アメリカは広い。アメリカは大きい。
実際にそれを体験できるのがアメリカ大陸横断の旅。2023年春、実際に大陸横断鉄道を利用してアメリカ大陸横断の旅をしてきました。
アメリカらしい雄大な景色はまさに「絶景」。その絶景の様子を動画に加え、多数の写真を用いて紹介します。
アメリカにおける「大陸横断鉄道」のルート
今回、アメリカ大陸横断の旅をするにあたって最初に当たった壁が「どの列車が大陸横断鉄道なのかわからない」ということ。
アメリカ大陸横断の直通列車はない
アメリカにおける夜行列車のほぼ全てを運行するAmtrakは、シカゴを拠点としています。大陸横断の旅では基本的に、シカゴで乗り継ぎをする必要があります。シカゴで乗り継ぎをしない場合、ニューオーリンズ(ルイジアナ州)での乗り継ぎとなり、これは「大陸横断鉄道の旅」というよりは、メキシコ湾に沿った「アメリカ半周の旅」となります。
西海岸 | 乗り継ぎ | 東海岸 |
---|---|---|
シアトル サンフランシスコ(エメリービル) ロサンゼルス | →シカゴ→ | ボストン ニューヨーク ワシントンD.C. |
西海岸から東海岸までを乗り換えなしで結ぶ直通列車として、1993年からサンセット・リミテッドがオーランドまで延長運転していますが、Wikipediaによると2005年のハリケーンの影響で運休となっているようです。
途中乗り換えなしで西海岸と東海岸を結ぶ「米国史上初の定期大陸横断旅客列車」として、ニューオーリンズ – ロサンゼルスを結んでいたサンセット・リミテッドが1993年4月4日よりフロリダ州ジャクソンビルまでの延長運転を開始し、同列車の運行区間はのちにオーランドまでさらに延長されたが、2005年のハリケーン・カトリーナおよびハリケーン・リタの影響でニューオーリンズ以東の区間では運行が休止され、2018年現在もその状態が続いている。
Wikipediaより引用
実際に2023年現在、Amtrakの公式サイトで検索をしても検索結果には出てきません。したがって、アメリカ国内で東海岸から西海岸へ(またはその逆へ)、乗り換えなしで横断する鉄道はありません。基本的にシカゴで乗り継ぎとなります。
アメリカ大陸横断の経路の選定
ということで、アメリカ大陸横断の旅を計画するにあたっては、次のステップでルートを考えました。
- 西海岸のどこを観光したいか、日本からどこの都市に降りやすいかを考える
- 東海岸のどこを観光したいか、どこの都市から帰国しやすいかを考える
- シカゴの東西で乗車する列車を決定する
この順序で大陸横断のルートを計画することになります。
- 僕たちはロサンゼルスとサンフランシスコを中心に観光したいと考え、ロサンゼルスに降りてサンフランシスコまでは飛行機移動、サンフランシスコから大陸横断鉄道に乗ることにしました。
- 東海岸ではとりあえずニューヨーク、そしてワシントンD.C.を観光したいと考え、ニューヨークを到着地として据えました。
- シカゴの東では景色の美しいことで有名なカリフォルニア・ゼファー号を、シカゴの西ではシカゴ〜ニューヨーク間で定番のレクショア・リミテッドを選択しました。
この手順で大陸横断のルートを決めましょう。なお、乗り継ぎ列車の決定にあたっては遅延を考慮しましょう。カリフォルニア・ゼファー号は20時間ほど、途中駅では最大30時間ほど遅延しました。そこまで大幅な遅延となると乗り継ぎにあたっては、乗り継ぎ便の変更など対処してもらえますが、飛行機の便への乗り継ぎなどは補償されません。観光スケジュールや帰国便の決定は遅延を考慮する必要があります。
大陸横断の旅は個室の利用が圧倒的にオススメ
大陸横断鉄道の旅をするなら、予算はかかるものの個室の利用がオススメです。1名1室で個室を利用するのであれば、片道25万円程です。座席車両は半額以下となりますが、疲労感は全く違います。また、個室を利用すれば食事が全てついてくるなど、コスパは個室の方が圧倒的に高いです。
