日本航空の国内線には、普通席とファーストクラスに加えて「クラスJ」と呼ばれる座席があります。サービスなどは基本的に普通席と同じだが、座席のグレードがグレードアップするというものです。
今回、名古屋(中部)から札幌(千歳)の便でJALのクラスJに搭乗してきました。その様子をご紹介します。
なお、最新鋭の機材であるエアバスA350-900に、札幌・千歳〜東京・羽田路線で実際に搭乗してきました。その様子はこちらの記事で紹介していますので、併せてご覧ください。
比較的安価に乗れるグレードアップ座席「クラスJ」
クラスJは、普通席とは1,000円〜3,000円+税でアップグレードされます。路線によって追加料金が異なります。
座席グレードは短距離国際線ビジネスクラス的な位置付け
まず、座席について。ここが一番メインかな。座席のクラスは、ビジネスクラス相当です。座席間隔が普通席より広く、座席の幅自体も広く取られています。また、小型機では先頭部分に、大型機ではファーストクラスと普通席の間に位置します。
国際線では、短距離国際線ではビジネスクラス+エコノミークラスの場合が多く、長距離国際線ではファーストクラス+ビジネスクラス(+プレミアムエコノミークラス+)エコノミークラスの場合が多いです。国際線でいうとビジネスクラス相当の立ち位置になります。ただし、「ビジネスクラス」という名前とはきっちり分かれており、実際にサービス面ではビジネスクラス相当のサービスはありません。
ファーストクラスとは違う!ラウンジは利用できない!
国際線のビジネスクラスであればラウンジが利用可能です。しかし、クラスJでは原則、ラウンジは利用できません。ただし、JALのステータス(ダイヤモンドなど)やJGC会員の場合はラウンジが利用できます(ステータスを持っている人はその辺の説明はしなくても理解しているでしょうからここでは割愛)。
クラスJはあくまで、座席クラスのアップグレードです。機内でのサービスのみでアップグレードが行われます(機内でも、ファーストクラスとは異なり機内食提供などはありません)。空港でのサービスにあたる、ラウンジ利用や手荷物の優先受け取りなどは利用できません。
普通席からのアップグレードも
普通席の運賃で予約していた場合でも、クラスJにアップグレードすることができます。また、割引運賃であっても、予約段階でクラスJを+1000円で予約できます→当日アップグレードに関しても距離に応じた料金に変更されました。ただしせめてもの改善点として、出発3時間前からスマートフォンでもアップグレード予約ができるようになっています。
当日アップグレードでは、原則上級会員が優先されます。僕が乗った日はまだ空席があったので、意外と平会員でもクラスJは取れそう。ただし、当日アップグレードの場合、窓側座席はほぼ埋まっていることが多く、通路側座席、最悪の場合両側に見知らぬお客さんがいる座席になる場合もあるので注意が必要です。
当日アップグレードの方法については、次節でスクリーンショットを加えて解説します。
クラスJへの当日アップグレード
2023年の運賃改定により、当日のクラスJへのアップグレードが可能となりました。当日アップグレードの方法を、スクリーンショットを用いて解説します。
まずは当日アップグレード画面へといきます。
当日アップグレード画面で、「当日アップグレード」をクリック。搭乗の3時間前から使用可能になります。
複数の予約がある場合、ここでアップグレードしたい予約を検索します。
アップグレード先のクラスが表示されます。ファーストクラスが設定されている便では、ファーストクラスへのアップグレードも可能です。
当日アップグレードであっても、座席表からアップグレード先のクラスJの座席を選択することができます。空席が多ければ窓側も取ることができます。
座席を選択したら「確定してアップグレードへ進む」を押してアップグレードへ進みます。
支払い画面へとやってきました。複数人の座席を一括でアップグレード手続きした場合、この画面で複数人分のアップグレード料金を支払うことになります。
最後にクレジットカード情報を入力し、支払いをします。クレジットカードは、航空券(アップグレード前)の購入に使用したクレジットカードと異なっていても使用できます。
B737のクラスJ 座席周りの設備を徹底紹介!
