JAL国内線における次期フラッグシップであるA350。国内線向けにA350-900を導入し、幹線を中心に運航しています。このA350-900のクラスJに、札幌・新千歳→東京・羽田の区間で乗ってきました。この経験をもとに、
- JALの最新機種・A350のクラスJはどんな座席?
- クラスJって、コスパはどうなの?お金を払う価値はある?
などの疑問にお答えします。実際に搭乗してみて、今までの機材と比べてシートが新しく快適。そして何より、従来の機材と比べてとてつもなく静かな機内空間であったことが非常に印象的です。
今回はクラスJを利用しましたが、今回の記事がご好評であればファーストクラスや普通席もレビューしようと考えています。また、Vlogを作成中ですので公開までしばらくお待ちください。
JAL A350のクラスJの座席を徹底的に解説!
まず初めに、JALのA350におけるクラスJの座席の様子を徹底的に紹介します。特に、実際に利用した目線で、解説していきます。
横8列配置のクラスJは座席スペースも広く快適
クラスJは普通席より広々とした空間が特徴の座席です。普通席に加えて1,000円〜3,000円の追加料金で利用できる座席で、ファーストクラスと比べて手頃な値段であることから大人気の座席となっています。
クラスJの座席の様子です。JALではB737などの一部の機材において革張りの座席が採用されており、高級感がありますが、正直あまり座り心地は良くない。A350のクラスJにおいては、座り心地のよい布の座面が採用されています。
普通席が横に3+3+3列の座席であるのに対し、クラスJは横に2+4+2の座席配列になっています。大型機では横3列の座席が圧倒的に多い中で、横2列の座席が窓側にあるのは大きいです。夫婦での利用やカップでの利用をはじめとした2人での旅行にはとても都合が良い。
ANAがハワイ路線専用として運航しているA380“Flying Honu”のプレミアムエコノミークラスも同様に2+4+2の座席配列になっていますが、これがなかなか使い勝手が良いです。
可動式の枕を装備 読書灯も完備
JALが導入しているA350において、クラスJでは「可動式の枕」と「読書灯」が導入されています。これらのうち、国内線の距離でもとても非常にあると変わるのが「可動式枕」です。
可動式の枕にはJALのロゴが。写真ではわかりにくいですが、上下に移動することができます。身長は人それぞれですから、それにあわせて高さを調整できるのは便利です。
さらにこの可動式の枕は、両サイドを上げることができます。どちらかに頭をつけて寝ることができ、これがとてつもなく快適です。
普通席にはない設備として、読書灯があります。読書灯は自分の好きな位置に動かすことができます。ただし何度かJALのクラスJに乗った経験から、国内線の距離でこの読書灯を使うことは少ないです。
全席にコンセントを完備 座席のモニターにはUSBポートも
JALが導入したA350では、すべての座席にコンセントが設置されています。コンセントはクラスJだけではなく、普通席でも設置されています。
以前はクラスJ以外ではUSB電源が装備されていました。スマートフォンの充電を前提とした場合、コンセントよりUSBポートが便利ですが、後ほど紹介するように、モニター部分にUSBポートが設置されています。
コンセントは座席の間の部分にあります。この配置は、コンセントを指すときに見えにくいのでちょっと微妙。前の座席の後部にして欲しかったところです。
各座席にはシートモニターがあります。シートモニターについては後ほど詳しく紹介しますが、こちらにはUSB電源があります。USB-CではなくUSB-Aタイプの電源になっています。僕はすべての充電をUSB-Cに統一しているので、ここにUSB-Aがあっても…とは少し思いました。
テーブルは折りたたみ式
飛行機には国内線であっても基本的に、テーブルがあります。クラスJの場合、座席間隔が広いこともあって、前の座席の背面ではなく肘掛けから出てくるタイプのテーブルになっています。
もちろん、折りたたみ式だけではなく、広げて利用することもできます。国内線程度の距離であれば、広げて利用することはほとんどありません。ただ、ビジネスパーソンにとってはパソコンを広げることができ、便利なんだろうと思います。
テーブルを広げた状態です。テーブルを広げた状態では、中央に境目ができます。パソコン作業なら問題ありませんが、書類などを広げるにはやや不便です。
各座席には巨大なシートモニターが
各座席には大きなシートモニターが設置されています。最近の機材では、機外カメラも見ることができます。垂直尾翼の上部から見た映像が、迫力があっていい感じ。
なお、モニターは角度を変えることができます。国内線では映画を見るほど時間がないですが、パスワード等を設定することで次回搭乗時に続きから見ることができます。例えば、羽田から那覇を旅行で往復、などの利用では、3時間の映画をしっかり観ることができて便利そうです。
座席の内側にリモコンが設置されています。また、リクライニングやレッグレストの操作ボタンはここにあります。確かにモニターまでは遠いですが、リモコンを使うまででもないです。
以上、ここまででA350のクラスJの座席設備について詳しく解説してきました。これ以外の座席設備などで気になる点があれば記事を更新しますので、コメント欄でご質問ください。
A350にはファーストクラス・クラスJ・普通席を設定
JALにおいて主要路線で運航される機材には、ファーストクラスとクラスJ、普通席の3クラスがあります。A350にも全クラスが設定されており、観光でもビジネスでも、快適に利用できます。
