アメリカで急速に発達したアプリベースの配車サービス、いわゆる「ライドシェア」。最近では空港にも、タクシープールより配車サービス用のエリアが多く準備されるほどで、アメリカでのライドシェアは全国に広がっています。
2023年のアメリカ旅行で実際に、配車サービスを利用しました。2023年現在、アメリカの全土で展開している「Uber」と「Lyft」、この両方を実際に利用。この記事では①双方に共通する事項を説明した上で、②どちらが使いやすいかを解説し、③それぞれのアプリの使い方をスクリーンショットを用いて解説します。
なお、細かな仕様はアプリの更新などで変更されることがあるのでその都度確認してください。
UberとLyftの比較 どちらがいいか?
アメリカは日本と比べてかなり車中心の社会です。鉄道での移動というものがあまり浸透していません。そしてあらゆる業種でIT化が早い。そんなアメリカで発達したのがライドシェアサービスで、2023年現在、UberとLyftの2つのアプリが熾烈なシェア争いをしています。
安全性には十分配慮 タクシーより安全な場合も
ライドシェアサービスは日本では、法律などの問題であまり発達していません。タクシーと比べるとどうしても、安全性の面で劣るイメージがあります。
アプリの運営会社もそれは承知で、ここで紹介するUber・Lyftの2社はともに、安全対策には余念がありません。
アメリカを旅行した際、日本人がタクシーを利用するとボラれることがあります。特に空港に到着した日本人は長旅と時差ボケで疲れていることもあり、狙われやすいです。メーターを回すためにあえて遠回りされるという話はよく聞きます。クレジットカードを渡し、安易に暗証番号を入力してしまうと実は10倍近い金額を請求されていた、という事例もあります。
一方のライドシェアサービスは、乗車前にアプリを通してクレジットカードで料金を支払う仕組みになっています。つまり、乗車前に料金が決まり、ドライバーが道を間違えたりしたとしても予め決められた料金以上を支払う必要はないのです。
また、タクシーとは違い通常の緊急通報(911)に加え、アプリ会社への緊急通報なども利用できます。例えばUberでは、乗車中に身の危険を感じた際(ドライバーから暴力などを受けそうだと感じた場合など)は、緊急通話(Uberのスタッフと通話)、または緊急チャット(乗車中専用のホットラインで、ほぼ即時に対応)をアプリ内に組み込んでいます。Lyftでもほぼ同等の安全対策があります。
このように、アプリ会社もシェアを拡大するために必死に安全対策を講じています。また、ニューヨーク州などではタクシーと同様の許可がないとライドシェアのドライバーとして登録できないなど、法律面での安全対策も進んでいます。これらのソフト面での徹底的な対策の甲斐もあって、ライドシェアサービスで日本人が金銭面を含む被害を受ける事例はタクシーに比べて極めて少なくなっています。
それでも事件に巻き込まれそうな場合は、途中で自分で扉を開けて降りましょう。ライドシェア会社に対してはアプリを通して説明や払い戻しの依頼をすることができます。
配車サービスを使うメリットはたくさん!
