JR四国に2014年に導入された新型の特急8600系。現在は主に、特急しおかぜ・いしづちで運転されています。
以前にご紹介した特急南風・しまんと・あしずり・うずしおと同様、コンセントやWi-Fiが完備され、かなり快適な車内になっています。この記事では、この8600系の車内を徹底紹介します。松山までやや時間がかかるけれども、それでも快適な車内で充実した旅ができます。
古参・8000系の記事も書きました。
特急しおかぜ・いしづちの車両は明るいイメージながらも快適!
8600系は特急しおかぜ・特急いしづちとして運用されている特急列車です。カーブの多い区間を、車体を傾けて高速で走行します。「特急しおかぜ」は岡山から松山を、「特急いしづち」は高松から岡山を結ぶ列車で、途中の宇多津で連結・切り離しを行います。
https://www.jr-shikoku.co.jp/01_trainbus/jikoku/hensei.pdf
特急しおかぜ・特急いしづちで8600系電車が使われる列車はこちらの「編成表」を見るとわかります。編成表で「全席にモバイルコンセントがあります」と書かれた列車は8600系で運用されることになります。
2021年12月現在、特急しおかぜ・特急いしづち号では、
- 5,11,17,23,29号
- 6,12,18,24,30号
- 102,103,106号
で8600系が使用されています。8000系の置き換えが進むでしょうから、今後さらに増えると考えられます。
特急しおかぜ・いしづちに利用されている8600系はかなり快適です。
こちらはShine Orangeを基調としたシートです。Fresh Greenを基調とした座席もあります。
後ろから見るとこんな感じ。前面から見るとオレンジなのに、後ろから見ると少しイメージは変わってきます。
1号車は半室がグリーン席となっています。残り半室が普通車指定席となっています。こちらはフレッシュグリーンの座席ですが(ごめんなさい、前からの写真がありません…)、背面から見ると同じです。
車内にはコンセント・Wi-Fiも完備!しっかり使える速度!
新型の車両らしく、全ての車両で無料Wi-Fiと、全席でコンセントが使えます。Wi-FiはJR四国の他の車両と同様に、NTT四国のものを利用しているよです。
車内のWi-Fiは速度も十分で快適!圏外になることも少ない
車内では無料Wi-Fiが利用できます。JR四国の特急列車は、今ではほとんどの車両でWi-Fiが使えます。
実際に計測したところ、4.7Mbps、上りは11Mbpsが出ていました。もちろん、車内のWi-Fiですから場所によって大きく速度は変化します。ただし、この特急しおかぜ・いしづちが走る予讃線は海沿いを走ることもあり、比較的ネットは安定していたように思います。
全席にコンセントも装備
また、座席には全席にコンセントが備えられています。肘掛けの、外側になる方にコンセントが備えられています。東海道・山陽新幹線のN700系は、窓側の下の方についているのでコードが短いと少し使いにくい。でも、特急しおかぜ・特急いしづちのコンセントは肘掛けに付いているのでかなり使い勝手がいいです。iPadを充電しながら使う、なんてこともカンタンにできました。
コンセントは肘掛けにあるので、普通に座っていると気づかないかもしれません。
iPhone純正のアダプタをさしました。コンセントの向きが、上下にソケットがある形になっているので飛び出してきません。逆にMacの充電器なんかだったら飛び出してきて邪魔なような…座っている分には問題ありませんが。
座席周りは快適にするための工夫がたくさん
続いて座席周りのご紹介です。
座席間隔は十分な広さが確保されています。特急しおかぜでは、岡山から松山まで3時間弱かかりますが、これだけ広々とした車内なら安心です。
フットレストもあります。グリーン車とは違い、靴のまま使っていいタイプのものです。
ドリンクホルダーも備えられています。3時間の長旅では、ドリンクは必須です。このドリンクホルダーはかなりありがたい存在ですよね。
もちろん、ペットボトル等を窓枠の部分に置くこともできます。が、四国は線形が悪く、途中でかなり揺れることもあります。そのため、コップに入った飲み物などを窓枠に置くことは控えた方がいいと思います。
各座席に広々としたテーブルが付いています。このテーブル、大きさもさることながら…
