九州から、沖縄から日本の各地を結ぶソラシドエア。ANAとコードシェアを行い、さらにはAirDoとの経営統合も発表され、搭乗する機会も増えています。
名古屋を拠点として活動する僕は、今までに名古屋・中部から沖縄・那覇、鹿児島、宮崎路線でこのソラシドエアを利用したことがあります。今回は、ソラシドエアの機内の様子やサービスなどを紹介します。
沖縄・九州発着路線が充実するソラシドエア
ソラシドエアは宮崎に本社を置く航空会社です。宮崎をはじめとした九州各地を中心に就航している航空会社です。
LCCじゃない!マイレージサービス「ソラシド スマイルクラブ」も
ソラシドエアという名前を聞くと、JALでもANAでもない、格安航空というイメージを持つ人が多い。ですが、ソラシドエアはフルサービスキャリア(=格安航空ではない会社)です。
格安航空では通常、手荷物の預け入れが有料ですがソラシドエアでは原則無料。さらに座席指定にも料金はかからず、支払い手数料なども取られません。しかし価格は、時期や便にもよりますが格安航空と同程度まで下がることもある。かなりお得な航空会社です。
また、格安航空ではないため自社のマイレージサービスも持っています。「ソラシド スマイルクラブ」というマイレージサービスです。マイルの貯まり具合はANAなどと同じ感じ、といった具合です。が、ANAやJALと違ってキャンペーンや提携モールなどが充実しているとは言い難いため、やや貯めにくいのもまた事実です。
北海道の翼・AirDoと経営統合し「リージョナル・プラス・ウィングスグループ」へ
2021年5月にはAirDoおよびソラシドエアの両社から、経営統合をする計画が発表されました。新型コロナウイルスの影響が出る前から、経営統合の模索していたようです。
両社ともANAの傘下であり、また競合する路線も1路線たりともないことから、経営統合による経費削減を目指すようです。機材も両社ともボーイング社に統一、AirDoこそB767を保有するもののメインはB737であるため、整備などの面で経営の効率化が図れそうです。
機内サービスは“ほぼ”フルサービス ANAのSkipサービスも
機内サービスはANAなどのフルサービスキャリアと変わりません。あえて、ANAやJALと違うところを挙げるとすれば、
- 機内Wi-Fiサービスがない
- プレミアムクラス/ファーストクラス/クラスJなどに相当する上級座席がない
などが挙げられます。逆に、これ以外の点ではANAやJALなどの大手航空会社と同じサービスを受けることができます。
ANA傘下に入ったAirDoとソラシドエアは、搭乗券発行などのシステムにおいては全面的にANAのサービスを導入しています。Skipサービスはその最たる例です。ANAは今後、Skipサービスを終了してオンラインチェックインに移行すると発表していますが、今の利便性が損なわれることはないと考えて良いと思います。
実際、ソラシドエアでもSkipサービスが利用できます。iPhoneのWalletに搭乗券を登録することで、iPhoneやApple watchで搭乗することができます。預け入れ手荷物がないことが多い僕にとってはかなりありがたいサービスです。
機材はB737 機内の設備紹介
ソラシドエアが運航する機材はB737。2022年現在、ソラシドエアはB737以外の機材を運航していません。
電源やWi-Fiがないのは残念…
B737は小型機でありながら大型機と同様の居住性があるのが特徴です。
小型機でありながらも天井は高く、広々とした機内空間を実現しています。そのため、ANAやJALも、地方路線を中心に多数のB737を運航しています。
ソラシドエアには原則、機内Wi-Fiサービスや電源サービスはありません。2018年の国際線定期化を目指して導入された新造機には機内Wi-Fi(インターネットは使えず、エンターテインメントのみ)とUSB電源が各座席に設けられました。しかし、2022年現在、これらの電源等の設備が導入された機材は1機材のみのようです。基本的には機内Wi-Fiも電源もないと考えた方がよさそうです。
ANAやJALと並ぶフルサービスキャリアである以上、機内Wi-Fiや電源の装備も進めてほしいところです。hitotuboshiさんからコメントをいただきました。ソラシドエアはMCCという部類の航空会社であり、ANAやJALとは異なり機材を自社で保有するのではなく、リース会社からリース(広い意味で「借りて」)運航しています。そのため、機体の外部にアンテナを取り付けるなどといった大きな工事ができないため、機内に簡単な装置を設置するだけで完結するWi-Fi利用のエンタメシステムの導入に留まっているようです。電源についても同様の理由で、配線などを変える必要があるため難しいのだと考えられます。
ソラシドエアの機材はB737で統一
ソラシドエアはB737で統一されています。現在、ソラシドエアはB737-800を14機保有しています。
B737は小型ジェット機ながらも大型機と同様の居住性を誇るのが最大の特徴。また、ソラシドエアが運航する沖縄・那覇〜石垣路線などの、幹線でないながらもそれなりに底堅い需要のある路線で高頻度運航することに適しています。
ソラシドエアのB737の機内の様子は後ほど詳しくご紹介します。
つばさの笑顔が目印!
