広島エリアを走る観光列車「etSETOra」。瀬戸内海の景色を眺めながら優雅な旅を楽しむことができます。
今回、実際にこのetSETOraに乗車してきました。その様子をレビューしていきます。
広島から呉まで乗車記 あっという間の時間だった
観光列車エトセトラ(etSETOra)は、広島から尾道までを結ぶ快速列車です。広島から尾道まではおおよそ3時間。結構長い。
今回、呉を観光したいと考え、ちょうど良い時間帯に観光列車エトセトラ(etSETOra)があったので、呉までの1駅区間だけですが乗車してきました。たった1駅とはいえおおよそ1時間弱、結構時間はあります。
停車駅と時刻
停車駅と時刻表は、2022年3月現在次のようになっています。2021年までは、復路において宮島口までの運転がなされていました。ただ、宮島口に到着するのが18:00近くという利便性の低さもあってか、2022年3月現在、往路復路ともに広島から尾道(呉線経由)となっています。
[往路]広島~尾道(呉線経由)
- 広島9:32発
- 呉10:23発
- 安芸津11:13発
- 竹原11:26発
- 忠海11:37発
- 三原12:18発
- 尾道12:32着
[復路]尾道~広島(呉線経由)
〈平日〉
- 尾道14:38発
- 三原14:54発
- 忠海15:18発
- 竹原15:29発
- 安芸津15:43発
- 呉16:37発
- 広島17:35着(平日は17:22着)
広島を発車後からカートによる車内販売
広島駅から快速エトセトラに乗り込みます。広島駅の7番線乗り場から出発でした。
早速乗り込むと、車内の雰囲気はこんな感じ。おお、なんだか落ち着いた雰囲気がなんとも言えない素晴らしさ。
なお、あらかじめ車掌さんが空席情報を参照し、予約が入っている座席には記念乗車証が置かれていました。
出発してすぐに、アテンダントさんから乗車記念証vol.2としてコースターと、車内販売メニューが配られます。
車内販売は、1時間に1回程度座席を回ってワゴンによる販売をしてくれるそう。それ以外の時間はカウンターでの販売になりますが、車内販売が回ってくれるので実質的にカウンターはアテンダントさんの待合室的な場所になっています。
車内販売メニューは、こちらにも掲載されています。
コーヒーが飲みたいと思っていたのですが、ちょうどメニューにあったのでコーヒーを注文することに。ついでに瀬戸内レモンケーキも買いました。
このコーヒー、なかなか美味しかった。宫島伊都岐珈琲というところの珈琲だそう。
車内でのワゴン販売が一通り終わり、落ち着いた雰囲気の車内です。
トンネルに入るとこんな感じ。車内の照明が暖色だったりするともう少し、トンネルに入った時に雰囲気が出るのになあ、と思わなくもない。
瀬戸内海を眺めながら呉へ
列車は瀬戸内海を眺めながら呉へと向かいます。
天気が良く、雲ひとつない天気。天気って結構大事。
牡蠣の養殖が行われているのがわかります。瀬戸内海らしい景色です。
列車はあっという間に呉駅に到着しました。呉では3分ほど停車します。僕はここで下車します。
エトセトラはこの先、尾道まで向かうんですよね。遠い。
改めて前面を撮影。古い気動車の雰囲気も残っていますが、塗装が完全に塗り直されているので雰囲気はある。
海軍の街として有名な呉駅。今でも海上自衛隊の重要な拠点となっています。戦前は海軍の街として、全国10位以内に入る巨大都市だったんだとか。
エトセトラの車内の様子を徹底紹介!
続いては観光列車エトセトラ(etSETOra)の車内の様子をご紹介していきます。
座席は瀬戸内の海をイメージ 1号車と2号車で色が違う
座席は瀬戸内の海をゆくヨットをイメージしています。普通の列車とは一味違った座席。背もたれが低いですが、意外と快適です。
4人用テーブルの様子はこんな感じ。2022年現在、新型コロナウイルス感染拡大防止のためのパーテーションが設置されています。
4人用テーブル及びカウンター席は海側に設置されています。反対側には2人がけのテーブルが設置されています。
2号車が緑色を基調とした座席であるのに対し、1号車はオレンジ色を基調とした座席になっています。
座席は色が違うだけで、基本的な構造は同じだと思われます。
カウンター席は横並びになっています。1人旅をしている僕にとっては、グループでなくても利用できてありがたい席です。
1人がけカウンター席の座席はこんな感じ。肘掛けが少し小さいですが、あまり気にはなりませんでした。
パーテーションにはエトセトラのロゴがあしらわれています。新型コロナウイルス対策として仕方ないとはいえ、そこにも観光列車らしさを出してしまう。
電源があるがUSB 車内にはWi-Fiも
各座席には電源があります。USB-TypeAの電源です。僕はUSB-Type Cの電源をメインで使っているため使えませんでした。USB電源だけで、AC100Vのコンセントは設置されていません。
車内にはWi-Fiも設置されています。車内のWi-Fiサービスは使っていないので速度を実測はしていません。ただ、定員が少ない全席指定の列車であることもあって、それなりに繋がると思われます。
電源やWi-Fiが設置されるのは、時代の流れですね。
荷物置き場や大きなお手洗いも
車内には荷物置き場なども設置されています。
窓は瀬戸内海をゆく船をイメージした丸い窓になっています。
荷物置き場も設置されています。大きな荷物を持って宿泊旅行で乗り込む場合でも安心して利用することができます。
車内のバーカウンターの様子です。アテンダントさんたちが休憩してらっしゃったので、正面からは写せませんでした。
お手洗いはさすが、綺麗で清潔です。かなり新しい便器に取り替えられていました。
