東武鉄道の最新・看板特急であるスペーシアX。浅草駅から東武日光駅までを結ぶ特急列車で、車内には普通席のほか「プレミアムシート」やグループで使える個室、ビュッフェまで用意。まさに「豪華列車」となっています。
今回、実際にこの「スペーシアX」に乗車してきました。その様子を詳しく、紹介します。
スペーシアXのレギュラーシート 座席の様子を徹底紹介!
まず初めに、スペーシアXのレギュラーシートの座席を詳しく紹介します。レギュラーシートでも十分快適な座席になっています。
スペーシアXのレギュラーシートの座席
まず初めに、スペーシアXのレギュラーシートの座席の様子です。座席の様子はこんな感じ。2+2の座席配列になっています。
レギュラーシートは、厚めの快適な座席になっています。また、スペーシXオリジナルの枕カバーが設置されていますが、2つの座席は独立になっているわけではなく、中央の肘掛けは最初の状態では上げられています。
座席はいい感じの座り心地。厚みがある座席のため身体を包み込むような感じがして、特に昼下がりに乗ると寝てしまいそう。
各座席にはコンセントとテーブルを設置
スペーシアXでは、レギュラーシートでも各座席にコンセントを設置しています。もちろん、作業などにも困らない大きなテーブルが装備されています。
座席のテーブルがとてもしっかりした、重たい材質。気をつけてテーブルを開かないと、ガツンと一気に開いてしまって前の座席の人に迷惑をかけます。
各座席のコンセントは、前の座席の後ろの部分に設置されています。パソコン作業などをすることを想定したのでしょうが、正直この配置が微妙だった。コンセントを使いながらテーブルを開閉しようとすると、コンセントのソケットの部分とテーブルが干渉して開けない。テーブルの開閉には一旦、コンセントを抜かなくてはならないというなかなか使いにくい設計です。
肘掛けから出すタイプのテーブルも完備
前の座席背面にテーブルが設置されていますが、加えて座席の肘掛けから出すタイプのテーブルも装備されています。
各座席の外側の肘掛けからテーブルを出すことができます。テーブルの蓋の下には、リクライニングのボタンも設置されています。
肘掛けからテーブルを取り出すとこんな感じ。パソコンを置くくらいならできそうな、それなりに使い勝手のいいテーブルです。
スペーシアXのプレミアムシート
続いてスペーシアXのプレミアムシートについても紹介します。プレミアムシートはバックシェルを装備するなど、かなり快適な車内空間となっています。
2+1の座席配列で広々としたプレミアムシート
プレミアムシートはレギュラーシートと比べて座席間隔が広い。レギュラーシートが2+2の座席配列であったのに対して、プレミアムシートは2+1の座席配列となっています。
プレミアムシートはオレンジ色を基調とした座席になっており、明るさが感じられながらも落ち着いた車内空間になっています。
浅草→東武日光・日光鬼怒川温泉方面の列車では進行方向右側が、浅草行きの列車では進行方向左側が1人がけの座席になっており、1人旅でも利用しやすいのがプレミアムシート。レギュラーシートでも1人利用ができますが、スペーシアXは大人気の列車のため平日でも満席で運転されており、隣に知らない人が来るのは必至です。
プレミアムシートの座席 座席のバックシェルと電動リクライニングも
プレミアムシートの特徴はなんといっても、全席にバックシェルが設置されていることです。バックシェルが設置されているため、後ろの人を気にすることなく、リクライニングできます。近鉄の特急「ひのとり」などでも同様のバックシェルが採用されています。
プレミアムシートの座席の様子です。2人がけの座席の場合、座席の間の部分に2人分のコンセントやドリンクホルダーが並んで設置されています。
プレミアムシートには電動のリクライニングが設置されています。リクライニングを電動化するのは、新幹線のグランクラスや、スペーシアXが参考にした近鉄特急ひのとりなどでも採用されていますね。
全席にコンセントを設置 テーブルも折りたたみ式
プレミアムシートにももちろん、全席にコンセントが設置されています。スタンダードシートとは異なり、前の座席ではなく自分自身の座席の部分に設置されているため、スマートフォンなどを充電しながら使用するのに便利です。
