ANAの国内線向けB787-10[78K]の運航路線や機内・座席の様子を詳しく紹介

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ANAが国内主要路線用に導入したB787-10。普通席の機内は全席にモニターが配置されるなど、快適な機内空間が提供されています。

本記事では、「ANAのB787-10の座席設備は何がある?」「電源やWi-Fiはどれくらいしっかり使える?」などといった疑問に答えます。さらにB787-10に乗ることができる路線や見分け方なども解説。年間50回以上飛行機に乗る私が、自らの経験を元に詳しく解説します。

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国内線に投入されたANA B787-10の機内・座席を詳しく解説

ここからはANAの国内線に投入されたB787-10の機内の様子を詳しく紹介します。プレミアムクラスが28席、普通席が401席の合計429席あり、B777に代わるANAの次世代フラッグシップです。

ANAのB787-10[78K]の投入路線
ANAのB787-10 福岡空港にて

ここからはANAが導入しているB787-10の機内の様子を詳しく紹介します。なお、写真は同一のシートが導入されているB787-9(78G)B777-200(722)に搭乗した際の写真を含みます。

ANA B787-10 普通席はトヨタ紡織と共同開発の快適なシート

普通席には、B777-200の更新時に開発された最新の薄型シートが使用されています。トヨタ紡織と共同開発したシートで、座席の背もたれフレームを大幅に改善。座った人の背骨にかかる力が分散するような形状へと変更されています。また、座面の高さも従来と比べて低くなっています。これにより、座席に座った時のフィット感が大幅に向上しています。

ANA B787-10 座席の様子(普通席)を詳しく紹介!
機内の様子

座席は古い機材(B777-200ERなど)と比べて、かなり薄型になっています。シート自体が薄くなっているため、足元の広さがかなりあります。

ANA B787-10 普通席の座席の様子を詳しく紹介!
座席は1つづつデザインが異なるのが印象的

座席の様子です。座席は1つ1つデザインが異なるのが特徴です。座席自体は紺色に近いカラーリングで揃えられており、落ち着きがあります。

ANA B787-10 座席の様子(普通席)を詳しく紹介!
薄型のシートを採用

B787-10が主に置き換えることになる777-200ERは、405席(プレミアムクラスが21席、普通席が384席)となっています。B787-10ではプレミアムクラスが28席と7席増え、普通席も401席と17席増えています。また、B787-10の機体の軽量化などにより約25%ほど燃費改善されるとのこと。

ANAのB787-10は、普通席でも全席にシートモニターを完備

そして最大の特徴が、全席に大きなシートモニターを完備していること。13.3インチのタッチパネル式パーソナルモニターを備えています。座席モニターでは機外カメラも楽しむことができます(B787-9にはない機能)。

ANA B787-10 座席の様子(普通席)を詳しく紹介!
シートモニター

過去に紹介した新仕様のB777-200に採用された11.6インチのシートモニターからさらに拡大されて、13.3インチとなっています。B777-200新仕様のシートモニターと比べて、モニターのエッジがかなり狭まっています。

ANA B787-10 普通席の座席の様子を詳しく紹介!
普通席のテーブル

各座席にはテーブルが備え付けられています。国内線では座席の間隔が狭いため、手前の部分に切り込みが入れられています。パソコンなどを置こうとすると、場合によってはこの切り込みが…となることも。

ANA B787-10 普通席の座席の様子を詳しく紹介!
ドリンクホルダーの形状も変更されている

さらに、ドリンクホルダーの形状も変更されています。「クローバー型として、紙コップを出し入れしやすいような形状に変更した」(ANA公式サイトなどより)とのこと。このような細かい配慮がされています。

ANAのB787-10 プレミアムクラスの様子

プレミアムクラスにおいては、Safran Seats US社製のシートが採用されています。普通席とは異なりグレーに統一された機内空間で、とても落ち着きがあります。

ANAのB787-10 プレミアムクラスの様子
プレミアムクラスの座席の様子

プレミアムクラスは2+2+2の横6列の配列の合計28席。座席幅は約127センチと、広々と確保されています。2人がけの座席の間にはパーテーションが設置されており、知らない人が隣にいる場合でもプライバシーが保たれます。