ライドシェアを使うメリットは、僕が思うに
- 安全性の面でタクシーより優れる
- 英語でのやりとりがなく、確実である
- 支払いの手間がない
- 現在地がアプリで確認できる
- チップを考えなくて良い
- タクシーに比べてそもそも安い
以上で紹介したように、ライドシェアサービスはITを活用して積極的に安全性確保を推進しています。タクシーより安心して利用できるのです。
さらに、タクシーとは異なり、乗車後の英語でのやりとりが必要ありません。タクシーを利用した場合、乗車時に行き先のやり取りと、降車時に支払いでのやり取りが必要です。ライドシェアでは予め行き先を入力してから配車するため、アプリを通して行き先がドライバーに伝達されています。走行中はアプリで現在地を確認することができます。また、支払いもアプリ内で完結します。
また、チップは降車後にアプリを通して支払うことができる。特にチップ文化がない日本人にとって、現金でチップをやり取りするのは慣れないもの。それを考えなくて良いのはかなり大きいです。
さらに、そもそもの金額がタクシーに比べて安い。ライドシェアはいいことづくめです。
ライドシェアの乗り方
ライドシェアの乗り方は、この後紹介するUberとLyftの双方でほぼ同じです。大まかには、
- ①アプリで行き先を指定、配車依頼
まず、アプリで配車します。この時点でルートと金額が確定するので、クレジットカードにより支払いを行います。配車の画面については、UberとLyftそれぞれに分けて、スクリーンショットを用いて後ほど説明します。
- ②ドライバーとマッチングし、ドライバーの情報が表示される
マッチングが完了すると、ドライバーの情報と車の車種・ナンバーがアプリに表示されます。
- ③ドライバーが迎えに来る
ドライバーが迎えにきます。英語で名前を確認するのも発音などの心配がありますから、アプリに表示されたナンバーを確認するのが手っ取り早く確実だと思います。
日本のタクシーと違いドアは自動ではないので、自分で開けます。大きな荷物がある場合、自分でトランクを開けても問題ないようですが、僕はそこまで図々しいことはできないので指差して大きな荷物をアピールします。大抵のドライバーさんは出てきてトランクを開けてくださいます。
- ④車に乗る
車に乗ります。自動で扉は閉まらないので、自分の手で扉を閉めます。
- ⑤到着まで待つ
乗ったら到着まで待つだけです。アプリで現在地を確認することができます。緊急の場合はアプリから運営会社に連絡できるのでそこから連絡するか、さらに緊迫した場合は緊急通報911にかけましょう。
- ⑥到着後は支払いなどは必要なく、そのまま降りる
到着後は降りるだけです。既に①で支払いが済んでいるので、「Thank you」と言って降りればOK。降りた後、アプリでは評価欄とチップの選択が表示されます。チップは任意ですが、僕は特に何もなければ真ん中のものを選択します。
という流れです。英語でのやりとりは一切必要ないので、英語力に自信がなくても安心して利用できます。英語でのやりとりは、せいぜいドライバーが迎えにきてくれた時にアプリに表示された名前を確認すること、そして降りるときに「Thank you」というくらいです。
UberとLyftの違い どっちがいいのか?場合に応じて解説
アメリカで現在、圧倒的なシェアを誇るライドシェアはUberとLyftです。この2社を比較してみましょう。
サービス | Uber | Lyft |
---|---|---|
展開するエリア | 全世界で600都市以上 | アメリカで300都市以上 |
ピーク時の値上げ | 5倍以上になることも | 最大でも2倍程度 |
配車予約 | 30日前から | 7日前から |
日本語対応 | 有 | 無 |
単純比較するとこのようになっています。一見、Uberのほうが良さそうに見えますが、料金面では圧倒的にLyftの方が安い。
なお、ドライバーの方はUberとLyftの両方で待機していることが多いです。そのため、ドライバーの対応や配車のしやすさで大きな差が出ることは少ないようです。
したがって、UberとLyft、どちらがいいとは一概には言えませんが、全体的にはLyftの方が安い傾向にあります。「どちらか一方を選んで」と言われたら、英語がある程度できるのであればLyftを、英語がさっぱりわからないという人にはUberをオススメします。
一部地域では許可制も導入されているので安心
一部の地域では許可制が導入されています。ニューヨーク市でライドシェアを行う場合、ニューヨーク市の許可シールを貼り付ける必要があります。タクシーに近い基準を満たさなくてはドライバーになることができないため、安心して利用できます。
