日本国内線をはじめ、現在では近距離国際線も運航するPeach。格安航空LCCであり、セールなども頻繁に実施しているため、安く乗ることができるのが大きな魅力です。
この記事では、Peachに実際に搭乗してその乗り方や注意点、そして機内の座席をはじめとした設備を紹介。使い方によってはかなり安く使える、けれども使い方を間違えれば逆に高くなる。
そんなPeachについて今回は徹底的に解説します。
実際に記事を作成するために搭乗した、日本国内線最長路線であるMM271便 札幌・新千歳→沖縄・那覇の直行便に関する記事はこちらから。
国内初・最大のLCC Peachの乗り方
Peachは格安航空です。乗り方をしっかり知っておかないと、いろいろなところで「手数料」だの、そもそも乗れないだの、問題が発生します。
搭乗手続きは空港自動チェックイン機またはスマートフォン
Peachでは搭乗手続きが必要です。ANAが過去に行っていた「スキップサービス」やJALの「タッチ&ゴー」のようなシステムはありません。必ず、何かしらの方法でチェックインをする必要があります。チェックインは、
- 日本国内線:出発予定時刻の90分前~30分前まで
- 国際線:出発予定時刻の120分前~50分前まで
となっています。なお、航空会社の都合で今後、変更されることがあります(実際、ANAとJALはともに数年前まで「15分前」だったものを、ほぼ同時期に「20分前」に変更しました)。メールなどで添付されてきた最新の情報を確認の上、空港へ向かうようにしましょう。
チェックインは主に、次の3つの方法があります。
- 自動チェックイン機を用いたチェックイン
- スマートフォンのアプリを用いたチェックイン
- チェックインカウンターでのチェックイン
LCCですから、主に最初の2つを使うことになります。有人チェックインカウンターは少なく、車いす利用の方など、特別なお手伝いが必要な方のためのカウンターだと考えてください。個人的には、現在はすべての空港で利用できるようになったアプリでのオンラインチェックイン(後ほど詳説)が便利でオススメです。
チェックイン機は行き先ごとに列が分かれている場合がほとんどなので、チェックイン機で並んでいて間に合わなかった、ということはあまりまいはずです。
チェックイン後、保安検査場へと向かいます。フルサービスキャリア(ANAやJALなど、LCCではない航空会社)とは異なり、保安検査場の段階で航空券をスキャンしたりはしません。搭乗券を所持していることを、目視で確認されるだけです。
アプリでのチェックインは並ぶ必要がなく快適
Peachでは、スマートフォンでのチェックインが可能です。過去には一部空港でのみ、利用可能でしたが、2023年現在、すべての空港を出発する国内線でオンラインでのチェックインが可能になっています。
スマートフォンの画面のスクリーンショット(2023年5月段階のiOS;iPhoneの画面)を掲載しておきますが、今後、仕様が変わる可能性もありますので、画面に従って操作をしてください。
①手続きする便の搭乗手続きを開始します。なお、位置情報が空港からあまりに離れている場合、チェックインできません。
②Peachに限らず全国航空会社で確認される、手荷物についての注意事項です。
③最終確認。今回チェックインする便の情報を確認します。
④手荷物の預け入れや搭乗口での手続きの時間を確認します。
⑤手続きが完了しました。荷物を預けない場合、このまま保安検査場へと向かいます。
⑥そのまま搭乗口へと向かいます。搭乗口ではスマホのQRコードをかざせばOKです。
Peachのアプリでオンラインチェックインができない場合、以下の原因が考えられます。
- 空港から離れている
- 空港内でチェックインする必要があります。
- アプリは位置情報を確認した上でチェックインしているため、自宅などでは不可です。
- 5人以上の旅程である
- アプリでのチェックインは4人までです。
- 5人以上の場合、自動チェックイン機を利用する必要があります。
- スマートフォンでの搭乗手続き時刻を過ぎている
- スマートフォンでの搭乗手続きが可能なのは出発予定時刻90分前~50分前です。
- 空港の自動チェックイン機はそれより長い、30分前までです。50分前に間に合わなかった場合、自動チェックイン機を使用しましょう。
詳しい最新情報はPeachの公式サイトもご覧ください。
キャンペーンも頻発!Peachを活用してうまく旅しよう
