本橋」があります。「東京からの旅の出発点」のシンボルでもある日本橋を再現しています。
さらに羽田空港の第3ターミナルは、飲食店なども充実しています。国際線のターミナルであるため、海外の人でも食べることができる日本食のお店などがあります。
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