なお、アムトラックの予約方法などについてはこちらの記事で丁寧に解説しています。
主に西海岸(サンフランシスコ・ロサンゼルス・シアトル)からシカゴまでで使用されるスーパーライナー
西海岸各地からシカゴまでは、主にスーパーライナーと呼ばれる車両が使われています。2階建の車両でありながら車体の大きさが日本の鉄道とは比べ物にならないほど大きく、1階にも2階にも広々とした空間があります。
食堂車でも本格的な料理が提供され、長時間の鉄道旅をのびのびと満喫することができます。
主に東海岸(ニューヨーク・ボストン・ワシントンD.C.)からシカゴまで使用されるビューライナー
シカゴから東海岸各地までは、ビューライナーが使用されることが多いです(キャピトル・リミテッド(Capitol Limited)号;ワシントンDC – クリーブランド – シカゴなど、一部の列車でスーパーライナーが使用されることもある)。
景色が見やすいような配慮がところどころにある車両です。東海岸を中心に走っている車両で、車両によっては最近リニューアルされたものもあります(リニューアルされたものに当たるか否かは運次第ですが)。
日本からアメリカ・ロサンゼルスへ
まずはアメリカ・ロサンゼルスへ。今回はアメリカ大陸横断の旅の解説が目的なので飛行機のことは別の記事に譲ることにしましょう。
ANAの快適なプレミアムエコノミークラスで、東京・羽田空港からロサンゼルスへと飛びました。
ロサンゼルスに到着した初日は、まずバスケットボールの試合観戦から。
アメリカのプロバスケットボールチームNBAの中でも強豪のロサンゼルス・レイカーズが本拠地にしているロサンゼルス。日本人選手・八村塁も出場しており、その姿を見られました。
そして翌日から2日間、ロサンゼルス観光です。ロサンゼルスにはいろいろありますが、これも話しだすと止まらないので別の記事に譲るとして割愛。
太平洋に面したビーチ上に建設された遊園地が特徴のサンタモニカ。ロサンゼルスの象徴です。
ロサンゼルスからも大陸横断鉄道は出ていますが、サンフランシスコからのカリフォルニア・ゼファー号の方が圧倒的に景色がいいことで有名。
というわけで、ロサンゼルス国際空港から飛行機に乗ってサンフランシスコを目指します。ロサンゼルスも観光したかったからロサンゼルスへ行ったわけですが、大陸横断そのものが目的なら最初からサンフランシスコに降りるのがオススメです。
西海岸ではロサンゼルスと並ぶ大都会の都市です。写真はゴールデン・ゲート・ブリッジから見た景色。
サンフランシスコといえばケーブルカーが有名ですね。実際に乗ってきました。
California zephyr号でサンフランシスコからシカゴへ
さて、メインの大陸横断鉄道の旅の始まりです。
サンフランシスコからエメリービルへはバスで移動
カリフォルニア・ゼファー号はエメリービル駅から出発します。エメリービルはサンフランシスコの郊外にあります。アムトラックはかつてはサンフランシスコへと乗り入れていましたが、現在はサンフランシスコまでは乗り入れていません。サンフランシスコからはバスを利用します。
バス乗り場はこんなモニュメントの目の前。正直、かなり不安になります。
カリフォルニア・ゼファー号に乗るためには、8:00にサンフランシスコのバス停を出発するバスに乗る必要があります。サンフランシスコのバス停には本当にバス停の表示しかなく、ちょっと不安になります。5分前になってやっと、バスがやってきました。
エメリービル駅からアムトラックに乗車
エメリービル駅からはアムトラックに乗車します。エメリービル駅で30分ちょっとの待ち時間がありました。
列車は発車のわずか3分前にやってきました。50時間以上かかる長距離列車の始発駅にも関わらず、こんなギリギリに来るのか。列車がやってくる5分前くらいに放送でアナウンスがあるので、それにあわせてホームヘ向かいます。
