EU加盟国(アイルランド、キプロスを除く)、アイスランド、ノルウェー、スイス、リヒテンシュタインの29カ国が加盟するシェンゲン圏。小さな国が集まったヨーロッパを効率よく周遊することができます。
この記事では、シェンゲン圏内路線を使う際に気になる出入国審査の取り扱いや、乗る際の注意点について解説します。
シェンゲン圏内は出入国審査なしで移動可能
シェンゲン協定はヨーロッパの国々が集まって形成している協定です。小さな国の多いヨーロッパにおいて、国境を越える際にパスポートの確認なしで国境を越えることができ、ビザも統一する協定です。
シェンゲン圏への国際線を利用する場合、入国審査は最初の空港などで実施
シェンゲン圏ではパスポートなどのルール上、「1つの国」のような感覚で扱われます。乗り継ぎの場合でも、入国審査は到着地で行われます。
例えば、日本からフランクフルト経由でオーストリア・ウィーンへと向かう場合、フランクフルト空港にて入国審査が行われます。フランクフルト〜ウィーンの路線は国内線のような扱いで、パスポートの提示なく利用できます。
ただし税関審査は最終目的地の空港で行われます。これにより、乗り継ぎ空港で手荷物を受け取る必要がないように配慮されています。先ほどの「日本→フランクフルト→ウィーン」の例を再度出して解説すると、
- 入国審査はドイツ・フランクフルト
- 税関審査はオーストリア・ウィーン
となります。日本では入国する空港で一旦、手荷物を受け取って税関審査を受けなくてはならないですが、シェンゲン圏では入域する空港で手荷物を受け取る必要がない(もっというと、手荷物ベルトに荷物は出てこない)ので注意が必要です。
手荷物をどの空港で受け取るかは、出発空港でチェックイン時に言ってくれることがほとんどです。不安であればチェックインカウンターのスタッフさんに確認しましょう。
シェンゲン圏内はLCCに加えて鉄道なども充実
今回の記事では、シェンゲン圏内路線について詳しく紹介しています。ヨーロッパエリアでは各都市間の交流が盛んで、飛行機路線も多く飛んでいます。エールフランスが拠点とするパリ・シャルルドゴール国際空港や、ルフトハンザが拠点とするフランクフルト空港などで乗り継ぐ需要も多くあります。
ルフトハンザドイツ航空のドイツ国内線につては、こちらの記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
加えてヨーロッパはLCC大国であり、格安航空会社が数多くあります。LCCは手荷物や座席など制限は多いですが、安く移動できることもあります。
シェンゲン圏加盟国
2024年6月現在、シェンゲン協定への改名国は次のとおりです。これらの国は国境を越える際にパスポートの確認などがありません。
オーストリア、ベルギー、チェコ、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイスランド、イタリア、ラトビア、リヒテンシュタイン、リトアニア、ルクセンブルグ、マルタ、オランダ、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、スロバキア、スロベニア、スペイン、クロアチア、スウェーデン、スイス
シェンゲン協定加盟国は今後、変わる可能性がありますので、最新情報は必ずご自身でご確認ください。また、空路で入国の場合と陸路で入国の場合で審査の有無が異なることもあります。
シェンゲン圏内路線の利用で注意すべきことは?
続いては、シェンゲン圏内路線の利用で注意するべきことを詳しく解説します。飛行機での移動は便利ですが、注意しないと場合によっては計画変更を余儀なくされることもあります。
乗り継ぎの時間は余裕を持って計画しよう
シェンゲン圏には都市が多く、直行便がない場合もあります。その場合、パリやフランクフルトなどといった主要空港で乗り継いで利用することになります。
飛行機は遅延することもあります。特にLCCについては、遅延が当たり前だと思って計画を立てないと大変なことになります。乗り継ぎで利用する場合、時間にはかなりの余裕を持って予約するようにしましょう。
実際僕自身も、乗り継ぎがうまくいかずに大変な思いをしました。日本の航空会社は、特に国内線においてはフレックスに対応してくれます。しかしヨーロッパは違う。ルフトハンザのハンブルク空港マネージャーには嘘を言われてチケットを再度買わされたこともあるくらい。
空港には早めに到着しよう
ヨーロッパのシェンゲン圏内路線を利用する場合、空港には早めに到着しておくことを強くオススメします。日本では出発20分前がチェックイン・保安検査締め切りですが、ヨーロッパでは概ね60分前に締め切りとなります。
会社によって締め切り時刻は異なるため必ずご自身で確認していただく必要がありますが、例えばルフトハンザでは60分前に締め切りとなります。
この時間までに空港でチェックインを済ませなくてはなりません。日本の国内線とは感覚が違うので、必ず調べてから使用するようにしてください。
過去180日以内の滞在日数に注意
シェンゲン協定加盟国では、滞在ビザが統一されています。日本のパスポートを所持している場合のビザなし訪問期間は、「あらゆる180日の期間内で最大90日間」となっています。
つまり、10日間の滞在をした後に一旦帰国し、180日以内に再度、シェンゲン圏に入国する場合は再度1日からではないので注意が必要です。
概ね半年以内に長期間の旅行を再度する場合、注意が必要です。
シェンゲン圏内路線を利用する際の注意
続いては、シェンゲン圏内の航空路線を利用する場合の注意点について解説します。国内線と似た感覚で利用できますが、いくつか注意が必要です。
パスポートの提示はないが所持しておく必要あり
シェンゲン圏内の航空路線を使用する場合や、国境を越える場合、出入国審査(パスポート・コントロール)はありません。しかし、パスポートは必ず所持しておく必要があります。場合によってはパスポートの提示を求められるほか、チェックイン時に必要になることもあります。
パスポートの提示が求められないだけで、パスポートの所持は必要です。間違っても、預け入れ手荷物にパスポートを入れてしまったりすることがないよう、注意しましょう。
国内線と同じ感覚で利用できるが、空港は広いので注意
先ほども「時間に余裕を持っておくことが必要である」と説明しました。ヨーロッパはアメリカほどではないものの、飛行機大国。中にはかなり広い空港もあります。
実際にフランクフルト空港を利用した際、ゲートまではかなり時間がかかりました。フランクフルト空港のターミナル1などはシェンゲン圏内路線・シェンゲン圏外国際線ともに同じターミナルから出発するため、早めの行動が必要です。
シェンゲン圏では出国審査もある
アメリカやイギリスなど、一部の国では出国審査がありません。しかし、シェンゲン圏では出国審査があります。出国審査があるのは日本と同じですが、自動化ゲートは使えません。
シェンゲン圏では出国審査があり、特に日本人を含む外国人は自動化ゲートが使えないため待つこともあります。出発の場合でも時間に余裕を持ってゲートへと向かうことが重要です。
過去にアメリカ国内線の乗り方解説記事を作成し、ご好評をいただいたため今回の記事を作成しました。アメリカ国内線についての記事もあわせて参考にしてください。
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