ANAのB787-10 プレミアムクラスの様子
黒をベースとした落ち着いた座席

リクライニングにも電動リクライニングが採用され、座面はもちろんのこと床のカーペットを含めてブラウンの配色で統一。「カラーリングなどのデザインは、国際線の幹線に導入しているB777-300ERのTHE Roomと統一感をもたせた」(ANA広報)とのこと。ただ、国内線向け機材とあってフルフラットにはならないなど、国際線ビジネスクラスとは異なる部分もあります。

ANAのB787-10 プレミアムクラスの様子
プレミアムクラスの様子

また、各座席には大型のシートモニターも完備されています。15.6インチのタッチパネル式パーソナルモニターと、普通席よりさらに大型のモニターが完備されています。

普通席でも全席にUSB電源&コンセントを完備

今回紹介しているB787-10では、全席にコンセントとUSB電源が完備されています。100Vのユニバーサルタイプ(海外のコンセントプラグにも対応したコンセント)が設置されており、スマートフォン・パソコン等を充電できます。

普通席でも全席にUSB電源&コンセントを完備
モニター下にあるUSB電源

各座席のシート下部にはUSB電源が完備されています。USBの電源ケーブルから直接、スマートフォンを充電することができます。

普通席でも全席にUSB電源&コンセントを完備
PC電源

また、PCにも対応した100Vの電源が付いています。国内線という短距離路線だからこそ、急速充電対応100VのACアダプターを使用することでスマートフォンを急速充電できるのは、個人的にはかなりありがたい。

ANA国内線の機内ではWi-Fiも利用可能

ANAの国内線では、プロペラ機を除いてWi-Fiに接続することができます。ANA国内線ではWi-Fiサービスは無料で提供されています。

ANAのWi-Fiサービスについては、こちらの記事でも詳しく紹介しています。国内線では無料で、Wi-Fiを利用できます。

ANA国内線の機内ではWi-Fiも利用可能
Wi-Fiへの接続画面

B777などの比較的古い機材では、Wi-Fi機器を後付けで増設しました。また、サービス開始当初は国内線でも有料であったため、ほぼ全員が接続できるような帯域はありませんでした。

ANAが最近導入している機材ではもともと無料での利用を想定しているため、帯域も広げられているように感じます。衛星を介しての通信のため速度は期待できませんが、かなり接続は良くなっているように感じます。

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最新鋭の機材で機内設備も充実

B787はボーイングが現在、製造している最新の機材です。ANAがローンチカスタマー(最初の導入会社)となったほか、JALも開発段階から関わるなど、最新鋭でかつ日本人にも使いやすい機材になっています。

機内の静粛性も向上したB787-10が次期フラッグシップへ

B787の大きな特徴は、「燃費の向上」「機内空間の快適性向上」です。B787では過去の機材と比べて、座席のシート設備はもちろん、騒音・機内の気圧・機内の湿度などあらゆる面で快適性が向上しています。

機内の静粛性も向上したB787-10が次期フラッグシップへ
機体の右側後方にBOEING 787-10の文字が

他の機材(特に古い機材)と比べると機内はかなり静か。国際線長距離路線に搭乗するとより感じるのですが、湿度が高く保たれているため喉や肌への負担が低い。

このように、見えないところでも大幅に改善しているのが、このB787という機材です。

トイレにはウォシュレット(温水洗浄便座)を採用

B787では飛行機のトイレとしては初めて、ウォシュレットが採用されました。ウォシュレットの完備を提案したのは、開発段階から関わっていたJAL(日本航空)とのことですが、このウォシュレットはANAのB787でも完備されています。

トイレにはウォシュレット(温水洗浄便座)を採用
ANAのB787のお手洗い

機内のお手洗いは清潔。ちょっと不思議な形をした便座が印象的ですが、最近のボーイングの機材はどの機材に乗ってもこの形です。

トイレにはウォシュレット(温水洗浄便座)を採用
ウォシュレットも完備

ウォシュレットが完備されているのは、日本人としてはとてもありがたい。地上のお手洗いほど機能はありませんが、ウォシュレットがあるだけでかなり快適です。

B787-10の窓のシェードは電気シェード

B787の大きな特徴として、電気式のシェードが採用されていることが挙げられます。ボタンで操作するシェードです。

B787-10の窓のシェードは電気シェード
ボタンで操作する

ボタンの上半分、白色の部分を押すと窓が透明に、下半分、灰色の部分を押すと窓が暗くなります。いくつか段階があり、眩しさによって調整可能です。

B787-10の窓のシェードは電気シェード
少し暗くなった様子

この電気式シェードのありがたみを最も感じるのは国際線。国際線では睡眠をとる時間帯に、客室乗務員の方が一括で暗くしてくれます。わざわざ「シェードを閉めてください」といって起こされないのがありがたい。