アムトラックの巨大な機関車です。
カリフォルニア・ゼファー号ではスーパーライナーと呼ばれる車両が使用されています。2階建の車両でかなり大きい。
アムトラックの大陸横断鉄道には「きっぷ」という概念がありません。入り口で乗務員さんから点呼を受けます。名前を言うと乗れるのです。念の為、予約情報は提示できるようにしておきましょう。
サンフランシスコの市街地を抜けて
列車はエメリービル駅を発車しました。エメリービル駅を出発して30分ほどは比較的民家の多い場所を走っていきます。
今回の大陸横断の旅では、個室(Roomette)を利用しました。
この辺りはまだ、サンフランシスコの郊外にあるベッドタウンという感じですね。平屋が多いです。
西海岸はすぐに見えなくなります。ニューヨークなど東海岸の都市から日本に向かうと、すぐにカナダに入りアラスカ上空を飛ぶため、西海岸はこれでさようなら。
アムトラックの寝台列車の利用客は、自由にコーヒーを飲むことができます。日本にいる時から毎日コーヒーを飲む僕にとってはとてつもなくありがたいサービスです。
大草原の中を列車は走る
大陸横断鉄道は大草原の中を走ります。
列車は大陸横断鉄道らしい線路を進みます。アメリカは貨物列車が中心の世界なので、途中で旅客列車とすれ違うことはほぼ皆無。
展望車両にやってきました。展望車両では、乗客それぞれが思い思いの時間を過ごしています。
牛がいます。そして今は使われていないであろう線路が、その牧場の中心を伸びています。まさに、アメリカらしい風景です。
列車はカリフォルニア州の中では内陸にある都市・サクラメントに到着です。
サクラメントはどうも、SOUTHERN PACIFICの中心的存在の駅のようです。
最初のランチの時間です。アムトラックの寝台車では、基本的に食事がすべてついています。朝食と昼食は予約なしで食べたい時間に行くことができます。一方、夕食は事前予約制で、夕方3時ごろ〜4時ごろに食堂車のスタッフさんが予約時間の確認にきます。
景色の美しいシェラネバダ山脈
昼食を食べている間にも列車は、美しいシェラネバダ山脈を超えていきます。
大陸横断鉄道は山を越えていくため、窓から見える景色はどんどん変わります。
だんだんと雪景色になってきました。僕が乗車したのは3月下旬です。3月下旬は山奥はまだ雪景色、でも場所によっては暖かい。景色の移り変わりが激しい季節です。
外が寒くても車内は暖かい。個室はエアコンの操作も完全に自分ですることができるため快適です。
シェラネバダ山脈の最も標高が高い場所を超えたようです。ここから列車は、次のReno駅に向けて少しづつ坂を下っていきます。
美しい雪山が見えています。
サンフランシスコとは異なり、針葉樹林の景色が見えています。左手にドナー湖が見えてくるとの放送があったので、左側に陣取ります。
見えてきました。美しい。こういう景色の場所のホテルで1週間くらい過ごし、景色を眺めながらブログ記事をのんびりと執筆する。いつかやってみたい、夢です。
列車はシェラネバタ山脈を下っていきます。右手には美しい川が見えています。
列車がカーブすると先頭の部分が見える。そしてその右側には絵に描いたような美しい川と緑の木が。
美しい景色を見ながら、そこで覚えた感動をそのまま文字に残したい。僕は個室の中でブログ記事の執筆を行なっていました。
シェラネバダ山脈を下りRENO駅へ
シェラネバダ山脈を下り切った先にはRENOという街があります。列車はほどなくして、RENO駅に到着です。このRENO駅に到着の時点で30分ほどの遅延。
現在列車が走っているこの区間は、California zephyr号以外の旅客列車は通りません。走るのは1日1往復のこのカリフォルニア・ゼファー号と貨物列車だけです。そのため、車掌さんたちが駅の施錠までしてから出発します。
