東北新幹線・北海道新幹線E5系・H5系「はやぶさ」などの車内を徹底紹介

北海道
北海道新幹線東北鉄道車内徹底紹介関東・甲信越
この記事は約12分で読めます。

東北新幹線および北海道新幹線で使用されているE5系とH5系。320km/hに対応する「はやぶさ号」の車両として投入されましたが、だんだんと本数を増やし、今では「やまびこ号」「なすの号」でも運用されています。この記事では、そんなE5系・H5系を紹介します。

北海道新幹線はやぶさ号のVlog

なお、東北新幹線および北海道新幹線の「はやぶさ」号の車窓映像をまとめたVlogも作成しました。あわせてご覧ください。

スポンサーリンク

東北新幹線・北海道新幹線のE5系/H5系

E5系・H5系は東北新幹線・北海道新幹線の顔。東北新幹線・北海道新幹線の最速達便である「はやぶさ」号はこの車両で運転されます。

東北新幹線・北海道新幹線のE5系/H5系
E5系(新青森駅にて)

JR東日本のE5系 JR北海道のH5系

E5系・H5系と2種類ありますが、基本的には同じ。E5系はJR東日本が所有する新幹線車両、そしてH5系はJR北海道が所有する新幹線車両です。

JR東日本のE5系 JR北海道のH5系
手前がE5系 奥がH5系(新函館北斗駅にて)

北海道新幹線の新青森〜新函館北斗の開業にともない、JR北海道も新幹線を持つことになりました。この際、JR北海道は自社で新幹線車両を開発することはせず、JR東日本が使用しているE5系を、デザインのみ一部カスタマイズして導入しました。

JR東日本のE5系 JR北海道のH5系
北海道を模したロゴがついたH5系

そういった背景があるため「E5系」「H5系」と2つの名称がありますが、車内の設備などは大きな差はありません。

なお、E5系とH5系のいづれが使用されるかは列車ごとに決まっています(後ほど解説します)。

E5系・H5系の最高速度は320km/hと国内最速

E5系・H5系は最高速度が320km/hであり、国内の鉄道としては最速です。なお、東海道新幹線の最高速度は285km/hで、山陽新幹線の最高速度は300km/h。九州新幹線や北陸新幹線・上越新幹線については260Km/hとなっています。同じJR東日本の新幹線でも、東北新幹線は直線的な線路でかつ、距離が長いため最高速度が高くなっています。

ただし、E5系・H5系で運転される新幹線であっても「はやぶさ」号以外は原則、320km/h運転を行わないダイヤになっています(列車遅延などで320km/h運転を行う場合もあります)。また、320km/h運転を行うのは2022年現在、宇都宮〜盛岡間です。現在、盛岡〜新青森間での320km/h運転対応に向けて騒音対策などの工事が行われています。

E5系・H5系の最高速度は320km/hと国内最速
E5系新幹線(仙台駅にて)

今後は、北海道新幹線内での速度向上なども行われるとの報道もありました。リニア中央新幹線によって、鉄道のシステム自体を新しくすることによって速度向上を目指す東海道新幹線に対し、東北新幹線は今の線路のままでスピードアップを選んでいます。今後の速度向上も楽しみですね。

JR北海道所有のH5系の運用は決まっている

H5系とE5系は基本的な構造は同じであるものの、一部デザインが異なります。代表的な違いとして、車体のラインが挙げられます。車体のラインが、E5系では赤色っぽくなっているのに対し、H5系(JR北海道所有の車両)についてはラベンダーをイメージした紫色のラインになっています。

H5系についてはこちらの記事で詳しく解説しています。H5系とE5系の違いや、H5系の運用など、幅広く紹介していますので、ご覧ください。

JR北海道所有のH5系の運用は決まっている
ラインがラベンダー色(紫色)になっているH5系

H5系が使用される列車は決まっています。2022年4月現在、次の7列車でのみH5系(JR北海道所有車両)が使用されることになります。車両のレンタル料などを相殺する関係で、距離の比に応じて運用が決められているため、JR北海道所有のH5系が使用される列車は圧倒的に少なくなります。以下、H5系で運転される「はやぶさ」号の時刻表を掲載しておきますが、間違っている可能性があります。また、変更等の可能性があります。運用変更などの情報がありましたがコメント欄でコメントいただけると幸いです。