逆に国内線では電気式シェードは、眩しさを調整できることくらいしかメリットがありません。電気式シェード採用によって機体が軽くなり、燃費が向上しているというメリットが最大のメリットだと思われます。

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ANAのB787-10は「78K」として国内の幹線で運航

ANAはB777の後継機種としてB787-10を導入します。2024年3月27日に初号機JA981Aが、NH59便として東京・羽田(10:00)から札幌・新千歳(11:35)のフライトでデビューしました。今後はB777-200ERから順次、置き換えていくことになります。

ANAのB787-10[78K]の投入路線

B787-10はANAにおける次期主力機材として幹線に投入されています。2024年現在、B777-300などが投入されていた路線の置き換えとして、ANAのB787-10は次の路線を中心に投入されています。

  • 東京・羽田〜沖縄・那覇、新千歳、福岡、大阪・伊丹
  • 大阪・伊丹〜沖縄・那覇

東京・羽田発着路線および大阪伊丹〜沖縄那覇という幹線に投入されています。これらの路線はB787-10投入以前にはB777などが投入されていた路線です。

国内線に投入されたANA B787-10の機内を詳しく解説
国内線の幹線で使われるB787-10 福岡空港にて、スターフライヤーの機内から撮影

また、2024年9月の初めには、名古屋・中部〜札幌・千歳路線にB787-10が投入されています。これに伴い、送り込みとして前日に東京・羽田〜名古屋・中部路線にB787-10が投入されています。修学旅行などの団体利用がある際、B787-10が使用されることがあります。

ANAのB787-10[78K]の投入路線
羽田空港に駐機中のB787-10

ANAはB787-10を、国内線のフラッグシップとしてB777を置き換える目的で投入していることから、今後もこれらの路線を中心に運用されることになると考えられます。過去にB777が投入されたことのある路線として考えれば、繁忙期の石垣路線などに投入される可能性が考えられます。

ANAの予約Webサイトで「78K」と記載された機材がB787-10

B787-10が運用される路線は、ANAのWEBサイトから確認することができます。ANAの公式サイトから空席照会をした際、「78K」と表示されるのが、B787-10が運用される機材です。

ボーイング787-10(78K) | 空港・機内で [国内線] | ANA
【ANA公式サイト】ボーイング787-10(78K)。国内線の空港・機内でのサービスに関する情報はこちらから。国内旅行のお役に立つ情報が満載。旅の計画・準備はANAのホームページで。

ANAが国内線で運用する国内線用B787-10の座席表については、ANAの公式サイトにも掲載されれています。B787-10の機体の全長は68.3mと、B787-9より約5m長くなっています。

ANAの予約Webサイトで「78K」と記載された機材がB787-10
B787-10 福岡空港にて撮影

悪天候の際など、稀に国際線向けのB787-10が投入されることもあります。その場合は「781」と表示されることになります。国際線向けのB787-10はビジネスクラスが多く、総座席数も294席と少ないため、国内線向けB787-10の代替というよりはもう少し小さい機材の代替として使われることがあります。

今後機材数は11機まで増備予定 国内線向けB777-200ERを置き換えへ

ANAは今後、B787-10を11機まで増備する予定としています。現在、国内線に残っているB777-200ERを置き換えていくことになります。

B777-200ERは国際線向けのB777として初期に導入されたもので、2013年以降に国内線仕様に改修、Extra Range(長距離仕様)機材でありながら、国内線に活躍の場を移していました。これらが今後、B787-10に置き換えられることで、サービスアップが行われます。

最初から国内線向けに導入されたB777-200(非ER機)については、既にリニューアル工事が行われてB722として快適な機内になっています。

今後機材数は11機まで増備予定 国内線向けB777を置き換えへ
福岡空港にて撮影

なお、ANAでは787-10の国際線仕様機材(ビジネスクラス・プレミアムエコノミークラス・エコノミークラスの3クラス・294席)を3機導入済みで、2019年4月26日に就航しています。

また、ANAはB777の次世代機「B777X」シリーズの大型機材B777-9を18機導入予定です。このB777-9は現行のB777-300ERまたはそれ以上に相当するサイズで、国際線に投入されます。

僕自身は、大阪万博前に新機材を投入、大阪万博後に古い機材を退役、となるのではないかと予想しています。

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