このRENO駅では時刻表通りであれば30分ほど停車します。このように長時間停車する駅では、外に出て空気を吸ったりタバコを吸うこともできます(放送で案内があります)。
RENO駅でバスとの接続待ちでさらに遅延。2時間ほどの遅延でもってRENO駅を出発します。先ほどまでの雪景色が嘘かと思うような景色です。
車窓から沈んでゆく夕日が見えます。これ、午後7時ごろの様子です。
夕食の時間になったのでダイニングカーにやってきました。この日は30代くらいの若い夫婦と相席でした。イギリス出身の旦那さんとアメリカ出身の奥さん。旦那さんの誕生日のご旅行だそう。
ダイニングの様子です。ダイニングらしい、のんびりとした時間が流れています。
2日目の朝は雪景色からのスタート
2日目になりました。寝台列車での夜は大層よく寝ることができました。一緒に旅をしていた知人は時差ボケに苦しめられていたのですが、なんとホテルよりアムトラックの車内の方が圧倒的に寝ることができたと。一気に時差ボケが解消したようです。
さて、朝食の時間です。ダイニングカーにやってきました。列車旅だからこそ味わうことができるこの風景。本当に美しい。美しい景色が、次の食事の際には別の美しい景色に変わっています。
2日目の朝食は元軍人の夫婦と相席。横須賀に駐在したことがあるそうで、日本の話題で話が弾みました。
雪景色の中で、2本の線路が続いています。大陸横断をしているぞ、という感覚になります。
本当にいい朝です。朝からこんな美しい景色の中で過ごすことができるとは。
展望車両にやってきました。
展望車では、それぞれが思い思いの朝の時間を過ごしています。
列車はさらに進んで、開けた場所にやってきました。砂漠地帯があって、そのさきにまた雪山が見えています。
列車はヘアピンカーブへ突入。一気に左へとカーブします。
先頭車両が見えています。機関車が3両も繋いであると迫力がある。
先ほどまで通ってきた線路がすぐ右手に見えています。列車は坂道に弱いので、カーブを描きながら下っていくのです。
昼食の時間になりました。今日の昼食はフレンチトースト。そしてポテトチップスまであります。これが結構量が多くて重たいです。
ソルトレイクシティへ
そんなこんなで昼食を食べていたら、列車はソルトレイクシティに到着しました。
ソルトレイクシティ駅では1時間半ほど停車します。この駅の段階で既に、10時間以上の遅れがあります。
ソルトレイクシティの通勤列車です。2階建なのに3両編成。日本だったら1階建6両編成の電車にしそう。
このソルトレイクシティ駅ではゴミの積み下ろし、食料の積み込み、そして機関車の交換なども行っていたので時間があった。そこで、機関車の前に行って記念撮影をしたりします。
ソルトレイクシティを出発し、再び山越へ
ソルトレイクシティ駅を出発。列車はユタ州からコロラド州へ向けて、また峠越えを始めます。
ソルトレイクシティでさらに機関車が1両追加されたようです。重たい客車を引っ張ってこの峠を越えるためには、4両の機関車が必要なんだろう。
ディナーの時間です。サーモンをいただきました。そしてこの夜はワインをいただくことに。Roometteの乗客は、アルコール飲料も無料です。1杯までなら無料、というのがルールのようですが、意外とその辺は厳格ではないのかも(?)。
夜8時の様子です。まだ、空が夕焼けで明るい。本来は明日、シカゴに到着するはずですが、まだ折り返しのデンバーにすら到着していないので多分、着かないだろう。早めに寝ます。
3日目もまた、絶景からスタート
3日目です。この日も絶景からスタート。
朝5時ごろ。とても美しい。
本当に、何度見ても飽きないほど素晴らしい、雄大な景色が窓の外に広がっています。
だんだんと日が登ってきました。朝焼けが川に映ってとても美しいです。