観光列車etSETOraの予約方法 e5489が使いにくい…
観光列車etSETOraは、全席グリーン車指定席で、グリーン車指定席券を持っていないと乗車できません。
全車指定席で、乗車券の他に普通列車指定席グリーン券が必要です。料金は、広島駅~尾道駅でおとな2,520円、こども1,760円(乗車券+グリーン券の合計)となっています。その他、途中の呉まで、などであれば少し安くなります。
JR西日本のe5489では座席表が使えない
観光列車etSETOraは、JR西日本が運転する観光列車です。
最近ではJR各社もオンライン予約サービスを充実させており、etSETOraを運転するJR西日本も「e5489」を運営しています。「etSETOra」も例に漏れず、e5489で予約することができます。しかし、このetSETOra、JR西日本の「e5489」では座席指定ができないという大きな穴があります。
「その他の特急・新幹線予約」から予約をします。
e5489で検索をします。広島から尾道で、「新幹線を利用」のチェックを外して検索。
検索位結果にしっかりと出てきます。空席がある場合、空席状況の部分を選択します。
きっぷの一覧が出てきます。僕はJR西日本のクレジットカード「J-westカード」会員なので「eきっぷ」が表示されています。観光列車エトセトラでは、eきっぷの設定はあるものの割引はありません。J-westカードを持っていない場合は「eきっぷ」は表示されません。
選択をするのですが、これが座席表から選ぶことができません。座席位置の指定はできます。そこでA席を選択して「乗車券なし」で予約をしてみることに。なお、エトセトラはJR西日本エリアで完結する予約となるため、e5489の各種特典を受けられます。最悪、別の予約で使う予定があったので一旦予約をしてみるとにしました。
支払い画面へ行きます。
受け取りエリアに関する注意事項が出てきます。エトセトラの停車駅はどこでも受け取りが可能なのであまり気にしなくて大丈夫でしょう。
決済はオンライン上で行われます。昔はきっぷの受け取り時に決済が行われていた記憶もあるのですが、気のせいでしょうか。少なとも今は、この「購入(決済)する」をクリックしたときに決済が行われます。
決済が完了した時点でやっと、座席番号が出てきます。この仕様は変えて欲しいところ。決済の前に座席番号がわかるようにしてほしい。
ということで、この座席を公式サイトの座席表と照らし合わせてみたところ、4人がけのテーブル席であることがわかりました。何度変更しても、テーブル席にしか変更されないので、e5489での予約ではカウンター席は制限されている可能性があります。JR西日本のサイトだし、ここは改善して欲しいところです。
JR東日本の「えきねっと」では座席表が使えるが注意事項も
そこでネットで調べてみたところ、「えきねっと」であれば座席表が使える、との情報をキャッチしました。そこで、えきねっとを使って予約をしてみることに。(e5489での予約は、別区間の予約に変更して使う予定があったのでそちらに流用しました。)
通常通りの検索画面から、e5489と同様に「新幹線を利用」はチェックを外します。
えきねっとを利用する際に注意しなくてはならないのが、JR西日本エリアでは受け取りができないこと。2022年4月1日以降、JR東海の券売機でも受け取りが可能になります。それでも、最も近い駅でも新大阪駅でしか受け取りができません。ここは非常に注意が必要です。
えきねっとにはしっかり出てきます。
乗車券を申し込む・申し込まないの選択をします。
えきねっとでは「座席表(シートマップ)から選択する」をクリックすることができました。
そして開いてみると、しっかりシートマップが表示されるではないですか!ただ、このシートマップを見てわかるように、やや特殊な配列となっています。そのため、JR西日本の「e5489」がシートマップに対応していないのだと思われます。
さらに謎な現象が、2号車は選択できないこと。ここはあくまで予想ですが、JR西日本側が、JR西日本以外での発券を1号車に制限しているものと思われます。「座席が存在するものの発券を制限する」ということ自体は、2022年春のダイヤ改正で特急「くろしお」などが全車指定席化された際、特急定期券の利用客向けに座席を残しておくことを目的としても行われていますね。
実際に選択できました。希望の座席が選択されていることを確認して決済へ進みます。
予約情報を確認して進みます。
繰り返しになりますが、JR西日本エリアでは受け取りができないことに注意してください。2022年4月1日以降、JR東海の券売機でも受け取りが可能になります。それでも、最も近い駅でも新大阪駅でしか受け取りができません。僕はその前に東京に用事があったので、東京駅で受け取りました。
JRのみどりの窓口も活用しよう
えきねっとでの予約の難点は、重要なので3回目になりますがJR西日本エリアでは受け取りができないこと。2022年4月1日以降、JR東海の券売機でも受け取りが可能になります。それでも、最も近い駅でも新大阪駅でしか受け取りができません。
そのため、一番安心なのは最寄りのJR駅のみどりの窓口で受け取るのがおすすめです。駅員さんにお願いすれば、シートマップを見せてもらい、その中から選ぶこともできます。
今回、僕はたまたま東京に予定があったためえきねっとを利用しましたが、普段、JR東日本のエリアを使わない人は「みどりの窓口」を使うのが最善の選択肢でしょう。みどりの窓口であれば全国どこでも発券できます。
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