Peachでは頻繁にキャンペーンを開催しています。
LCCのセール運賃はとても安く、500円を切ることもあります。ただし、運賃がいくら安くても支払い手数料や空港施設使用料などが別途必要になってくるため、大空港発着の場合は+1,000円〜1,500円程度の追加料金は見ておくべきです。
Peachの場合、セールに法則性はないのでいつ、行われるかは不明ですが、概ね1ヶ月に1回程度はセールが開催されています。ANAやJALなどのフルサービスキャリアに比べると破格のキャンペーンが圧倒的に多く、値段も驚くような値段になります。
Peachのメールマガジンに登録する、あるいは定期的に運賃をチェックしておくなど、常に情報をキャッチしながらキャンペーン運賃を狙ってみると良いでしょう。
Peachに乗る際の注意 必要な料金などについても解説
続いては、Peachに乗る際の注意事項についてまとめていきます。
Peachには主に3種類の運賃がある 自分の目的と用途に合わせて選ぼう
Peachには現在、主に3種類の運賃があります。「シンプルピーチ」「バリューピーチ」「プライムピーチ」です。
運賃種別 | シンプルピーチ | バリューピーチ | プライムピーチ |
---|---|---|---|
機内持込荷物(7.0kg) | 無料 | 無料 | 無料 |
預け手荷物 | 有料 | 1個 無料 | 2個 無料 |
座席指定 | 有料 | 〇 プレジャーシート スタンダードシート 無料 | ◎ スマートシート プレジャーシート スタンダードシート 無料 |
予約変更 | 有料*1 | 無料*2 | 無料*2 |
払い戻し ※Peachポイント | × 払い戻し不可 | 〇 取消手数料あり | ◎ 取消手数料無し |
購入期限 | 搭乗日2日前まで | 出発時刻の1時間前まで | 出発時刻の1時間前まで |
最も安価なのが「シンプルピーチ」で、“移動するだけ”のプランになっています。次に安いのが「バリューピーチ」。こちらは手荷物も1つ無料で、前方などでなければ無料で座席指定ができます。ANAやJALなどの割引運賃に近いと考えてください。最後に最も高額なのが「プライムピーチ」。変更手数料などが無料で、帰宅便がわからない場合にオススメです。ただし、プライムピーチともなってくるとJALやANA、スカイマークなどの運賃を使ったほうが安いことも。Peachの就航路線がどうしても使いたい時(Peachしか運航されていない、Peachが他社に比べて圧倒的に多いなど)にしかオススメできません。
なお、Peachの運賃一覧表(PDF)はこちらからご確認いただけます。
https://www.flypeach.com/application/files/6516/5268/4632/20220607.pdf
LCCの運賃は変動幅が非常に大きいため、この運賃表はあまり参考にならず、自分が希望する日程でPeachのWEBサイトから確認するしかありません。
運賃以外にも必要な費用があるので注意
LCCでは、運賃以外にも必要な費用があります。
- 支払い手数料
- 座席指定料金
- 手荷物受託手数料
特に支払い手数料は、航空券購入のために支払う際に必ず必要となってきます。LCC税とも言われており、必ず支払うことになります。
座席指定料金と手荷物受託手数料は、必要な場合にのみ支払います。座席指定料金を支払わない場合、座席は完全にランダムで割り当てられます。特に知人同士の旅の場合でも、座席が離れることがあるので、ひとり旅でなければ座席指定料金は必要費用の1つだと考えてください。
受託手荷物は飛行機に預け入れする荷物のことで、刃物などの機内持ち込み不可のものを持っていく場合、必須になります(預け入れしない場合、保安検査場で回収され、処分となります)。機内持ち込み可能な手荷物は7.0kgまでで、新千歳空港など乗客の多い空港ではしっかり重量確認が行われています。
支払い手数料は、
- クレジットカード各種・d払い/PayPay/LINEPay;640円
- コンビニ/ATM/インターネットバンキング;690円
となっています。繰り返しになりますが、購入する以上、必ず必要な費用です。
最近では手荷物の重量確認も一部の空港で厳格化。よっぽど旅に慣れていなければ、受託手荷物料金はあらかじめ払っておくのが無難です(リュックサック1つで7.0kgを超える可能性もあります)。受託手荷物の預け入れ料金は、
航空券予約時に追加<搭乗前にオンラインで追加<空港で追加