実際に、名古屋(中部)から札幌(千歳)の便に乗ってきました。座席周りの様子を紹介します。
普通席よりゆとりのある座席
座席のアップグレードが魅力のクラスJ、もちろん座席は普通席より良い座席になります。
この写真を見ていただければ分かるように、座席同士の間の肘掛けの部分をはじめとして、座席の幅に余裕があるのがお分かりいただけるでしょう。また、シートピッチ(座席間隔)も普通席と比べて広くなっています。普通席の座席間隔が41cm〜45cmであるのに対し、クラスJの座席間隔は47cm〜49cmと数値の上ではやや広い感じ。でも、この少しの広さが結構でかい。前の座席に自分の膝がことはなく、前の座席の圧迫感もありません。かなり快適です。
座席間隔のイメージとしては新幹線と同じくらい。実は、シート間隔は新幹線よりちょっと広いらしいんですが、座席自体が新幹線よりがっちりしたいい座席になっているので、少し狭さがあります。ただ、普通席(国際線のエコノミークラス)とは異なり、圧迫感が一切ないのがいいところ。
新幹線のグリーン車よりちょっと下くらい?電源などしっかり装備
座席周りの設備も普通席と差別化が図られています。イメージとしては新幹線のグリーン車よりちょっと下くらい。
リクライニングに加え、レッグレストもあります。レッグレストは確かに寝る場合には便利ですが、座っているだけなら正直あまり使いません。
機内の座席には電源があります。スマートフォンなどを充電することができます。僕が実際に乗ったB737には、Type-Cの電源がありました。僕は今は全てType-Cに電源を統一して持ち歩いています。これはものすごく助かる。
なお、最新鋭機のA350やB787では、USBの電源ではなくコンセントが使えます。パソコンなどの充電をしたい場合、コンセント(AC電源)が使えるのはかなりでかいですよね。
クラスJにはしっかりとした枕も装備されています。これは新幹線のグリーン車よりは格上といった感じか。なお、高さもしっかり調整することができます。さらに、両端を起こすことで寝やすいようにフィットさせることもできます。
JRグリーン車の象徴的存在ともなっている読書灯。この読書灯はクラスJにもついています。まあ、僕の周りで使っている人はいませんでしたけどね。
レッグレストなど、クラスJならではの装備も
さらに、クラスJの座席にはレッグレストが装備されています。レッグレストは、普通席にはついておらず、クラスJだからこそついている装備です。
飛行機での移動中に、がっつり寝たいのであればレッグレストもちょうど良いですが、僕はあまり使いませんでした。フットレストをつけてほしいなと思ったり。フットレストは最新鋭機のA350などでもついていない模様です。
さらに、センターコンソール、座席の肘掛けの部分にドリンクを置ける部分があります。普通席では絶対にありえなこいことですね。座席幅のあるクラスJだからこそ設置できるものです。テーブルを出さなくてもドリンクが置けるのでこれはかなりありがたい。
テーブルはインアーム式、肘掛けから出てくるタイプのテーブルです。普通席と比べてかなり大きく、A4サイズの書類などを広げることができるサイズがあります。パソコン作業などをしたい場合はかなり便利です。
沖縄路線を運航するJTA(日本トランスオーシャン航空)でも設定あり
JALグループで沖縄路線を運航するのが日本トランスオーシャン航空(JTA)です。
JTAは機材をB737に統一しており、JTAでもクラスJが設定されています。
日本トランスオーシャン航空のクラスJは、JAL SKY NEXTの座席と基本的には同じです。同じ座席を採用していますが、枕カバーなどが一部異なります。
日本トランスオーシャン航空は独自のチケット販売網を持っているわけではなく、完全にJALの予約網を使用しています。アップグレード方法はJALのクラスJの場合と全く同じです。
クラスJへのアップグレードはメリットがたくさん!
クラスJは以前、+1,000円でアップグレードできました。現在は路線距離により1,000円〜3,000円の間で値段が変動しますが、それでもコスパは良い。
メリットがたくさん A350では相当数の座席数を確保!
クラスJはやはり、ビジネスマンにも観光客にも人気がある模様。ビジネスマンの出張でも、たった数千円でビジネスクラス相当の座席に乗ることができると思えば、疲れていれば自腹でも払ってしまいます。また、会社で一括して購入できるインターネット予約サービスでは、クラスJに無料でアップグレードできるとも聞いたことがあります(真偽のほどは不明です)。
さらに、JALが大型機における次期主力機として導入しているA350では、一部の機材でクラスJが94席とかなり充実しています。クラスJの人気度合いがよくわかります。羽田発着の幹線を中心とした最新鋭機ではクラスJがかなり充実しているので、予約は取りやすくなったと言えそうです。
JALの次世代フラッグシップであるA350のクラスJにも実際に搭乗し、その様子をレビューしています。あわせてご覧ください。
2024年現在、一部では国際線ビジネスクラスシートに乗れることも
コロナ禍からやや回復した2024年現在でも、一部の国内線機材では国際線のビジネスクラスのシートに乗ることができます。いわゆる「乗り得」の機材です。
最近では、羽田・成田発着の名古屋路線など、乗ることができる区間がかなり限られてきました。コロナ禍からの回復により、国際線機材が国際線で運用されるようになったためです。
なお、JALの国際線ビジネスクラス「JAL SHELL FLAT NEO」については実際に東京・成田〜名古屋・中部路線で搭乗してきました。こちらの記事もご覧ください。
マイル積算率がやや上がる そのため修行にはよく使われる
クラスJに搭乗するとマイルの積算率が上がります。通常のマイルに加えて、10%のボーナスマイルがもらえます。また、Fly on Pointも追加で加算されます。たった1000円だけで積算マイル・積算FOPが上がることもあって、ステータスの修行によく使われています。
ただ、クラスJの値上げが行われたこと、そして何より2024年からステータスの条件が大幅に厳しくなったことから、現在ではそのような使い方はされないようになりました。
ステータスを手に入れることができれば、クラスJでは使うことができなかったラウンジも使うことができるようになります。
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