なお、アメリカにおいては法律面での整備が進んでいることから、都市によっては税金が必要になる場合もあります(数ドル程度)。さらに、JFK空港などではライドシェアを利用する際にサービス料金が必要です。
これらは原則、代金とともにクレジットカード経由で請求されるため、使う上ではあまり意識する必要はありません。
ライドシェアの先駆け Uber
2023年のアメリカ旅行にて、両方のアプリを実際に自分で利用しました。予約方法や乗車時の画面などを交えて紹介します。
まず初めにUberです。ライドシェアを最初に展開したのがUberであり、現在も全米で展開しています。
Uberの予約方法-日本語が使えるのが大きなメリット
日本人利用者にとってのUberの最大のメリットは、アプリにおいて日本語が使えること。後ほど紹介するLyftは英語のみです(ただ、高卒程度の英語力があればLyftを利用するにあたって苦を感じることはありません)。
ホーム画面から、行き先を入力します。
Uberでも(Lyftでも)車種を選ぶことができます。最もスタンダードなのはUber Xです。1人から利用でき、定員は原則、4人です。5人以上で利用する場合は、👤マークの横の人数が合うものを選択してください。
行き先を確定すると、ドライバーとのマッチングが行われます。場所にもよりますが、都市部や空港などでは10秒もしないうちにマッチングすることが多いです。本当にすぐに来ることが多いので、例えばホテルであればチェックアウトなどを終えてから呼ぶようにしましょう。
安全性の対策も抜群
Uberはライドシェアの先駆け的な存在です。ブラドイメージとしても「プロフェッショナル風に」という姿勢が見られ、安全対策にも余念がありません。
安全対策については、先に書いた安全対策の項目に加えて、Uber公式サイトの説明が次のリンクにあります。ご参照ください。
料金面ではやや割高か
Uberの最大のデメリットが料金面です。
料金面でデメリットがある、とはいうものの、タクシーよりはかなり割安です。タクシーの6割程度の金額で移動できるというイメージです。
また、ピーク時間帯は値段が上がります。僕も同じ区間を何度も利用したわけではないので、アプリで調べた上での体感になりますが5倍〜6倍程度まで跳ね上がることもあるようです。
次に紹介するLyftの方が後発であることもあってかやや割安となっています。
新興ライドシェアでありながらシェア拡大 Lyft
続いて紹介するのはLyftです。Uberより後発でありながら、価格面とフレンドリーさによって一気にシェアを伸ばしています。
Lyftの予約方法-アプリは英語
Lyftは2023年現在、アメリカとカナダのみでサービスを展開しています。アメリカとカナダは両方とも英語圏です。アプリは基本的に英語のみの対応となっています。
アプリが英語のみの対応ではあるものの、そこまで難しい表現は使われないので、正直なんとでもなります。英語が苦手でもわかるよう、ここからスクリーンショットを用いて解説していきます。
まずは行き先と車種などを指定します。都心部であれば+5ドル程度で、1分以内にピックアップしてもらえます。
乗車位置は、特に問題がなければ現在地のGPS情報から確認できます。Uberと同様、都心部であれば10秒もすればマッチングされ、すぐにドライバーが来てくださいます。
特に都心部ではすぐにドライバーさんが来てくださるので、準備しておきましょう(ホテルの場合、場所にもよりますが最初の画面で表示された時間よりは早いことがほとんどなのでチェックアウトまで済ませてからの方が良い)。
ドライバーの情報が表示されるので、車種とナンバーなどを確認して乗車します。ナンバーを確認するのが、英語でのやりとりに自信がなくても確実なのでオススメです。
フレンドリーなドライバーが多い
Lyftのブランドイメージは「フレンドリーに」なので、フレンドリーなドライバーさんが多い。らしいです。
が、現実にはUberとLyftの両方のアプリで待機しており、同時に依頼が来たら条件がいい方で受けるドライバーさんが多いようです。そのため、UberとLyftではドライバーさんの質に大きな違いは見られません。
Lyftの方が後発ですが、Uberと同程度のクオリティと考えて差し支えないでしょう。
安全性はUberに負けじと対策済み
Lyftもさまざまな安全対策を講じています。基本的な安全対策は、最初に説明したUber・Lyft共通項目に書いた通りです。
Lyft公式サイトの安全対策に関する説明は次のサイトに掲載されているので、気になる方はご覧ください。
Lyftは基本、英語のみでのサポートなので、そこがやはり、Uberと比べて難点だと言えそうです。
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