の順に、手荷物預け入れ料金にも差があります。これは旅に慣れた僕でもいつも、頭を悩ませるところです。
払い戻しができない、変更不可など用途に合わせて選ぼう
Peachにおける3つの運賃体系について解説してきました。それぞれに制限があります。最も安いのはシンプルピーチです。しかし、受託手荷物などに制限がある。
従って使い分けが必要になってきます。僕の場合の目安ですが、
- 相手方とのミーティングなど、時間変更の可能性がある帰宅便→プライムピーチ(この場合はPeachにこだわらずANAやJALを使う方が圧倒的に良い)
- 1週間程度を超える、周遊型ではない旅行で荷物がそれなりにある・知人との旅行→バリューピーチ
- 1人弾丸旅で、リュック1つで旅行する→シンプルピーチ
と使い分けています。
Peachポイントはマイレージとは違う
PeachにはPeachポイントと呼ばれるポイントサービスがあります。ただしこれは、マイレージとは異なります。搭乗によってポイントはたまりません。Peach便の払い戻しの際に払い戻し額相当のPeachポイントが付与され、次回の支払いに使えるものになります。
また現在、ANAマイレージとの交換が可能ですがANAマイル→Peachポイントの交換のみで、PeachポイントをANAマイルに変えることはできません。
Peachポイントの特性から、Peachポイント→ANAマイルの交換は解禁されないと思います。それができれば変更の可能性のある旅程の時にもう少し、Peachを使うのに…と思ったりしつつ、今はJALに流れつつあるのが僕の現状です。
Peachが運航するA320neoの機内を徹底紹介!
最後に、Peachが運行するA320neoの機内の様子を徹底的に紹介していきます。今までにPeachのA320とA320neoの2機種に乗ってきましたが、どちらも機内の設備はほぼ同じと考えて問題ないでしょう。
Peachが運航する機材の座席表(シートマップ)はPeach公式サイトをご覧ください。
Peachが運航するのは全てA320 座席間隔はあまり広くはない
Peachは現在、3種類の機材を運航していますが、シートピッチや座席設備などに差異はありません。機体の運用効率を上げるため、あえてほぼ同じ装備になっています。
機内の様子です。日本の航空会社なので、清潔感はある。格安航空とはいえ安心感があります。
座席の様子です。こうやって横から見るとやはり、座席間隔がかなり狭いことがお分かりいただけるでしょうか。
膝が前の座席につくこともあります。が、足が入らないということは当然なく、国際線の超長距離でなければ我慢できます。
座席設備 テーブルはあるがあまり広くはない Wi-Fi経由でエンタメも
座席の設備を紹介していきます。
各座席にはテーブルが備え付けられています。
座席間隔が狭いため、テーブルも自然と小さくなります。
11インチのiPad Air4を広げた様子です。普通のサイズのiPadでこのレベルですから、やっぱりやや小さいことがお分かりいただけるでしょう。
Peachの機内にはWi-Fiがありますが、インターネットに接続はできません。SNSなどでのやり取りはできません。機内のWi-Fiを経由して機内販売やフライトマップ、エンタメ(バラエティ番組など)を楽しむことができます。
お手洗いは広くはないが清潔
最後にお手洗いの様子です。ここもLCCとはいえ日本の航空会社の安心感が圧倒的に出るところ。狭いには狭いのですが、とても綺麗に保たれています。ここで紹介する写真は、片道4時間の日本国内線最長路線である、札幌・新千歳→沖縄・那覇のフライトを利用した際、到着直前に撮影したものです。
かなり綺麗に保たれていることがお分かりいただけるでしょうか。
洗面台も簡単なものですが、お湯が出るタイプの洗面台が用意されています。
今回の記事では、Peachのサービスや座席などについて徹底的に解説してきました。これ以外にも何か質問があれば、コメント欄にご記入ください。記事の内容として追加させていただきます。
実際にPeachの国内線最長路線である、札幌・千歳→沖縄・那覇の便に搭乗してきました。そのレビューはこちらから。
2024年12月4日からは大阪・関西〜シンガポール路線を開設すると発表しています。今後、東南アジア路線も拡大していくとのことで、期待が膨らみます。
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