首都圏から新潟を結ぶ上越新幹線。「自由席でも座れるの?」「繁忙期の指定席の混雑は?」といった疑問にお答えします。
上越新幹線の東京〜大宮は東北新幹線の線路を共用、大宮〜高崎は北陸新幹線も線路を共用しています。東北新幹線の混雑状況および北陸新幹線の混雑状況も記事として解説しました。あわせてご覧ください。
上越新幹線の予約方法や割引については、こちらの記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
上越新幹線は「とき」号と「たにがわ」号
上越新幹線には2種類の列車が走っています。「とき」号は東京から新潟まで、「たにがわ」号は東京から越後湯沢(一部列車は高崎まで)を結びます。
「たにがわ」号はほぼ各駅に停車しますが、熊谷など一部の駅を通過することもあります。「とき」号は列車によって大きく停車駅が異なります(特に高崎から先、ほぼ各駅に停車する列車もあれば、最速達便は東京ー大宮ー新潟と、途中大宮にしか停車しません)。
とき号は指定席が多い たにがわ号はほぼ自由席
とき号は指定席が多くなっています。東海道新幹線の「のぞみ」号と同じく自由席が3両編成程度ですが、最近では列車によって自由席の車両数が増減するので注意が必要です。
指定席が多く、実際に指定席もやや埋まっています(後ほど詳しく解説)。2023年3月のダイヤ改正より、臨時列車の多くが「全車指定席」となりました。この場合、自由席はなく、指定席特急券が必要なので注意してください。自由席に乗ろうと思って駅に行っても、乗ろうと思っていた列車が「全車指定席で乗れなかった」なんてことも考えられます。全車指定席化をするならば、「あさひ」を復活させ速達・全車指定席化した上で、「とき」には自由席を設定してほしいところです(JR東日本さん、分かりやすさのために考えていただけませんか)。
一方の「たにがわ」号は、グリーン車とグランクラスを除いて、多くの普通車が自由席となります。
曜日によって一部の車両が普通車指定席になることもありますが、普通車は全車自由席、または普通車指定席は設定されても1両のことがほとんどです。最繁忙期は、最大5両が普通車指定席となります。
以上のことから分かるように、東京から越後湯沢までの各駅を利用で自由席を使いたい場合、「たにがわ」号を利用すれば自由席が多く設定されているため、座れる可能性が極めて高くなります。
朝夕の時間を中心に通勤需要が大きいのが特徴
上越新幹線の1つの特徴として、通勤需要が比較的大きいことが挙げられます。東北新幹線の郡山以南と同様、上越・北陸新幹線の高崎以南は新幹線での首都圏への通勤圏となっています。
上越新幹線の自由席は、特に平日の朝夕の東京〜高崎間で混雑することに注意が必要です。
自由席で座りたいなら「たにがわ」号がオススメ
先ほども書いた通り、上越新幹線の自由席を使う場合、確実に座れるのが「たにがわ」号です。ただし、「たにがわ」号は途中の越後湯沢までしか行きません。越後湯沢から先の長岡や新潟を利用する場合、「とき」号を利用する必要があるので注意しましょう。
逆に、越後湯沢より先の長岡・新潟など、甲信越の各都市へと向かうお客さんが乗っていないのが「たにがわ」号。自由席が多く、座れる可能性が高い。あまり距離の長くない上越新幹線であれば、各駅停車でもそんなに退屈はしないでしょう。
普通車自由席は首都圏中心に混雑
まずは普通車自由席です。上越新幹線の普通車自由席は首都圏を中心に混雑します。
区間 | とき号(東京-新潟) | たにがわ号(東京-越後湯沢) |
---|---|---|
東京〜高崎 (北陸新幹線と共用) | 平日は混雑 | 平日にやや混雑 |
高崎〜越後湯沢 | やや空席がある 平日は混雑 | 空席あり 繁忙期でも空席があることもある |
越後湯沢〜新潟 | やや空席がある | ー(たにがわ号設定なし)ー |
具体的にはこちらの表の通りです。
とき号は長岡・新潟まで乗車するお客さんが多い
速達型の「とき」号は新潟まで通しで乗車するお客さんが多いのが特徴で、指定席・自由席ともにやや混雑します。ただ、高崎などで下車するお客さんもいます。自由席で座りたい場合で、特に上野や大宮から乗車する場合は、比較的停車駅の多い列車を選ぶのが良いでしょう。
実際に過去に何度か上越新幹線に乗車しましたが、ある程度まとまった下車があるのは高崎・長岡・新潟の3駅だ、という感覚です。冬季はスキー客が越後湯沢駅周辺で下車する場合もありますが、冬季限定の臨時駅「ガーラ湯沢駅」行きの「たにがわ」号が設定されるため、新潟行きの「とき」号から越後湯沢駅で下車する乗客は少ないように感じます。
ゴールデンウィークやお盆などに座りたいなら「たにがわ」号の自由席
