山形新幹線を走る「つばさ号」。東京から福島までは東北新幹線を走行、そして福島から山形を経由して新庄までは在来線との共用区間、いわゆる「ミニ新幹線」区間を走ります。この記事では、山形新幹線の割引きっぷや予約方法、そして車内の様子を写真を交えて徹底的に紹介します。
なお、2024年春のダイヤ改正で山形新幹線には新型車両E8系がデビューしました。E8系については実際に乗ってから、その様子を紹介したいと考えていますのでお待ちください。
予約は「えきねっと」で!割引きっぷも充実!
JR東日本はネット予約サイト「えきねっと」を運営しています。「えきねっと」では「新幹線eチケット」と呼ばれるきっぷがあります。端的にいうとチケットレスで新幹線に乗車できるサービス。これらを活用することで、割引きっぷも利用できます。
予定が決まっているならば「えきねっとトクだ値」がお得
予定が決まっているならば「えきねっとトクだ値」がお得です。山形新幹線では2022年4月現在、東京⇄山形間および東京⇄新庄間に「えきねっとトクだ値」が設定されています。また、普通車指定席に加えてグリーン車にも「えきねっとトクだ値」が設定されています。
普通車指定席 | 通常価格 | トクだ値1 (前日までの申込) | トクだ値14 (14日前までの申込) |
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東京⇄米沢 | 10,330円 | 9,800円 | 7,220円 |
東京⇄山形 | 11,250円 | 10,670円 | 7,860円 |
山形新幹線の普通車指定席については、当日1時までの申し込みで利用できる「トクだ値1」と、13日前まで申し込みできる「トクだ値14」があります。
グリーン車指定席 | 通常価格 | トクだ値14 (14日前までの申込) |
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東京⇄米沢 | 13,990円 | 9,780円 |
東京⇄山形 | 14,910円 | 10,420円 |
グリーン車指定席に関しては、13日前までの申し込みで利用できる「トクだ値14」の設定のみです。
「えきねっとトクだ値」に関しては、別の記事で予約方法なども徹底的に解説しました。利用方法などについても詳細に扱い、予約方法もスクショを用いて徹底的に解説しました。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
上の記事で解説しましたが、大幅割引になる上、直前に変更する必要に迫られた場合は通常のきっぷ(無割引)に手数料なく変更することもできて便利です。
週末に往復するなら「週末パス」も
別に隠されているわけでもないが、あまり知られていない技が「週末パス」。
こちらの記事で最初に紹介しています。JR東日本の代表的なフリーきっぷです。週末の2日間、JR東日本だけではなくそれに隣接する地方私鉄各社の路線を含めて乗り降り自由となります。ただし、前日までに購入する必要があるので注意が必要です。
山形新幹線については全線が「週末パス」のエリア内に含まれています。8,800円で広大なエリアが乗り降り自由。別途特急券を購入すれば新幹線・在来線特急にも乗車可能であることも大きな特徴です。
東京から山形までは、普通運賃で片道6,050円、往復12,100円となります。東京から山形を、週末に往復するだけで元が取れてしまう素晴らしいきっぷです。
JR東日本の株主優待を手に入れるのもOK
山形新幹線は全線にわたってJR東日本の管轄です。そのため、JR東日本の株主優待を利用することができます(北陸新幹線などでも利用できるものの、会社が別れるため株主優待の効力がかなり薄れます)。
JR東日本の株主優待は、運賃・特急券が共に4割引となります。グランクラスは割引対象外ですが、山形新幹線にはグランクラスがないのであまり関係ありません。株主優待は、金券ショップなどで手に入れることができます。時期により値段が異なりますが、安く手に入る場合は利用するのもいいでしょう。2022年4月の記事執筆段階でネットを見ると2,000円程度が相場のようです。
また、学生の場合は学校で発行される「学割証」が必要になりますが、学割を利用することもできます。新幹線の乗車券部分のみ、2割引となります。
2022年3月より自由席廃止 全席指定席に
山形新幹線のつばさ号は2022年3月のダイヤ改正と同時に全席指定席となりました。東北新幹線の盛岡以北および秋田新幹線と同様に特定特急券というきっぷが導入されました。
今後、山形新幹線は全席指定席で運転されることになります。福島駅まで併結する「やまびこ」号には自由席が設定されます。
山形新幹線つばさ号の全席指定席化
つばさ号は全席指定席となり、自由席はありません。これはE8系導入を見据えたものと思われます。
2022年3月までは自由席があり、自由席もそれなりに需要があったのですが増収を見込んで全席指定席化されました。これにより、7両の全席が指定席となりました。