A350の静粛性は異常!機内空間が圧倒的に快適
ここまで、A350・クラスJの座席設備について詳しく紹介してきました。しかしクラスJ以外でも、A350はとてつもなく快適です。
実際に搭乗して最も感じたのが、機内の静粛性。A350は「高効率・高環境性能」を重視して作られた機体です。機内の静粛性はトップクラスです。
今まで日本各地で飛行機に乗ってきて、特に名古屋を拠点としているためB737などの小型機に乗ってきて、飛行機内=やや騒音がある空間、と考えていました。しかし、A350の機内は本当に静か。声を張らずに、地上にいるのと同じ感覚で機内で喋ることができるのです。
A350は燃費効率が良いだけではなく、騒音もかなり低減されています。機内空間が静かな点は、今回搭乗したクラスJ以外についても言えることです。騒音が大幅に低減されたA350型機で、快適な空の旅を楽しむことができます。
ちなみに、渡米した際に利用した小型機・B737MAXもA350と同様の静粛性をもっていました。品質問題で遅延しているB737MAXですが、今後JALも導入することを決めています。B737MAXの運航開始も楽しみです。
クラスJは、少しの差額で快適な座席へ
今回はA350のクラスJについて詳しく紹介しました。クラスJは少額の追加料金で快適な座席を利用できるサービスです。今回紹介したクラスJが運航されている路線では、
- 東京〜那覇路線で3,300円の追加料金
- それ以外の路線で2,200円の追加料金
で、普通席からクラスJへとアップグレードできます。ファーストクラスへのアップグレードは概ね1万円程度かかることと比べればかなりお手頃です。
クラスJに搭乗する際のサービスや普通席などからのアップグレード方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。
JALが導入しているA350では、繁忙期に座席数を増やすことができる仕様となっています。すなわち、クラスJの一部の座席を普通席に、短期間で変更することができる仕様になっています。そのため繁忙期は特に、クラスJの予約が取りにくくなることが考えられます。
クラスJの利用ではラウンジ等は利用不可 ファーストクラスの利用で利用可
クラスJでは、ラウンジなどは基本的に利用できません。JALのステータス(JALグローバルクラブに入会済みなど)を持っていれば利用できますが、通常の会員では利用できません。
サクララウンジなどのラウンジが利用できないため、ラウンジ利用の場合はカードラウンジなどを使うことになります。アップグレード料金がお手頃なこと、座席数も多いことからラウンジが利用できないのは致し方ない点ではあります。
JALのA350は国内線各路線へ、国際線にも導入
今回は国内線仕様のJAL・A350の機内、特にクラスJについて詳しく解説してきました。JALではA350-1000を導入しているほか、今回紹介したA350-900の国際線仕様機材を国際線にも投入すると発表しています。
国際線にはA350-1000が導入中
国際線においてJALは、次世代のフラッグシップとしてA350の長胴型機材であるA350-1000を、ニューヨーク路線やロンドン路線、ダラス路線などに投入しています。2024年2月にデビューし、個室タイプのビジネスクラスを備えるなど、大幅なサービスアップが図られました。
2024年4月には、A350-900(今回紹介したものと同じ機材)の国際線仕様機材を導入し、国際線の短距離・中距離路線にも投入すると発表しました
途中でも紹介したように、機内は驚くほど静かで快適です。A350の真価は長距離国際線などで発揮されると考えるのが自然で、今後の国際線への導入がとても楽しみです。
A350の運航路線 東京・羽田発着の幹線を中心に運航
現在JALのA350-900(国内線向け)が運航されている路線は次の5路線になります。幹線のみで、やや限定的です。
- 東京・羽田〜福岡、札幌・千歳、沖縄・那覇、大阪・伊丹
- 大阪・伊丹〜沖縄・那覇
特に多くの便でA350が使用されているのが太字にした路線です。東京・羽田〜大阪・伊丹だけはA350が使用されず、B787やB767が充当されることのほうが多いです。
わゆる幹線を中心に導入されています。かなり混雑する区間を中心に導入されているものの、2024年現在では既に機材数も増えてきています。
羽田空港に行くと実際、A350の姿を多数、見ることができます。これらの路線のうち札幌・千歳や福岡路線はビジネス客も多いことが特徴です。そのため、意外と直前まで空席があります。便数が増えたこともあり、既にクラスJ窓側などでも争奪戦にはなっていません。
今後はA350-900も国際線へ
今後はA350-900も国際線向けに導入されることが発表されました。20機が2026年以降に導入される見通しとのことです。A350-1000も導入がやや遅れたため、同様に遅れる可能性もあります。
2024年2月にデビューした国際線向けのA350-1000がかなり快適と好評です。A350-1000でかなり力を入れてシートを開発したため、同様のシートが搭載されることを期待したいところです。
今後はフラッグシップとしてA350を位置付け、その補完的な役割としてB787を運航するようです。これらの高効率で快適な機材を中心に運航することで、JAL国際線の大幅なサービスアップが見込まれます。
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