快速海里は、以前走っていた「きらきらうえつ」号の役割を引き継ぎ、2019年10月からJR東日本が運転している列車です。
JR東日本が、自社路線の各地で運転する「のって楽しい列車」の1つで、全席指定席となっています。「新潟・庄内の食と景観を楽しむ列車」をテーマとしており、食事などのサービスに重点を置いているのが特徴です。
実際に、新潟から酒田まで、この快速「海里」に乗ってきましたのでご紹介します。
快速海里の車内徹底紹介
観光列車として2019年にデビューした快速海里。まずは車内の様子を徹底的に紹介していきます。
座席はA席を狙え!普通車指定席(1号車)
快速海里が走るのは日本海沿い。日本海の絶景は、この快速海里の大きな見どころとなっています。
快速海里で日本海側の座席はA席です。日本海沿いに絶景が多いので、是非ともA席を確保したいところです。
1号車はリクライニングシートとなっています。えきねっとやみどりの窓口、指定席券売機など通常のJRの切符として購入することができます。
リクライニングシートには大きなテーブルも備え付けられています。後ほど紹介する、事前注文のお弁当などを食べる時に便利です。
ただ、ひとつだけ気になったのが、シートピッチが大きすぎること。シート感覚があまりに大きいため、ご飯を食べるときに少しテーブルが離れていて食べにくいのもまた事実。
快速海里号には車内販売があります。3号車が1両まるっ売店スペースになっています(売店スペースの様子は後ほど紹介します)。観光列車ではやっぱり、飲み物も購入したくなる。机を広げなくても使えるドリンクホルダーがあるのはかなり大きいです。
僕も実際に、売店で購入した「雪国紅茶」をおいていました。駅でカップの飲み物などを購入して持ち込んでもここに置いておくことができます。
1号車の様子はこんな感じ。五能線の観光列車「リゾートしらかみ」に乗った時もそうでしたが、快速列車の普通車指定席なのに座席間隔があまりに広い。
車内にはモニターがあり、全面展望や地域の紹介などが映し出されています。全面展望が映し出されているのは、全体の半分くらいの時間だったと思います。
コンパートメントはほぼ個室!(2号車)
2号車にはコンパートメントの座席があります。コンパートメントはほぼ個室。家族で使う場合などはかなり快適。ただし、少人数での利用だとコンパートメントは相席になる可能性があることには注意が必要です。「3人以上で利用可能」などの人数制限をし、相席にならないように丸ごとコンパートメントを予約できるようにしてほしいものですね。
内部の様子はこんな感じ。中央に大きなテーブルがあるのが印象的です。
快速海里のテーマの一つとして「食」があります。食事をみんなで楽しむことを目的としたテーブルでしょう。実際に乗った時は、ここでパソコンを広げてドラマを観ている家族とかもいてびっくり。いや、景色を楽しもうよって。
個室なので、ライトの操作なども比較的自由にすることができます。ただ、快速海里号は夜などの暗い時間帯に走ることはなさそうなので正直スイッチがあっても使わなさそう。
荷物用の棚もあります。後ほど紹介しますが、大きな荷物(キャリーバックなど)を置くためのスペースも別で用意されています。
コンパートメント座席には、1号車のリクライニングシートにはないコンセントも装備されています。ただし、コンパートメント1つにつきコンセントは1箇所です。
2号車は、当然っちゃあ当然ですがコンパートメント座席は全て海側に作られています。山側に通路があり、トンネルに入ると雰囲気がなかなかよかった。
日本海の絶景が続く!