今後、山形新幹線には秋田新幹線E6系をベースとしつつもカラーリングを大きく変えた「E8系」が導入されます。新幹線区間(東京〜福島)での最高速度は300km/hに引き上げられる予定です。
山形新幹線の混雑状況 座席はそれなりに埋まっている
山形新幹線を実際に利用していると、指定席はそれなりに座席が埋まっている印象です。特に週末の夕方や休日などは埋まりがちです。
自由席が設定されていた頃から座席はそれなりに埋まっていました。全席指定席化されて以降も、普通車指定席はそれなりに席が埋まります。東京から山形まででは窓側の座席が全て埋まることも珍しくなく、需要がそれなりにあることがわかります。
また、コロナ禍から需要は戻り切らないという予想のもと、JR東日本はE8系の導入本数を予定より減らしました。このような背景から、特に最繁忙期においては座席が予約しにくい現象が起こるのではないかと考えられます。
在来線区間のみは「特定特急券」が利用可能
全席指定席化に伴い、「特定特急券」「立席特急券」が設定されました。「特定特急券」は通常の自由席特急券とほぼ同じでありながら、一部違う箇所もあります。
特定特急券では、普通車の空席に座ることができます。ただし、全席指定席であるため、自分が座っている座席の指定席を持ったお客さんがやってきた場合、座席を譲らなくてはなりません(あくまで指定席を持っている人が優先です)。
値段は普通車自由席と同額に設定されています。しかし、特定特急券は在来線区間のみの設定。したがって、例えば「東京→山形」の新幹線自由席特急券に相当するものはなく、新幹線区間・在来線区間を直通する自由席特急券は実質的に廃止されたことになります。
在来線区間のみを利用する場合は、この特定特急券もうまく活用したいところです。
やや古いもののコンセントやWi-Fiも設置されたE3系
つばさ号に現在使用されているE3系新幹線は、元々は秋田新幹線で使われていたものを山形新幹線向けに導入したものです。
2024年春には、新型車両であるE8系がデビューしました。また乗車する機会があればレポートしたいと考えています。
車内にはWi-Fi・コンセントが設置
山形新幹線のE3系には、全ての窓側座席にコンセントが設置されています。今の時代、コンセントは必須ですね。E5系新幹線も一部車両には窓側しかコンセントが設置されていません。そんな中で窓側だけであっても全席にコンセントが設置されているのはいいところ。
また、JR東日本では全ての新幹線で車内Wi-Fiサービスを提供しています。無料でWi-Fiを利用することができます。ただし、山形新幹線については在来線区間で、携帯電話を含めてネットワークが使えない区間があります(特に米沢〜福島間)。新幹線の車内Wi-Fiサービスも原則、携帯電話のネットワークを使っているため山間区間では繋がらないこともあります。
やや古いもののそこそこ快適な座席
座席は古いものの快適な座席です。
車内の様子はこんな感じ。赤色を基調とした座席が配置されいてる号車もあれば、
黒色を基調とした座席が配置されている車内もあります。違いはすみません、よくわかりません。
色が違っても座席の機能は大して変わりません。
新幹線ではもはや当たり前、大きな背面テーブルがあります。九州新幹線800系くらいでしょうか、背面テーブルがないのは。
テーブルは新幹線にはよくあるパターンのテーブルですね。
JR東日本の、少し古い車両によくあるリクライニングボタン2つの座席です。最近のE5系新幹線などでは、背もたれのリクライニングと同時に座面もスライドするようになっているのでボタンは1つですね。
座席のリクライニングをするとこんな感じ。東北新幹線のE5系や東海道・山陽新幹線のN700・N700S系などと比べると背もたれは浅い気がします。
背もたれのリクライニングが浅い代わりに、座面がスライドするのであまり気になりません。座面はこれくらい、前に出てきます。
さらに、普通車に関してもフットレストが装備されています。
フットレストだけではなく、読書等まであります。東海道・山陽新幹線では、普通車にはフットレストや読書灯はありませんね。
さらに窓枠にはフックもあり、お土産などをかけておくこともできます。
車内設備も新幹線らしく清潔
車内には新幹線らしい設備があります。最新のE5系などと比べるとどうしても古さは感じさせるものの、十分な設備です。
大きな荷物を置くスペースがあります。東北方面の新幹線ということもあり、スキー板などを想定したと思われる薄くて縦長の荷物置き場もあります。
お手洗いはこんな感じ。洋式の便所になっています。ウォシュレットなどはありません。
洗面台は、JR東日本の新幹線・特急でよく採用されている3連続式のもの。左から順に石鹸、水、そしてハンドドライヤーまであります。このタイプは使いやすくて個人的には好き。
今回は山形新幹線の車両について紹介してきました。これ以外にも東北新幹線の車両などについても詳しく紹介していますので、あわせてご覧ください。
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