西九州新幹線開業によって、博多から武雄温泉を結ぶことになった特急「リレーかもめ」「特急みどり(リレーかもめ)」。このリレーかもめの車内の様子や自由席の混雑状況について解説していきます。
また、西九州新幹線の車内の様子などについては別途記事を作りました。ただし、自由席の混雑状況については西九州新幹線の混雑状況も併せて解説します。
武雄温泉駅で西九州新幹線かもめ号と接続する特急リレーかもめ
特急リレーかもめは、武雄温泉駅で西九州新幹線かもめ号と接続します。
行き先は「長崎」と表示される
特急リレーかもめ号は、武雄温泉駅で西九州新幹線かもめ号と同じホームで接続します。
博多から長崎を結ぶルートは現在、
博多〜佐賀〜武雄温泉〜長崎
というルートであり、このうち、武雄温泉〜長崎間のみが新幹線が完成しています。佐賀県内の区間が、佐賀県の反対により着工の目処が立っていない状態です。
特急リレーかもめは、新幹線と接続して実質的に長崎まで向かうため、行き先は「長崎」と表示されます。リレー方式のデメリットを少しでも感じさせないようにしているとも捉えられます。
駅の表示や、列車の行き先表示では「長崎」と表示されます。実際には武雄温泉で乗り換えが必要なので注意が必要です。
武雄温泉駅で西九州新幹線「かもめ」号と接続
特急リレーかもめは、名前の通り新幹線かもめ号と接続する列車です。武雄温泉駅で西九州新幹線かもめ号と接続します。
同一ホームでの接続となるので、向かい側の列車に乗れば問題ありません。改札などもありません。接続時間は概ね3分程度に設定されているので、時間にめちゃくちゃ余裕があるわけではありません。
西九州新幹線で長崎へ
2022年9月23日、西九州新幹線の武雄温泉から長崎の間が開通しました。佐賀県内の着工の目処が経たない状況での開業となりました。
西九州新幹線は片道の所要時間がおおよそ25分、距離は66キロとかなり短い新幹線です。ただ、昔から肥前山口駅(現・江北駅)から長崎駅の間は有明海に沿って進むためにカーブが多く、スピードが出せない区間でした。
そのため、たった66キロの開業により、博多〜長崎の所要時間は30分ほど短縮されました。西九州新幹線「かもめ」号については別の記事で紹介しているので、こちらもご覧ください。
西九州新幹線にはN700S系が導入されています。JR東海が開発した最新鋭の車両に、JR九州ならではのデザインが施されています。
その独特なデザインも魅力的です。便利に、近くなった西九州新幹線で長崎へと行ってみませんか。
特急リレーかもめ/特急みどり(リレーかもめ)の自由席には座れるか?
特急かもめは、特に博多から佐賀の間で混雑する傾向にあります。また、通勤需要も相当数あるため、朝夕の時間帯を中心に混雑します。
ここでは、特急かもめ号の自由席の混雑状況について詳しく解説していきます。まずは特急「リレーかもめ」「特急みどり(リレーかもめ)」の自由席の混雑状況の解説です。
博多から佐賀の間はかなり混雑する傾向にある
長崎本線の特急は、特に博多から佐賀の間は混雑する傾向にあります。佐賀県内各駅からは特急で博多まで通勤しているお客さんも多いためです。
この区間は、特急「リレーかもめ」「特急みどり(リレーかもめ)」に加えて、武雄温泉で新幹線かもめ号に接続しないタイプの特急「みどり」、特急「ハウステンボス」なども走っており、特急列車の本数はかなり多くなっています。
また、休日についても博多に出かけるお客さんが多く、朝の上り(博多方面)列車や、夕方の下り(佐賀・長崎方面)列車が混雑します。ただし、平日と比べると朝の上り列車のピークは遅い(9時台〜10時台ごろ)ように思います。
ほぼ同一区間には特急「みどり」「ハウステンボス」「かささぎ」も
特急リレーかもめが走る区間は特急列車が多数行き来する区間です。特急リレーかもめ以外にも多数の特急列車が走っています。
例えば佐賀〜博多間などを利用する場合は、特急「みどり」「ハウステンボス」「かささぎ」などの利用を考えてみるのも良いでしょう。
特急みどり・ハウステンボスの混雑状況などについても別途記事にまとめてあります。また、車内の様子も徹底的に紹介し、ご好評をいただいている記事です。
自由席より指定席の方が混雑する傾向に
JR九州はネット予約の普及に力を入れています。「JR九州ネット予約」では、「かもめネットきっぷ」が発売されています。普通車指定席と普通車自由席を同額で利用することができるのがこのネット予約限定の「かもめネットきっぷ」です。
またビジネスマンを中心に「新幹線なら指定席を」と考える場合が多いようです。会社の経費で利用できる場合もあるのでしょう。
そういった背景があり、普通車指定席より普通車自由席の方が空いていることがあります。西九州新幹線かもめ号は普通車自由席と普通車指定席で座席が異なりますが、特急リレーかもめは同一の座席です。指定席があまりに混雑していて通路側座席しか確保できない場合、指定席を放棄して自由席を利用するのもいいでしょう。
出入り口の問題か、特急「リレーかもめ」は武雄温泉・佐世保方面の車両(1号車側)の方が混雑しています。博多側の6号車方面へ向かうと、座席がかなり空いていることが多いです。
特急リレーかもめ号の車内を徹底紹介!