まずは下り(東京から新函館北斗方面)の列車です。列車一覧にすると4列車になりますが、東京〜仙台の便と仙台〜新函館北斗の便が1便づつあるので、実質3往復です。

列車名発着駅・時刻
はやぶさ95号仙台6:40→新函館北斗10:07
はやぶさ17号東京11:20→新青森14:43
はやぶさ29号東京17:20→新函館北斗21:48
やまびこ223号東京21:44→仙台23:47
下り(東京→新函館北斗方面)H5系時刻表

続いて上り(新函館北斗から東京方面)の列車です。こちらは3列車です。1列車が新青森発なので、北海道新幹線内では2往復のみとなっているのが少し残念。

列車名発着駅・時刻
はやぶさ10号新函館北斗6:35→東京11:04
はやぶさ22号新函館北斗12:44→東京17:04
はやぶさ32号新青森17:44→東京21:04
上り(新函館北斗→東京方面) H5系時刻表

なお、日常的に運用されるのは2編成です。4編成製造、1編成が地震で廃車、1編成は青函トンネルの緊急事態用に待機となっています。2編成の運用一覧はこちらの通りです。

編成充当列車
編成①はやぶさ10号→はやぶさ17号→はやぶさ32号*→やまびこ223号
編成②はやぶさ95号*→はやぶさ22号→はやぶさ29号
2編成の運用
「*」の後に一旦車庫に引き上げるため、車両入替の可能性あり

突発的にH5系が使われることも原則ないようで、H5系に乗りたいのであればこの列車を狙うのがよいでしょう。なお、2022年3月の震災では、このうちの1つである「やまびこ223号」が地震で脱線してしまいました。そのため、H5系ダイヤの列車でもE5系が代走しているケースもあります。

スポンサーリンク

車内にはWi-Fi・コンセント 普通車の車内を徹底紹介!

E5系・H5系は最新型の新幹線として、コンセントやWi-Fiなどの車内設備も充実しています。

東北新幹線・北海道新幹線のE5系・H5系にはWi-Fiやコンセントも設置

E5系・H5系には全車両にコンセントが設置されています。ただし、E5系については一部列車で、コンセントの設置が窓側座席のみとなっています(全席にコンセントが設置されている車両もあります)。H5系新幹線については、全席にコンセントが設置されています。

東北新幹線・北海道新幹線のE5系・H5系にはWi-Fiやコンセントも設置
車内では「JR-EAST FREE Wi-Fi」が利用可能

また、車内では無料でWi-Fiが使用できます。最近、東北新幹線・北海道新幹線についても全区間で携帯電話の電波が使用できるようになりました。新幹線の車内Wi-Fiはこの電波を使用しています。基本的に全区間でインターネット接続が利用できます。

ただし、新幹線のWi-Fiはあまり速くありません。速度を必要とする作業、例えば大きなデータのやり取りや動画ストリーミングなどはあまり期待しない方が無難です。

東北新幹線・北海道新幹線のE5系・H5系にはWi-Fiやコンセントも設置
窓側座席に設置されたコンセント

E5系・H5系の全ての車両で、窓側座席にはコンセントが設置されています。コンセントは足元にあります。個人的には、N700Sのように肘掛けにあった方が使いやすいような感じがしてしまう。

東北新幹線・北海道新幹線のE5系・H5系にはWi-Fiやコンセントも設置
一部のE5系とH5系には全席にコンセント設置の車両も

一部のE5系とH5系の全車両には全席にコンセントが設置されました。窓側座席以外でもコンセントが利用できます。ただし、E5系で運転される車両に関しては、どの車両がコンセント全席設置車両かは運次第となります。

東北新幹線・北海道新幹線のE5系・H5系の座席を徹底紹介

東北新幹線・北海道新幹線で使用されているE5系・H5系の座席は、新幹線としては至って普通の座席です。ただ、東海道新幹線の車両とは全く異なる座席になっているため、座席の様子を大量の写真を交えてご紹介していきます。

東北新幹線・北海道新幹線のE5系・H5系の座席を徹底紹介
車内の様子

まずは車内の様子から。座席は2+3の配列になっています。この辺りは、東海道新幹線と同じ。特に東京から仙台の間などでは需要が相当あるため、それを配慮してのことだと思います。