プレミアムシートのコンセントの配置は、東海道・山陽新幹線のグリーン車をイメージさせる配置になっています。
プレミアムシートは座席間隔が広いため、テーブルも前の座席に設置するタイプではなく、肘掛けから出すタイプのテーブルになっています。
テーブルは折りたたみ式で、広げることでかなり広々としたテーブルになります。ただし広げると、座席を立つことができないのでその点だけ注意が必要です。
グループ向け座席も数多く設置
スペーシアXには、今までの東武特急「スペーシア」の思想を引き継ぎ、グループ向けの座席や個室なども充実しています。
コックピットスイート (1室定員7名) | コンパートメント (1室定員4名) | ボックスシート (1室定員2名) | コックピットラウンジ |
---|---|---|---|
12,180円 | 6,040円 | 400円 | 1人用 200円 2人用 400円 4人用 800円 |
※4人用コックピットラウンジは2名様からご利用できます。
個室などを利用する場合、人数分の運賃・スタンダート特急料金に加え、上記表の追加料金が必要となってきます。
スペーシアXご自慢の「コクピットスイート」は1室のみ
6号車の運転台すぐ後ろには、コクピットスイートが完備されています。コクピットスイートは前面展望を独占できる個室で、定員は7名です。
前面展望を独占できる個室は、今までに他社でもなかなか例がない。なお、コクピットスイートのある6号車が先頭となるのは、東武日光・日光鬼怒川温泉→浅草の便です。
7名定員の広々とした個室は、親子孫まで3世代で利用することもできるような設計になっています。ただ、下りの東武日光・日光鬼怒川方面の列車で利用すると、車掌さんが何度か通り抜けることになるのが最大の難点です。
コンパートメント(個室)座席も
6号車にはコクピットスイートのほか、コンパートメント(個室)も設置されています。コンパートメントは4室ありますが、現時点では大人気ですぐ売り切れいているという状態です。
コンパートメントシートは1室6名定員の個室で、コクピットスイートよりはやや小柄な個室です。グループでの旅行に最適な個室です。
1号車は「コクピットラウンジ」
1号車はコクピットラウンジになっています。ラウンジと言いながらも乗客が自由に利用できるスペースではなく、座席指定席で指定席として販売されています。
コクピットラウンジは、現存する日本最古のリゾートホテル「日光金谷ホテル」や、大使館別荘などをモチーフにデザインされています。日本ならではの、上品でありながら落ち着きが感じられる空間です。
コクピットラウンジはグループ席となっており、1人用から4人用まで幅広く用意されています。コクピットラウンジ(1号車)の後方、2号車寄りの部分にはカフェテリアが設置されています。
グループで利用とはなるものの、コンパートメントなどとは異なり個室ではありません。開放的な場所で、グループで利用することになります。
コクピットラウンジはレッドカーペットが敷かれており、座席はソファになっています。ソファでのんびり、語り合いながら日光への旅を楽しむことができます。
ボックスシートも設置
さらに、レギュラーシートのある5号車には「ライトなプライベート空間を作ることができる」、ボックスシートも設置されています。
ボックスシートは2グループ分が用意されています。レギュラーシートの車内にあるため完全な個室ではないものの、高い仕切りがありプライベートな空間が確保されています。
当然、ボックスシートにも1人1つ分のコンセントが設置されています。東武鉄道の公式サイトには、テレワークにもオススメと書かれていましたが、ここでテレワークというのも…
スペーシアXの車内には「コクピットラウンジ」など充実の設備
ここまで、スペーシアXの車内の座席設備について詳しく紹介してきました。スペーシアXの車内にはこれ以外にも、スペーシアX独自の設備が用意されています。
1号車のカフェカウンター(ビュッフェ)は予約制でドリンクなどが楽しめる
1号車にはコクピットラウンジがあります。コクピットラウンジ自体は指定席として運転されていますが、2号車よりの部分にはカフェカウンターが設置されています。食堂車ほどの充実ぶりではありませんが、車内限定の飲み物などを購入することができます。