写真では少しわかりにくいんですが、かなり手前にテーブルが来るように設置されています。これがはっきり言ってかなり便利。かなりありがたいんです。パソコン作業をしたい僕にとっては使い心地がいい。新幹線なんかのテーブルって、座席から遠いがためにパソコン作業はしにくいんですよね。
広々としたテーブルに、手前までくる使い勝手のいいテーブル。文句はありません。
リクライニングがかなり倒れます。
倒した側から見ると、リクライニングが倒れているのがよくわかります。特急いしづちの方はお客さんがやや少ないため、自由にリクライニングを倒すことができます。
リクライニングと連動して、座面が前に出てきます。こうすることで、ただでさえかなり倒れるリクライニングが、より一層倒れている感じを出してくれます。
可動式の枕もあります。この枕が意外と快適。そして…
枕は上下に動きます。かなり高いところまで動きます。こんな高いところにして使う人は滅多にいないでしょうが。
もちろん、カーテンもあります。日差しが眩しい時はここを閉めればOK。
コートなどをかけるためのフックがあります。もっぱら、この位置のフックは「コート」用と言いながら、コンビニのビニール袋をかける人が多いですね。コンビニで何か買ってきた時、ここにかけておくと出し入れしやすいですからね。
窓枠にもフックがあります。ここにコートなどをかけたり、あるいはカバンなどをかけている人が多いイメージです。
フルカラーのディスプレイが備えられており、案内が表示されます。
車内の設備も充実!
特急しおかぜ・いしづちは3時間近いロングラン特急であり、さらにJR四国の中でも稼ぎ頭の特急列車です。そのため、車内の設備にも力が入れられています。
特急しおかぜ・いしづちには車内販売はないが自動販売機はある!
特急しおかぜ・いしづちには車内販売がありません。一度復活したのですが、それでもやはり利用者が少ないということで廃止されてしまいました。全国の特急列車等を見ても、この先もやや安定して車内販売を続けていけるだろうと思われるのは乗車率が高い東海道・山陽新幹線と東北新幹線の仙台までくらいでしょう。コンビニが発達した今、乗車前に商品を購入してしまうのが一般的になってしまいました。
車内設備の案内です。車内には自動販売機(後ほどご紹介します)やトイレも十分に備えられています。
自動販売機は最低限のものしか売っていません。また、交通系ICカードを含めた各種キャッシュレス決済は利用できません。それでも、最低限の飲料がここに備え付けられている、というのが安心できます。
デッキには携帯電話通話用のスペースも
旧型の8000系には、携帯電話用の通話スペースがありました(元々、喫煙スペースとして使用されていた場所だと思われます)。しかし、新型の8600系には携帯電話通話用の個室などはありません。変わりに、コンセント1つを備えた携帯電話利用スペースがあります。ただし、デッキなので停車時などは近くをお客さんが通り過ぎていく可能性もあります。
単なるデッキだと、通話しながらメモを取る、なんてことは難しいですよね。でも、こうやってちょっとした台を用意してくれるとかなり使いやすくなります。
もちろん、ゴミ箱もあります。JR四国では、途中駅で車内清掃担当のスタッフさんが乗車してきてゴミの回収を行ってくれたりします。これ、正直かなりいいサービスだと思います。
扉の部分には、この8600系が使われる「特急しおかぜ」「特急いしづち」のヘッドマークがあります。
冬場に使うのでしょうか?扉を開閉できるドアボタンもあります。
広々としたお手洗い
広々としたお手洗いがあるのも新型特急の特徴です。以前から特急しおかぜ・いしづちとして運用されている8000系のお手洗いは、足を載せるところが段になっている、典型的な列車内のトイレという感じでした。
今回の8600系では、トイレは洋式便所に変わっています。
トイレ内部の洗面台にはコンセントが装備されており、大型の鏡もあります。
手を洗うための洗面台は自動で水が出るタイプです。
男性用便所もあります。男女共用のところとは異なり、コンセントなどはありません。
多目的トイレはかなり広くなっています。また、特急いしづちに使用される2両編成では車間部の1箇所にしかお手洗いがありませんが、3つあるのでよっぽど困ることはありません。
今でも使われている、旧型の8000系についてはこちら!
土讃線・高徳線の特急南風・しまんと・うずしお・あしずりに使われる特急2700系についてもご紹介していますので、こちらもご覧ください。
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