そろそろ朝食にいきましょうか。
ダイニングカーにやってきました。この日は1日目の夕食で相席した若い夫婦と一緒。
なんだか、窓から見える風景は秋田新幹線の在来線区間を彷彿させます。横に流れているのはデンバー川だそう。
列車はGranby駅に到着です。この駅では時刻表では30分ほど停車します。この段階で既に20時間ほどの遅れがあるので、停車時間がちょっと不明。ただし、長距離の乗客に外でリフレッシュする機会を与えるためか、しっかりと30分ほど停車します。
列車はGranby駅を出発すると、Moffatトンネルに入ります。全米で3位の長さを誇るトンネルらしいですが、僕はトンネルに入ってしばらくして居眠りをしてしまったので、長さを体感できなかった笑
トンネルを抜けて、雪景色が一気に砂漠の景色に変わりました。
先ほどまでの雪景色が嘘のよう。山を超えたので一気に列車は坂道を下ります。あちらには先ほどまで通ってきた線路が見えます。
アメリカ中部の都市・デンバーへ
列車はアメリカ中部の主要都市・デンバーに到着しました。ユナイテッド航空が成田空港から1日1便の直行便を飛ばしている都市です。
デンバーには郊外に巨大な空港があります。6本の滑走路を持つ空港で、2019年度の実績では全米6位の利用者数を誇った空港です。そのデンバー国際空港へのアクセス鉄道もここデンバーユニオン駅を発着します。
このデンバーでは1時間ほど停車するため、少し電車を降りて観光することができます。
反対側にはサンフランシスコ・エメリービル駅行きのCalifornia zephyr号が停車しています。ここデンバー・ユニオン駅はちょうど中間地点にあたるため、駅の係員さんが窓の掃除をしてくださいます。
時間があるので、アムトラックの巨大な機関車を鑑賞。本当に大きくて綺麗ですね。
グレートプレーンズを疾走
列車は1時間程度の停車をしたのち、デンバーユニオン駅を発車。このデンバーは、中学校の地理の教科書でも勉強するグレートプレーンズと呼ばれる平野にあります。
グレートプレーンズと呼ばれるアメリカ中部の平野を、列車は快調に走ります。
このグレートプレーンズでは、ピポット式の農業が盛んです。円形の農場が並んでいます。
天気がコロコロ変わります。California zephyr号は大幅に遅延、この時点で25時間ほどの遅延となっていたため、もう1泊することになりました。夕食はGeneral serviceと放送されました。アムトラック側の責任であるため、個室の乗客には無料で提供してくれるそう。
さて、翌朝です。Burlington駅です。この駅に列車は30時間遅れで到着。この駅に10時間停車する時刻表ですが、大幅な遅延のため20時間の遅延に圧縮。
今日こそは最終日となりそうです。今日の10時ごろにはシカゴに着いてほしい。
最終日の天気は微妙です。相変わらず、大草原を走っています。
シカゴの街が近づいてきました。反対側からは同じアムトラックの列車が。機関車が先頭側についているので、おそらくはどこか他の都市からやってきた寝台列車だと思います。
シカゴの街は大きいです。ANAもJALも直行便を飛ばしている都市だけあります。
シカゴに到着 シカゴを観光
列車は20時間遅延してやっとのことでシカゴ・ユニオン駅に到着です。
シカゴ・ユニオンステーションには20時間遅延して到着
結局最終的には20時間の遅延、1日遅れました。
シカゴユニオン駅は地下の駅のためややくらい。
シカゴユニオン駅の待合室まで出てきました。大きな星条旗が掲げられているのはアメリカらしい光景です。
1日でシカゴの街を満喫
アムトラックが大幅に遅延したため、想定外にシカゴは1日での観光となりました。本来の予定では、前日の午後2時ごろに到着し、1泊することができるはずだったのですが、まあ仕方ない。
シカゴで有名なのは巨大な豆「シカゴ・ビーン」。シカゴのユニオン駅からは歩いて20分ほどです。
