日本から最も遠い、地球の“裏側”にあたる南米大陸。マチュピチュやウユニ塩湖などの豊富な観光地があります。
本記事では、「日本から南米への航空券」について詳しく解説。ペルーやボリビア、チリ、ブラジルなどへの航空券について、詳しく解説します。
日本から南米大陸への移動方法
南米大陸は日本から見ると地球の真裏になります。そのため端的にいうと、世界中のどこで乗り継いでも移動できます。
アメリカで乗り継ぐ方法が主流
南米は日本の裏側であるため、世界のどこで乗り継いでも行くことができます。しかし実際には、アメリカで乗り継ぐ方法が主流となっています。
南米の中でも観光地が多いのがペルーやボリビア、ブラジル北部です。これらの地域は、アメリカ経由で行く方法が最も近いのです。また、アメリカは航空路線網がかなり発達した地域であるため、南米へと向かうフライトが多いことも理由の1つです。
日本から南米へ向かう際、アメリカでの乗り継ぐと、乗り継ぐアメリカの空港の選択肢も多くあります。
- ロサンゼルス
- ニューヨーク
- サンフランシスコ
- シカゴ
- ヒューストン(ユナイテッド航空)
- アトランタ(デルタ航空)
- ダラス・フォートワース(アメリカン航空)
などがあり、それぞれ羽田・成田から直行便が運航されているため、便利です。また、飛行機が欠航した場合も代替ルートが多数あるため、安心です。

ヨーロッパで乗り継ぐ方法もあるが、乗継地は考慮する必要がある
アメリカで乗り継ぐ以外に、ヨーロッパで乗り継ぐ方法もあります。アメリカでは乗り継ぎだけであっても入国が必要であり、入国には事前申請(ESTA)が必要です。一方のヨーロッパでの乗り継ぎは2025年現在、ビザなどの事前申請は必要なく、入国の必要もないことがメリットです。
ただし次の章でも紹介するように、ヨーロッパから距離的に遠い南米西部(ペルーやボリビア、チリなど)へのフライトはやや少ないことに注意が必要です。

チリ・サンティアゴへは、オーストラリアで乗り継ぐ方法も
チリ・サンティアゴへと向かう場合、オーストラリアで乗り継ぐ方法もあります。チリ・サンティアゴからのオセアニア方面便は、LATAM航空がシドニー、オークランド(ニュージーランド)へ、カンタス航空がシドニーへのフライトを運航しています。
ただしオーストラリアで乗り継ぐ方法はチリのサンティアゴのみで利用することができるため、南米への航空券としての選択肢は幅広いとはいえません。一方でオーストラリアは日本との時差がほぼありません。特に帰りには、早いうちに時差の調整をすることができる点でメリットです。
最もメジャーな、アメリカで乗り継ぐ方法
前の章で紹介した通り、南米への乗り継ぎで最も一般的なルートはアメリカで乗りつぐ方法です。ここからはアメリカで乗り継いでアクセスできる都市について詳しく紹介します。
乗り継ぎルートは多数ある:南米へ乗り継ぐ場所一覧!
南米への乗り継ぎルートは多数あります。南米の中で、アメリカ方面からのフライトが多く発着する空港は主に、
- ペルー・リマ
- ブラジル・サンパウロ
- ブラジル・リオデジャネイロ
- チリ・サンティアゴ
です。特にブラジル「サンパウロ」、チリ「サンティアゴ」の2都市が南米で大きな都市であり、その次にペルーの「リマ」が続きます。ペルーのリマは南米の中でも北部に位置しているという立地から、乗り継ぎを考慮した北米便が多く発着します。
このような背景から、「サンパウロ」「サンティアゴ」「リマ」の3都市からの就航地はほぼ同じです。日本人の訪問者も多いペルーのリマを例に、北米での乗り継ぎ地を見てみます。
【ペルー・リマのホルへチャベス国際空港 北米就航都市】
※赤太文字は日本(主に東京)への直行便就航都市
- LATAM航空:ロサンゼルス、ニューヨーク/JFK、マイアミ、オーランド
- ユナイテッド航空:ニューヨーク/ニューアーク、ヒューストン
- アメリカン航空:ダラス/フォートワース、マイアミ
- デルタ航空:アトランタ
- エアカナダ:トロント
- スピリット航空、ジェットブルー航空:フォートローダーデール
このようになっています。日本からの直行便が運航されている都市へのフライトも多くあることがお分かりいただけるでしょうか。このように「日本から南米まで1回乗り継ぎ」の条件で絞っても、多くの選択肢があります。