東北新幹線・北海道新幹線のE5系・H5系の座席を徹底紹介
3人掛けの座席

3人掛けの座席は、中央の座席が少しだけ広くなっています。両サイドにお客さんがいる場合に、圧迫感を感じないようにとの配慮です。

東北新幹線・北海道新幹線のE5系・H5系の座席を徹底紹介
2人がけの座席

2人掛けの座席はこんな感じ。新幹線に乗るといつも感じるのですが、新幹線は前後間隔が広いため、なんだか無駄な解放感があるような感じ。

東北新幹線・北海道新幹線のE5系・H5系の座席を徹底紹介
新幹線らしい大きなテーブル

そして、新幹線らしい大きなテーブルも備え付けられています。

東北新幹線・北海道新幹線のE5系・H5系の座席を徹底紹介
テーブル

広げるとこんな感じになっています。パソコン作業も手軽にできますし、食事などにも使えます。

東北新幹線・北海道新幹線のE5系・H5系の座席を徹底紹介
最前列のテーブル

最前列のテーブルは奥行きがかなり広くなります。

東北新幹線・北海道新幹線のE5系・H5系の座席を徹底紹介
ドリンクホルダー

さらにドリンクホルダーも備え付けられています。東海道新幹線にはありません。窓側の座席であれば窓枠の部分に飲み物を置くこともできるのですが、それ以外の座席では窓枠などに飲み物を置くことができません。

リクライニングシート・枕が快適

東海道新幹線とは違い、座席に枕があるのは大きな特徴です。

リクライニングシート・枕が快適
座席のリクライニングを倒した様子

リクライニングを倒すとこれくらい倒れます。新幹線にしては普通かな。

リクライニングシート・枕が快適
元々が垂直に近い

元々が垂直に近い。最近ではプレリクライニングなんて言って、最初からある程度倒れている座席もあります。最初の状態でもう少し、角度があっても良かったのかもなって思ったり。

リクライニングシート・枕が快適
リクライニングと同時に座面もスライドする

リクライニングと同時に座面もスライドします。これによって、包み込まれているような感じでリクライニングをすることができます。リクライニング機構による座面のスライドは、最近の新幹線・特急列車ではかなりスタンダードになってきましたね。

リクライニングシート・枕が快適
東海道新幹線にはない、枕

そして、座席には枕も装備されています。

リクライニングシート・枕が快適
枕は可動式

可動式の枕で、上下に動きます。まあ、正直これはあまり使いませんが、いざ寝たい、みたいな時には地味に便利だったりはします。

スポンサーリンク

グリーン車の車内も快適

続いて、E5系のグリーン車の車内の様子です。E5系では、10両編成のうち新函館北斗寄り2両目となる9号車がグリーン車になっています。

E5系のグリーン車については、こちらの記事で詳しく紹介しています。こちらの記事も併せてご覧ください。

グリーン車の車内は落ち着いた空間

グリーン車の車内の様子です。茶色を基調とした座席で、非常に落ち着いた空間になっています。茶色を基調としたデザインは、東海道新幹線の車内を彷彿させるデザインです。

グリーン車の車内は落ち着いた空間
E5系のグリーン車

また、グリーン車の車内は普通車内と異なり床がカーペット敷になっていることも大きな特徴の1つです。

グリーン車の車内は落ち着いた空間
グリーン車の座席

グリーン車の座席の様子です。普通車の薄型のシートと比べてかなり重厚感があることがおわかりいただけるでしょう。クッション性も高く、快適な座席です。

リクライニングに加えてレッグレストも完備

E5系の座席の特徴として、リクライニングに加えてレッグレストも完備されているという点です。他の新幹線グリーン車にはなかなかない機能です。

リクライニングに加えてレッグレストも完備
リクライニング&レッグレストを使用した状態

リクライニングとレッグレストを倒すとこの状態。かなり倒れます。グランクラスほどではありませんが、仮眠を取るには十分な深さまで倒れます。

リクライニングに加えてレッグレストも完備
リクライニングはボタン レッグレストは電動

リクライニングは電動ではなく、ボタン式になっています。その一方、レッグレストは電動で動くようになっています。

リクライニングに加えてレッグレストも完備
レッグレストを使用した状態

レッグレストを上げた状態です。なおE5系新幹線では、レッグレストが完備されている代わりにフットレストがありません。

全席にコンセントを設置 テーブルも2つ

普通車でも一部の新しい編成には全席コンセントを設置していますが、グリーン車には全編成の全席にコンセントを設置しています。グリーン車は座席の間の肘掛けが広いため、この肘掛けの部分にコンセントが設置されることが多いです。