実際に乗車してきました。
列車は日本酒が美味しい新潟駅を出発。快速海里は「日本海の絶景」を楽しむ列車だけあって、日本海の絶景を見ながら走ります。
景勝地として有名な「笹川流れ」周辺です。
冬の日本海らしい景色が続きます。波が荒く、海岸付近では白くなっているのが特徴です。
この日は天気が悪いとは言えないがいいとも言えない。天気が意外と重要なのがこのエリア。
日本一周旅行にて撮影した写真です。天気が良い日の夕方にこの辺りを通過するとこんな感じ。まさに絶景です。
最上川を渡り列車は酒田に到着します。酒田は昔から、最上川を用いた水運で運ばれてきたものを、日本海へ出す貿易拠点の街として栄えたところです。
海里号の特製弁当も実際にチュモンしました。
中身はこんな感じ。温められていなかったのが少し残念だなあとは思ってしまいました。
和食のお店として有名な「加島屋」(かしまや)のお弁当です。「新潟では、鮭や筋子などで有名なお店です。お値段がはりますが、とてもおいしいのでぜひお食べになってみてください。」とのコメントをいただきました。次に新潟に行った際にはぜひ、店舗にも足を運びます。
「加島屋」(かしまや)の案内。鮭がこの辺りは有名らしい。快速海里号の車内の案内でもそういった紹介がありました。
特製弁当のメニューです。もちろん、全て美味しかったです。その中でも特に「クリームチーズと照焼帆立の和え物」が気に入った。クリームチーズと帆立がマッチしていて、その組み合わせをさらにおいしくする照焼の味付け。これが食べてみなくてはわからない、絶妙な美味しさなのです。
車内販売や全面展望、車内Wi-Fiなど、観光列車らしい設備
車内販売のメニューと、事前予約制のお弁当についてはこちらのサイトに掲載されていますので参考にしてくださいね。
今回の乗車では、実際にお弁当も注文してみたのでそれも含めてご紹介します。
車内販売でお菓子や飲み物も
車内ではお菓子や飲み物などの車内販売もあります。3号車に販売カウンターがあり、ここで飲み物や軽いスナック類の購入ができます。また、事前予約制のお弁当の引き渡しもこのカウンターで行うことになります。
3号車の売店の様子はこんな感じ。観光列車らしく、しっかりとした作りの売店が設置されています。
快速海里号の記念グッズも並べられていました。これらの記念品も購入できます。
車内販売のメニューはこちらのサイトに掲載されています。
3号車の半分はイベントスペースとなっており、かなり広い空間が用意されています。僕が乗った日はイベントなどがなかったため、ただただ広い空間があっただけ。
売店ではお弁当の販売がありません。お弁当は完全に事前予約制となっています。ネットでも予約できます。予約方法については後ほど詳説します。
車内にはWi-Fi ただしコンセントはコンパートメント席のみ
快速海里号は観光列車であり、車内にはモニターやWi-Fiなどの設備があります。
車内のディスプレイは、1号車には3つほど設置されています。進行方向後ろの方の座席でも観やすいように配置されています。
Wi-Fiの速度を実際に計測してみました。公共交通機関で提供されるWi-Fiは、都会部分では速いがトンネル内などで遅くなるなど、走っている場所によって速度が変わります。あくまで参考値です。
前面展望や荷物置き場、お手洗いなどの共用設備
続いては展望スペースやお手洗いなどの共用設備のご紹介です。
先頭車両には展望スペースが設けられています。4号車はツアーのお客さん専用のエリアのため、通常のJRきっぷで乗車している場合入ることができません。1号車は通常のJR指定席として発売されるリクライニングシートです。1号車が先頭になるのは下り・新潟→酒田の便です。
前面展望も楽しむことができます。羽越本線は、日本海沿いを通る箇所を除くと、特に大きな駅の前後ではかなり直線に線路が敷かれている印象です。
なぜか、展望スペースにコンセントがあります。このコンセントがここにある理由は少し謎な部分がありますが、1号車のリクライニングシートの乗客でもコンセントが使えるには使えます。
お手洗いの様子はこんな感じ。比較的綺麗なお手洗いで、広々しています。
ボタンの色が少しおしゃれかな、ってのと壁紙が快速海里のイメージにあったものになっています。それ以外は、普通の在来線特急列車のトイレと大きく変わる点はなかったように思います。
洗面台も清潔です。蛇口は自動で水が出てくるタイプになっていて、それなりに新しい観光列車らしい設備です。
予約は「えきねっと」からの予約が最も便利!