最後に、特急リレーかもめの車内を紹介します。写真を大量に用いて、徹底的に紹介していきます。
なお、西九州新幹線「かもめ」号の車内はこちらの記事で紹介していますので、併せてご覧ください。
特急リレーかもめ号にはさまざまな種類の車両が
特急リレーかもめは、さまざまな種類の車両で運転されます。主に787系と885系、そして783系です。
まずはこちらの黒い車体。787系です。787系は九州各地で運転されている特急列車です。元々は特急「つばめ」として運転されており、九州新幹線全線開業によって余剰となった車両が、今では九州各地で運転されています。列車によって長さが違ったりと、さまざまなタイプの車両が走っています。
885系です。白い車体で「白いリレーかもめ」と表記されています。元々は博多〜大分間の特急「ソニック」として投入されたものです。
特急かもめ 787系
まずは特急かもめのうち、「黒いリレーかもめ」と呼ばれる787系から。
787系は漆黒の車体で、九州各地で見ることができます。JR九州の看板特急列車です。
元々は、博多から熊本を経由して鹿児島中央までを結ぶ特急「つばめ」用の車両としてデビューしました。現在でも座席の横の部分などに「つばめ」の表記が見られたりします。
座席は至って普通の特急列車です。九州新幹線(博多〜熊本・鹿児島中央)が開業する前から走っていた特急列車にもかかわらず、快適な車内設備です。
座席背面にはテーブルがあります。新幹線などに比べると広いテーブルとは言い難い。横幅はありますが奥行きが少し狭いという感じを受けます。
フットレストも装備されています。JR九州の特急列車には、普通車であってもフットレストが装備されていることが多いです。
読書灯もあります。読書灯は、新幹線であればグリーン車にしか装備されていないものです。787系は、車内が比較的暗いイメージ。特に夜の時間帯はこれがあると便利です。
普通車の中では4号車が唯一、他の車両と異なります。他の車両とは入口がまず異なります。
座席はこんな感じ。他の車両の座席より豪華な内装になっています。
天井はドーム状になっています。これは、この4号車が元々特急「かもめ」として運転されていたとき、ビュッフェだったから。特急つばめ号は比較的所要時間が長かったため、この4号車にビュッフェが設けられていたのです。
天井がドーム状になっており、頭上の物入れが設置できないため、足元がかなり広く作られています。大きな手荷物も足元に置くように、とのことだと思われます。
4号車の半分は「セミコンパートメント」のシートになっています。3人以上で乗車する際に利用できます。3人以上の普通車指定席特急券を同時に購入する場合に利用できます。
ほぼ個室になっています。ドアこそないものの、グループでの旅行には最適です。787系電車は、九州各地で何度も利用していますが、ここを利用している人は見たことがありません。周りのお客さんも少ないので、グループで利用するならば穴場です。
特急リレーかもめ号は、西九州新幹線開業によって時間が短縮されたのでセミコンパートメントを使うほどではないかもしれません。
座席は普通車の座席とほぼ同じ。ただし、セミコンパートメントはコンパートメントにするための壁があるため背後にリクライニングができません(リクライニング機構そのものが、このセミコンパートメント座席には装備されていないようです)。
テーブルは広げることもできます。これだけ広ければ、お弁当などを買い込んで乗車し、みんなで広げる、なんていったことも可能ですね。
完全に広げるとかなり大きなテーブルになります。この状態では、座席への出入りがかなり不便なので折りたたみ式のテーブルにしてあるのだと思われます。
また、中央には雰囲気のいい感じのライトがあります。夕方から夜の時間帯にかけて乗車するとかなりいい感じ。
頭上にはしっかりと物置が設置されています。ただし、普通車をはじめとした各座席の物置よりは少し小さい。大きのキャリーバックなどを置くのは少し難しそうに感じます。
グループで利用するなら、セミコンパートメントも考えてみると良いでしょう。
また、JR九州の特急列車には自動販売機が設置されていましたが、JR九州では2022年春のダイヤ改正をもって、順次車内の自動販売機を撤去していく旨発表しました。実際に現在では、車内の自動販売機は利用できなくなっています。
お手洗いはかなり広々としていて使いやすいです。
洗面台は周りが木目調になっており、とても使いやすいです。
特急リレーかもめ 885系
885系・特急かもめ号には、グリーン車(1号車)と指定席となる2号車・3号車の全席にコンセントが配置されています。指定席には全て、コンセントが設置されていると考えて問題ないでしょう。
885系は、2001年にデビューした車両で、初めは特急「ソニック」として投入されました。787系より比較的新しい車両です。振り子式の特急列車で、カーブを高速で通過できるのが大きな特徴です。