なお、スペーシアXのデビューから当面の間は、混雑が予想されるためスマートフォンを使ったオンライン予約制(乗車後の予約)となっています。
オンライン整理券の予約開始は放送で案内されます。なお、オンライン予約に必要なQRコードは、各座席のポケットに入っているリーフに掲載されています。
また、途中駅から乗車したお客さんが不利にならないよう、時間を分けてそれぞれ予約を開始しています。よっぽど終点に近い駅でなければ、途中駅から乗車の場合であっても乗車後に入った放送のタイミングで予約すれば間に合います。
なお、オンラインでの予約は商品を予約するわけではなく、「利用する旨の予約」となります。商品の注文などはカウンターで行います。
大きな手荷物があっても安心
スペーシアXには手荷物置き場もしっかり完備されています。そのため、大きな手荷物がある場合でも安心して利用することができます。
交通系ICカードを使ってロックすることができる機能も用意されているため、安心して利用できます。1編成の中にも多数あり、荷物置き場がいっぱいになっている状況はほとんどないように思いました。
お手洗いなどの車内設備も充実
車内のお手洗いなどの設備ももちろん、充実しています。車内にはお手洗いなどの設備もしっかり設けられています。
車内のお手洗いも広々しているため、安心して利用できそうです。最近の鉄道では当たり前になりつあるバリアフリーのお手洗いもしっかり完備されています。
スペーシアXの予約方法 東武ネット予約サービスがオススメ
ここまで、スペーシアXの魅力を徹底的に紹介してきました。最後にスペーシアXの予約方法やお得な切符について解説します。
スペーシアXは満席になることが多いので注意!
スペーシアXは2023年7月にデビューしました。デビューから半年以上が経った現在も、混雑が続いています。
スペーシアXの予約は1ヶ月前の午前9時から発売開始となっています。スペーシアXに乗りたい!という場合は、1ヶ月前の午前9時に狙うと確実です。
特に土日は1週間前の段階ではほぼ満席となっています。また、平日であっても列車の発車時間帯までには満席になっていることがあり、かけ込みでの利用は難しいでしょう。
したがって、特に土日に利用したいのであれば発売開始(乗車日の1ヶ月前)後早いうちに、平日であっても数日前には予約した方が無難だと言えそうです。
「東武ネット予約」を使えば、ネットで指定席を確保できる
東武鉄道では、お手持ちのスマートフォンやパソコンで東武鉄道の特急列車を予約することができる「特急券インターネット購入・予約サービス」を運営しています。
特急券インターネット購入・予約サービスを利用すれば、東武鉄道の沿線に住んでいる人でなくとも、東武鉄道の特急券をスマートフォンで予約できます。
なお、インターネットで予約する際はクレジットカード等が必要になります。また、東武鉄道の特急列車では乗車駅で特急券の提示が必要であり、画面を提示する必要があるのですぐに予約画面を見せられるようにしておく必要があります。
東武で日光へ行くならお得なきっぷも多数設定
東武鉄道は日光エリアを重要な観光地として売り込んでいます。東武鉄道からは、日光へ行く際にお得で便利なきっぷが多数、発売されています。
「まるごと日光東武フリーパス」は、東武鉄道の各駅から東武日光駅までの往復乗車券に加え、日光地区の鉄道、バスが乗り降り自由となるお得なきっぷです。
これ以外にも、東武鉄道はお得な切符を多数発売しています。期間限定のきっぷやデジタルきっぷもありますので、合わせてご確認ください。
スペーシアXで日光へ行こう
今回は、東武鉄道の新しい特急列車「スペーシアX」について徹底的に解説してきました。日光は首都圏から手軽に行くことができる観光エリアです。
日光の観光において中心的な観光スポットとなる日光東照宮については、こちらの記事でまとめました。併せてご覧ください。
今回の記事1本を書き下ろすのにおおよそ5時間ほどかかりました。2024年最初の記事としては、この記事で十分でしょう。2024年も引き続き、皆様のためになる記事を書いていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
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