品川・東京・上野から常磐線 水戸・いわきを経由して仙台までを結ぶ特急ひたち号。そして、主に途中の土浦・勝田までを結ぶ特急ときわ。
特に特急ときわ号と特急ひたち号の両方が走る区間は本数も多く便利。今回、特急ひたち号に、実際に始発駅・仙台から終着駅・品川まで乗車してきました。この特急ひたち号・特急ときわ号の車内を徹底的に紹介していきます。
特急「ひたち」「ときわ」のなかで最長区間となる、品川・東京→仙台の特急「ひたち」号に乗車し、Vlogを作成しました。あわせてご覧ください。
特急ひたち・ときわの予約方法
特急ひたち号・特急ときわ号は通常の在来線特急であるため、JRの券売機などで予約することができます。ただし、首都圏から仙台近郊エリアまで移動する場合、新幹線経由の特急券を薦められることもあるので乗り換えを避けたい場合は注意が必要です。
JR東日本が運営するネット予約サイト「えきねっと」をフル活用すれば割引も!これらの割引なども含めて紹介していきたいと思います。
水戸までは本数が多くて便利
特急ひたち号は主に品川・東京・上野から仙台までを、特急ときわ号は途中の土浦・勝田までを結んでいます。2025年3月のダイヤ改正では、臨時列車を除いた全ての特急「ひたち」「ときわ」号が品川駅発着となりました。
特急ときわ号は、特急ひたち号の停車タイプ&途中駅までタイプの列車で、特急ときわ号と特急ひたち号が重複して走っている区間は毎時2本程度の特急がありかなり便利です。
割引は「えきねっとトクだ値」またはチケットレスがオススメ
JR東日本の運営する列車のオンライン予約サイト「えきねっと」には、割引きっぷが充実しています。特急ひたち号・ときわ号でも利用できるのが「えきねっとトクだ値」です。
早めの申込で最大30%OFFとなります。10%OFFのきっぷでも実質前日まで(当日午前1:50まで)と、かなり直前まで予約することができます。
利用区間 | 通常価格 | 10%OFF (乗車当日までの申込) | 30%OFF (乗車13日前までの申込) |
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東京-水戸 | 3,890円 | 3,490円 | 2,710円 |
東京-いわき | 6,290円 | 5,650円 | 4,390円 |
東京-仙台 | 9,280円 | 8,350円 | – |
「えきねっとトクだ値」に関しては、別の記事で予約方法なども徹底的に解説しました。利用方法などについても詳細に扱い、予約方法もスクショを用いて徹底的に解説しました。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
また、えきねっとには在来線特急の「チケットレスサービス」があります。スマホが特急券代わりになるきっぷで、乗車券等を既に所持している場合はきっぷの受け取り無くして特急に乗車できます。
チケットレス特急券は通常の特急券より100円安く設定されています。たった100円ではありますが、特急ひたち号より長い乗車券(例えば、水戸から横浜など)や学割乗車券などとも併用することができます。さらに、JREポイント(JR東日本が運営するポイント)が貯まるので、100円という額面以上に使い道があるきっぷです。
特急ひたち・ときわの「座席未指定券」は座席未指定券は座れるのか
特急ひたち号・特急ときわ号は全席指定席で自由席はありません。ただし、本数が多いため、ビジネス需要などの時間が読めない需要を踏まえて「座席未指定券」というものが販売されています。
座席未指定券は普通車指定席と同額で、この切符を使うと普通車指定席の空いている座席に座ることができます。また、駅窓口などで指定席の交付を受けることも可能です。実際に乗ってみたイメージでは、座席未指定券のままで乗ってくるお客さんも一定数いました。
特急ひたち号・特急ときわ号は10両編成であり、需要が大きい常磐線を走る特急とはいえ、やや余裕のある定員が確保されています。したがって、座席未指定券でも座れることが多いでしょう。
また、後ほど車内の様子を紹介する所で触れるように、その座席の予約状況もチェックすることができます。その座席が指定されている区間に近づくと、頭上のランプで教えてくれるのです。これらの機能をうまく活用すれば、座った座席にお客さんが予約を入れていた、などということがなくなるため快適に利用することができます。