こちらの車両にも、787系と同様のエンブレムがあしらわれています。
車内の様子も、787系と比べると明るく、新しい座席が配置されています。座席もこちらの方が座り心地が良く、ふかふかしています。
787系などの座席と比べて、背もたれなどには厚さがあるため快適です。当然、リクライニングも十分倒れます。
テーブルはインアーム式となっており、中央の肘掛けの部分から出すことができます。テーブル自体は、西九州新幹線のN700S系と同じです。なお、座席背面にはテーブルは設置されていません。
インアーム式のテーブルとしては十分な広さがあり、食事やパソコン作業も比較的快適にできます。
2つの座席のテーブルを両方出すとこんな感じ。グループなどで利用する際に、座席を向かい合わせにして利用する際もテーブルが使えるように配慮されています。
在前列にはちょっとしたテーブルがさらに設置されています。
先頭部分は曇りガラスになっていたので何も見えないんだなぁ、と思っていたら…
発車すると前が、特に運転台が綺麗に見えるように。非常ブレーキにセットされると曇りガラスになるようです。駅に停車している際は基本的に、非常ブレーキに合わせられているようです。
車内設備もご紹介していきます。白いリレーかもめは6両編成で運転されています。
JR九州の特急列車は車内がとても綺麗なのが大きな特徴です。
デッキのスペースも木の温もりを感じられるデザインになっています。西九州新幹線開業前は、ここから眺める有明海の海の景色が最高でした。
携帯電話の通話のためのスペースだそうです。僕はよく、気分転換のためにこのスペースを利用していました。
JR九州の特急列車には、携帯電話の通話だけではなく、ちょっと飲み物をもってきて休憩、に使える場所がところどころにあります。
お手洗いは、787系とは対照的に結構狭い。ただ、787系が広すぎたので、これだけの大きさがあれば十分だよ、って感じもします。
特急「みどり(リレーかもめ)」783系
特急みどり・ハウステンボスは主に、783系電車で運転されます。この特急みどり・ハウステンボスが「リレーかもめ」の名前を冠して西九州新幹線と接続することもあります。
佐世保方面のお客さんからしたら、余計に混雑するだけで迷惑な感じもしますが、ハウステンボス編成を併結して全て「特急みどり」とし、座席数を増やすなど、多少の配慮もあります。
この特急「みどり」「ハウステンボス」は、JR九州が初期に開発した車両です。特急みどり・ハウステンボスの車両はJR九州の初期から使われているものです。そのため、座席はやや古さを感じさせます。
車内はこんな感じ。1両に、扉が中央の1箇所しかありません。A室とB室という形で、「キャビン」が2つに分かれています。
座席は黒を基調としたデザインで、モックアップ自体は新しいようです。
続いてテーブル。お世辞にも大きいとは言い難い。特に、新幹線と接続するようになってビジネス需要も相当数あるはずなので、大きなテーブルが欲しいところ。
窓枠に飲み物くらいなら置くスペースがあります。そのため、テーブルの場所がめっちゃ取られる、ということはありません。
特急ハウステンボス用の車両の方がやや豪華です。
座席は木目調を基本としています。床面にも木が貼ってあります。特急ハウステンボス用の編成は、武雄温泉側の1号車〜4号車です。8両編成の「特急みどり(リレーかもめ)」の場合は利用してみると良いでしょう。
2022年春のダイヤ改正をもって、JR九州の在来線特急および新幹線から自動販売機が撤去されました。特急みどり・特急ハウステンボスにおいても自動販売機のサービスはありません。
この「特急みどり(リレーかもめ)」にも携帯電話通話用のスペースが用意されています。こういったスペース、JR九州の特急には必ずといっていいほどあります。これは気分転換に本当にいい。
2022年春のダイヤ改正をもって、JR九州の在来線特急および新幹線から自動販売機が撤去されました。特急みどり・特急ハウステンボスにおいても自動販売機のサービスはありません。
お手洗いの扉が黄色になっています。ちょっとこれは派手。今まであまり見たことのないデザインですが、なんだかんだで周りの雰囲気と合っている。
お手洗いの内部に入ってみると、青色を基調とした壁になっていてなんだか不思議な感じがします。
JR九州の初期から使われているだけあって、ウォシュレットなどの最新の設備はありません。
洗面台は蛇口をひねるタイプではなく、自動で水が流れるタイプになっています。
トイレのライト1つをとってもJR九州らしい、おしゃれなライトになっています。この写真はポートレとで撮影しましたが、あまりポートレート感が出てませんね。
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