シカゴはミシガン湖に面する都市です。シカゴ・ユニオン駅からは徒歩30分ほどでミシガン湖のほとりまで歩くことができます。
ミシガン湖の辺りに巨大な高層ビル群が。これがシカゴの街です。
シカゴ・ユニオン駅のすぐ近くにある「シカゴスカイデッキ」からは、シカゴの街並みを一望することができます。天気が良ければミシガン湖の先にミシガン州の大地が見えることも。
シカゴ ユニオン駅ではラウンジも利用可能
1日でシカゴを観光し、続いてはニューヨークへ向かう鉄道に乗車します。
アムトラックは全米の鉄道を、シカゴを中心に運営しています。そのため、シカゴ・ユニオン駅はかなり大きい。
シカゴ・ユニオン駅はアムトラックの拠点駅です。個室の寝台列車を使う乗客やアムトラックを普段からよく使う乗客はラウンジを利用することができます。食事はありませんが、スナックや飲み物を無料でいただくことができ、高速インターネットも使用できます。
大陸横断鉄道の後半戦・Lakeshore Limitedでニューヨークへ
ここ、シカゴのユニオン駅からニューヨークペンステーションまで、後半戦はLakeshore Limitedに乗車します。
シカゴとニューヨークを結ぶLakeShore Limited
シカゴのユニオン駅とニューヨークのペンステーション(ペンシルベニア駅)を結ぶのがLakeShore Limitedです。
車内の様子に関しては、詳しくは記事を作成しましたのでご覧ください。
ラウンジで待機していると、列車の案内があります。今回乗車するLakeshore Limitedは、当日シカゴのユニオン駅を発車する最終列車です。そのため、全員がこの列車に乗り込みます。
シカゴのユニオン駅は巨大なターミナル駅です。
この後半で乗車するLakeshore Limited号は、View Linerと呼ばれる車両を使用しています。詳しくは先ほどリンクを貼った記事をご覧ください。
個室はやはり、金額の面では高くなります。しかし、想定外にも5泊連続で夜行列車に宿泊することになったため、今回は個室を予約していて正解だった。
列車はシカゴのユニオン駅を発車します。地下の駅であり、出発は夜の時間のためやや暗いです。
シカゴを出発してニューヨークへ
列車は1分早く発車。日本では考えられないですが、駅自体がかなり大きく、改札という仕組みがなくて列車の入り口で各車両の係員さんが改札。そういった仕組みなので、全員が乗り込むことができていれば早く発車して問題はないのです。
夜の8時半のシカゴの街並みです。大都市だけあって、さすが、明るいです。
ニューヨーク州を横断
翌朝になりました。朝食の時間です。
昨日まで乗っていたCalifornia zephyr号とは異なり、ダイニングはそこまで本格的ではありません。
このLakeshore Limited号は、ビジネス利用も一定数あると考えられます。一方の所要時間50時間の昨日までの列車は観光需要がほとんど。そのような背景から、食事も豪華さより効率を重視していると考えられます。
すでに列車はニューヨーク州に入っています。ひとえに「ニューヨーク」と言っても、ニューヨーク州は横に長く、この区間を列車で走り切るには10時間以上かかります。
進行方向の左手には「エリー湖」が見えています。この湖の先はカナダ。この日は天気が微妙ですが、天気が良ければ美しい湖が見られる、これが「Lake shore Limited」という名前の根源です。
列車は進み、Empire Service(主に東海岸周辺のアムトラックの長距離列車鉄道網)の機関車が見えてきました。ニューヨークまではあと8時間ほどです。
途中のAlbany駅でボストン行きを切り離し
Lakeshore Limited号は、ニューヨーク行きとボストン行きが連結されています。途中のAlbany駅で切り離しが行われます。