全席コンセントにWi-Fiまで…普通車指定席の座席の設備徹底紹介
続いては特急ひたち号の車内の様子を徹底的に紹介していきます。全席にコンセントが設置されるなど、JR東日本の中でもドル箱路線の特急列車としてかなり力を入れていることがわかります。
コンセントやWi-Fiが装備されていて快適
まずは10両中9両が充てられている普通車指定席。普通車の座席はこんな感じです。
黒を基調とした座席となっており、落ち着きがあります。座席自体もかなり大きく、座り心地も上々。
全席にコンセントが設置されています。肘掛けの部分に設置されています。
通路側座席であってもコンセントを使えるのは大きなメリットです。
最新の東海道新幹線N700Sなども同様に肘掛けの部分にコンセントが設置されています。このコンセントの配置は使いやすくて個人的には気に入っています。
また、全席で車内Wi-Fiサービスが使えます。最近のJRの特急列車には、特に需要が大きな路線を中心に車内Wi-Fiサービスが使える車両が増えてきました。
車内のWi-Fiは、速いとまではいえませんが遅くもありません。交通機関などに設置されているWi-Fiサービスとしては十分な速さと言えるでしょう。ただし、列車のWi-Fiサービスは走行位置によって速さなどが変わるため、必ずしもどこでもこの速度とは限りません。やはり首都圏に近ければ近いほどつながりやすい印象でした。
座席には大きなテーブルが設置されています。食事やちょっとしたパソコン作業には便利。僕は仙台から東京まで4時間、完全にワークスペースとしての役割を果たしてくれました。
ドリンクホルダーも設置されています。コップの飲み物などを持ち込んだときにこれは助かる。窓側の座席であれば窓枠に置くこともできるでしょう。
オススメは先頭車両!揺れの少ない車内はとても快適
常磐線の特急ひたちに乗っていてものすごく感じたのが「揺れの少なさ」。揺れの少なさが半端ではありません。常磐線はそれなりに需要のある路線であるためしっかりと整備がされているのでしょう。
それに加えて特急「ひたち」「ときわ」に使用されるE657系では、先頭車両(1号車と10号車)とグリーン車(5号車)には「フルアクティブサスペンション」が付いています。このフルアクティブサスペンション、端的にいうと「揺れ防止の最先端の技術」で、乗り心地は本当に良い。
特に、東日本大震災で大きな被害を受けて、9年間にわたる運休をやむなくされた福島県〜宮城県内の路線は、高架化など設備がかなり拡充された。だけではなく、フルアクティブサスペンションによって、首都圏に入ってきてもかなり快適。本当に揺れが少ないのです。
普通車の座席にも枕がついています。この枕が結構快適。寝るのにはもちろん、普通に座っているだけでもかなりありがたいのがこの枕です。
僕は写真を撮る以外の目的で枕の位置をずらすことはありませんでしたが、結構ずらすこともできます。
テーブルでiPadを使った作業です。電源もWi-Fiもある環境で、僕は完全にワークスペースとして時間を有効活用させてもらいました。
車内の座席上ランプで空席状況もわかる
特急ひたち号・特急ときわ号には車内の座席上部にランプがあります。このランプを見ると、その座席が埋まっているか否かが分かります。
座席上ランプの色の違いがテーブルに記載されています。
赤色に点灯している場合、空席です。予約が入っていないので「座席未指定券」で座ることができます。黄色に点灯している場合、指定席が発売された区間が近くなっています。もし、その座席に座っていた場合は移動しましょう。
緑色の区間では、指定席が発売されています。緑のランプがついた座席に座っていれば、基本的に車掌さんの検札は省略されます。
特急「ひたち」「ときわ」のグリーン車の内部を徹底紹介
続いては特急「ひたち」「ときわ」のグリーン車指定席の様子を紹介します。特急「ひたち」「ときわ」は10両編成の車両で運転され、その中で5号車がグリーン車指定席となっています。
グリーン車の車内は落ち着いた雰囲気
特急「ひたち」「ときわ」のグリーン車の車内の様子です。普通車指定席が、開放感のある明るい「ビジネスのための空間」を意識して設計されているのに対して、グリーン車は「落ち着いた雰囲気」が特徴的です。
普通車指定席と同じ2+2の座席配列であるため、一部からは評判が悪い。ですが、車掌室や車内販売の準備室がこの5号車に併設されているため座席数も少なくなっており、個室感があって快適です。