途中の越後湯沢までしか運転されない「たにがわ」号は比較的空席が多くあります。ゴールデンウィークや年末年始などの繁忙期でも比較的空席が多いのが「たにがわ」号です。
ただ、たにがわ号は途中の越後湯沢までしかいきません。そのため、時間に余裕があるならば途中の越後湯沢までは「たにがわ」号の自由席で、そこから新潟までは立席となることも覚悟で「とき」号に乗車、という手段があります。自由席を利用するのであれば、東京駅で「とき」号に並んでみて、ダメならその後の「たにがわ」に変える、なんてのもありでしょう。
たにがわ号・とき号ともに首都圏では通勤客で混雑
たにがわ号・とき号ともに、首都圏では通勤客で混雑します。高崎などからの通勤需要が一定数あるためです。
新幹線の定期券は基本的に自由席利用となります。ただし、朝夕の通勤時間帯は自由席が多い列車も多数運転されています。そのため、混雑はするものの座れることが多いようです。
北関東の住民を中心に「新幹線通勤」を定着させたのがこの上越新幹線と北陸新幹線。かつてはとにかく「定員増加重視」に割り切ったオール2階建新幹線E4系Maxも運転されていました。
そんな感じで、朝夕の時間帯は東京〜大宮〜高崎区間を中心に通勤客もおり混雑するので、注意が必要です。かつては「新幹線定期券」で自由席にしか通勤客がいないことが多かったですが、昨今のリモートワークの普及により、週1〜2程度の勤務であれば新幹線定期券を買わず、毎回指定席を購入して乗る人もいると考えられます。
普通車指定席はやや混雑 自由席も混雑する区間があるので注意
平日を中心に、たにがわ号には指定席がほぼ設定されない、設定されてもごくわずかなので主に「とき」号についての解説になります。
とき号の指定席の混雑
とき号の指定席の混雑状況を区間ごとに表にまとめました。
区間 | とき号(東京-新潟) | たにがわ号(東京-越後湯沢) |
---|---|---|
東京ー高崎 | 混雑 直前には窓側に空席がないことも | 空席あり 【曜日により普通車指定席なし】 |
高崎ー越後湯沢 | やや混雑 窓側に空席ができ始める | 空席あり 【曜日により普通車指定席なし】 |
越後湯沢ー新潟 | 普通 窓側の8割程度は埋まる | ー(たにがわ号設定なし)ー |
東京から高崎という、やや短区間でも指定席を使う人がいるのは出張需要のためだと思われます。出張の場合、会社から経費で普通車指定席が出ることが多いため、指定席を使うのだと思われます。以前、とき号で東京から新潟へと向かったとき、高崎で一定数の下車があったのが印象的でした。
高崎から先はやや空席もあり、という感じです。ただ、東京から越後湯沢までの乗客は、多くが観光または通勤需要のため、越後湯沢での普通車指定席の乗降はやや少ない(少なくとも高崎よりは少ない)印象でした。
繁忙期の「とき」号「たにがわ」号 普通車指定席
繁忙期には上越新幹線に限らず、新幹線は増発されます。
上越新幹線は主に、とき号を中心に増発が行われます。東京から長岡・新潟など、新潟県内の各駅への帰省需要がかなりあります。また、新潟駅から特急「いなほ」に乗り継いで、村上・酒田などへの需要もあります。
実際に、混雑の状況をスクショを交えて解説します。
2022年ゴールデンウィークの混雑状況です。発車直前の様子です。指定席は全て満席となっています。
2022年お盆の帰省ラッシュ、1週間ほど前の様子です。とき号はほぼ埋まっているのがわかると思います。
2022年お盆の様子です。こちらも、とき号が埋まっています。
一方、たにがわ号はまだ空席があります。お盆など最繁忙期はたにがわ号には多数の指定席が設置されます。
たにがわ号の普通車指定席です。2022年のお盆の繁忙期には、5両が普通車指定席となっている列車もありました。
たにがわ号についてはこの通り、比較的自由席が多いため空席も多く見受けられます。確実に座りたい場合は、たにがわ号を利用するといいでしょう。
とき号の普通車指定席
とき号の指定席は4号車から10号車と、7両設定されています。比較的多いと言っていいでしょう。
ただし、列車によって普通車指定席の号車が異なる場合があるので駅などで確認してください。2023年3月からは、臨時列車を中心に全車指定席化が行われました。
ビジネスなどで利用する場合、直前に予約する人も多いようです。逆に平日であれば「えきねっとトクだ値」などの割引運賃も比較的直前まで取ることができます。
先に紹介した通り、繁忙期にはやはり新潟まで通しで乗車する人が多くなります。繁忙期は早めに予約を取ることをオススメします。
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