南米まで安く移動する方法:アメリカで航空券を切る方法
南米まで安く移動する方法としておすすめするのが「アメリカで航空券を切る」という方法。日本から北米、北米から南米はそれぞれ、需要が大きいため航空券の値段が安いです。一方で日本から南米まで一括で購入しようとすると、かなり高くなります。
あくまで目安ですが、南米へのチケットが最も安い10月に、僕がアメリカ・ニューヨーク経由で南米へ渡航した際の往復の料金です。
- 【通し】東京〜ニューヨーク〜リマ:40万円程度
- 【別切り】東京〜ニューヨーク+ニューヨーク〜リマ:20万円程度
- 東京〜ニューヨーク:10万円程度
- ニューヨーク〜リマ:10万円程度
僕はユナイテッド航空を利用しましたが、アメリカン航空やデルタ航空でもほぼ同様の値段で販売されていました。このように競合が多数ある東京〜ニューヨークだけなどでチケットを購入することで、値段が一気に下がります。
ただしこの方法では、アメリカでの乗り継ぎができなかった場合にその先のチケットが保証されません。たとえば、
東京〜ニューヨーク+ニューヨーク〜リマ
でチケットを購入したとしましょう。東京〜ニューヨークのフライトが遅延してニューヨーク〜リマのフライトに乗り継げなかった場合、ルール上はニューヨーク〜リマのフライトを自己負担で再手配する必要があります。
飛行機社会のアメリカ、実際の運用としては空港スタッフの最良でそのまま変更してくれることもあるようです。しかし、ルール上は買い直しとなるため、アメリカでチケットを切る場合は原則、時間に余裕を持って乗り継ぎをするのがベストです。

アメリカ観光と組み合わせるのがおすすめ
アメリカでチケットを別切りして予約する方法はお得ですが、乗り継ぎには時間的な余裕が必須です。そこでおすすめするのが、アメリカの観光をセットにする方法です。
アメリカで観光する時間を取ることによって、自然と乗り継ぎ時間に余裕が生まれます。また、北米の時間と南米の時間は近いことが多いため、時差ボケを事前に解消しておくことができます。
また、南米への道のりは長いです。仮にビジネスクラスを使ったとしても、40時間を超える飛行機移動は身体に応えます。アメリカで1泊し、ホテルの静かなベッドで寝ることで体力を大幅に回復することができます。僕自身、アメリカで乗り継ぎをしたにも関わらず、南米に着いた時には移動で疲れがどっときました。

アメリカは経済大国です。僕自身、アメリカ大陸横断の旅をしましたが、長時間かけてアメリカに渡航してまで観光するほどの魅力が都市にあるかと言われると微妙です。ついでにアメリカの都市を、24時間程度でサクッと観光してしまうのがおすすめです。
ヨーロッパを経由する方法
南米への移動手段はアメリカを経由する方法が主流ですが、ヨーロッパを経由することもできます。場合によってはこの方法でも良いでしょう。
行きのヨーロッパ経由は西回りができることがメリット
ヨーロッパを経由することの最大のメリットは、「行きに西回りができること」にあります。時差ボケは西回りの方が圧倒的に調整しやすいです。現地に着いてから観光したい行きに、時差ボケをかなり調整しやすいことがメリットです。
しかし2025年現在、中国のエアラインを除いてロシア上空を迂回してフライトをしており、日本からヨーロッパへのフライトは飛行時間がかなり長くなっています。そのため現在は、実質的にアメリカ経由しかないという状態になっています。

ヨーロッパの経由地はスペイン・マドリッドがメイン
日本から南米へ、ヨーロッパ経由で向かう場合、経由地はスペインのマドリッドがメインとなります。特に南米の北部はスペインの植民地であった期間が長い。旧宗主国との繋がりは言語だけではなく、現在における経済的なつながりもあるのです。
そのため、南米へ向かう場合はスペインのマドリッド経由が最も選択肢が多くなります。日本にも就航しているイベリア航空(oneworld)はもちろんのこと、日本ではあまり聞き馴染みがないエアヨーロッパ(スカイチーム)も南米へのフライトを多数、運航しています。
このような背景から、ヨーロッパを経由する場合の経由地はスペインのマドリッドとなります。なお、中国国際航空(スターアライアンス)が北京発マドリッド経由のサンパウロ行きというフライトを運航しています。

エールフランスがパリ便を運航
日本人観光客に人気のペルー・リマやチリ・サンティアゴへのフライトに関しては、ヨーロッパ経由はかなり限られます。ペルーは南米の中でも太平洋側、ヨーロッパとは反対側にあるためだと考えられます。
2025年現在、ペルーのリマ・ホルヘ/チャベス国際空港から元宗主国であるスペイン以外との直行便は、フランス・パリのみとなっています。ブリティッシュエアウェイズがロンドンからの直行便を飛ばしていましたが、コロナ禍の2020年に廃止されています。
そのため、ペルーのリマまで、日本からヨーロッパ経由で行く場合はパリ経由が基本となります。ただ、先ほども述べた通り日本からパリへのフライトはロシアを迂回するためかなり時間がかかります。そのことを考えると現状、アメリカ経由の方が早くて便利です。
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