ソラシドエアは翼の笑顔が目印。「Seed smile in the sky(空に笑顔をまく)」をモットーにしています。そのモットーに合わせて、翼には笑顔が描かれてます。ソラシドエアの飛行機の尾翼も、笑顔をモチーフに作られたものです。
例えばスカイマークの機材では、翼にはハートが書かれていたりと各社異なりますね。ANAは、ANAのロゴマークが描かれていたと思います。こういったところを見比べるのもなかなか面白いかもしれないですね。
B737としては標準的なお手洗いを完備
もちろん、トイレも完備されています。ソラシドエアが運航するB737としては標準的なお手洗いです。ANAやJALが運航するB737とほぼ同じであるように感じます。飛行機内のお手洗いなので、まあまあ狭いのはANAやJAL、そして海外航空会社も同じです。
洗面台もしっかり完備されています。洗面台は、蛇口を捻るのではなく、押して水を流すタイプです。飛行機内で水葉とても重要なので、ほとんどの機材でこのようなタイプが採用されています。
そして僕が登場した便では、CAの方が毎回、洗面台などを確認してくださっていました。特にドリンクなどのサービスがひと通り終わった後であったことも要因でしょうが、そのようにしっかり気を配ってくださるのは、とても些細なことかもしれませんが、かなり評価が高いです。
ソラシドエアの機内・座席の様子を写真を用いて解説
最後にソラシドエアの機内の様子をご紹介します。ソラシドエアは、フルサービスキャリアとしてかなり快適性が高い。格安航空ではないので座席間隔も十分確保されており快適です。
ソラシドエアは国内線普通席で最も快適!
ソラシドエアの座席がこちら。ANAやJALなどの座席より厚みがあります。ただし座面はレザーカバーになっており、布でできているANAやAirDoとは異なります。
座席は、両サイドが盛り上がっており、これがなかなか快適。ANAやJALに比べて快適です。個人的な快適さの比較は、
ソラシドエア>ANA=AirDo>スターフライヤー>JAL
だと思います。これは完全に個人的な感想です。
何度も書いている通り、格安航空ではないので座席間隔も十分な間隔が確保されています。
もちろん、座席にはテーブルも
座席にはもちろん、大きなテーブルがついています。ソラシドエアは2023年現在、国際線の定期路線を運航していないため国内線専用であり、長時間利用はあまりありません。それでも、国際線に投入されても不安のないような設備です。
座席背面のテーブルで、幅は座席一杯使っています。十分広く、快適に食事をしたりパソコン作業をしたりできます。
飛行機ではよくある、手前にスライドさせて使うことができるタイプのテーブルですね。
パソコン作業なども十分できる広さです。僕はガッツリ、ブログ記事の執筆を進めていました。
頭上にはシートベルトサインや読書灯、そしてアテンダントさんを呼ぶボタンや空調装置があります。この辺りは、どんな飛行機に乗ってもほぼ同じですね。
ドリンクサービスは「アゴユズスープ」がオススメ
ソラシドエアはフルサービスキャリアなので、ソフトドリンクは無料で配布されます。ソラシドエアで特徴的な飲み物は「アゴユズスープ」。これがなかなか美味しい。
アゴユズスープはコンソメ風味ながらも柚子が効いていてなかなか美味しい。
スープ以外にもドリンクはあります。国内線では比較的普通のラインナップ、といった感じか。
この記事では、ソラシドエアの機内の様子などを子紹介してきました。沖縄・九州と各地を結ぶソラシドエア。機内にはWi-Fiや電源こそないものの、座席はかなり快適。
特に閑散期であれば比較的格安で乗ることも。また、ANAとコードシェアを行っているため、ANA便名として乗る機会もあるでしょう。是非とも九州・沖縄に行く際には使ってみては?
コメント
ソラシドエアはANAやJALのようなFSCではなく、MCCという類の航空会社になります。機内Wi-Fiがないのは、機内Wi-Fiのサービスを行うには機体の上部にアンテナを設ける必要があり、ソラシドエアの機材は、JA806Xを除き全てリースなので、そう簡単に改修ができないから出そうです。
なるほど、そういうことだったのですね。この説明で納得しました。自社で「機体本体」に改造を加えない範囲でサービスを最大限導入するとなれば、現行の「インターネット接続なしのWi-Fiエンタメサービス」となるのですね。Wi-Fi電波を飛ばしてはいるのに、インターネット接続ができない理由がとても納得できました、ありがとうございます。