1号車・2号車は通常のJR指定席として発売されます。一方、4号車はツアー商品として発売されます。指定席料金は840円と、他の快速列車よりやや高く設定されています。
1号車・2号車は通常のJRのきっぷと同様、全国の「みどりの窓口」などで発券できますが、オンラインで予約が完結する「えきねっと」がオススメです。快速海里の時刻表を掲載しておきますが、観光列車であることもあって「冬ダイヤ」「時刻を変更しての運転」「秋田延長運転」など、頻繁に時刻変更があるので必ず乗車の際は確認してから乗車してください。
停車駅 | 下り(新潟→酒田) | 上り(酒田→新潟) |
---|---|---|
新潟 | ↓10:11発 | ↑18:31着 |
新発田 | ↓10:37発 | ↑18:06発 |
中条 | ↓10:50発 | ↑17:55発 |
坂町 | ↓10:58発 | ↑17:47発 |
村上 | ↓11:08発 | ↑17:36発 |
桑川 | ↓11:24着 ↓11:44発 | ↑17:21発 ↑16:52着 |
笹川流れ (日本海の景観) | ↓(ビューポイント) | ↑(ビューポイント) |
あつみ温泉 | ↓12:20着 ↓12:30発 | ↑16:17発 |
鶴岡 | ↓12:57発 | ↑15:53発 ↑15:23着 |
余目 | ↓13:09発 | ↑15:10発 |
酒田 | ↓13:20着 | ↑15:00発 |
予約はJR東日本の「えきねっと」を利用しよう
快速海里の予約には、えきねっとがオススメです。JR東日本が運営するネット予約サイトで、年会費無料です。オンラインで予約ができ、新幹線や在来線特急などの一部は「えきねっとトクだ値」で大幅な割引を受けることができます(※快速海里には「トクだ値」の設定はありません)。
JR東日本が運転する「乗って楽しい列車」は、こちらの一覧から予約することができます。
通常通りの、えきねっとの検索画面から検索し予約も可能。「新潟から酒田」で検索すると出てきます。
なお、えきねっとの検索では、1号車のリクライニングシートと2号車のコンパートメントは別列車として表示されます。特に、2号車のコンパートメントシートを予約したい場合、検索結果の2つ目に出てくる「快速海里(コンパートメント)」から予約する必要があるので注意しましょう。通常の「快速海里」からは、リクライニングシートの普通席(1号車)しか出てきません。
具体的にスクリーンショットも掲載しておきます。「えきねっと」の検索で、快速海里運行日を指定して「新潟→酒田」で検索した例です。
同じ時間の列車が2つあるのがお分かりいただけると思います。1つ目が1号車リクライニングシートの選択ができる列車、2つ目が2号車コンパートメントの予約ができる列車。もちろん同一列車ですが、予約に際しては別列車扱いにすることで、異なる設備を希望通り予約できるようにしていると思われます。同じ列車にしてしまうと、「A席希望」で「コンパートメントのA席」となってしまう可能性があるのだと思います。
えきねっとからでもコンパートメントの予約ができるのはかなり便利ですね。
食事券は「JR東日本国内ツアー」から
快速「海里」のテーマは「新潟・庄内の食と景観を楽しむ列車」。是非ともお食事も楽しみたいところです。
車内には車内販売もあるもののお弁当などのしっかりした食事は完全な事前予約制となっています。事前にオンラインで予約が可能です。
JR東日本の「びゅう」旅行商品から予約が可能です。3日前までの予約となっていますので、乗ることを決めたら早めに予約をしておきましょう。快速海里の下り(新潟→酒田)列車では「海里特製 加島屋御膳」が1,900円で、快速海里の上り(酒田→新潟)では「海里特製 庄内弁」が2,100円で(共に税込金額)予約できます。
以前、JR四国の観光列車「四国まんなか千年ものがたり」に乗車した際、JR東海の駅では食事券が予約できずがっかりした覚えがあります。が、最近ではこういった予約も直接オンラインで予約できるようになってきましたね。ありがたいです。
1号車・2号車は通常のJRきっぷとして発売、4号車は旅行商品専用
1号車と2号車はJRのきっぷとして発売されますが、4号車は旅行商品としての発売となります。
2022年4月以降、びゅう旅行商品の「乗って楽しい列車」の予約は全て、オンラインのみとなります。
4号車はダイニングとして、2号車のコンパートメントとは少し違った車両になっています。また、お弁当も豪華なものになります。
コメント
こんばんは、JR在来線特急のひたちについて検索して辿り着きました。
加賀谷、とご記載の件は「加島屋」(かしまや)だと思います。
新潟では、鮭や筋子などで有名なお店です。
お値段がはりますが、とてもおいしいのでぜひお食べになってみてください。
https://www.kashimaya.com/items/dtl100.aspx?p_cd=33100
ご指摘ありがとうございます。その通りです。記事を訂正させていただきました。
情報提供もありがとうございます!新潟には何度か足を運びましたが、まだ行ったことがありません。次に新潟に行く機会があれば是非、立ち寄らせていただこうと思います。