座席も、普通車と比べて重厚感のある作りになっています。背もたれの両側が盛り上がっており、身体を包み込むような構造になっています。
ヘッドレストなども装備して快適な座席空間
グリーン車はゆっくりとくつろぐことができる、グリーン車ならではの空間があります。座席の前後間隔が広いことと合わせて、快適に過ごすことができます。
普通車指定席と同様、ヘッドレストが設置されています。ヘッドレストの位置も上下に調整することができます。
グリーン車では定番となっているフットレストです。新幹線のグリーン車のように、板状のフットレストの方が使い勝手がいいのですが。ここはバー状のフットレストが装備されています。
広々とした可動式テーブルを装備 コンセントも全席に装備
さらに、広々とした可動式のテーブルが、グリーン車の全席に装備されています。パソコン作業をしたり、あるいはお弁当を食べたりといったことも安心しできます。
座席の幅をほぼ目一杯使った、広々としたテーブルが設置されています。これだけの広さがあれば、まず困ることはないですね。
さらにグリーン車は座席間隔が広いため、水平に可動式のテーブルになっています。手前に引き出して使用することができます。
なお、特急「ひたち」「ときわ」のグリーン車には各座席にテーブルが1つです。インアーム式(肘掛けから出てくるタイプ)のテーブルが設置されているJRのグリーン車もありますが、残念ながらありません。
普通車と同様、全席にコンセントが設置されています。コンセント周りは普通車と同様な感じで、肘掛けの部分に設置されています。パソコン作業などより、スマートフォンの利用を意識した配置です。
グリーン車に実際に乗車してきましたが、普通車と同じ2+2の配列であるため、グリーン料金を課金する価値があるのかは疑問符がつくのが正直なところ。ただし座席のクッション性なども高いため、快適性は高くなります。ビジネス作業がしたいのであれば普通車指定席で十分、特に疲れている場合はグリーン車を使えばいいでしょう。
JR東日本の主力特急E657系の車内設備の紹介
最後に車内の設備のご紹介です。特急「ひたち」「ときわ」では、JR東日本の主力特急車両であるE657系が使用されています。
10両編成の長い車両
特急「ひたち」号と「ときわ」号に使用されるE657系は、10両編成という長い編成で運転されます。特急「ひたち」と「ときわ」は同じ車両が使われています。
2011年3月11日の東日本大地震以降、9年間にわたって不通が続いた常磐線。この常磐線の復旧を象徴する首都圏直通特急として運転が再開された経緯があります。JR東日本としては、特にいわきから先などの区間で10両編成は長過ぎるが、でも震災からの復興を象徴する存在として10両の長大編成を颯爽と走らせたいという意図があったんだとか。素晴らしい、いいお金の使い方だと思います。
車内の案内が座席テーブルの背面に書かれています。10両編成とかなり長いです。お手洗いは、車両と車両の間には、どちらかの号車についています。
車内の案内もフルカラーで見やすい。また、扉の周りも木目調の素材が使われており、なかなか魅力的な車両になっています。
お手洗いなどの設備も最新に!
最新の車両であり、お手洗いもかなり綺麗に整備されています。
洗面台は暗い木目調になっており、かなり落ち着いた雰囲気を感じます。蛇口も自動で水が出るタイプとなっています。
お手洗いもこんな感じ。ただ、最近の新しい車両では搭載されることが多いウォシュレットが装備されていないのが少し残念です。
車内販売は、いわき〜品川で実施
特急ひたち号、特急ときわ号では車内販売が行われています。アテンダントさんによるワゴンサービスがあります。
車内販売のメニューについては、JR東日本で新幹線や特急列車の車内販売業務を担当している「株式会社JR東日本サービスクリエーション」のホームページに掲載されています。
ただし、特急ひたち号のいわき〜仙台間では車内販売の営業がありません。また、車内には自動販売機の設置もありません。ワゴンサービスについても、特急ひたち号・特急ときわ号は10両編成と長いため、ワゴンサービスが来るのに時間がかかることもあります。
車内には自動販売機等の設置はありません。したがって、特にいわき以北で特急ひたち号に乗車する場合は、予め駅で飲み物などは購入しておく必要があります。
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