全席にコンセントを設置 テーブルも2つ
肘掛けのコンセント

肘掛けのコンセントが設置されているため、コンセントでスマートフォンを充電、そのまま肘掛けの部分に置いておくという使い方ができます。

全席にコンセントを設置 テーブルも2つ
各座席にはテーブルを完備

各座席にはテーブルが完備されています。テーブルは座席の背面から出てくるタイプのテーブルになっています。

全席にコンセントを設置 テーブルも2つ
テーブル

普通車と変わらない、かなり広々としたテーブルです。テーブルは前後に並行移動するため、手前に引き出してちょうど良い位置で使用することができます。

全席にコンセントを設置 テーブルも2つ
肘掛けから出てくるタイプのテーブル

肘掛けから出てくるタイプのテーブルです。このテーブルは作業などをするためのテーブルではなく、飲み物などを置く程度のテーブルです。

全席にコンセントを設置 テーブルも2つ
読書灯も完備

さらに読書灯も完備しています。グリーン車の車内は普通車の車内と比べて、照明がやや暗く設定されています。そのため、夜の時間帯などでは読書灯があった方が便利に感じることもあるでしょう。

全席にコンセントを設置 テーブルも2つ
ドリンクホルダー

さらに各座席にはドリンクホルダーが完備されています。簡単な飲み物であれば、このドリンクホルダーに置いて置くことができて便利です。

グリーン車の車内の様子については、さらに詳しく記事を作成しようと考えています。記事の公開までしばらくお待ちください。

スポンサーリンク

新幹線らしく車内設備も充実

続いてはE5系・H5系の車内設備です。新幹線らしく車内設備は充実しています。

新幹線らしく車内設備も充実
車内設備の案内

大きな荷物などの置き場も充実

帰省などで新幹線を利用する場合、必然的に大きな荷物が多くなります。こういった状況にも対応するため、大きな荷物を置いておくためのスペースもしっかり用意されています。

大きな荷物などの置き場も充実
荷物置き場

大きな荷物置き場が、デッキのスペースではなく客室内のスペースにあるのもGOODなポイントですね。

大きな荷物などの置き場も充実
フルカラーのディスプレイ

車内にはフルカラーのディスプレイがあります。

大きな荷物などの置き場も充実
もちろん英語にも対応

もちろん、英語にも対応しています。

お手洗いや洗面台などの設備も充実

新幹線ですから、もちろんお手洗いなどもあります。東北新幹線では最新型の車両ともあって、お手洗いもかなり綺麗です。

お手洗いや洗面台などの設備も充実
多目的トイレ

2両に1つはお手洗いが設置されています。なお、車椅子でも利用できる多目的トイレは、5号車に設置されています。

お手洗いなどの設備も
清潔なお手洗い

お手洗いはもちろん、清潔に保たれています。最近の新幹線では、基本的に洋式便所になっており、快適です。

お手洗いなどの設備も
ウォシュレットも装備

当然のように、ウォシュレットも装備されています。僕の中では、特急や新幹線のトイレが新しいか新しくないかは「ウォシュレットがあるか否か」が判断基準。ここはさすがです。

お手洗いなどの設備も
洗面台

洗面台もこんな感じ。個人的にこのJR東日本が採用する洗面台は好き。左から順にそのまま使えばしっかり手が洗える、なんて便利な洗面台でしょう。

車内販売・自販機はないので注意!

E5系・H5系に乗車する場合に注意しなくてはならないのが「車内販売等が列車により異なる」こと。JR東日本では2023年9月現在、東北新幹線では「はやぶさ」「こまち」号においてのみ、車内販売が行われています。なお、JR東日本の在来線では、特急ひたち号・あずさ号以外では車内販売は行っていません(「乗って楽しい列車」ではカウンターなどで車内販売が行われています)。

車内販売・自販機はないので注意!
E5系新幹線

個人的には、自動販売機1つ設置するだけでも利便性は大きく異なるのになあ、と思ってしまいます。


東北新幹線・北海道新幹線に乗る際にお得な「えきねっとトクだ値」について解説記事を作成しました。合わせてご覧ください。

北海道新幹線はやぶさ号のVlog
スポンサーリンク
参考になったらぜひシェアしてね!
InstagramとYouTubeも見てね!

コメント

  1. たなかれいこ より:

    新青森発17:44のはやぶさは32号ではなく42号ではないですか。

    • Dolphin Dolphin より:

      はい、その通りですね。失礼しました。
      訂正させていただきます。ご指摘ありがとうございます。

  2. たなかれいこ より:

    今は首都圏に住んでますが、北海道に長く住んでいたので、年に一度は仙台の帰りに42号を選んで乗っています。

  3. のー より:

    ほんとに17号運用入っているのですか?

  4. のー より:

    はやぶさ17号ってほんとに運用されてますか?

  5. Dolphin Dolphin より:

    失礼しました、21号の間違いです。21号は実際に、半月ほど前に運用に入っていることを確認しています。

タイトルとURLをコピーしました