Albany駅では1時間半ほど停車するため、外に出ることができます。そのため、ドアのところで待っていたら車掌さんが「やあやあ、君、外を見るかい?」と声をかけてくださった。日本ではあり得ない。優しい車掌さん、とても良い思い出です。
駅構内の様子です。このAlbany駅は、ニューヨークやボストン近郊を走る列車の終点の駅。かなり拠点的な駅になっています。
駅の外に出て見たのですが、意外と何もなかった。ということで、ホームに戻ってきて列車の様子を撮影することに。
ボストン行きが先に発車していきます。僕たちのニューヨーク行きが発車するのは約30分後です。
ここでニューヨーク行きの我々の列車にも機関車が連結されます。
ここからニューヨークまでは、そもそも列車の長さが半分に。機関車は1両で引っ張っていくようです。
ハドソン川を見ながらニューヨーク・ペンステーションへ
列車は定刻通り、ニューヨークのペンシルベニア駅、通称「ニューヨーク・ペンステーション」に向けて走っていきます。
列車の進行方向右側に、ハドソン川が見えてきました。
というわけで、ニューヨークに到着しました。写真は翌朝撮影した駅の様子です。
ニューヨークを観光して帰国の途へ
ニューヨークに到着。世界経済の中心地とも言えるニューヨークを観光します。
世界の中心的地位・ニューヨーク
ニューヨークには3日間の滞在です。ここニューヨークで、主要な観光スポットを回ります。
世界の交差点・タイムズスクエアです。
ニューヨーク観光のシンボル的存在である自由の女神。周辺の海域はニュージャージー州に、島だけはニューヨーク市の飛地となっています。
ANA便で帰国
ニューヨークを観光した後、ニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港から東京の羽田空港へ帰国しました。
ANAのエコノミークラスで14時間。意外と快適な旅でした。
東京行きのチケットを手にした時は、嬉しくて涙が出てきそうに。
今回、大陸横断をしたロサンゼルスからニューヨークは、直行便でも6時間。かなり長い旅程を完遂したことがよくわかります。
東京の街並みが見えてきました。東京が見えた時の安心感は、今でも忘れられない。
羽田空港に帰国しました。
今回のアメリカ大陸横断の様子は、Vlogにもまとめました。併せてご覧ください。
コメント
とっても素敵な旅行記ですね!
80歳の母のBirthday wishを叶えるために、CaliforniaからNew YorkのAmtrackでの旅を企画する予定で、このウェブサイトを見つけて大変嬉しく思っています。
ところで質問なのですが、チケットを取るとき、電車が遅れて乗り遅れたりするようなことを考慮しながら、チケットを取った方がよいのでしょうか? California – ChicagoのあとのChicagoーNew Yorkの電車を翌日にしておく、など。
なかなかAmtrackの旅をしている人の話を聞いたことがないので、このような旅行記(しかも日本語!!)ものすごく助かります。
コメントありがとうございます。私自身も日本語の情報がなく、苦労したので少しでもお役に立てたのであれば幸いです。
結論から言うと、アムトラック(電車)からアムトラックへ、遅延によって乗り遅れることはそこまで考える必要はありませんが、2時間〜3時間程度の遅延は日常茶飯事なので、3時間程度は余裕を見ておいた方が良さそうです。「この電車の遅延によって乗り継げなかった場合、駅員さんに言ってね、できるだけ対応するよ」と放送されていたので、遅延の場合は流石に変更などに対応してくださいます。
ただ現実問題、大陸横断を連続で鉄道に乗ると丸っと4日間、狭い車内にいることになるので、疲れます笑。途中のシカゴなどで何日かあった方がいいくらいなので、その意味で、時間の余裕はあったほうがいいでしょう。